あらすじ
亡くなった母が幼少時を過ごしていたという、殺人現場の家を訪れたビルギッタは、密かに数冊のノートを持ち出した。その中に記された“ネヴァダ”の文字が目に飛びこんできたからだ。それはスウェーデンの寒村で起きたのとそっくりの血塗られた事件が起きた土地。日記は1860年代に書かれたもので、アメリカ大陸横断鉄道敷設工事の現場監督が残したものだった。貧しさにあえぐ19世紀の中国の寒村、鉄道建設に沸く開拓時代のアメリカ、そして発展著しい現代の中国、アフリカ。現代の予言者マンケルによる、ミステリを超えた金字塔的作品。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
時間や空間を自在に往来し、それぞれの世界が“映画”のように描写されながら展開する物語…「意外な展開」が繰り返され、どういうようになるのか予想も付き悪いままに頁を繰る手が停められなくなってしまう…
広くお薦めしたい作品だ!!
Posted by ブクログ
「私は、首筋が固まっている転がる石(ローリングストーン)だ」
物語はいつものようにミステリー以外の描写に溢れている。
今回は、主人公ビルギッタをはじめとして、人生も半ば過ぎた女性たちの虚ろな揺れ動きや頑なさを、それぞれの物語が語られる。
一方で、作者ヘニング・マンケルらしく、依然として続く人種差別や経済格差、資本主義の行き着く先にある暗闇を、描く。
事件の背景にあるのは、19世紀の植民地支配から現代に至る中国があるが、ヨーロッパの現代知識人から見た中国は、日本人から見て少し違うかも。まるで現代の欧米人に、虐げていた人たちの逆襲に怯えよと、警鐘を鳴らしているかのよう。
刑事ヴァランダー同様にミステリーに留まらない物語ではあるが、それでも最初のミステリーの謎をもう少し深掘りしてほしかった。
だからといって面白さが損なわれているわけではない。
「終わりというものは、いつもなにかの始まり」
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Posted by ブクログ
殺人現場の家を訪れたビルギッタは、密かに数冊のノートを持ち出した。その中に“ネヴァダ"の文字を見たからだ。それはスウェーデンの寒村とそっくりの事件が起きた土地。日記は1860年代、アメリカ大陸横断鉄道施設工事の現場監督が残したものだった。貧しさにあえぐ19世紀の中国の寒村、鉄道建設に沸く開拓時代のアメリカ、そして発展著しい現代の中国、アフリカ。現代の予言者マンケルによる、ミステリを超えた金字塔的作品。
作品の持つ熱量に、だだただ圧倒されるだけ。
Posted by ブクログ
ヘニング•マンケルの本もあと残すところ数冊。ヴァランダーシリーズではない長編は、スウェーデンの田舎で大量惨殺事件が発生するところから始まる。ミステリの形を取りながら、話の軸は中華人民共和国の過去と未来、共産主義の分裂、そして屈辱を味わった奴隷制度、人種差別と偏見に対する恨みと怒りが描かれていく。同じアジア人としては、いささか中国人が不気味に描かれすぎなような気もするが、実は分かっていないのは私なのかもしれない。ミステリの出来としてはさておき、作者の思いが目一杯詰まった小説だった。