司馬遼太郎のレビュー一覧

  • 新装版 箱根の坂(上)

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    ネタバレ

    戦国大名の奔りである北条早雲のおはなし。応仁の乱がわかってないと、面白さ半減だ。武士の世とはなんだったのか、その終わりの時代の物語。


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    p88 礼儀作法
     小笠原貞宗が『大鑑清規』を参考にして殿中作法を再編した。この応仁の乱の時代に日本の礼儀作法の基礎を確立した。

    p178 通婚の文化
     この時代の男女関係は男が女のもとへ通う通婚が常であった。しかし、関東の武士の文化が広まることで一夫一妻制が関西にも広がった。

    p196 当時の恩
     室町時代に農業技術が飛躍的に向上した。それ故に食うに困ることがぐっと減ったのがこの時代である。
     「恩の主より、情けの主」ということわざがあるが

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    2015年01月14日
  • 功名が辻(三)

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    三巻は、秀吉に待望の男子が生まれ頃からはじまる。秀頼誕生は、いろいろな波紋と影を天下に投げかける。秀吉が跡目としてで関白に据えた秀次、秀次は、関白になり実権を実質的に握り天下に号令したいと考えているが、そもそも、その器ではない。その事がよく解っている秀吉は決して実権は渡さない。秀吉は、豊臣の天下のため秀次を関白にし、そしてその沙汰を悔やんでいる。その行き違いからは「怨み」しか生まれない。そして、秀頼の誕生により権勢を増した淀君と北の政所が角を付き合いそこに派閥がうまれていく、この要となる秀吉が老い、要として朽ちると共に豊臣の天下が傾いていく様を千代の目を通して時代の変換点が描写される。

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    2015年01月07日
  • 功名が辻(四)

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    四巻は、関ヶ原の前哨となる奥州、上杉討伐のころから描かれる。
    史書によると関ヶ原では山之内一豊は、さしたる槍働きがないとされるのにもかかわらず、土佐一国を与えられている。このくだりは、本巻のハイライトとも言えるものであろう。読者は、凡庸の中の非凡を山之内一豊の中に感じ、近親感を持って一巻から読み進めてきたと思う。千代の操縦にも上手く嵌り、誠に良く出来た山之内夫婦に理想を重ねていたかもしれない。しかし、司馬遼太郎は、そのような偶像視がいかにも人間の本質を捉えてないことを諭す。人間の器と地位との関係のバランスが崩れるといろいろ難しいということを最終巻では語っている。いろいろ考えさせられる一冊である

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    2015年01月07日
  • 殉死

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    作者はこれを小説でなく事実としているが、やはりこれは物語でしかないと感じます。作者の怨念によって書かれたんだなぁと。乃木さん好きには複雑な内容。ただ、そうと分かりながら読んだので不満はありません。どんな酷評も、乃木さんの弱さを含め好きな私にはある意味良い作品でした。

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    2015年01月07日
  • 新装版 播磨灘物語(3)

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    NHK大河ドラマになっているので読んでみた。全4巻。官兵衛の足が悪くなる事件から中国攻略までの物語。大きなチカラの前で、窮屈ながらも自分の才覚をふるって家族を家臣を守ろうと頑張る官兵衛。だんだん盛り上がってきた。

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    2015年01月04日
  • 新装版 播磨灘物語(2)

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    NHK大河ドラマになっているので読んでみた。全4巻。黒田官兵衛が若いころの物語。織田、毛利の大国の狭間で必死に生きる苦悩と葛藤を描いている。官兵衛の活躍は次巻以降かな。

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    2015年01月04日
  • 新装版 播磨灘物語(1)

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    NHK大河ドラマになっているので読んでみた。全4巻。官兵衛のおじいさんくらいから始まる。序章なので有名どころはちらほら程度。官兵衛もなかなか出てきません。内容は歴史を知らなくても「歴史チックな物語」として読めると感じるくらいライト。敷居は高くないと思う。

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    2015年01月04日
  • 幕末

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    本書は再読だ。

    というのも以前読んだことがあるはずであるのに、ほとんど記憶に残っていなかったので、「も一度読みだしたら思い出すだろうか」という気持ちで再度手に取った。

    司馬遼太郎の短編、全12編。あとがきを読んでわかったことだが、これは幕末の「暗殺」をテーマとしたショート小説集だ。たぶん、前回はあとがきを読まなかったのかもしれない。

    その中で司馬遼太郎氏はこう語っている。「書き終わって、暗殺者という者が歴史に寄与したがどうかを考えてみた。」・・・「ない」と。

    その中で著者が、これだけは例外という、歴史を躍進させた暗殺事件「桜田門外の変」から本書は始まる。そして新政府が誕生するまでの時代

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    2017年12月02日
  • 果心居士の幻術

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    ・果心居士の幻術
    信長の時代
    松永弾正小弼久秀の使われ者「悪人の手伝いをしたい」
    天竺人と倭人との混血
    婆羅門教

    ・飛び加藤
    忍者
    五尺にみたぬ小男
    永江四郎左衛門が連れてきたが上杉謙信は召抱えず

    ・壬生狂言の夜
    新撰組=壬生浪
    土方歳三(副長)が松原忠司を暗殺する

    ・八咫烏
    海族×出雲族の混血
    海族としての精神×出雲族の心&体&顔
    比叡山麓の御生山「御影神社」(京福電鉄三宅八幡駅)

