あらすじ
匈奴の侵攻に脅かされた前漢の時代。武帝劉徹の寵愛を受ける衛子夫の弟・衛青は、大長公主(先帝の姉)の嫉妬により、屋敷に拉致され、拷問を受けていた。脱出の機会を窺っていた衛青は、仲間の助けを得て、巧みな作戦で八十人の兵をかわし、その場を切り抜けるのだった。後日、屋敷からの脱出を帝に認められた衛青は、軍人として生きる道を与えられる。奴僕として生きてきた男に訪れた千載一遇の機会。匈奴との熾烈な戦いを宿命づけられた男は、時代に新たな風を起こす。北方版『史記』、待望の文庫化。(解説・鶴間和幸)
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前漢の時代、武帝劉徹は北の国境を脅かす匈奴を討伐するために動き始める。抜群の戦センスを持つ衛青、西にある月氏国へと旅立つ張騫など魅力的なキャラクターが活躍する中国歴史書「史記」の中の「武帝」の部分を北方謙三氏が味付けした歴史小説第1巻
がァァァァァァ!!!めちゃくちゃおもしろいー!!中国史知識皆無!史記とは?武帝って誰?レベルの私が貪るように読めてしまう北方謙三氏のリーダビリティよ!!出てくるキャラがとにかく魅力的で最高!キャラ小説として全力で推したい!!(落ち着け)
三国志と違い、帝がいるからこその面白さも→
あるんよね。いわゆる後宮問題とか!!面白すぎる〜!!
衛青や張騫がかっこいいのは当然として、私は匈奴側のダメ親父(王)&ドラ息子(皇太子)&振り回されしおじ上構図が好き(笑)あるあるなんよなぁ。2000年前にもきっとこういう感じ、あったんだろうなぁ、と思えるの、楽しい。
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気になっていた、北方健三さんの歴史ものをようやく読み始めました。史記については、以前、横山光輝さんの漫画で読んだことがありますが、一つ一つのエピソードは面白いものの、全体としてまとまりがなくて難しいという印象でした。この北方さんの作品では、しかっりと物語として構成されているようで、第1巻から引き込まれました。
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北方さんは『三国志』『水滸伝』『楊令伝』ととんでもなくハマったので、
この『史記』も絶対に全巻揃えてからと決めていました(笑)
馴染みのない時代にもかかわらず、スッとこの時代に入り込めるのは、
やはり一切の無駄をそぎ落とした北方さんの筆力のおかげか。
奴僕同然に育った衛青が、匈奴との戦いでメキメキと頭角を現していく様に興奮!
常に沈着冷静、全体のためにはバッサリと少人数を切り捨てる英断も流石です。
同時進行で進められる張騫の大月氏国への過酷な旅の描写も凄まじい。
さて、青年皇帝・劉徹のこれからの治世は?
続きが楽しみ。
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武帝の姿を皇帝という国家の一機能としてではなく,
人間という観点から描いている。
とにかく面白い。
高校生が歴史に親しむための一手段として
歴史小説があることは間違いないと思う。
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感想
淡々と語る筆者の書は辞められない。また、登場人物は多いが一人一人キャラが立っている。
長い物語が始まる。
あらすじ
衛青は、奴僕の地位から姉が武帝劉徹に寵愛を受けたことにより、将として取り立てられる。劉徹は負け続けていた匈奴を倒すべく、衛青に新しい匈奴を打ち破る兵を作るように命ずる。
武帝は時間をかけて皇太后などの遠戚から力を奪ってきた。自身が登用した商人の子の桑弘羊を重用していた。武帝は、6年前から匈奴討伐に向けて張騫を月氏に派遣していた。匈奴に囚われていた張騫もいよいよ月氏に向けて未知なる西方へ進発する。
衛青はいよいよ帝より兵1万を率いて他の将軍と一緒に匈奴へ攻め入ることを命ぜられる。
張騫は仲間を17人から7人に減らしながらもなんとか大宛に到着する。
衛青は単于庭の近くまで迫る大勝利を挙げるが、他の三将軍は敗走し、罰せられる。衛青は兵を3万まで増やされ、再び匈奴へ侵攻する。
張騫らは大宛が戦闘の意思がないことを確認し、漢へ帰ることを決意する。
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久しぶりの北方作品。
いつもどおり、登場人物の漢字が読めないよ〜いちいちルビふってよ〜とブツブツ言いながら、ページを行ったり来たりのスタート。
しかし、読み進むうちに、そんな感覚が消え、登場人物たちとともに、戦ったり、旅をしたりしている。
北方、恐るべし。次巻にも期待。
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大水滸シリーズや、三国志を読ませて頂き、北方さんの中国モノの面白さは認識しておりますので、この「史記 武帝紀」もいやが上にも期待が高くなります。
物語は漢サイド、匈奴サイド、西方サイドと並行して書かれていて、スケールの大きさを感じます。
そして、やはりお得意の戦のシーンは、それはもう生き生きと描かれていて、圧巻です。
今後の展開を期待しつつ、次巻へ。
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以前読んだ『三国志』の、勇猛で人間離れした登場人物とは違い、落ち着いた静かな人物たちの物語だと感じた。
そこまでの乱世ではないからなのか、帝の話だからなのか、どちらかというとしんみりした印象だった。
最近学校で奥の細道を読んだのだが、そこに李稜と蘇求が出てきた。
司馬遷と同時期の人のようなので、興味を持っている。
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全7巻。
