【感想・ネタバレ】史記 武帝紀(七)のレビュー

あらすじ

前漢の中国。老いを自覚する武帝・劉徹は、漠然とした不安を抱いていた。宮中に蔓延る巫蠱の噂。その嫌疑をかけられた皇太子は、謀反の末、自死を遂げる。国内の混乱をよそに、匈奴との最後の戦いが迫っていた。敗北を続ける将軍・李広利は、その命を賭け、敵将の首を執拗に狙う。一方、匈奴に降り右校王となった李陵は、故国への想いを断ち切るかのように最後の戦に向かう。亡き父の遺志を継ぎ、『太史公書』を書き上げる司馬遷。そして極寒の地に生きる蘇武は、友と永遠の絆を紡ぐ――。北方版『史記 武帝紀』、感涙の完結。(巻末エッセイ・小松弘明)

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Posted by ブクログ

2回目!スラスラ読めて良い。個人的には蘇武の越冬体験記が面白い。いつか自分もやってみたいと思えた。
歴史小説の名作だと思う

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2025年11月23日

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七代目皇帝劉徹は宿願となる最後の匈奴戦を行う。老いを感じる劉徹、その様子に気づく桑弘羊、『太史公書』を書き上げる司馬遷。一方北の端で蘇武と李陵は同じ時を過ごし……北方版「史記武帝紀」最終巻!!

うわぁぁぁぁぁ……(声にならない

終わった……終わってしまった……北方先生ありがとう……劉徹を……武帝の最期をこんなに丁寧に描いてくださり……もう……それしか言えん……北方謙三版で史記を武帝紀を読めてよかった……それだけ……

じゃあんまりなんで、とりあえず簡単にキャラごとに感想を。
李陵!私の中でイケメン枠!→

蘇武、登場時から180度変わった人。ラストシーンは良かった……友情に幸あれ。
司馬遷、宦官になるシーンは痛過ぎた……でも、最後は満たされていたみたいで良かった!どんどん好きになったなぁ。
桑弘羊!好き!衛青との友情もやし、劉徹との関係性も!霍光とのやりとりも!
そして劉徹……最高でした

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2025年08月28日

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読み終えた。感動。中国歴史ものでここまでの読後感を得られたのは、昔、吉川英治の「三国志」を読んで以来ではないか。
前半は、どちらかというと漢の目線で匈奴と戦う戦記物。後半は漢、匈奴のそれぞれの人物たちの生きざまに焦点を当てた物語。7巻通して全く飽きることがなかった。
北方謙三さんの作品は、昔のハードボイルドものしか読んだことがなかったのですが、中国歴史ものも人物のキャラが立っているし、行きもつかせぬストーリー展開で、本当に素晴らしいですね。恐れ入りました。なかなかここまでの物語には出会えないと思います。あー面白かった!

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2019年10月14日

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ネタバレ

第七巻。ついに完結。

何だか登場人物達の“思い”が、しみじみと伝わってくるような巻でした。
色々あったけれど、皆がそれぞれの思いを噛みしめて生きていくのだな・・という感じ。
ラストの、-別れだな、李陵ー。ー別れだ、蘇武ー。と、目だけで思いを伝え合う場面は、こみ上げてくるものがありました。

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2017年05月26日

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「書を読むという事もそうだ、孫信。知識は増えるであろうが、その知識の遣い方を、書は教えてくれるわけではない。」第三十五章 断蓬より 司馬遷 言

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2016年09月28日

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ネタバレ

人が作り出すものに頼りすぎて、自ら愉しむことがない 懸命に不老不死に手をのばそうとしても、確実に老いてきた。そして肉体が、やがて死ぬ、と劉徹に自覚させたのだ 死ねばどうなるのか。それも考え、答えはすぐ出た。いなくなる。それだけのことだ 生きることは、煩わしいぞ。それに較べて、死ぬのはたやすいことだ

