柳沢由実子のレビュー一覧

  • ファイアーウォール 上

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    ヴァランダー刑事、第八弾。十代の女性二人がタクシー運転手を強盗。まったく反省せず母親を殴った少女の態度に、思わずヴァランダーが平手打ちをした場面が新聞に掲載される。上司や同僚からも疑われ、孤独感を募らせるヴァランダー。

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    2013年09月23日
  • 白い雌ライオン

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    ネタバレ

    今回は政治小説だ。
    スェーデンのことが理解できていないのか、
    ヨーロッパのことを理解できていないのか、
    もう一つの舞台、南アフリカとの距離感がつかめない。
    (地理的物理的な距離感ではなく、文化的社会的距離感)

    人や情報のの移動量の問題なのかもしれないが、
    たとえば、日本とアメリカは物理的距離は遠いが、
    文化的には比較的近い。

    南アフリカは、一刑事が人を逃がしてやろうとするぐらい、
    スェーデンから近い場所なのだろうか。

    前作もそうだったが、
    主人公の職務から逸脱が非現実的にしか思えない。
    また、主人公の捜査が勘ばかりなのも納得できないし、
    犯人への固執にも共感できない。

    なんだかな。

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    2013年08月06日
  • 白い雌ライオン

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    このシリーズがなんで肌に合うと感じるのかわかった。
    ヴァランダー警部は常に、自分がこの仕事に向いていないと感じている。
    若くなく(この作品では40代だ)、こんなことを言う。
    「おれは警察官以外の仕事のことをこのごろしょっちゅう考えるようになっている」

    結婚にも失敗した。孤独で、大した希望もない。そんな、中年の諦念と焦りと哀しみとが、見事に描かれていて、読んでるこの中年男に響いてくるのだ。

    今は亡い先輩の言葉との間で、ヴァランダーは揺れている。
    「おまえさんは一生涯警官だろうよ。もうわかってもいいころだよ。じたばたするな」

    ただ、このシリーズ三作目は、これまで読んだふたつにくらべると、息も

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    2013年08月06日
  • リガの犬たち

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    先にドラマを見たので、ヴァランダーはもうケネス・ブラナーの声でしか話さない(笑)ダメっぷり全開。何故一番身近にいる女性に必ず惚れるのだヴァランダー。誇張はあるとはいえ、ラトヴィアという国とスウェーデンの対比を描いているのもとても興味深かった。スウェーデンといったって全く知らないことだらけだし、それでもラトヴィアは貧しくて、、、という。東欧の近代史を勉強すべきかもしれない。

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    2013年07月19日
  • 笑う男

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    刑事ヴァランダーシリーズ、第4弾です。
    前回、人を殺めてしまってから、
    心を病んでしまい、休職しているところから
    話は始まります。この辺りを丁寧に描いてくれるところが、この小説の好きなところ。
    知り合いの弁護士が殺された事件をきっかけに刑事に復職してからは、キレ味のよい捜査を見せ、ラストはいつものあまり格好良くないアクションシーンがあって解決。
    バイパとの関係も気になるし、次回も期待です。

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    2013年06月16日
  • リガの犬たち

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    刑事ヴァランダーシリーズの第2弾。海岸に打ち上げられたゴムボードに、2人の男性の射殺死体が。調べてみると、かれらがラトヴィア人だということがわかり、ラトヴィアから捜査官がやってきた。。。
    バルト三国の独立運動、ソヴィエト崩壊の時代背景を書いた時代小説と言えるかも。小難しい話が多かったが、相変わらずのヴァランダーのちょっと情けない中年ぶりが、小説の良い味わいになっている。

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    2013年05月27日
  • リガの犬たち

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    北欧警察小説第二弾。海岸に流れ着いたゴムボート。中には二人の男の射殺死体。スウェーデンとラトヴィアで展開される国際的謀略。物語的には第一作の方が完成度高いものの、主役のヴァランダー刑事は前作以上に魅力的。惚れっぽくて愚痴ばかり、でも愚直に突き進むその姿。ラストのやれやれ感がたまりません。次作も楽しみ。

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    2013年04月24日
  • 目くらましの道 下

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    やっぱり結末全然覚えてなかった。ところで、動機の必然性というか、理由がイマイチよくわからなかったのは、オレの読解力のなさですか、そうですか。

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    2012年12月25日
  • リガの犬たち

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    たまたま流れ着いた死体を乗せた救命ボート。捜査に当たったスウェーデンの田舎町の警部が独立前夜のバルト三国を舞台に陰謀に挑むと言うストーリー。前半は静かにリガの暗い雰囲気の中ストーリーも淡々と進むが、後半以降は突然火薬の匂いたっぷりの潜入劇に早変わりする。惚れた弱味とは言え、その行動力は読んでいてもちょっと無理があるような感じがした。ただどこにでも見張りが付いている旧共産圏の重い空気はよく出て、ある意味貴重。

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    2012年12月09日
  • 目くらましの道 上

