感情タグBEST3
Posted by ブクログ 2023年09月28日
梁山泊の二人の頭領、晁蓋と宋江
好対照の長所と短所が互いを補い合ってがっちりと組み合わさっていましたが、それぞれの持つ譲れない思いから次第に綻びが見え始め、ついにあの時がやってくる第十一巻
今回も戦の裏側にある、調練や諜報、謀略をしっかり描くことで、物語にとんでもない深みをもたらしています
クラ...続きを読むイマックスは『水滸伝』のスーパーアイドル扈三娘の絶体絶命の危機に颯爽と現れ、間一髪で救い出す王英先生です
カッコいい!
謙三アニキ!わいの大好きな王英先生をこんなにカッコよくしてくれてありがとう!(´Д⊂ヽ
王英先生についてはまた後で語りたいと思います
というわけで、一〇八星ぜんぜん違うじゃん!のコーナー!
今回は第百六位の好漢、地耗星の白日鼠(はくじつそ)白勝です
白日鼠とは昼間からつまらない悪さばかりしていることから名付けられたからなのですが、『北方水滸伝』では色白で出っ歯の顔がねずみに似ているからという少し残念な理由も付け加えられています
特に強いわけでも、一芸に秀でてるわけでもなくそれほど目立つ存在ではありませんが、『北方水滸伝』では獄中で出会った林冲、安道全と硬い友情を結び
志のためではなく、友のために梁山泊に入ったとはっきりと言い放ち、漢としてのまた違った生き方を示しています
そしてなんとこの巻では、安道全の元で学んで医師としての道を歩み始めます
凄すぎです!
凄十です!
オリジナルではただの博打好きのチンピラですからね
まさか白勝を医者にするなんて…やっぱりちょっと頭おかしいな(最大級の賛辞)
そしていよいよオリジナルにない星も作ってきやがった!w
てことは全109章あるのかな?
追記)1巻5章だからどう考えても108章いかんわwそれとも『楊令伝』でも続くのかな?
Posted by ブクログ 2021年05月09日
まったく息つく暇が無い。
11巻を物語を追ってきて、やはり惹き込まれていると感じる。悪として描かれてきた「国」の側の変化が物語に厚みを持たせている。
Posted by ブクログ 2021年01月08日
4.2
次の巻の登場人物リストで晁蓋が死者の欄に載ってるのを視認して、15分くらい頭抱えた。
梁山泊に加わった人間が晁蓋に会ってどんなリアクションするかが楽しみだったし、青蓮寺側の人間にも対面してほしかった。
本人はネクスト晁蓋が現れるから大丈夫とは言ってたけど、これだけの人物が本当に現れるのだろ...続きを読むうか。
今後梁山泊に広がるショックの波と、宗側に広がる歓喜の波の両方を見届けなきゃいけないのがなんとも辛い。
うぅ…気持ちの整理が追いつかん。
Posted by ブクログ 2019年10月31日
水滸伝第11巻
梁山泊のツートップの一人、晁蓋死す。
戦ではなく暗殺で殺られるのか。
晁蓋の戦いぶり、もっと見たかった。
晁蓋の死はもちろん悲しいのだけれど、それ以上に残された宋江や林冲たちの心中を思うと涙が溢れた。
晁蓋なき後の梁山泊がどう進んでいくのか、今後の展開にも目が離せない。
Posted by ブクログ 2015年04月08日
晁蓋と宋江は内面では、相手を認め合ってるんだろうなという印象があった。正面切って口論ができるのはそういう事では無いかな?と…。離れ離れになると若干寂しがってるし…。…にしても晁蓋…ショック…
Posted by ブクログ 2014年01月08日
原点の水滸伝と比べて、大幅な改訂が加えられているそうですが、原点を読んでいない俺にとってはどうでもええ事やな。
原点ら読んでなくても充分楽しめる!めちゃめちゃおもろい!!
