北方謙三のレビュー一覧

  • 水滸伝 九 嵐翠の章

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    前巻の最後、張欄を救うために戦線離脱する林冲に驚愕したが、今度は宋江。
    えええ!??
    今になってそれを言う!?
    結構恋愛問題があちこちで勃発しているのだな、この話は。

    青蓮寺の戦い方がここにきて変わってきたのが怖い。
    数を恃みに力まかせ、というのから、梁山泊を消耗戦で弱らせる戦い方へ。
    これも数を恃んでいるといえば言えるけど、梁山泊としてはこちらの方が断然怖い。

    あと何かの布石になっているのか、楊林がはっきりと柴進を嫌いになったという記述。
    楊林の気持ちはわかる。
    柴進だって命懸けでやるべきことをやっていただけだ。
    だけど、ひと言足りないよね、柴進。
    労わる(いたわる)。労う(ねぎらう)。

    0
    2017年05月09日
  • 史記 武帝紀(二)

    Posted by ブクログ

    第二巻。

    司馬遷が登場(結構偏屈です)。
    そして衛青が大将軍となり、その甥の霍去病がグイグイ来ています。
    匈奴側も新たな直轄軍が編成されて、有望な若者が育っている模様。
    衛青が匈奴の頭屠に斬られて、霍去病に「俺を斬ったのは、おまえぐらいの若い男だったぞ」とつげる場面は、衛青自身も世代交代を感じているのかも、と切なくなりました。

    0
    2017年05月08日
  • 史記 武帝紀(一)

    Posted by ブクログ

    大水滸シリーズや、三国志を読ませて頂き、北方さんの中国モノの面白さは認識しておりますので、この「史記 武帝紀」もいやが上にも期待が高くなります。

    物語は漢サイド、匈奴サイド、西方サイドと並行して書かれていて、スケールの大きさを感じます。
    そして、やはりお得意の戦のシーンは、それはもう生き生きと描かれていて、圧巻です。
    今後の展開を期待しつつ、次巻へ。

    0
    2017年05月06日
  • 岳飛伝 六 転遠の章

    Posted by ブクログ

    岳飛処断、歴史上この時点で岳飛は処刑され亡くなっている。
    岳飛処刑にいたるまでの、秦檜の心理状態が、秦檜の妻の王夫人の言葉の影響なども含めて、細かに描かれている。
    ただ岳飛伝としては、南でそこで暮らすための村作りが始まる。南でも西でも次への準備がなされる。
    金の後継者争いの種も書き込まれ、東西南北、これからどんな展開になることやら。

    0
    2017年05月03日
  • 楊令伝 一 玄旗の章

    Posted by ブクログ

    あの大敗から3年後。梁山泊はまだしぶとく生き残っていた。さて、これからどんな戦いが待ち受けているのか。
    楊令が、頭領となる決意をしたのかな。また、魅力的な人物がたくさん出てくるのだろうか?

    0
    2017年05月03日
  • 史記 武帝紀(七)

    Posted by ブクログ

    北方版史記を読み終えた。劉徹、衛青、霍去病、桑弘羊、蘇武、李陵、霍光そして司馬遷を通しての前漢の長いお話。綺羅星のごとくちりばめられた英雄達。特に印象的だったのは、人も住まない極寒の北海に流された蘇武の生きるための闘いと変わりゆく心。国とは?その意味を見つけていくくだり。
    歴史はこの後、霍氏の誅滅。王莽による漢の滅亡。劉秀の漢の再立。へと続いていくことを現代人の私たちは知っているが、変わらず英雄達の苦悩も果てし無く続く。北方版三国志よりも心に焦点をおいて描いているところに、特徴あり。

    0
    2017年05月01日
  • 楊令伝 二 辺烽の章

    Posted by ブクログ

    武松も明るくなったけど楊令も明るくなったと思います。やはり二人で焼く肉を食べると気持ちが和むのでしょうか?

