あらすじ
死んだはずの妻、張藍(ちょうらん)が生きている。その報を受けた林冲(りんちゅう)は、勝利を目前にしながら戦を放棄し、ひとり救出へと向かう。一方、呉用(ごよう)は攻守の要として、梁山泊の南西に「流花寨(りゅうかさい)」を建設すると決断した。しかし、新寨に三万の禁軍が迫る。周囲の反対を押し切って、晁蓋(ちょうがい)自らが迎撃に向かうが、禁軍の進攻には青蓮寺(せいれんじ)の巧みな戦略がこめられていた。北方水滸、激震の第九巻。
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第9巻は、祝家荘の戦いを経たあとの梁山泊と青蓮寺それぞれの体制補強の話。
林冲は青蓮寺の罠だった妻生存情報を信じて救出に向かい殺されかけるが索超と呂方に助けられて回復まで馬糞掃除の罰を受ける。
梁山泊は新たに流花寨という川沿いの基地を造成。
青蓮寺は屯田兵による銀山開発による資金ソース確保と、梁山泊の闇塩摘発に注力。
梁山泊の塩の道を管理していた柴進と燕青(盧俊義の副官)が囚われるが鄧飛と揚林が救出。
楊令は王進のものに預けられ、鮑旭と馬麟は梁山泊に加入。
巻末文は馳星周。北方謙三に対する半ば呆れている口調でリスペクトしまくりな解説がなかなか良い。
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馳星周さんの解説を読んで前巻のワタクシの感想がズバリだったな〜と自己満足に浸っております
そうなんです
完全に理解しました
『北方水滸伝』は一〇八人の死に様を語る長い物語だったのです
敵や市井の人々にも魅力的な人がたくさんでてきますので一〇八以上の死に様ですね
すげー!
すげーよ北方アニキ!
今回は補充巻でした
なに?補充巻て?
そんなん自分で確かめてほしい
はい、一〇八星ぜんぜん違うじゃん!のコーナー!
今回は第四十九位の好漢、地闘星の火眼狻猊(かがんさんげい)鄧飛です
火眼とは赤い目という意味でオリジナルでは人肉を食べてそうなったとされてます、恐っ
『北方水滸伝』では宋の北に位置する遼を超え女真族の住む地で捕らえられた魯智深を救い出し連れ戻す際に海上で船を漕ぎ続けてそうなったとされています
魯智深を救い出した後は梁山泊の飛竜隊という特殊部隊で小隊長を務めました
オリジナルでは騎馬隊の隊長で、誰かを救出に向かうことが多いため、こんなエピソードが作られたのかもしれません
だけどね、二回行って二回とも失敗してるのよ
自分も捕まったりしてるのね
しかし、『北方水滸伝』はあきらめることを断固として拒絶する精神で、二回行って二回とも成功し、本人が望んだように「あいつはすげー!」って語られる男となったのよ
『北方水滸伝』の一〇八星は、必ず何かを成し遂げるの
それは志のためだったり、自分のためだったり、友のためだったり、愛する人のためだったりと色々なんだけどね
一〇八の色々がすげー!のよ
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原点の水滸伝と比べて、大幅な改訂が加えられているそうですが、原点を読んでいない俺にとってはどうでもええ事やな。
原点ら読んでなくても充分楽しめる!めちゃめちゃおもろい!!
原点では妖術とかの要素もあるらしいんやけど、北方版ではそれも省かれたあた。
俺は小説でそんな魔法とかファンタジー的な要素が入ったあるのは嫌いやし、ましてやこんな熱い話でそんな非現実的要素はいらん。
水滸伝のストーリを超端的にまとめると、梁山泊百八傑と言うように、108人の豪傑(女性含む)が織りなす一大叙事詩です。腐敗が進む宋において、『替天行道』の志のもとに集いし者達の熱い闘い。
最初108人の豪傑を全員書き分けれるんかよとか思いやったんですが、そんなんは杞憂でした。
108人全員が個性的でなおかつ熱い!!