原点では妖術とかの要素もあるらしいんやけど、北方版ではそれも省かれたあた。
俺は小説でそんな魔法とかファンタジー的な要素が入った...続きを読むあるのは嫌いやし、ましてやこんな熱い話でそんな非現実的要素はいらん。
水滸伝のストーリを超端的にまとめると、梁山泊百八傑と言うように、108人の豪傑(女性含む)が織りなす一大叙事詩です。腐敗が進む宋において、『替天行道』の志のもとに集いし者達の熱い闘い。
最初108人の豪傑を全員書き分けれるんかよとか思いやったんですが、そんなんは杞憂でした。
108人全員が個性的でなおかつ熱い!!
『三国志』を読んだ時も思ったけど北方謙三という人は、豪傑とか漢とかを書かせると右に出るものはいないのではないだろうか。
また、全員死に様がかっこ良過ぎる。
漢とは死に様までカッコ良くなければならないと思いました。
豪傑達一人一人にすごい愛着が持てたので、そいつらが死ぬたびにものすごい落ち込んだ。
Posted by ブクログ 2013年07月13日
宋との戦は優勢のように見えつつ、頭領二人の意見の対立が顕著になり、先行きの不安が顔をのぞかせてくる。
拡大してきた組織を運営していくことの難しさが感じられる一巻だった。
Posted by ブクログ 2013年05月22日
梁山泊の頭領2人の対立が激化。まわりもそれに引きずられる。頭領が2人というのはこういう軋轢を生む。そして野戦に出た晁蓋が暗殺者の手に倒れる。急展開。
Posted by ブクログ 2024年01月29日
あーーーーーー!!!!
晁蓋がぁー!!!!!!!!!
で、終わって。もう、続きが気になりまくってやばいです。
お願い、生きてて。お願い。
お願い。
晁蓋は、ラストで死ぬならいいけど、まだ読みたい。晁蓋の姿を見ていたい、、、、
宋江と晁蓋のやりとりも、、、、
見たい、、、、
お願い。
お...続きを読む願い。
お願い。
#水滸伝
#気になる
#晁蓋
#林冲
#九紋龍史進
#好き
#たまらん
#北方謙三
#だいぶきてます
#読み終わるのいやだ
#まだ当分読み続けたい
#読むのもったいない
Posted by ブクログ 2022年01月29日
いつもにも増して雑多な書き方になっている殴り書きメモ。
みんなが無性に楊令に会いたくなるのかわいい。
楊志の魂を引き継いでるからや!
楊志の遣った剣が楊令には刻み込まれている
楊令が子供らしくはしゃぐところを見れて安心した。かわいい。
孫公勝と樊瑞の死についての会話もよかった。暗殺は運命に対する...続きを読むちょっとした手助け。
死を友人に喩えるのはどの国も同じなのかしら?ハリーポッターにも出てきたから
やっぱり麦を待っていた晁蓋
李忠、、、戦いたかったよね、、、なんで足を切り落とすだけで私は泣いているの
李応ーーーー!!!!!スキー!!!!!!
李応の執事という生き甲斐を失った杜興。自分の価値に悩んで、心を病んだ兵たちを苛めながら自分の心を苛めた杜興。でもいざ実戦になると一番に突っ込んで行って誰一人死なせなかった。「腰抜けだ、おまえらは。一度勝ったぐらいで、いい気になるな」「腰抜けが」これは自分に言い聞かせてる言葉だ。
50にもなって自分の生き方を変えるって、相当ストレスがかかるし、兵の命も握ってると思うと苦しいだろうな……
腰抜けだとしても生きて戦うことを選ぶ漢たちは格好いい。眩しいくらい。
本能で動き出す王英に胸キュン。
え、晁蓋殿、え、ごさ、え?
