北方謙三のレビュー一覧

  • 楊令伝 九 遥光の章

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    ネタバレ

    え?このタイミングでこの展開?って思いました。
    ドラマチックに書こうと思えばどこまでもドラマチックになるシーンを、簡潔な記載であっさりと終了。

    『水滸伝』は国を倒す物語であったけれど、『楊令伝』は国を造る物語だったのだ。
    新しい国の形。
    楊令が考えに考えたそれを、どう実現させていくのか。
    物語は大きく進路を変え、それに伴って青蓮寺は姿を変え、宋という国に終焉の足音が近づく。

    戦いがひと段落した時、梁山泊第一世代が老いたなーと思う。
    第二世代にも戦死者が出てくるようになったし、時間はずいぶんと流れているのだなあ。
    それにしても郝瑾(かくきん)の最期は、あっさりだった。
    第二世代では一番苦労し

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    2018年02月21日
  • 棒の哀しみ

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    全くもってハードボイルドな生き様をしていないサラリーマンが読むのも何だか恥ずかしいのですが、いつまでも「ソープに行け!」の人、的な認知をしているのも申し訳ないので、意を決して読んでみました。。

    ストーリーとしては、やくざ者がのし上がっていく過程を連作短編で描いたもので、日常とはかけ離れた世界だけど、その中の日常と言うべき姿が淡々と描かれています。
    まさにハードボイルド小説、二部構成の前半パートは特に荒涼たる記述で、解説にも「一切の心理描写を排した第三者の視点」で書かれているとの記載があります。短編の1つ「砂時計」は舞台で見ても面白そうなミニマムな構成で、「鳩」の公園のシーン等も含めて、場面毎

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    2018年02月12日
  • 鳥影 ブラディ・ドール(8)

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    男の物語ですね。
    でも、ここは辛いです。
    父親と絆を取り戻したのに・・・
    立野の背負った運命でしょうか?
    次を早く読みたいです。

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    2018年02月11日
  • 楊令伝 八 箭激の章

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    ネタバレ

    ついに決戦の火蓋が…と言っても、童貫は動かない。
    周辺の小競り合いが本気の度を増して、ようやく楊令や童貫を動かそうかというところ。

    しかし、本気で戦えばこそ、次々と死者も出る。
    張清好きだったんだよなあ。
    梁山泊のメンバーとしては珍しく好きな女とちゃんと結婚し、子どもも持ったし、なおかつ優秀な将校であったところ。
    普通に格好いいと思う。

    扈三娘は罪な女だよねえ。
    彼女自身も幸せだったかというと、ちょっとよくわからないけれど。
    花飛麟と関係を持てたということで、聞煥章に汚された自分をリセットして、晁蓋の元に行けたってことなのかなあ。
    花飛麟はショックだよね。救われない。

    今回郭盛はまだ死な

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    2018年02月06日
  • 岳飛伝 十四 撃撞の章

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    ついに南宋へと進軍する岳飛と秦容。北の地で吹毛剣を手にする胡斗児。その一方で、十三湊で少年を助けて命絶える李俊。水滸伝の舞台から遠く離れていますが、津軽に住む私からすれば、逆にリアルを感じる場面でした。

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    2018年02月04日
  • 岳飛伝 十三 蒼波の章

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    金の南進で南宋軍との激突が迫る中、沙門島を陥落させた李俊は十三湊へと向かいますが、ひそかに愛していた瓊英はすでにこの世を去っていました。
    梁山泊第一世代の別れと死が、いたたまれない哀しみをひきおこしていきます。

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    2018年02月01日
  • 岳飛伝 十二 瓢風の章

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    李俊が韓盛忠を討ち果たし、岳飛と秦容は北進に向けて動き出す中、青蓮寺の最後を見届けて燕青が役目を終えました。
    残り5巻、歴史とは違う結末に向かうこの大河は、どこへ行き着くのでしょう。

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    2018年01月30日
  • 岳飛伝 十一 烽燧の章

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    さまざまなことが行き過ぎる中で、秦容が山の女兵士である公礼を妻とします。替天行道の国づくりが進む中、それぞれの思いはどこに向かうのか、複雑な思いで読み進めています。

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    2018年01月28日
  • 岳飛伝 十五 照影の章

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    しまった! 間違えて2冊買ってしまった!
    最後に向かって、陸水6軍がそれぞれ進軍してぶつかる。
    岳飛は程雲の策略に乗って重症を負うが復帰、秦容がどんどん北へ、金へ攻め込む。 一方張朔は海から水軍を狙う。
    ああ、それぞれを書かないと行けないので、なかなか進まないが、結構最後の当たりは面白くなってきている。後、2冊!

