【感想・ネタバレ】水滸伝 十二 炳乎の章のレビュー

あらすじ

青蓮寺(せいれんじ)は執拗に闇塩の道の探索を続け、ついに盧俊義(ろしゅんぎ)の捕縛に成功した。過酷な拷問を受ける盧俊義を救うため、燕青(えんせい)は飛竜軍とともに救出へ向かう。一方、北京大名府に残る闇塩の道の証拠を回収すべく、宋江(そうこう)自らが梁山泊全軍を率いて出動する。それに対して青蓮寺は、雄州の関勝(かんしょう)将軍に出陣の命を出した。宣賛(せんさん)と策を練り、梁山泊の盲点を見極めた関勝が静かに進軍する。北方水滸、極限の第十二巻。

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すごいな〜、すごい!
この構成力ね、すごすぎる!

青蓮寺の執念により、梁山泊の軍費を賄う闇塩の道を動かす盧俊義が捕らえられ拷問にかけられる
盧俊義を救い出すため、浪士燕青と宋江を総大将とする梁山泊軍が動き出す
といった感じで始まる第十二巻

人の想いが鮮やかに交錯しまくる『北方水滸伝』、漢と漢の泣かせる絆が全ページに溢れております

読んで心を震わせるしかないじゃね?と強く訴えたい!

はい、一〇八星ぜんぜん違うじゃん!のコーナー❤

今回は第四十位の好漢、地傑星の醜郡馬(しゅうぐんば)宣賛です

郡馬は郡王の婿と言う意味なので、醜い郡家のお婿さんてことですね
武芸に優れて功をあげたため、さる王族のお婿さんに迎えられましたが、あまりに醜くかったため、お相手が自殺してしまうという
ひ、ひどい

『北方水滸伝』では、いい男で女性にモテ過ぎだために嫉妬され、罪を着せられて捕まってしまう、とまるで真逆です
ですがその際に受けた拷問により鼻や頬を削がれ恐ろしい顔にされてしまったために普段は黒い覆面をしています

また、オリジナルでは武勇に優れ、関勝の副将という立場ですが、『北方水滸伝』では軍略に優れた軍師の立場で、本巻でも鮮やかな献策をしています

そして注目すべきは奥さんです
金翠蓮という『水滸伝』でも一、二を争う美女と結婚してるんですね
これがまた出来た女性なのよ

ちなみにこの金翠蓮、オリジナルではかなり序盤の魯智深のエピソードに登場し、『北方水滸伝』でもそのエピソードに近いかたちではあるんですが、宣賛とは全く関係ありません

『水滸伝』一の醜い漢と『水滸伝』一の美女をくっつける
北方謙三アニキ、粋だわ〜

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2023年09月29日

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闇塩の道をめぐる攻防、特に燕青による盧俊義救出劇はこの巻のハイライトでスリル満点、手に汗握った。他にも宋江率いる攻城戦、関勝の梁山泊入りなど読みどころ満載。寝不足になる。

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2021年09月16日

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4.2

青蓮寺側にさえ「惜しい」と言わせる英傑、晁蓋。
晁蓋は宋江の事だけを想って死んでいったけど、宋江も同じだったんだな。
この2人の関係は魯達と宣賛の会話がメーチャメチャ腑に落ちた。魯達の言語化能力高すぎ。

それと関勝ファミリーすーげえ愛おしい。
超絶ブレインの宣賛が呉用を助けるのも楽しみだし、関勝×呼延灼との夢の共闘も楽しみ。
どこに配属されるんだろか。

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2021年01月12日

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ネタバレ

晁蓋が死んでしまったことに対する宋江の言葉に、仲間と同じように泣いてしまった。宋江の心情描写はないけど、哀しみの深さが伝わってきた。
「晁蓋とともに、闘い続ける」「晁蓋が勝利を待っている」
呼延灼が韓滔を偲ぶシーンも良かった。
盧俊義の拷問のシーンは、飛ばしてしまった。燕青は、気持ちが悪いキャラだと思っていたけど、盧俊義を背負って助け出すのがすごかった。人が他人を思う気持ちの凄さを感じた。