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2014年11月01日

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武帝による漢の国づくりを物語の軸としつつ、武帝自身及び帝を支える臣、敵対する匈奴等、様々な立場の視点から歴史の進捗が綴られた壮大な歴史群像劇。武帝劉徹、衛青、桑弘羊、司馬遷、李陵が物語の大部分を形成しており、それぞれの人生に違った面白味を見出すことができる。個人的には、上記主要の人物以外にも、張騫が西域との貿易ルートを開拓するに翻弄するエピソードや、器量も力量も兼ね備えた伊穉斜が単于に立つも衛青に敗れ続けるエピソード等もとても気に入っている。
多くの人物にも共通していえることは、それぞれの立場や使命について常に悩み、葛藤を続けながらも、人生の終焉を迎える際には、悔いを残さず前を向き明日を見つめて役目を終えている点であると思う。総じて浪漫に溢れた至極の著であると感じた。

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2014年05月06日

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ネタバレ

非常に、面白い。巻末の解説に書かれているように上に立つものの苦悩と言うか孤独感が充分に伝わって来たし、其れを後世に書き残した司馬遷も凄い。悠久の歴史を誇る中国ではあるが遥か昔より様々な人物が現れては、名を馳せ、無名の士となり草の垣根に隠れているような気がしてならないのである。文章は、日本語であるが、中国の本も面白い。中国語にも明るくなりたいと一瞬だけ思った、でも英語の方が好きである。

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2014年04月30日

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衛青や霍去病らが活躍する序盤から、李陵と蘇武、そして司馬遷のストーリーとなる中~終盤まで変わらず楽しめる。
その中で常に中心を占めるのが武帝であり、その人の変化に合わせて登場人物の模様が少しずつ変わっていく。満足感は高い。

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2014年04月26日

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終わってしまった、という寂しい気持ち。
劉徹の思いを受け取った桑弘羊、カッコよかった。
蘇武の思いを受け取った李陵、カッコよかった。

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2022年12月28日

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まずは全7巻に及ぶ歴史小説を読み終えた達成感が凄い。紀元前の中国を生き抜いた男達の生き様という熱い塊が胸の中にドシンと落ちてきたような感じがする。
国があって、民がいて、争いがあって政治があって。時には厳しい自然に晒されても尚、信念を持った人は生を貫くのだという力強いメッセージが込められている。ハードボイルド小説(と言われている?)ってものに手を出したのは多分これが初めてだと思うんだけど、自分が普段読んでるような本に出てくる言葉遊びなんてものが一切なく、簡潔かつ事象だけを綴り続ける骨太な文章は圧巻の一言……めちゃくちゃ著名な大先生の本捕まえて何言ってんだコイツって話なんですけど、思ったままの感想なんです。
巻を追うにつれて読み終わる間隔が短くなっていったのは、そういうことでしかありません。想像もできないくらい遙か昔の時代のお話かと思いきや、現代に通じる訓示みたいなものが詰まった魅力あふれる作品でした。
ちなみに、羊の肉と鹿の肉がめちゃくちゃ食いたくなる。ジビエだ。

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2019年02月02日

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北方版史記を読み終えた。劉徹、衛青、霍去病、桑弘羊、蘇武、李陵、霍光そして司馬遷を通しての前漢の長いお話。綺羅星のごとくちりばめられた英雄達。特に印象的だったのは、人も住まない極寒の北海に流された蘇武の生きるための闘いと変わりゆく心。国とは?その意味を見つけていくくだり。
歴史はこの後、霍氏の誅滅。王莽による漢の滅亡。劉秀の漢の再立。へと続いていくことを現代人の私たちは知っているが、変わらず英雄達の苦悩も果てし無く続く。北方版三国志よりも心に焦点をおいて描いているところに、特徴あり。

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2017年05月01日

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終わった。史記は横山さんに触れたのみで、本紀なんかには触れてはいない。