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    2018年01月31日
  • 岳飛伝 十 天雷の章

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    張朔は南宋水軍と激突し大勝、韓世忠を総帥の座から引きずり下ろし、岳飛は秦容とともに辛晃を破る中、陳家村で蔡豹が襲われ、陳麗華とともに死にます。
    大戦への序章ですが、敗れた側が首の皮一枚つながっているところに暗い影を覚えます。

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    2018年02月01日
  • 岳飛伝 九 曉角の章

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    海上で、そして小梁山で戦端が開かれはじめ、それがまた秦容と山の民との出会いを生み出し、新たな戦が進んでいきます。
    金では丞相撻懶の死にあわせて、候真が動き、金の今後に楔を打つところで次巻へ続くとは、折り返しとは思えないスローペースの展開です。

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    2018年01月24日
  • 楊令伝 七 驍騰の章

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    ネタバレ

    とうとう宋禁軍と梁山泊軍の決戦が始まった。
    これまでの局地戦とは違い総力戦となるこの戦いに際しての、童貫の準備には執念すら感じられる。

    宦官であることから、人一倍武人であることにこだわり続けた童貫は、逆に武人として戦いきったという実感を持てないままここまで来てしまったのだろう。
    休戦の勅令など出されないように南部の叛乱を平定し、北方の国が介入してこないように備えの軍を置き…ああ、まどろっこしい。
    これが老いということなのだろうか。

    あまりにも用意周到すぎて、戦の勢いが感じられない。
    まだ童貫自身の戦闘シーンがないからかもしれないが、宋禁軍、梁山泊軍共に小さくない犠牲を出したのに、まだ局地戦

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    2018年01月23日
  • 岳飛伝 七 懸軍の章

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    南宋を逃れた岳飛は、南で梁山泊との縁を深めていきます。一方、老将たちが消えていく中で、若い宣凱や王貴は恋にも一途に走り、世代の波を実感させます。
    その陰では、水軍から次の戦の狼煙が上がりそうな予感を漂わせる巻でした。

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    2018年01月23日
  • 岳飛伝 六 転遠の章

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    金との激突を終えた岳飛は、秦檜と反目し捕縛されたものの、致死軍の働きで九死に一生を得て大理へと逃れます。これが史実での獄死なのか、それともこの先にあることなのか、虚実の中ではどう進んでいくのか、皆目わからないところに醍醐味を感じます。

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    2018年01月22日
  • 岳飛伝 五 紅星の章

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    南宋と金の激突は痛み分け、それを見届けるかのように梁山泊の頭領・呉用が息を引き取り、替天行道の旗とともに葬られます。最期に発した「岳飛を救え」という言葉に、これからの展開が秘められています。

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    2018年01月22日
  • 岳飛伝 四 日暈の章

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    南宋と金軍の激突が続く中、梁山泊の側では秦容を先頭に甘蔗の栽培に乗り出します。何かが動きそうで動き出さない、ジリジリした展開にじらされます。

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    2018年01月21日
  • 岳飛伝 三 嘶鳴の章

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    静かに進む序盤ですが、その中で梁山泊軍を抜けた秦容、金との講和交渉に臨む宣凱、運命の人と出会う王貴に王清、新世代の活躍の一方で衰えを実感する史進、さまざまな人生が交錯しています。

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    2018年01月21日
  • 岳飛伝 二 飛流の章

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    鼎立する梁山泊と金、そして南宋。梁山泊と金軍の激突がはじまりましたが、この巻は何といっても王進・公淑夫婦との別れ。涙なしには見届けられませんでした。

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    2018年01月19日
  • 岳飛伝 一 三霊の章

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    北方謙三大水滸伝シリーズの最終章、『岳飛伝』。最初の巻は、前シリーズの主人公・楊令の残影を引きずりながら、それぞれ新たな時代へと向かおうとする群雄が描かれます。ここから、物語と歴史が結節するところまでワクワクしながら読んでいこうと思います。

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    2018年01月19日
  • 秋霜 ブラディ・ドール(4)

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    先に(4)(5)を抜かして(6)を読んでいたので画家の遠山が崖を上ったと話に出てきていたのが、「秋霜」を読んで納得しました。
    手が動かなくなった原因も分かりました。

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    2018年01月16日