    相変わらず王進先生の所は良いですね。梁山泊のオアシス!出来れば家族で移住したい!!

    方臘の宗教団体恐るべし、なんてったって数が凄い中国には国を傾かせる宗教反乱が数多くありましたからね。童貫元帥の今後の動きが楽しみです。

    呉用が可愛そうです。もう少し気遣ってやってほしい。せめて戴宗はあんな事を言うべきではなかったと思う。


    そして、英雄岳飛の登場です。これから彼はどのようにして宋軍に関わるのか楽しみです。

    0
    2017年04月11日
  • 水滸伝 十九 旌旗の章

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    後半、李逵まで死んでしまって、すごくショックを受けて、そこからずっと泣きっぱなし。
    安道全など、ほとんどの人間が死んでしまった…。だけど、楊令が生き延びたっぽいので、楊令伝も読もう。
    「男がいかに生き、いかに死んでいくのか」が描かれきってて、すごい本だった。

    0
    2017年03月31日
  • 岳飛伝 五 紅星の章

    Posted by ブクログ

    金と南宋は講和に動き、兀朮と岳飛の対決も中断する。
    そんな状況を見ながら、梁山泊では、呉用が亡くなる。東南アジアの開墾もすこしづつ進展し、西域で、東の日本で梁山泊とのつながりが広がる。
    岳飛もまた、いろいろな人と話をし、金との対決の後について、考え始める。
    次に向かって、種が蒔かれた巻だった。

    0
    2017年03月26日
  • 水滸伝 七 烈火の章

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    まだ折り返しにもなっていないのに、またまた死者が…。

    前巻で青蓮寺に居場所を押さえられ、通信を寸断され、たった5人で一万数千の兵に包囲されてしまった宋江たち。
    梁山泊から助けが来るのと、攻撃を開始されるのが先か。

    石積みの罠を仕掛けながら、自分は梁山泊の志を本当に理解できているのだろうかと自問自答する陶宗旺に宋江が言う。
    “自分が選んだことを、やり遂げられるのか。志は、難しい言葉の中にあるのではない。おまえのやることの中にある”

    梁山泊の面々は皆、自分がやるべきことをやる。
    その結果自分が大変な目に遭うことになっても、躊躇しない。
    自分がやるべきことをしたら、仲間もやるべきことをすると信

    0
    2017年03月13日
  • 岳飛伝 四 日暈の章

    Posted by ブクログ

    金と南宋の激突、兀朮と岳飛の対決、力の限りの闘い
    その裏で、金国も南宋の内政にも変化があらわれる。
    戦いながらさらに混沌としていく。
    変化する梁山泊も含めて、五里霧中。

    0
    2017年03月05日
  • 岳飛伝 三 嘶鳴の章

    Posted by ブクログ

    「岳飛」伝ではあるけれど、梁山泊中心に話が進む感じがするのは、水滸伝だからか。
    梁山泊という中華の歴史に入り込んだ突然変異の細胞が、揚令の死により、中華全体、周辺国へ広がる気配。
    金にも南宋にも梁山泊の志が入り込んでいく。
    その中で「岳飛」はどの様な役割を担っていくのだろうか?
    「梁山泊」はさらにスケールアップするのか?それとも変異するのか?消滅するのか?まだまだこれから。。

    0
    2017年02月26日
  • 水滸伝 六 風塵の章

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    楊志が死んだことは、読者にも大きな影響を与えることになる。
    なぜなら、あれだけ大きなポジションを占めていたというのにあっさり死んでしまったのだから、ほかの人たちだって予断は許さないわけだ。
    『ハイカラさんが通る』の紅緒さんが「主人公は死なない」と言っていたが、この群像劇では誰が死ぬこともありというわけだ。

    というわけで、宋江。
    大丈夫だよね。
    彼は全然追い詰められていないけど、彼を守っている、「死ぬために生きている」武松なんかがそのまま死んじゃいそうで、心配でたまらない。