『三国志』を読んだ時も思ったけど北方謙三という人は、豪傑とか漢とかを書かせると右に出るものはいないのではないだろうか。
また、全員死に様がかっこ良過ぎる。
漢とは死に様までカッコ良くなければならないと思いました。
豪傑達一人一人にすごい愛着が持てたので、そいつらが死ぬたびにものすごい落ち込んだ。
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ビックリするほど恋愛巻でした。
林冲が亡くなっていたはずの奥さんが敵中に囚われているという噂に、罠かもしれないと知りつつ突っ込んだり、独竜岡との戦で現れた「海棠の花」と賞される扈三娘に、青蓮寺の軍師である聞煥章、飛竜軍の王英が心を奪われ、たおやかで芯の強い公淑と秦明の間に育った想いと、密かに彼女を思っていた宋江。
こんなにも女性がクローズアップされていた回はないなぁと思う。
扈三娘は結構好き。
最初は我儘娘だと思っていたけれど、結構頭のいい人。
出来るなら、その鼻っ柱を折った林冲に惹かれ、ごいごい押して行って、彼の決して癒せぬ疵は持ったままでも、新しいひとりの女性として立ってくれたらなぁと思う。
たとえ叶わなくても、そういう位置にいてくれたら嬉しい。
にしても、毎巻で人がぼろぼろ死ぬものだから、もうすっかりトラウマです。
また死亡フラグが見えるんだ。
死んじゃうのか、本当に死んじゃうのか、と毎度苦しい。
でも解説は今回のが一番面白かった。
そうそうそう!と同意することしきり。
でも北方氏は「替天行道」は書かない方がいいと思う。
書いたら書いたことまでの内容でしかないけど、それはそれぞれの志士たちの心の中にあるものより、熱くはならないだろうから。
そういう時代に生きて、何としても今の現状をどうにかしたいともがき苦しんでいる人たちだからこそ、あそこまで心打たれたと思うから。
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林冲が妻を助けにいくお話がメインなのだと思いますが、私はどちらかというと秦明将軍と公淑が夫婦になるまでのお話にドキドキしてしまいました。
これまで、主要な登場人物が死んでいくばかりだったので、こういうほっこりするお話を読めてよかったです。
それにしても、宋江様……!!びっくりでした。
でも、その後の柴進と燕青の救出では、鄧飛が死んでしまったので、ほっこりしていた分、切なかったです。
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とにかく林冲はヒヤヒヤしましたが、無事で良かった。
安道全が隠れて嗚咽してたことにびっくり。
やっぱ親友なんだね。
公孫勝もなんだかんだで助けに行ってたし、宋江は泣いてくれるしで、愛されてるね林冲。
今回は索超・呂方らが新たに登場する反面、トウ飛(漢字が見つからん…)が赤札入りに…
本当に凄いことをやってのけたと思う。
すり減った指先を思うと泣けてくる…
最期の瞬間なにを思ったんだろう。
本当に良い漢でした。
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ねたばれ
そして楊令は、子午山へ
秦明は、公叔にプロポーズ
志に生きる男たちが居る。
志に死んでいく男たちも居る。
50才以上の人生を考える人からは、、思いもよらぬ人々が描かれている。
志に生きていくなら、どうなるか、、、、
それを考えて読むのだが、
この本の中にその結論はあるのか。
その結論は、この小説には無いのかも。
実は、
この本を読む人、読者、あなたの中にしかない。
追記
扈三娘 再登場、キターという感じで酔っ払いは興奮する
小説の良いところは、
自分の想像力のままの登場人物であることだ。
アニメテレビなどだと、他人の想像力次第だが。
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死んだはずの張藍が生きているとの報をうけ、林冲は闘いを放棄し、救出に向かうが、やはり官軍の罠だった。林冲は、索超らに助けられ、瀕死の重傷を負うが、窮地を脱出する。
呉用は、攻守の要に、梁山泊の南西に、流花寨を建設しようとするが、そこに三万の禁軍が迫る。
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じわじわと周りを固める梁山泊軍と、押しつ戻しつの官軍。
どちらも正義といえば正義なんだよなぁ。
この中間層が腐っとる!!!!!!
そう!悪いのはそこ!!!!!
なんかな、うまく梁山泊と官軍トップが交えて、国のトップを滅ぼせば、死者も出さずに済むのじゃなかろうか。と、思ってしまうが、、、、
それじゃー物語が盛り上がらん!!!!!!!
もう、全ての男たちが男気溢れて止まりません。
萌えます。
笑、これはもう、少女漫画に飽き飽きした女子たちが求める、男の中の男を追いかける乙女心を射とめるべく進む戦いが繰り広げられる、将軍萌え必須物語です!
#水滸伝
#北方謙三
#たまらん
#将軍萌え
#男気溢れでる
#少女漫画に飽きた
#出てくる出てくるいい男
#これが男たるモノ
#これぞ男よ!
