北方謙三のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ前巻の最後、張欄を救うために戦線離脱する林冲に驚愕したが、今度は宋江。
えええ!??
今になってそれを言う!?
結構恋愛問題があちこちで勃発しているのだな、この話は。
青蓮寺の戦い方がここにきて変わってきたのが怖い。
数を恃みに力まかせ、というのから、梁山泊を消耗戦で弱らせる戦い方へ。
これも数を恃んでいるといえば言えるけど、梁山泊としてはこちらの方が断然怖い。
あと何かの布石になっているのか、楊林がはっきりと柴進を嫌いになったという記述。
楊林の気持ちはわかる。
柴進だって命懸けでやるべきことをやっていただけだ。
だけど、ひと言足りないよね、柴進。
労わる(いたわる)。労う(ねぎらう)。 -
Posted by ブクログ
ネタバレまだ折り返しにもなっていないのに、またまた死者が…。
前巻で青蓮寺に居場所を押さえられ、通信を寸断され、たった5人で一万数千の兵に包囲されてしまった宋江たち。
梁山泊から助けが来るのと、攻撃を開始されるのが先か。
石積みの罠を仕掛けながら、自分は梁山泊の志を本当に理解できているのだろうかと自問自答する陶宗旺に宋江が言う。
“自分が選んだことを、やり遂げられるのか。志は、難しい言葉の中にあるのではない。おまえのやることの中にある”
梁山泊の面々は皆、自分がやるべきことをやる。
その結果自分が大変な目に遭うことになっても、躊躇しない。
自分がやるべきことをしたら、仲間もやるべきことをすると信 -
Posted by ブクログ
ネタバレ楊志が死んだことは、読者にも大きな影響を与えることになる。
なぜなら、あれだけ大きなポジションを占めていたというのにあっさり死んでしまったのだから、ほかの人たちだって予断は許さないわけだ。
『ハイカラさんが通る』の紅緒さんが「主人公は死なない」と言っていたが、この群像劇では誰が死ぬこともありというわけだ。
というわけで、宋江。
大丈夫だよね。
彼は全然追い詰められていないけど、彼を守っている、「死ぬために生きている」武松なんかがそのまま死んじゃいそうで、心配でたまらない。
第一巻に登場した時は、人間味のかけらも見せなかった李富が、自分の恋情を正当化するために梁山泊追及の手がゆるくなってしま