あらすじ
前漢の中国。老いを自覚する武帝・劉徹は、漠然とした不安を抱いていた。宮中に蔓延る巫蠱の噂。その嫌疑をかけられた皇太子は、謀反の末、自死を遂げる。国内の混乱をよそに、匈奴との最後の戦いが迫っていた。敗北を続ける将軍・李広利は、その命を賭け、敵将の首を執拗に狙う。一方、匈奴に降り右校王となった李陵は、故国への想いを断ち切るかのように最後の戦に向かう。亡き父の遺志を継ぎ、『太史公書』を書き上げる司馬遷。そして極寒の地に生きる蘇武は、友と永遠の絆を紡ぐ――。北方版『史記 武帝紀』、感涙の完結。(巻末エッセイ・小松弘明)
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Posted by ブクログ
第七巻。ついに完結。
何だか登場人物達の“思い”が、しみじみと伝わってくるような巻でした。
色々あったけれど、皆がそれぞれの思いを噛みしめて生きていくのだな・・という感じ。
ラストの、-別れだな、李陵ー。ー別れだ、蘇武ー。と、目だけで思いを伝え合う場面は、こみ上げてくるものがありました。
Posted by ブクログ
人が作り出すものに頼りすぎて、自ら愉しむことがない 懸命に不老不死に手をのばそうとしても、確実に老いてきた。そして肉体が、やがて死ぬ、と劉徹に自覚させたのだ 死ねばどうなるのか。それも考え、答えはすぐ出た。いなくなる。それだけのことだ 生きることは、煩わしいぞ。それに較べて、死ぬのはたやすいことだ