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2016年08月24日

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関勝が出てくると「おもしろい!!」。
すごい人間味があり惹きこまれます。
晁蓋が死に盧俊義が捕縛され大変な状況もあり~の。
なかなかハラハラしながら読むことができました。

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2015年12月31日

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原点の水滸伝と比べて、大幅な改訂が加えられているそうですが、原点を読んでいない俺にとってはどうでもええ事やな。
原点ら読んでなくても充分楽しめる!めちゃめちゃおもろい!!
原点では妖術とかの要素もあるらしいんやけど、北方版ではそれも省かれたあた。
俺は小説でそんな魔法とかファンタジー的な要素が入ったあるのは嫌いやし、ましてやこんな熱い話でそんな非現実的要素はいらん。

水滸伝のストーリを超端的にまとめると、梁山泊百八傑と言うように、108人の豪傑(女性含む)が織りなす一大叙事詩です。腐敗が進む宋において、『替天行道』の志のもとに集いし者達の熱い闘い。


最初108人の豪傑を全員書き分けれるんかよとか思いやったんですが、そんなんは杞憂でした。
108人全員が個性的でなおかつ熱い!!
『三国志』を読んだ時も思ったけど北方謙三という人は、豪傑とか漢とかを書かせると右に出るものはいないのではないだろうか。
また、全員死に様がかっこ良過ぎる。
漢とは死に様までカッコ良くなければならないと思いました。
豪傑達一人一人にすごい愛着が持てたので、そいつらが死ぬたびにものすごい落ち込んだ。

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2014年01月08日

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晁蓋が死に、盧俊義が拷問から助け出されて、、、盛りだくさんな1冊でした。死域で生き続けた燕青をめちゃめちゃ応援してました。

それから本当に私はこの男たちが大好きだ!!って感じるシーンがありました。
最後の方で、朱富のお店で林冲たちが飲んでいるシーン。
言い争いになって出てきたセリフ。
「もうやめろ。おまえら、みんな子供だ。」(P.328)by彭玘
なんというかここがすごく胸キュンだったのです。
強い男たちもみんなこうやって子どもっぽさをどこかに残したまま、たまにはたのしくお酒を飲みながら、生きているのだと感じられました。
とにかくどのキャラも可愛い!

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2013年11月22日

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晁蓋と共に戦う、と宣言した宋江のシーンが、すごくよかった。あとは
盧俊義と燕青。燕青かっこよすぎ〜。

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2013年08月22日

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今まで何度も登場したものの、なかなか語られなかった廬俊義と燕青の関係も明らかに。
父親である廬俊義を救う燕青の聡明さ、強さ。
この十二巻に燕青の魅力がぎゅっとつまっていて、一気に燕青が好きになった。
また、林冲と史進の関係がいい。
晁蓋がいなくなってからの梁山泊と青蓮寺は互いに探りあいながら、表で裏でさらに激しくぶつかり合っていく。

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2013年03月16日

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郁保四、燕青そして関勝

この巻は、この3人は泣かせるよねえ~

そして、北方水滸伝が凄いのは、悪役青蓮寺が凄いからと思う

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2012年04月30日

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官軍により闇塩の道探索が続けられていた。ついに、盧俊義が捕縛される。過酷な尋問に耐え続ける盧俊義を燕青は、飛竜軍とともに救出に駆けつけて、王英とともに、助け出す事に成功する。
一方、雄秀の関勝将軍は、堂々と梁山泊に入場する。

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2024年10月17日

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梁山泊の生命線である闇塩の道を取り仕切る魯俊義が捕縛され、拷問を受ける。全軍で救出に向かう梁山泊軍。奇跡の救出ストーリーが12巻のクライマックス。
ここから終盤にかけて、官軍と梁山泊軍との決戦の場面が増えるのだろうな。北方謙三の得意とするストーリー展開、描写が楽しみ。

