無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで201万冊以上配信中!
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
※期間限定無料版、予約作品はカートに入りません
Posted by ブクログ
ヘニング・マンケル『北京から来た男 (下)』創元推理文庫。
ヴァランダー・シリーズではなく、女性裁判官・ビルギッタを主人公にしたノン・シリーズ。
いきなりの驚愕の描写から始まった物語はスウェーデンに留まらず、150年もの時を超えて、アメリカ、中国に舞台を移し、展開する。
大量惨殺事件はスウェーデンの寒村に留まらず、アメリカでも起きていた。19世紀に貧しさに喘ぐ中国と過酷なアメリカ大陸横断鉄道施設工事の現場、そして、現代の中国……全く結び付きそうもないことをヘニング・マンケルは、我々に様々な課題を投げかけつつ、見事に壮大かつ重厚な物語に仕立て上げてくれた。とんでもなく面白い。
このような面白い作品を執筆し、2015年に亡くなったヘニング・マンケルに賛辞を贈ると共に、感謝すべきはヘニング・マンケルの全作品を翻訳している柳沢由実子さん。彼女の翻訳無くして、ヘニング・マンケルの描く多くの傑作ミステリーを堪能することは出来なかっただろう。
本体価格1,140円
★★★★★
Posted by ブクログ
「私は、首筋が固まっている転がる石(ローリングストーン)だ」
物語はいつものようにミステリー以外の描写に溢れている。
今回は、主人公ビルギッタをはじめとして、人生も半ば過ぎた女性たちの虚ろな揺れ動きや頑なさを、それぞれの物語が語られる。
一方で、作者ヘニング・マンケルらしく、依然として続く人種差別や経済格差、資本主義の行き着く先にある暗闇を、描く。
事件の背景にあるのは、19世紀の植民地支配から現代に至る中国があるが、ヨーロッパの現代知識人から見た中国は、日本人から見て少し違うかも。まるで現代の欧米人に、虐げていた人たちの逆襲に怯えよと、警鐘を鳴らしているかのよう。
刑事ヴァランダー同様にミステリーに留まらない物語ではあるが、それでも最初のミステリーの謎をもう少し深掘りしてほしかった。
だからといって面白さが損なわれているわけではない。
「終わりというものは、いつもなにかの始まり」
次の読書へ
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。