    ・朱盗
    死者の腐敗を防ぐために棺に詰められている唐渡りの朱を盗む
    大宰府ノ少弐藤原広嗣
    扶余の大将軍

    ・牛黄加持
    牛黄=牛の病塊
    牛の角、肝臓、胆嚢、心臓に生ずる肉腫or癌
    肝 黄=死牛からとったもの

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    2014年12月17日
  • 故郷忘じがたく候

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    先日、宮津を訪問した際に教会に細川ガラシャの銅像が有りました。絶世の美女であるために、細川忠興が他の男が見ることも許さなかった異常な愛を描いた「胡桃に酒」が収録された本書を再読しました。他に薩摩が朝鮮の役で連れ帰った陶工達の現代に続く物語「故郷忘じがたく候」と、もし読者が仙台人だと今でも殺意を抱くだろうと思える男の戊辰戦争の物語「斬殺」を収録。どれも秀作ですが、何の関連もなく、本としては残念です。

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    2015年02月02日
  • 木曜島の夜会

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    太平洋戦争前にこんなに遠くまで、主に紀伊半島の人々が貝の採取のため、出稼ぎにきてダイバーとして活躍していたとは全く知らなかった。西洋人より中国人より日本人が最もダイバーに適していた。それは金だけではなくプライドでモチベーションを保って狩猟に対する情熱を燃やすからだ。

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    2014年12月08日
  • 菜の花の沖(一)

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    「世に棲む日々」「播磨灘物語」に続いて今年3作品目の司馬遼太郎長編作品。
    舞台は江戸時代中期。主人公は武将でも政治家でもなく、廻船業者の高田屋嘉兵衛。今まで彼の名はゴローニン事件でロシアに囚われたというくらいの知識しかなく、人となりや業績などは全く知らなかったので非常に楽しみである。
    本巻では、彼の少年時代から海の男として身を起こすまでを描く。彼の出身は淡路島の貧家(農家)ということで、今後大廻船業者として成長していくのだからサクセスストーリーか。前半部は閉鎖的な村社会において虐めや村八分の制裁を受けたりと痛々しいものだが、彼の真っ直ぐな性格と抜群の行動力によって成功への道を切り拓いていく

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    2014年12月06日
  • 以下、無用のことながら

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     司馬遼太郎の厳選された七十一篇のエッセイ集が本書である。知識量の膨大な作家の思考をなぞる事で、俗世界から一時的に開放されたような癒し効果がある。

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    2014年12月01日
  • 新装版 播磨灘物語(1)

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    黒田官兵衛
    まだ、官兵衛が活躍していないけれど、読ませる文章は安定の司馬遼太郎。
    今後の官兵衛の活躍が楽しみ。

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    2014年11月23日
  • 新装版 軍師二人

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    人は人。
    戦国時代の人も、現代の人も、人。
    変わってないんですよ、人は。
    そういう内容かな。
    そうなのかな?とも思うけど、そうなんだろなとも思う。

    男と女。
    人の小ささ。
    上司と部下。
    人の心の脆さ。

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    2014年11月09日
  • 翔ぶが如く(十)

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    明治維新後から西南戦争を西郷隆盛を通して書く。本著者は歴史学者と歴史小説家の顔を持つ。私は歴史小説家の著者が好きだが、本作ではなまじ資料が多く残るせいか学者色が強く読みにくいところも多々。

    しかしやはりこの時代の事、薩摩人気質など多くの事を学ぶ事ができた作品。

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    2014年10月03日
  • この国のかたち(五)

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     神道や朱子学が日本国の精神史に与えた影響についてと裏表紙の解説にあるが、内容が内容だけに、ただただ関心するのみ(笑

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    2014年10月01日
  • 新装版 播磨灘物語(4)

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    備中高松城攻めから隠居まで。
    山崎合戦や関ヶ原合戦の描かれ方は淡白だが、それは官兵衛自身事前準備や段取りの役割を終えたという感情を反映しているのかもしれない。
    信長死後の秀吉の変節は、単に下劣な本性が出たものと思う。日本では古来、大陸や朝鮮半島の文化を進歩したもの、鮮やかなものとみなしていたが、朝鮮出兵以降それらを見下すようになってしまったのだ。大阪で太閤などと持て囃すのが理解できない。
    石田三成も然り。先日、歴史討論番組で「三成が関ヶ原で勝っていれば、日本人は島国根性を持たずに済んだ筈 云々」を発言していた歴史家がいたが三成の度量では誰も着いてこないだろうと思う。

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    2014年09月27日
  • 花妖譚

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    ネタバレ

    司馬遼太郎になる前、福田定一時代の花にまつわる幻想短編集。花の香りは妖しく、歴史の心象風景に欠かせないものだったのだな。


     花を知っている人間になりたい。間違いなく、花を知っている人間は本をたくさん読んでいる。そう感じる。

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    「水仙」 … ナルキッソス。美しい。どこもまでも美しい。美しいという言葉はいかにも妖しい。


    「チューリップ」 … 別所長治の自害した遺骸の側に生けられていたという奇譚。チューリップは明治になってから日本に入ったはずだろ?
    (別所長治:織田家臣だったが、信長が上月城を見捨て秀吉を取り立てたことで離反した。荒木村重のように三木城に籠城して対抗したが、秀吉に

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    2014年09月27日
  • 翔ぶが如く(九)

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    薩軍熊本退却

    この頃の軍人は降伏すると、敵側に付き働くと言う日本古来の合戦の習慣の様なものがあった。駒をとればその駒を使う将棋のルールに似ている。その後、日露戦争の時も捕虜になった日本兵が簡単にロシア側に寝返ることもあり日本軍の弱点として意識され続けた。この事が捕虜になることを極度に卑しめる教育をするもととなった。

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    2014年09月26日