杜興かわいい…
意地でも主人は李応、これだけで漫画一本いける
スパ執、、、
飲み会で史進が兵を持ち上げて投げるの可愛すぎてびっくりした
史文恭さん、やはり長い暗躍の人生でひねくれてらっしゃるね、彼にとって晁蓋は眩しすぎる
そして暗闇に引き摺り込むことで自分の物にしたいんだ 自分の名を書いた矢を、なんと、ヤンデレ、やだ、きらい
小指を噛みちぎられたくらいで、理不尽になにかを奪われたなんて言うなよ、お前はいままでもそして今も私たちの大切な晁蓋を奪おうとしているじゃないか
顔が見たいって言われて宋江は喜んでたのに
毒で倒れて目に入るのが木の小さな芽で、もう春なのだと思った晁蓋はこの国の人のことを想っているのに、こんなに陽だまりみたいに暖かくて明るくてそこにいるだけでみんなが安心する、そんな人がいるから志がより意味を持つのに
宋江が待っているのに
お願いやから死なんとってよ。。。
解説コーナー
心が乱れたまま読んだ解説。今回は水滸伝の原典について淡々と書かれていて逆に助かった。実際の宋での叛乱についてとか。でもあまり頭に残っていない。
Posted by ブクログ 2022年01月08日
いや、まぁ面白いんだけどもね、ちょっとマンネリ化というか、戦ってますけど、何か?っていう展開+新キャラが味のあるやつ、っていう二本立て。そろそろ新展開がほしいかなぁ、と思っていたところで、来たかも!これまた次巻が気になるっていいう流れですよ。
ていうか扈三娘は王英しかないですよ、頑張れー、ブサイクの...続きを読む星。
Posted by ブクログ 2021年09月12日
本来の水滸伝に存在しない「天地星」創作も北方版ならでは。百八星のさらに上位の星、つまり晁蓋ということだろうが…。まだ加わっていない星もあるのに戦死者は増えるし、官軍は精鋭化するし、もう先行きが危ぶまれる展開。目が離せない。
Posted by ブクログ 2017年10月09日
●1回目 2007.9.9
九紋竜史進の副官、杜興のエピソード。
映画でいえば、渋い脇役が演じて主役を食ってしまう一番オイシイ役どころ。
全19巻の11冊目。
文庫版が出ているのはここまで。
もはやとまりません。
●2回目 2015.1.10
前回は文庫本でここまで読んだ。
それ以降の巻...続きを読むはまだ文庫化されていなかったので、あとはハードカバーで。
今回は、1~4を文庫版、5~7をハードカバーで、8~からふたたび文庫版で読んでいる。
ハードカバーに変えたのに特に理由はなくて、気分転換のつもりだったのだが、文庫化の際に手が入って、それが最終版だということを知ったので、8巻から文庫に戻った。
文庫版には「あとがき」があって、参考になるものもあるので、これから読もうという方は、文庫版がおすすめ。
さまざまな登場人物のエピソードが語られる巻。
最後に衝撃的な展開。
Posted by ブクログ 2015年12月19日
杜興の葛藤のくだりが一番良かった。
樊瑞がこれから活躍しそうなのも楽しみだ!
騎兵隊の夜営の談笑も良かった。
大変な事は起きたが、これは起きるべき事件なので受け入れるしかない。
久々に楽しめた巻でした。
Posted by ブクログ 2015年02月26日
え!?と声を漏らす結末。まさか、そんなわけないよね〜と思ってたら、そんなこと、あった…
死は誰にも平等にやってくるもの。他の人と区別をつけずに平等に死がやってきたことに、驚きもあり安堵感もあり。
Posted by ブクログ 2013年05月19日
呼延灼戦の敗北が梁山泊に残した爪痕と、兼ねてから勃発していた晁蓋と宋江の意見の食い違いに焦点があてられた巻。
冒頭の方は、呼延灼戦で負傷した者、友であり兄弟であり仲間を失った者たちが、死とは、生き残った自分(負傷した自分)とは、ということについて悩んだり落ち込んだりしている姿が痛々しくも、梁山泊の...続きを読むメンバー同士が一人一人をよく見ていて支えあっているな、と思いました。