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第9巻。前回の戦で敗れた官軍は、梁山泊の財源である闇の塩の道を潰すことに注力する。梁山泊が強く大きくなり続けたこれまでの展開からの転機になる動きのようだ。
中盤にさしかかり、いよいよ両軍の戦いが本格化してきた。
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それぞれの志についての巻かなと思った。
沸いたポイントを羅列します。多いしうるさいしキショいと思いますので先に謝っておきます。すみません。
秦明×公叔 結婚きたーーーーーーー
上司(秦明)を煽る部下(花栄)、ニヤケがとまらん。好きなんバレとるがな。
花栄×朱武の相性も良さそう
公孫勝!ねぇ!!ツンデレめ!!!!林冲のこと!助けたかったの!!!!仲良くしてよ!!!!!もう!!!!!泣かせんとって!!!
林冲が助かって安道全が泣き出しちゃうところで私の目からも溢れ出しちゃって
林冲がみんなに愛されていて 優しい温かい涙だった
「皇甫端は馬にとっての安道全みたいなもの」笑
宋江と林冲の関係をひとことで言うならそれは
「悔しいほどの愛おしさ」
流花寨だなんて素敵な名前は誰がつけたの…?!花栄なのですか?!え?!?!ヤッバ
会って10日の解珍にすらわかる秦明の恋心。これ以上に尊ぶべきものはないな。年上の副官にちょっと頼るの可愛いすぎるな秦明思ってたよりも可愛いぞきちぃぃぃ
女の取り合いまで水滸伝で読めちゃうんですかァァ
秦明→楊令「血よりももっと尊いもの、魂が繋がっている」
ってめっちゃかっこいい事言うくせに!
若干10歳にもバレている秦明の恋心。これ以上に尊ぶべきも(以下略)
身をひく宋江……ぐぬぬぬぬぬ
扈三娘ちん無鉄砲ね。史進を見ているようよ。かわいい。王英×扈三娘ちん…?!ぎゃー!胸熱ゥゥ!!!
燕青キタ!キタ!!!!我が推し!!!!ぢゅき!!!!!やさお!!!やさおがぢゅき!!
なんで鄧飛のこと殺したん。この巻で死んだ人が他におらんかったから殺したんやろう。殺さんくて良かったやん。足バタバタさせて駄々をこねながら泣くくらい悔しい。石を支えて眼を燃やす鄧飛になぜか不動明王を重ねてしまった。
恒例の解説コーナー
今回も面白かった。「私と北方謙三と水滸伝」と言った感じ。林冲(馳星周)と孫公勝(北方謙三)って感じかな。笑
おもしろかったの書き出した↓
・「108人の北方謙三もどき」←笑 がこれでもかと生き様を説き、死に様を見せつける
・神ははじめに志を作った
・北方謙三の妄念によってものがたりは生み出される。飢えたケダモノ。いつも肉を食らっているから。笑
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相変わらずドンパッチと忙しいのに、宋江さんだけは、俺も死ぬから一緒に死んでくれ、とか無茶言ってみたり、戦じゃー!とか言ってるのにあの子かわいいよね惚れちゃったよ、とかぶっちゃけてみたり、やっぱりちっと変。
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4.1
死亡フラグが数本立ったけど、全部回収されなくて良かった。
今後もこのフラグにビクビクしながら(その張り詰めた文章を読んでいる瞬間が、一番没頭している瞬間でもあるんだけど)、読み進めていかなきゃなのか。
辛いんだけど絶対夢中になってしまう事はもう分かってる。
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●1回目 2007.9.6
豹子頭林冲の危機
柴進救出作戦。
ここで活躍する鄧飛はもっとも印象深い人物のひとりだ。
●2回目 2014.12.27
索超登場。
豹子頭林冲の単騎突撃。
ふたたび、火眼狻猊鄧飛の活躍。柴進と燕青を救出に成功するが…。
楊令が子午山入り。
秦明が公淑とめでたく結婚。
それをめぐっての宋江と晁蓋の会話が楽しい。
水滸伝全19巻。もう半分まで来てしまった。
あと10巻しかないとは残念すぎる。
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前巻の最後、張欄を救うために戦線離脱する林冲に驚愕したが、今度は宋江。
えええ!??
今になってそれを言う!?