案外に知っているようで知らないことばかり。司馬遷と李陵なんて仲良しだと思っていたらそうでもなかったり。

時代・視点、皇帝の孤独などなど、読み進むごとに人の魅力が変わってきていて、何ごともそうなんだろうなーと。

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2015年10月06日

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北方版の史記も完結!
時間かかっちゃったけど、読破しました。

最後、帝をはじめとして、登場人物の老いが如実に現れ、哀愁漂う作品になってました。

幼い帝に国を託し、亡くなった劉徹。
国とは民である。国とは何か、考え続けよ。
しっかりと託されたこの言葉。
これまでの劉徹から考えられないこの言葉。
徹を見ていると、国は帝のために存在しているものとしか考えられなかった。
それなのに、違った。
もっと深く、もっと広く、てつもなく大きな視点で国のこと、民のことを考えていたことに驚いた。

人の生き様、国のあり方、様々なことを考えさせられ、感銘を受けた良い作品でした。

途中のまんねりは辛かったけどねー!

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2015年01月12日

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武帝は、自分の後継を決めるのも、強烈だったね。何となく、尻切れトンボのような気もするが、それとも、引っ張りすぎたのかな。

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2014年05月25日

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武帝記最終巻。 武帝の死とその後の始末、また李陵の最後が本編の中心。まとまりとしては中だるみはあったが、旨くまとまっていてそこに司馬遷が史記を書いて、それがどのように広まったかが最後のところに書かれている。
それなりにまとまっており、作者の意図が良くわかり、登場人物が生き生きとして描かれているところは水滸伝と双璧かもしれません。 良かったので4つ。

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2014年05月13日

Posted by ブクログ

解説でも述べられていますが、組織におけるリーダシップと人生の終え方の参考の一つにはなると思います。 
史記もこれが最終巻なので、北方さんの文庫本は岳飛伝が発行されるまでは一休みですね^^

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2014年04月29日

Posted by ブクログ

感想
尻すぼみ気味の終わり方だったな。しかし、武帝の一生を描くと最後はどうしてもそうなるかな。

物語が終わるのは寂しく思ってしまう。


あらすじ
江充に巫蠱の疑いをかけられて、江充、皇太子、皇后が罰せられる。劉徹は、最後の決戦として匈奴に攻め入るが、李広利は捕えられ、孫広は李陵に討ち取られる。

劉徹は在位54年となり、周りも次の帝について騒ぎ始める。劉徹は七歳の息子を次の皇太子に決め、桑弘羊を御史大夫に任命し、皇太子を支えるように頼む。

劉徹は、桑弘羊と霍光を弗凌の後見と定めて亡くなる。漢は霍光と桑弘羊が対立する。桑弘羊は、旧帝をまとめるので処断してくれと霍光に頼む。

李陵は新しい単于の願いで蘇武を単于庭に連れて帰る。漢からの使者と話したことで李陵は北へ行くことを命ぜられる。

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2025年08月10日

Posted by ブクログ

派手な場面こそないものの、一番面白い巻だったかもしれない。漢も匈奴も世代交代が近づいてきて、劉徹をはじめとして、各々が過去を振返りつつ、受け入れ、次の代に繋げていこうとする様はグッと来た。
特に、次の代の官の筆頭である霍光がしきりに桑弘羊を責め立てるところーなぜ聡明でかつ、唯一帝が話を聞くあなたが、現状を変えようとしないのかーは、どちらの感覚もよく分かり、「こういうのよくあるわぁ」と感じてしまった。正直、桑弘羊に対しての自分のスタンスは決めかねている。霍光の言うことはよく分かる一方で、帝との臣下とも友人とも違う唯一無二の関係性を考えると、桑弘羊の生き方もありなんだとは思う。ただ、李陵の家族をはじめとして血は流れすぎた。唯一の救いは李陵や蘇武といった、劉徹独裁時代の被害者たちが、最終的には自分たちの生き方を見つけ、劉徹を赦すところだろうか

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2017年02月14日

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