    第一巻に登場した時は、人間味のかけらも見せなかった李富が、自分の恋情を正当化するために梁山泊追及の手がゆるくなってしま

    0
    2017年02月23日
  • 岳飛伝 二 飛流の章

    Posted by ブクログ

    壮大な実験国家の梁山泊は、巨大な自然災害と巨星の死により分解の危機に、その実験を続けるために新たな形を模索し始める。
    そして岳飛は、梁山泊を追いかけるように国のあり方を模索し始める。
    まだまだこれから。

    0
    2017年02月19日
  • 岳飛伝 一 三霊の章

    Posted by ブクログ

    北方水滸伝の最終シリーズ
    壮大な実験国家の梁山泊は、巨大な自然災害と巨星の死により分解の危機に。梁山泊の実験はどうなる?
    そして、岳飛は揚令との戦いの傷を癒やし、どこに向かうのか?
    向かう方向が気になる。

    0
    2017年02月19日
  • 岳飛伝 二 飛流の章

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    梁山泊と金、南宋、岳飛軍と、三つ巴、四つ巴となり、様々の登場人物を巻き込み、話が展開していく。
    男の生き方、国家のあり方と、次元の高い問題提起がなされていく。

    0
    2017年02月18日
  • 水滸伝 十六 馳驟の章

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    両陣営とも再軍備で休戦状態。その裏で熾烈な暗闘を続ける青蓮寺と致死軍・飛竜軍。
    暗殺者・史文恭のプロフェッショナルぶり。
    青蓮寺本部を襲撃する致死軍。総帥・袁明に迫る公孫勝。
    燕青と袁明の従者・洪青、達人同士の息を呑む攻防。
    静かで緊迫感のあるシーンが今巻のメイン。
    また夫を失った孫二娘と顧大嫂のやけ酒シーンも見所。
    切ないが逞しい女たちのカッコよさ!
    そして童貫がついに始動!遭遇した史進の遊撃隊を子供扱いするほどの軍神ぶり!
    ここからはノンストップで読破!

    0
    2017年02月11日
  • 水滸伝 十五 折戟の章

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    前巻から引き続き全面対決!
    大軍勢と圧力で追い詰めていく官軍。激しい攻勢に晒される梁山泊軍。さらに水軍の戦い、功城兵器の導入も。
    目まぐるしい攻防で読む手も加速しまくり!
    そして負傷者や女性・子供まで動員する宣賛の北京大名府制圧作戦。
    戦場で命を散らす漢たち。着々と戦の準備を進める禁軍総帥・童貫。
    最終決戦の足音が…。

    0
    2017年02月08日
  • 水滸伝 十四 爪牙の章

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    官軍が20万の大軍勢で梁山泊の各要塞に包囲網を敷き殲滅作戦を開始する。
    しかも趙安・董万など指揮官もエース級揃い。どの戦場も激戦!圧倒的な兵力差をどう凌ぎきるのか!
    そして、張横・張平の親子旅。息子の盗みグセと心の闇に苦悩する父親の姿が泣ける。
    屈折した張平の心は子午山でどのように変わっていくのだろうか。

    0
    2017年02月07日
  • 史記 武帝紀(三)

    Posted by ブクログ

    なんと…こうも呆気なく英雄とは死んでしまうものなのか。

    これが物語であればいくらでも描きようもあるのだけれど、
    史実に基づいているのだから仕方がない。それでもあまりにも惜しい…!

    全てを手に入れた劉徹に少しずつ見え隠れする老いの兆しや、
    衛青のもとで力を伸ばしてきた李陵と蘇武の成長など、
    時代も人間も刻々と変化していく。

    栄枯盛衰、諸行無常はこの世の理だけれど、やっぱり虚しさを覚えるなぁ。

    匈奴側でも世代交代が進みつつあり、
    力が全ての民族の中でも三兄弟の仲の良さがせめてもの救いでした。

    0
    2017年02月05日