そこから樊瑞なんかは、致死軍という自分の新しい道を見つけていたりもして、多くの仲間が死んでしまったという現実を、それぞれが受け止めて乗り越えて進んでいくんだな、と、読んでいるこちらも、メンバーの死を悲しんでいるだけではダメなんだなと逆に力づけられました。
(私は特に施恩が死んでしまって打ち拉がれていたので)
後半にいくにつれて、晁蓋と宋江が考えるこれからの道について、それぞれの想いが描かれていました。
二人の描く未来は同じなのに、その過程が食い違ってしまうのは、お互いに辛いことだと感じていて、そこに頭領であるという重圧のようなものが更にのかってきている二人は、本当に苦しいところにいるなあと思いました。思わず、こちらが二人のためになんかいい案はないかと考えてしまうくらいです。
本人達がやきもきしている分、下もやきもきしてしまうから、早くお互い譲歩しなよ!と言いたくもなりますが……。
それにしても、今まで私はあまり晁蓋にぐっときてなかったのですが、この巻であまりにも晁蓋という人物がキラキラと描かれているというか、誰から見ても爽やかでかっこよいと思われているので、私もだんだん彼に惹かれてしまいました。びっくり。
ところで、今回も秦明と公淑の話にはほっこりしました。
楊令も着実に大きくなっているようで、成長が楽しみです。
そして、晁蓋が死んでしまった梁山泊はこれからどうなってしまうのか。続きがかなり気になるところです。
Posted by ブクログ 2013年03月15日
とうとう晁蓋が死んだ。
樊瑞の言葉のように、暗殺とは時を告げる鐘のようなものだとするのなら、晁蓋の死はここだったというそれだけのことかもしれない。
ただ、梁山泊は晁蓋がいて宋江がいて、呉用がいて成り立っていたから、3つのうち1つが欠けることで、梁山泊がどのようになっていくのか。
次の展開が楽しみ。
Posted by ブクログ 2012年12月10日
いよいよ官軍と梁山泊軍の全面対決か?と思いきや、まだジャブの打ち合いという感じで、今回は索超という人物にスポットを当てた話がメインかと思いきや、最後に大変な山場があり、梁山泊ツートップの一角である晁蓋が暗殺されてしまうという、まさかの展開となりました。
これで宋江のワントップ体制となった梁山泊がどう...続きを読む官軍に立ち向かっていくことになるのか?また楽しみになってきましたね!
Posted by ブクログ 2012年10月09日
面白いけど、そろそろ飽きてきた。なんだか似たような展開の繰り返し。いや、面白いんやけどね、それは間違いないんやけど、なんか。。
ただこの巻のラストでは、ついに晁蓋が!!!
Posted by ブクログ 2012年09月17日
暗殺に関しての樊瑞と死に関しての公孫勝の言葉がなんとも絶妙で心に残っています。
「運命に対するちょっとした手助け」
「古い友人。生まれた時からの、友人。それが思い立って人を訪ねる」
Posted by ブクログ 2012年09月11日
暗殺業に路線変更する樊瑞、
負傷した部隊を立て直す杜興、
他にも索超や楽和、李忠にこの巻では焦点があたる。
何よりも史文恭の躍進が目を見張る。
自然と梁山泊メンバーに溶け込み、
暗殺を実行する手際は見事。
その特殊な心理描写も相まって
強敵だと感じさせる。
李忠、杜興、韓滔の爺三人の会話が癒し。...続きを読む
たまに発生する梁山泊メンバー同士の
雑談が温かい。
Posted by ブクログ 2016年11月19日
攻勢を続ける晁蓋が、青蓮寺の刺客・史文恭の毒矢によって命を落とす。
撃って出るか、機会を待つか。宋江との方針のずれは平行線のまま終わってしまった。今後、宋江はどの様に梁山泊を導いていくのだろうか。
自らが先頭に立ち引っ張っていく晁蓋。
人との繋がりを重視し、見守ることに徹する宋江。
どちらもリーダー...続きを読むとして魅力がある。自分が梁山泊の将校ならどうするだろうか?と考えてしまう。
Posted by ブクログ 2015年04月15日
本巻は何と言っても巨星墜つの一言に尽きる。
暗殺ってやっぱりあっけないなぁと感じてしまう。
やっぱり戦の中で死ぬのとは違うなと。
梁山泊を支えてきた一人が去ってどう展開されるのか次巻が楽しみです。