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    コレ、前に読んだよね〜。でも、全然結末覚えてないから、下巻も読みます。オレの記憶力は、いつもだいたいこんなカンジ。

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    2012年11月30日
  • 白い雌ライオン

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    陰謀の結末は最初からわかっているだけにそこに至るまでどう読ませるかが、作品の鍵になる。何の罪もない善良な主婦の悲劇から始まり、南アフリカの陰謀が平行して進む。冷徹で無慈悲なロシア人が最後までふてぶてしく悪人なのが印象的。サスペンス色濃いシーンの書き込みが少しわかりにくかったのが難点。面白かったのは間違いない。

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    2012年11月30日
  • 喪失

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    翻訳物としては読みやすいほうでした。
    ただ、クライマックスのサスペンス感や
    主人公の女性の生き様や暮らしぶりも
    全体にどこか物足りない感じが残りました。
    特に母親との関係の最後に出てきた件、
    もう少し丁寧に描いてほしかった、というか読みたかった。

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    2012年07月12日
  • 喪失

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    スウェーデン作家によるミステリーです。
    主人公は富豪の元令嬢のホームレス、32歳。極力社会との接触を絶ち、微罪を重ねながらも目立たないように生きていたのが猟奇的な殺人事件にまきこまれ…。
    現在と過去を織り交ぜて話はすすんでゆきますが、犯人探しよりも母親との確執が徐々に顕わになってゆく過程のほうに興味を惹かれました。

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    2012年06月24日
  • リガの犬たち

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    スウェーデンの警察小説クルト・ヴァランダーシリーズの第2作目。

    今回の主な舞台はラトヴィアの首都、リガ。
    地味!地味!とさんざんレビューで書いた前作と違い、事件の規模やヴァランダーの行動がとても派手でした(笑)
    恥ずかしながら政治的背景の知識に乏しく、深く理解しながら読んだとは思えないんですが、スパイものというか、政治サスペンスというか…。
    主人公は「やっぱりヴァランダー」なので、そういった部分のテイストは同じなんですが、不思議な感じでした。

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    2012年01月21日
  • 五番目の女 下

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    作品自体は悪くない、というかいい作品なのだろう。でも、私とはあまり合わない本だったかも。前編読み終わって、後半も同じ調子で物語が進んでしまい・・・。登場人物の誰にも共感できなかった。もう少し、みんなの心の中が見たかった。

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    2011年01月12日
  • 五番目の女 下

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    上巻から引き続き散りばめられた謎、伏線をきっちり回収してくれた。ちょっとストーリーが正直すぎるかな? などと思いながら北上次郎氏の解説を読むと、この著者の持ち味は地味さにある、とあって納得した。どんでん返しはないものの、主人公と一緒になって捜査の進展にやきもきできる作品だった。

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    2010年10月07日
  • 五番目の女 上

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    これでもかと言わんばかりに増えていく謎、伏線。掴めそうで掴めない事件像がなんとももどかしい。主人公ヴァランダーの言葉を借りれば『いくつかバラバラの糸口が見えるが、一つとしてはっきりとした手がかりはない。まったくお手上げだ』という状態で上巻は終わる。これだけ広げた謎をどんな風にたたむのか下巻に期待。
    このシリーズは初体験で、加えて冒頭から次次に場面が変わるので始めこそとっつきにくかったものの、キャラクターを把握してしまうと、むしろとても読みやすいミステリだった。

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    2010年10月06日
  • 目くらましの道 上

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    スェーデンの警察小説。推理小説ではあるが犯人は早くからわかっている。あまりにも凄惨な事件なので目くらましの道に自ら落ち込んで行く。読者には犯人が分かっているので謎解きのハラハラはないが読ませる。日本の警察との違いも面白かった。

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    2010年05月02日
  • 喪失

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    ヒロインの育った境遇などに同情するところは多いにあるのだけれど、それにしても、なんだかんだ理由をつけても母親から送られてくる小切手を当てにしていたり、ホテルで無銭飲食したり住居に無断侵入して設備を利用したり、社会とかかわりは持ちたくないと言いながらもそういうことはいいわけ、許されるの?となんか素直にうなずけないところがあって、ストーリー本筋と関係ないところでもやもやが残るんだな。

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    2010年03月27日
  • 笑う男

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    四作目ともなると、シリーズをリピートしている読者ならではの感覚が芽生えてくる。ヴァランダーの思考パターンや、時折見せる無謀な捜査にも慣れてくるし、サブキャラの特徴から、好きな人物と嫌いな人物に差ができる。
    今回の敵は「笑う男」。早い段階で彼に辿り着くのだが確証が持てない。事件の闇はどこまで拡がっているのか──犯人の裏側にある真相を追う展開は緊迫感を含んでおり、非常に読み応えがあった。また、捜査に対する圧力や、組織内部の確執など、「警察ミステリ」を認識させる要素がシリーズ中でも一番多かったのではないかと思う。

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    2009年10月04日