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2024年02月15日

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ネタバレ

晁蓋という存在が消えてしまった梁山泊。
宋江の言葉は、晁蓋の死を受け入れてなかった。これからも一緒に闘うから。晁蓋が嬉しそうに打った刀を携えて。私もそうする。もしこの本を読んだことを忘れてしまったとしても、私の中の見えないどこかで晁蓋は生き続ける。そして私も強く暖かく生きる。それくらい大好きな人だった。

郁保四と楽和が饅頭を食べて泣き出すシーンがリアルだった。安心するはずのおいしさと暖かさが、逆に張り詰めている気持ちをぷつんと切ってしまう感じ。私もこれ以上泣いていたら梁山泊を追い出されちゃうな。

少年のころから女にもてた宣賛×金翠蓮ちゃん尊〜〜〜!!!!!!!心通じちゃうラブラブカッポー英傑たちの死の中で一際尊〜!!!ピンク〜〜!!!あ〜!!!!!ハート回復
(晁蓋の死に嘆く読者のためにこのシーンいれたよね?北方謙三様よ)

宣賛と魯達の賢さって似てるような気がする、会話のテンポが同じ。
魯達「片方には死んでもらいたかった」ね。このままじゃ立ち行かないと感じてたんだろうね。でもやっぱり寂しい。魯達に言われると、それもそうだな、、、と思わざるを得ない。

盧俊義と燕青の関係性が衝撃だった。
男色なのかと誰かが思う度に燕青に冷たいものを感じていたけど、そういうことだったのか。
この二人は親子のように感じるって言っていたのは誰だっただろう。李逵かな。李忠かな。李がつく人だった気がする。

馬の上で史進投げ飛ばしちゃう燕青最強じゃねえ?!?!
燕青やっぱり最推し。私、見る目あるな。

関勝と宣賛、天晴れ。
韓滔が雄々しく死んでしもうた。やっぱり片方が先に死んだ。韓滔の話し方がとっても好きだった。安心させてくれる雰囲気。彭玘が真似してみんな笑っていたけど、最後に滴を落とした呼延灼、無理して笑ってたんや。本当に大好きで信頼してた人やったんやね。
人間らしくて良いな、呼延灼。

解説コーナー
前半の解説は基本的におもしれー!すげー!北方水滸伝!だったのが後半になって内容が変わってきた。すげー!おもしれー!はもうここまで読めば分かるでしょ?ほなちょっと違う切り口で水滸伝語っていきましょか。の解説。
中国での夢は絵空事、かなわないことの意味だけれど、北方謙三は水滸伝に壮大なドリームを描いた。中国版水滸伝と対照した小説の書き方の違い、などなど興味深い内容でした。

「北方謙三は水滸伝の英雄たちに夢を与え、読者たちには眠れない夜を与えた」

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2022年02月02日

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じわじわと勢力拡大しているようではあるけど、まぁなかなか前に進まない。そんなに簡単に強くなったりするもんでもない、と言われればそれまでだけども。
今回のポイントは盧俊義攻防戦で、根性で捉えた官軍もなかなかだし、塩のために一般人を200人くらいぶっ殺した梁山泊も追い詰められればやるぞ感を見せてきて、要するにどっちもどっちな様相。ドロドロだー。

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2022年01月22日

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●1回目 2007.9.14

玉麒麟盧俊義の危機。
浪子燕青、渾身の活躍。


●2回目 2015.1.11

原作では、盧俊義は宋江に継ぐ席次第2位。
その盧俊義の危機に、席次36位の浪子燕青が向かう巻。

深夜の酒場での、呼延灼、朱富、彭玘による戦死者の回顧談。
それに豹子頭林冲と九紋竜史進が加わった、仲間たちの会話が楽しい。

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2017年10月09日

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ネタバレ

晁蓋暗殺の喪失感が消えないうちに、青蓮寺により盧俊義が捕えられる。そして、燕青の決死の救出劇と明らかになる二人の関係性。
どうしても、ダイナミックな合戦に目が行きがちだが、その裏で繰り広げられる青蓮寺との暗闘も緊張感とスピード感があってかなりアツい!
朱冨の店での語り合いも絵になる場面。
酒を酌み交わしながら感情や弱さを吐露する男たち。それを見守る店主。男心を掴まれる名シーン。

