司馬遼太郎のレビュー一覧
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ネタバレ戦国大名の奔りである北条早雲のおはなし。応仁の乱がわかってないと、面白さ半減だ。武士の世とはなんだったのか、その終わりの時代の物語。
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p88 礼儀作法
小笠原貞宗が『大鑑清規』を参考にして殿中作法を再編した。この応仁の乱の時代に日本の礼儀作法の基礎を確立した。
p178 通婚の文化
この時代の男女関係は男が女のもとへ通う通婚が常であった。しかし、関東の武士の文化が広まることで一夫一妻制が関西にも広がった。
p196 当時の恩
室町時代に農業技術が飛躍的に向上した。それ故に食うに困ることがぐっと減ったのがこの時代である。
「恩の主より、情けの主」ということわざがあるが -
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三巻は、秀吉に待望の男子が生まれ頃からはじまる。秀頼誕生は、いろいろな波紋と影を天下に投げかける。秀吉が跡目としてで関白に据えた秀次、秀次は、関白になり実権を実質的に握り天下に号令したいと考えているが、そもそも、その器ではない。その事がよく解っている秀吉は決して実権は渡さない。秀吉は、豊臣の天下のため秀次を関白にし、そしてその沙汰を悔やんでいる。その行き違いからは「怨み」しか生まれない。そして、秀頼の誕生により権勢を増した淀君と北の政所が角を付き合いそこに派閥がうまれていく、この要となる秀吉が老い、要として朽ちると共に豊臣の天下が傾いていく様を千代の目を通して時代の変換点が描写される。
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四巻は、関ヶ原の前哨となる奥州、上杉討伐のころから描かれる。
史書によると関ヶ原では山之内一豊は、さしたる槍働きがないとされるのにもかかわらず、土佐一国を与えられている。このくだりは、本巻のハイライトとも言えるものであろう。読者は、凡庸の中の非凡を山之内一豊の中に感じ、近親感を持って一巻から読み進めてきたと思う。千代の操縦にも上手く嵌り、誠に良く出来た山之内夫婦に理想を重ねていたかもしれない。しかし、司馬遼太郎は、そのような偶像視がいかにも人間の本質を捉えてないことを諭す。人間の器と地位との関係のバランスが崩れるといろいろ難しいということを最終巻では語っている。いろいろ考えさせられる一冊である -
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本書は再読だ。
というのも以前読んだことがあるはずであるのに、ほとんど記憶に残っていなかったので、「も一度読みだしたら思い出すだろうか」という気持ちで再度手に取った。
司馬遼太郎の短編、全12編。あとがきを読んでわかったことだが、これは幕末の「暗殺」をテーマとしたショート小説集だ。たぶん、前回はあとがきを読まなかったのかもしれない。
その中で司馬遼太郎氏はこう語っている。「書き終わって、暗殺者という者が歴史に寄与したがどうかを考えてみた。」・・・「ない」と。
その中で著者が、これだけは例外という、歴史を躍進させた暗殺事件「桜田門外の変」から本書は始まる。そして新政府が誕生するまでの時代 -
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・果心居士の幻術
信長の時代
松永弾正小弼久秀の使われ者「悪人の手伝いをしたい」
天竺人と倭人との混血
婆羅門教
・飛び加藤
忍者
五尺にみたぬ小男
永江四郎左衛門が連れてきたが上杉謙信は召抱えず
・壬生狂言の夜
新撰組=壬生浪
土方歳三(副長)が松原忠司を暗殺する
・八咫烏
海族×出雲族の混血
海族としての精神×出雲族の心&体&顔
比叡山麓の御生山「御影神社」(京福電鉄三宅八幡駅)
・朱盗
死者の腐敗を防ぐために棺に詰められている唐渡りの朱を盗む
大宰府ノ少弐藤原広嗣
扶余の大将軍
・牛黄加持
牛黄=牛の病塊
牛の角、肝臓、胆嚢、心臓に生ずる肉腫or癌
肝 黄=死牛からとったもの
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「世に棲む日々」「播磨灘物語」に続いて今年3作品目の司馬遼太郎長編作品。
舞台は江戸時代中期。主人公は武将でも政治家でもなく、廻船業者の高田屋嘉兵衛。今まで彼の名はゴローニン事件でロシアに囚われたというくらいの知識しかなく、人となりや業績などは全く知らなかったので非常に楽しみである。
本巻では、彼の少年時代から海の男として身を起こすまでを描く。彼の出身は淡路島の貧家(農家)ということで、今後大廻船業者として成長していくのだからサクセスストーリーか。前半部は閉鎖的な村社会において虐めや村八分の制裁を受けたりと痛々しいものだが、彼の真っ直ぐな性格と抜群の行動力によって成功への道を切り拓いていく -
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備中高松城攻めから隠居まで。
山崎合戦や関ヶ原合戦の描かれ方は淡白だが、それは官兵衛自身事前準備や段取りの役割を終えたという感情を反映しているのかもしれない。
信長死後の秀吉の変節は、単に下劣な本性が出たものと思う。日本では古来、大陸や朝鮮半島の文化を進歩したもの、鮮やかなものとみなしていたが、朝鮮出兵以降それらを見下すようになってしまったのだ。大阪で太閤などと持て囃すのが理解できない。
石田三成も然り。先日、歴史討論番組で「三成が関ヶ原で勝っていれば、日本人は島国根性を持たずに済んだ筈 云々」を発言していた歴史家がいたが三成の度量では誰も着いてこないだろうと思う。 -
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ネタバレ司馬遼太郎になる前、福田定一時代の花にまつわる幻想短編集。花の香りは妖しく、歴史の心象風景に欠かせないものだったのだな。
花を知っている人間になりたい。間違いなく、花を知っている人間は本をたくさん読んでいる。そう感じる。
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「水仙」 … ナルキッソス。美しい。どこもまでも美しい。美しいという言葉はいかにも妖しい。
「チューリップ」 … 別所長治の自害した遺骸の側に生けられていたという奇譚。チューリップは明治になってから日本に入ったはずだろ?
(別所長治:織田家臣だったが、信長が上月城を見捨て秀吉を取り立てたことで離反した。荒木村重のように三木城に籠城して対抗したが、秀吉に