北方版史記。
久しぶりに北方版古代中国。
名前は聞いた事ある史記。
本物はどうなのか分からないけど
北方版は漢の武帝の生涯の物語。
三国志・水滸伝のような
血湧き肉躍る、豪傑達の物語ではなく、
割と淡々と、しみじみ「生」を見た作品って印象。
当然、北方版なので、
漢達の物語なんだけど、
前2作に比べると少し大人しい。
というか、大人な感じ。
スリリングで迫力ある前半と、
中盤以降、徐々に強くなる死の臭い。
真ん中に居るのが戦人でなく帝だから
死に対する想いが身近に感じたのかも。
戦で死ぬ訳じゃないから。
水滸伝より読み返す機会が多そう。
年取ってきたんだろうなあ。
きっと。
自分。
文庫版の最終巻のあとがきは
人選が違うと思った。
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水滸伝、三国志、楊令伝に続き北方ワールドを堪能させて貰ってます。
衛青?劉徹?一体どちらが主人公かはわからないけど、男くさいストーリーが展開される予感です。
2巻が楽しみ^_^
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連休ということもあり、久々に長編小説を読み始めました。
北方謙三の『史記』。
前漢の時代。一介の衛兵だった衛青。姉が帝の寵愛を受け、それに嫉妬した先帝の姉の策略により拷問を受けるも、仲間の助けを受け、数名で80名の兵を交わし、切り抜ける。
その脱出を帝に認められ、帝のために匈奴討伐に邁進することになる。
壮大な話が広がり、これからがとても楽しみな一冊でした。
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時代小説は好きなんだけどほとんど読まない。なんでだろうなあ。好きなのに。
てことで、結構久しぶりに手にした本格的な時代小説。著者は、昔テレビで実物を見たことがあって、「なんだかあやしいおじさん」という印象を抱いたことをよく覚えている。
本業の小説よりも、テレビで自分のキャラを売ることを得意としている人、というイメージを、勝手に持っていたんだよね。
イメージは完全に間違い。いやはや、もう頭を垂れるしかない。めちゃくちゃ文章がうまい。簡潔でシャープで、スピード感あふれる文体。すげえ。
そしてめちゃくちゃ小説もうまい。特にキャラクターの設定。登場人物の誰もが、見事に魅力的な個性を持っている。誰が主役になっても、ちゃんとしたストーリーを紡いでいけそうなほどに。
続きが楽しみな小説。ずっと追いかけていこう。
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時代は遡り前漢の武帝の時代。
何となく、衛青とか、霍去病とか、世界史で聞いたことがあるような。
騎馬隊の重要性が増した時代という事か。
さて、今後の展開がどうなるのか。
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文庫待ちしていた作品。
しまった、面白い。
衛青も武帝も、何が変わっていって、何が変わらないままのか気になる。
桑弘羊に衛青が乗馬を教える件が微笑ましく。
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北方謙三が描く中国の古典もの第三弾である。漢の武帝を小説にしており、あまり他の作家の作品は知らない。これからどのように展開するか楽しみである。戦闘場面はよく描けており、ハラハラドキドキさせてくれる。
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漢の武帝の頃の話であるが主人公は武帝と言うよりその皇后であった衛子夫の弟の衛青。その出世物語。
匈奴との戦いを今までの守りの戦いから攻めの戦いに換えた男の物語で水滸伝、に続く話のよう。結構そこに張騫が月氏に到達するための旅行過程もあり結構読ませる。続きが読みたくなってきた。待ち遠しい。
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高校時代にハマった真・三國無双2から三國志の歴史に興味を持ち、小説や漫画を読んだりしていた自分がもの凄く久々に手に取った歴史小説。
実を言うと、キングダムめっちゃ面白ぇーってなって春秋戦国時代に興味を持ち、その頃の話を小説で読むとしたら史記なのかな→お、史記あるやん。しかも登場人物に「えいせい」っているし、これだな!→えいせい違いやん…という理由で巡り会った本だったりする。
全7巻のようなので1巻はまさに序章という印象で。淡々とした文章のようで深みがある、なんて、恐れ多い表現かもしれないけど、サラッと楽しく読めました。これも何かの縁ってことで、最終巻まで突き進みたいと思います。
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北方謙三の描く長篇歴史小説・史記第一巻。
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時代は前漢。題に武帝紀とあるように、武帝を中心に話が始まるかと思えば、武帝の皇后・衛子夫の弟の衛青が今巻では華々しい活躍を遂げています。
衛青だけではなく、若かりし頃の武帝はもちろん、武帝を取り巻く面々も細かく、そしてもれなく魅力的に描かれていて、どの人物からも目が離せません。
個人的には西国へ向かったメンバーの今後が気になるところですが、やはりこの物語の中心にいるのは武帝なのでしょう。
簡潔な文章と台詞の中に、匈奴に対して従来の「守りの戦」から「攻めの戦」へと戦い方を変えようとする武帝の、強い意志が感じられます。
これから様々な出来事が登場人物達を襲うのでしょうが、それらを誰がどのようにして乗り越え、あるいは避けきれずに倒れていくのか気になるところです。