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2017年02月04日

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青蓮寺が盧俊義を捕縛して闇塩の道を追い詰める。
燕青が救援に向かう。
一方、関勝に2通の手紙が届き、関勝も動かざる状態に...今後の展開に目を離せなくなった。

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2016年04月12日

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ネタバレ

52の地名と52の人名。饅頭一つの借り。熱い巻でした。盧俊義は燕青の背中で死んだ方がドラマチックだったなーと思ったり。

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2016年02月21日

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闇塩の道の探索を続けていた青蓮寺は、盧俊義をついに捕えた。
救出に向かう燕青と飛竜軍。

関勝も出てきて、また物語が動きだす。

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2016年01月02日

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燕青と盧俊義が主人公の章になります。

盧俊義がついに逮捕!?
拷問を受ける盧俊義を燕青は助ける事が出来るのか?

勿論、全巻のラストで死んでしまった晁蓋の後日談もありますが、それ以上に盧俊義の救出作戦はハラハラでドキドキです。

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2015年12月20日

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本巻の読み所はやっぱり塩の道を操っていた盧俊義の捕縛。
官軍がそこを突き止めた事により物語が広がりを見せていく。
また、梁山泊に新たな戦力が加わり、官軍との今後の攻防が注目ですね。

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2015年04月20日

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拷問のシーンが痛い・・・・・・。小心者の僕にはちょっと刺激が強すぎる感。
あと僕の好きなキャラが死んじゃったのもショックだなあ。
ま、梁山泊にまた英雄が一人やってきたのは喜ばしいところ。

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2013年08月25日

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晁蓋という梁山泊のひとつの支えを失ってしまってからのお話。
私は、晁蓋が死んでしまって、かなりショックを受けてなかなかこの巻を読み始めることができていなかったのですが、この巻を読み始めると、皆が己の悲しみややるせなさ不安と闘いながら、それぞれの役割を果たそうと必死に過ごしていて、その姿に読んでいるこちらが元気づけられました。

そして、頭領が宋江一人になってしまった梁山泊は、盧俊義の捕縛という大きな危機に見舞われるのですが、ここで活躍するのが燕青です。盧俊義の従者としてずっと傍にいた燕青。二人の関係性、過去が明らかになり、燕青の盧俊義への並々ならぬ想いが盧俊義を救出することになるのですが、この時の燕青はすごくかっこいいです。今まで燕青は、いまいち人物が掴めないような感じだったのですが、こういう形で燕青を知ることになるとは、と驚愕しました。と、同時に燕青がかっこよすぎて好きになりました。これで美青年っていう設定はずるい!です。女の子の読者は好きになっちゃうんじゃないかな、と思いました。
燕青自身の話だけではなく、周囲の人々の燕青に対する気持ち、評価みたいなものがちょこちょこ出てくるのも、良かったです。盧俊義を通しての燕青ではなく、燕青自身が梁山泊メンバーと近づいている気がして、うんうんとなりました。

最後の、韓滔の死に胸を痛めている呼延灼将軍の姿は辛かったです。普段強くて厳しい人も、大切な人の死にはもろくなってしまうんだな、と。

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2013年07月29日

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ネタバレ

この巻では闇塩の重要な役目を担っていた廬俊義が青蓮寺に捕縛され、塩の道が解明されてしまうか?というところで燕青が救出に向かうという塩の攻防の話と地方軍の有力将軍の関勝が梁山泊軍に加わることになるまでの話の構成になってます。
関勝が加わった梁山泊軍と官軍との今後の抗争が楽しみになってきました!
それにしても史文恭というのは嫌なキャラクターですね。