結構恋愛問題があちこちで勃発しているのだな、この話は。
青蓮寺の戦い方がここにきて変わってきたのが怖い。
数を恃みに力まかせ、というのから、梁山泊を消耗戦で弱らせる戦い方へ。
これも数を恃んでいるといえば言えるけど、梁山泊としてはこちらの方が断然怖い。
あと何かの布石になっているのか、楊林がはっきりと柴進を嫌いになったという記述。
楊林の気持ちはわかる。
柴進だって命懸けでやるべきことをやっていただけだ。
だけど、ひと言足りないよね、柴進。
労わる(いたわる)。労う(ねぎらう)。
楊林は自分のために憤っているわけじゃないんだから。
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死んだ筈の妻・張藍の生存情報を受けて戦線を離脱する林沖。罠に陥り、索超・呂方の助けでなんとか切り抜けるが瀕死の重症を負う。
無謀だが魅せられてしまう。男として林沖の姿はカッコいい、そして切ない。
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馳星周の解説を読んで、「男とはどう生き、どう死ぬべきか」が北方謙三の世界観のテーマだということを知った。
私が女性なので、女性が男たちの所為で殺されてきたことに納得がいかないこともあったけど、そういうことなら、男の生き様と死に様を割り切って堪能していこうと思う。
この巻では、大きな戦いが起きず、準備期間っていうところ。楊令が王進の元に行ってしまって、出番が減りそう。
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林冲の危機の続き。
重傷を負うも一命を取り留めた林冲。
そして、塩の道も危機に。
柴進・盧俊義も危うく命を拾う。
徐々に梁山泊軍が追い詰められているような…。
兵站が切れかかっている梁山泊。
どうなるんだろう?
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少し間空いちゃったけど、のめり込んじゃったらすすむすすむ。
男はよ、語り継がれるようにならなきゃならねえ。って言いながら、柴進を守るために死んでいった鄧飛がむちゃくちゃかっこよかった。泣きました。
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おお、林冲、よかったよかった。
しかし林冲の処遇を決めるにあたっての宋江は、なんか滑稽な感があったな。もうちょっと感動的ななんかがほしかった気が。このあたり、ちょっと中だるみか。
最後は悲しかったなあ。読んでいて嫌な予感はしたんだよなあ。ああ悲しい。
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2021.11.26
トウヒの死に方は切ないなぁ。
人が増えて、規模が大きくなる度にこういう死者も増えるのはしょうがないけど…
格好良かったよ。
李逵が最近出番少ないから寂しい。。
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戦闘シーン控えめ。この巻では戦死者は出ないかも、と思っていたら最後の最後で…。消された星は既に12。本当に容赦がない。褒めているのか貶しているのか、馳星周の絶妙な解説がよかった。
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危うし林冲、青蓮寺が押し気味も、梁山泊にもまた新たな同志が加わる9巻目。
史文恭はこう出てくるのかと思いつつ今後が気になります。
巻末、馳星周氏の愛情あふれる解説も読み応えあります。
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四目の要塞が出来上がりました。
前作で死亡者が多数出ましたが、祝家荘戦の功労者達の多くが仲間に入った事で充実しております。
北方水滸伝の世界観ではしょうがないのですが、今作から登場の樊瑞は公孫勝に並ぶ妖術使いです。
致死軍の将校になるのかどうか楽しみです!
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鄧飛の決死の救出により柴進が助かった。塩の道で蓄えた物が官軍に取られたのは悔しいけど命より重い物は無いと知らしめられた気がする。失った分はまた作ればすむしね。
楊令が王進先生の所へ武者修行!今後の成長が楽しみ!
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林冲、妻が生きていると報せを受けて駆ける。
男前すぎる。
秦明将軍と公淑は想いが通じ合ってよかったね!微笑ましい。
その陰で晁蓋にもらす宋江の失恋はかわいかった。
おっさん二人が失恋話。
北方水滸もようやく半分、まだまだ道は長いぞ!
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「そう、明日まで。何日とったところで、大した意味はない。人は、生きているかぎり、別れの積み重ねだ。しかし、再会の喜びも、またあるだろうと思おう」(秦明)(p.181)
「ここは、恥を詰めこんだ洞穴だ。おまえの卑怯なところを、全部詰めこんだ洞穴だ。中にいると、いやな臭いがする。この中で、二日暮らしただけで、私の心は貧しくなった。なにもかもが、ひとり分だ。おまえは、結局、ひとりきりなのだ。ひとりで汲々として生き延び、ひとりで死んでいく。私は同情している。かわいそうな男だ、と思う」(盧俊義→李袞)(p.279)
「ここで、踏ん張るのよ。三日、四日眠らねえから、なんだってんだ。男はよ、語り継がれるようにならなきゃならねえ。わかるか、楊林。あいつはすげえって、みんなに言わせるんだ。いまだけじゃなく、俺たちが老いぼれても、死んでもな」(?飛→楊林)(p.365)