あらすじ
前漢の中国。匈奴より河南を奪還し、さらに西域へ勢力を伸ばそうと目論む武帝・劉徹は、その矢先に霍去病を病で失う。喪失感から、心に闇を抱える劉徹。一方、そんな天子の下、若き才が芽吹く。泰山封禅に参列できず憤死した父の遺志を継ぐ司馬遷。名将・李広の孫にして、大将軍の衛青がその才を認めるほどの逞しい成長を見せる李陵。そして、李陵の友・蘇武は文官となり、劉徹より賜りし短剣を胸に匈奴へ向かう――。北方版『史記』、激動の第四巻。(解説・池上冬樹)
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司馬遷の日常から蘇武のピンチまで(あらすじが雑になってきたな)
全七巻の真ん中だからか、人の出入りが激しい。消えゆくものたちの無念さと新しい出会いの力強さ。とりあえず叫びたい……衛青ィィィ!!
あ、頭屠の嫁取りは良き。匈奴側が良すぎる
李陵がしっかりと成長していて嬉しく感じていたから、第二十章の蘇武にはハラハラした。二人とも、あんなに小さかったのになぁ。
朱咸と柯賀が大宛で幸せに暮らしていたのも嬉しい。すっかり大宛の民になっている。良かったなぁ。朱咸のあのセリフにはゾクリとした。ほんまそう。→
244ページの「天の子に、して貰ったのだ。そうとしか、俺には思えん」のセリフで変わってくれるのか??と期待したが、そんなこともなく、ただ、破滅への道をゆく……ツライ……ぐぬぬ。
桑弘羊もやはり老いているんよな……身分差……うう……私はただ、見届けるのみ……ッ!!
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3巻までに活躍した人々が去り、帝にも老いの影が。しかし、新たに若い人材が成長を見せる。匈奴でも世代交代が進むが、将軍は全盛期を迎え、いよいよ反攻のときがやってくる。
解説にも書かれているが、登場人物の描き方、物語性の構築が見事で、全7巻の4巻目といっても、まったく飽きさせない筆力が見事。
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段々と作者の文体に慣れてきたので、ある程度の速度を出しつつ物語に入り込んでいけるようになった。
最初のうちはとにかく事実を追って、当時の中国を思い描きながらそれぞれの言動を読み進めるだけだったけど、これも慣れてきたからなのか、随所に見られる人の生き様や心情描写にはっとさせられることが増えてきた。
今から2000年近く前の話だけれども、今に通じる格言が、道標がそこかしこに溢れてる。さあ、この勢いのまま5巻へ。
あとそうだ、衛青が最後の戦に臨む場面は胸が震えるものがあった。めっちゃ格好いいぜ……。
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第四巻。
衛青も逝ってしまい、漢の歯車が悪い方へ回りだした感じです。
李陵は真っ直ぐでいい奴ですね。それだけに、今後の運命を思うと悲壮感を禁じえません。
そして捕えられた蘇武。次巻の展開が気になります。
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衛青が可愛がっていた李陵が、頭角を現し始める。
幼馴染の蘇武は、李陵と比べるとどうしても…という所があったけれど、
匈奴の地へ派遣されてからは男前!
敵国へ使節として行くなんて、本当に死を覚悟していなくちゃできない事だなぁ。
衛青、霍去病がいたころには輝きを放っていた帝は、
死への恐怖へと取りつかれるようになり、愚帝への第一歩を踏み出してしまった。
漢の外側から見た帝への評価が、あまりにも酷い。
頂点を極めた人間というのはこうやって堕ちていくのだろうか。
反面、匈奴の呴犁湖はなんと潔い事よ。
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まあ霍去病も死んじゃったし、血沸き肉躍る活劇は期待できないだろうな、とちょっとテンション低めで臨んだのだけど、あらびっくり、前巻より面白くなってる!
華々しい戦いはないものの、今まで「脇役」だった人たちがいきいきと描写されだして、複雑な人間模様がたまらなく面白い。
武帝の歯車が微妙に狂いだしたのも、胸を痛めつつ次巻も楽しみ。
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衛青の最期の描き方に感動した。
司馬遷・李陵・蘇武、とやっとカードが出揃った感の4巻。
悲しい物語の終焉を北方はどう描いて行くのか、楽しみ。
史記を読み始めたときにも、うっすら思ったけれど、解説を読んでいよいよ中島敦の〃李陵〃再読する気が高まっちゃったよ。
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感想
司馬遷がちょいちょい出てくるが、頭良すぎて面倒臭い人になってる。史記はいつ書くのだろう。
その時代の中では決して目立たない存在だったものが愚直に記録を残すことで後世で有名なるなんて誰も想像できなかったことだろう。自分の志に真摯だったのだろう。
あらすじ
司馬遷はインドへの出征に同行するように求められる。左腕が上がらなくなった衛青は、李広の孫の李陵を育てていた。
帝は、始皇帝以来の秦山封禅を取り行う。帝の周りでは主だったものが次々と亡くなっていった。帝の記録係だった司馬炎は泰山封禅に同行を許されなかったことで憤死する。
10年の時を経て、匈奴が漢に攻めてくる。漢軍は散々にやられる。帝は北側のことはすっかり忘れていた。帝はお気に入りの侍女の兄の李広利に匈奴討伐を命じる。司馬遷は父を継いで太史令となる。
漢にはすっかり馬が亡くなっていた。衛青は病気がちになり、あと10年あれば李陵が、匈奴に対して勝ちを上げられる将軍となると桑弘羊に言い残して死ぬ。
時が経ち、李陵は荒くれ者の騎馬隊800を任される。一方、匈奴も鳥維単于が亡くなり、若い息子が継ぐが、軍は全てトトが受け持つことになった。やがて息子も病で亡くなり、コウリコが単于となって、単于庭を南に移動するが、病で亡くなる。
漢の李広利の軍は軍の形を為さぬほど腐敗していた。李広利は6万の軍で大宛を攻めるつもりで行き、5万の兵に逃げられ、3千の汗血馬を持ち帰っただけだった。西域では高圧的な漢は殊更評判が悪かった。
Posted by ブクログ
みんな老いてきました。
時代の寵児とも言えた衛青も左腕の傷が完治せず、戦にも出ることができず、病で死にました。
漢の役人たちもぬるい時代に不正がはびこり始め、帝が正義の時代。帝がいいと言えばいいし、ダメと言えばダメ。
膿みはじめている、むしろ、膿がどうしようもなく大きくなってしまっている、そんな感じがします。
もっと爽快なリーダーが出てくればいいのでしょうが、ちょっとまんねりな感じが拭えません。
Posted by ブクログ
霍去病が亡くなり、続いて衛青も死んでしまった後の武帝後半の話。
一応、西域は両者の活躍で漢のものになったが匈奴はじっと力をためて反撃の時を待つ。 その間、漢軍はどんどん弱体化し騎馬隊はホント脳に飾り物の様になる。 ようやく司馬遷、蘇武、李陵など後半の中心人物が出てきて、李陵記のような展開になってくるか。
やはり泰山封禅も行い、漢で初めての神への報告を行う。今の武帝は
神の子として好きなままの振る舞いになって国の道を少しずつ外して行く。 このままでどうなるか。3人の行動が注目される。