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2012年12月12日

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晁蓋を失った梁山泊が次に失うのは…?!
もうドキドキハラハラが止まらなかったです。
今まで影にいたメンバーが表に出て来たイメージの巻でした。

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2012年09月06日

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チェックするとなんと約2年振りの水滸伝だった。
拷問のところはやはり盛り上がった。
さて、あと7冊。読んでしまおう。

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2019年11月24日

Posted by ブクログ

2013.1.29 上を支える秘書的な役割をしている燕青、解珍、宣賛の賢明さに惚れた。頼もしすぎる。

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2013年01月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

晁蓋を失ったことによる梁山泊の反応が
前半でかかれます。
晁蓋を悼む旗を見ることで
皆頑張れたよ、というお話。

また、拷問の責め方として、
単純に物理的に痛めつけるだけではない、
心理的な責め方について書かれています。

「最近瘦せてきた」フラグ回収。
飄々としたキャラを失うのは悲しいです。

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2013年01月27日

Posted by ブクログ

本巻の主な事件は、
1 青蓮寺による廬俊義の捕縛
廬俊義は梁山泊を経済的な面から支え続けてきた大物であり、ここで死亡することがあればそれこそ梁山泊にとって大打撃であるが、弟子の燕青の超人的な活躍により梁山泊へ脱出。この描写は読んでいて非常にハラハラした。
2 梁山泊軍の北京大名府一時占領
北京大名府といえば東京開封府に次ぐ大都市である。一時的であるにせよ、ここを占拠できたということは梁山泊の攻撃力がついてきたということだろう。
3 雄州の関勝将軍による梁山泊進軍
これにより北京大名府の占領は一時的なものとなってしまった。このとき梁山泊にはビッグネームは不在であり、ここでもし本腰を入れて梁山泊を攻められていれば間違いなく陥落していただろう。しかし攻撃しなかったことで、いよいよ関勝の梁山泊入りを濃厚なものとさせる。
4 関勝将軍の梁山泊入り
今まで梁山泊入りした元官軍の将は、その経過の詳細が描かれていたが、関勝の場合は葛藤や心情の移り変わりが主で、具体的な行動の記述がなされていない。実は気になって次巻を見てみたのだが、いつのまにか関勝一派が融け込んでいた。北方氏独特の遊び心の一つなのだろう。

主要な官軍の将もほぼ梁山泊入りし、今後の人事的な展開が楽しみである。本作品の魅力の一つは様々な人間の生きざまが描かれることにある。お気に入りの登場人物は?と聞かれてもまだこれだという者は定まっていないが、全19巻を読み終えるまでには虜になるくらいのキャラが現れるのだろう。それを楽しみに読み進めよう。

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2012年09月21日

Posted by ブクログ

■名場面
燕青が、盧俊義を担いで、北京大名府から梁山泊まで運んだところ

「俺の心の底の思いを言うとだな、宣賛。どちらでもいい、片方には死んで貰いたかった。ひとりが死んだあとに、そのことに気づいたよ」
宣賛は、魯達を見つめた。
「こわい男だな、おまえ」
「自分でも、それを認めていいような気分だ。人に対する思いは、いつも絶対ではないのだからな」(p.85)

燕青という、長く従者をしていた者が、飛竜軍の一部と力を合わせて助け出した。それだけでも異常なことであるが、燕青は追跡の眼をくらませながら、ひとりで盧俊義を担いで、梁山泊まで運んだのだという。
人間離れした、異様な力が作用したのだ。奇蹟と言ってもいいだろう。理屈を超えたものは、確かに存在している。聞カン章はそれを認め、敵にそういう力が作用した時は、割り切って諦めることにしていた。いつでも、どこでも、そういう力が作用するわけではない。史文恭が、晁蓋の暗殺をなし得たのは、その力がこちらから出たと言ってもいいのだ。(p.272)

すべてが、きれい事で済むはずがなかった。志を掲げてみたところで、人なのだ。事実、三つの城郭には妓楼があり、博打場も作られている。底流には、人の欲がないわけはないのだ。(p.358)

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2020年07月15日

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