Posted by ブクログ 2013年08月18日
もちろん相当に面白いのだけど、ちょっと中だるみ感があるかなあ。
エピソードが多いがゆえに小粒であることがその原因かも。
と思っていたら驚愕のラスト!え!どうなるの?これはすぐに続きを読まねば、だ。
Posted by ブクログ 2012年09月03日
今までの巻に比べて淡々としてるなというのが第一印象。
そして、淡々と死んでいく晁蓋。
私は晁蓋のことは嫌いではなかったけど
頭領なんだから暗殺される可能性は考えるべきだったと
少し軽率に思えました。
晁蓋という大きな星を失った梁山泊。
さてはて、どうなるのか…
Posted by ブクログ 2012年09月21日
タイトルは、本書の背表紙から引用したものである。梁山泊の頭領:晁蓋が、とうとう青蓮寺の刺客:史文恭に暗殺されてしまった。宋江とならぶ水滸伝のビッグネームである。暗殺は本巻のラストで行われるのだが、久しぶりにスリルを味わった。と同時に、梁山泊が意外に脆く脇の甘い組織であることを実感した。晁蓋が平原の街...続きを読むを落とした後、民に紛れた史文恭と面接するのだが、青蓮寺一味であることを知ってあえて危険因子を取り込んだのかと思った。何か意図があってなど…。ところが、こういとも簡単に暗殺されてしまうとは…。確かにその前から宋江との確執→双方からの歩み寄りが描かれていたし、女性騎士:扈三娘とのカップリング画策の話が唐突に持ち上がったりしていたので、晁蓋の死期は近い予感は、ある程度していたが…。
いっぽう、本巻では友人:李袞を亡くした「樊瑞」、前主人:李応(梁山泊の兵站担当)と分かれて双頭山に配属された「杜興」など味わい深いキャラクターの迷い・傷心・葛藤が存分に描かれているが、それが梁山泊全体の歯車の大切な一部となっていて面白い。
さて、次巻は晁蓋のいない梁山泊がどう動いていくのか非常に楽しみである。ナンバー3の盧俊義はいまだ梁山泊の常連メンバーには入っていない以上、ナンバー4である事務畑の呉用が存在感を増してくるのだろうか…。
Posted by ブクログ 2020年07月15日
「戦で死ぬのではなく、むなしく死んでいく。それをやっても、揺るがない心を持った者を、私は必要としていた。これは、晁蓋殿や宋江殿に、知られてもならん。あの二人は、志の高潔さを失ってはならぬのだからな。私と二人だけで、暗殺というものが持つ、背徳に耐えられる心を保てるかどうか。そういう人間を、私は捜してい...続きを読むた。そして、おまえを見つけた」
「俺が、暗殺を」
「暗殺をしても、ただ仕事をしただけだと思える男。私は、それを求めていた」
「すぐに、そうかと私は言えません」
「だから、あの岩に座れ、と私は言っている。そうやって、考えられるだけ、考えろと」(公孫勝→樊瑞)(p.79)
「俺は、王進殿に稽古をつけていただきたいのですが」
「やめましょう。索超殿は、充分に強い。強すぎるほどです」
「俺は、自分が弱いと思っています」
「そう思えるだけ、強くなられているのです」
「わかりません」
「わかる必要はありませんよ。あなたにとって大事なのは、これ以上強くなることではなく、その剣を生かせる場所を見つけられるかどうかでしょう」(p.83)
晁蓋が、白い歯を見せて笑った。笑うと、少年のようになる。こういう笑顔は、宋江にはないものだった。はじめてこの笑顔をむけられた時、切なく悲しいものさえ、楽和は感じたのだった。(p.193)
どうしても、嫌いになれなかった。
いや、はじめから好きだった、と言っていいかもしれない。これほどの好悪の感情に包まれたことが、史文恭にはなかった。
そばにいると、それほど晁蓋という男は史文恭を魅了したのだ。いろいろな人間を見てきた。さまざまな人間になりきって、仕事もしてきた。
しかし、晁蓋になりきることはできない。ほんのわずかでも、自分は晁蓋にはなれない。そう思う。どうにもならない光を、体の底から発している。それが照らし出すのは、希望という、史文恭の人生には縁のなかった、不思議な暖かさだった。(p.363)