あらすじ
梁山泊は、国としてのかたちを整えていく。西域への交易路開拓のため、韓成は西夏に遣わされる。楊令自ら護衛する最初の商隊が、西域へと出発した。兀朮らが率いる金軍は、南宋の帝となった趙構を討つために旧宋領への侵攻を続ける。劉光世は趙構を守って江南を転戦するが、一方で、岳飛と張俊は趙構の召集に応じることなく、それぞれが独立勢力として中原に立っていた。楊令伝、乱世の第十一巻。
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20代の若者が国を亡くし、国を憂い、軍閥を作り、国家とは何かを考える、民の租税を安くしようと交易を試みる、自らも家族を持つ。この物語はどこまで漢を試すのか
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梁山泊の国としての整備、西域への開拓、
秦容の大物ぶり、成長躍動ぶりが快く描かれている
特に岳家軍と梁山泊軍の戦闘での秦容の存在感がよかった。
岳飛の苦悩や負けを認める潔さも人間味がありよかった
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梁山泊の収入の要 西域との交易の道が拓かれた。
金は南宋を攻めるが未だ討つには至らない。
旧宗領では軍閥が力をましていた。
軍閥の一つ岳飛が率いる岳家軍が梁山泊の牧を襲い交戦状態になる。
乱世は終わりをみせそうにない。
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独立したものの、未だに国の基盤が固まらない金。
皇帝と名乗るものはいるものの、実態の殆どない南宋。
その間で、着実に国の形を整えていく梁山泊。
一見すると梁山泊の一人勝ちのように見えるが、だからこその陥穽も見え始めてきた。
岳飛や張俊は未だに自分の治める土地のありようについて、悩みながら試行錯誤しているが、梁山泊はある程度人材もそろっているがゆえに、ちょっと出来すぎなところがあって面白くないなーと思い始めたところで、岳飛の一手。
青蓮寺も動き始めて、次はどうなる!?
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楊令自ら護衛をする西域への商隊の旅。
梁山泊を離れ異国の空の下の楊令は頭領の重責や幻王の名から解き放たれどこか普通の若者に見える。彼の背負う「運命」がいかに重いか感じずにはいられない。
第11巻の主役はやはり岳飛だろう。童貫の元にいた頃から好きなキャラだったが一人立ちして男っぷりに磨きがかかってきている。
妻・崔如との何気ないが優しいやり取りや岳家軍の面々の未完成な感じもなかなかいい。
統治のための殺戮に心を傷め、蕭挂材・梁山泊軍に叩きのめされながらも再び立ち上がる。その身に刻んだ「尽忠報国」をどのように体現するのか、またどんな好漢になって再び梁山泊と対峙するのか、非常に楽しみ。
そして、楊令・史進も驚くほどの秦容の強さ。しかも真の実力は見せていない。闘いの中で躍動する姿を早く見てみたい。
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乱世編。水滸伝から読んでいると国の崩壊という真空状態に遂にきたかと思ってしまう。
カッコイイ男たちの活躍というか生き様が本書の肝であるが高救のような分かりやすいヒールというか引き立て役というかゲス野郎がいないと物足りない。
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北方謙三描く水滸伝の続編シリーズ。宋崩壊後、金、梁山泊、宋禁軍の残党である岳飛や張俊、青蓮寺が操る南宋の勢力が並立し、時代は乱世へ。そんな中、梁山泊は、日本から中国・アジアを横断するシルクロード交易の道を模索する。。。とうとう国づくり小説になってきたけど、史実との兼ね合いとか今後どうなっていくんだろう。
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なんとなくこれといった展開もなく、淡々と小康状態が続いているという感じですね。その中で岳飛が金軍にも梁山泊軍にも蹴散らされて、敗北から学んでいる状態が続いており、これがどう今後の展開に関わってくるのかが楽しみです。それにしても梁山泊の長老 杜興がこのところ要所要所でいい味を出してきてますね!
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秦容にわくわく。
の一言です。
秦明将軍が好きだったものとしては。
あ、でも杜興の自分の役割りを心得ているところと、優しさも。
あと、皇甫端・・・好きだったのに。
結局一言じゃ、終わらなかった。笑
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こうほたんが死ぬときのだんけいじゅうの優しさに目がうるんだ。だんけいじゅうがこうほたんを梁山泊に連れてくるときのことを思い出した。ついでにだんけいじゅうが馬匹の担当になったときのことを思い出した。楊令伝では水滸伝からのいろいろなことを思い出して度々胸が熱くなってしまうよ・・・しかし梁山泊が前へ進む物語だというのに、私は過去のことばかり想っては涙している。楊令伝殿に申し訳ない。
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秦容が徐々に頭角をあらわしてきましたね。
これは大物になる気配!隠しているけどオーラが溢れ出ている。
どこかストイックな部分のある楊令とは違うタイプでしょうか。
表向きはのんびり、飄々としているところが良い。今後の活躍に期待。
岳飛vs花飛麟の強弓勝負のシーンも見所!
それにしてもあと数巻で完結のはず。どう収拾付けるのだろうか…
最後の最後で大きなショックを与えるのだけは止めて欲しいですが。
北方さんの事だから、どうなることやら(笑)
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揚令は耶律大石に、国作りについて
「そういう国ができると、本気で考えているのは、俺ひとりかも知れない。できればいいとか、目指すべきだ、と考えている者は多くいますが。」
と語っている。
本気で考え、本気で目指す。夢を見る。
刺激をもらいました。
でも、そんな素晴らしいと思われる、国に対して、岳飛はおかしいのではないかと疑問視する。
両者とも、民を第一に考える意味では同じであるが、結果は異なってくる。
色々な考え、手法はあるのだから、自分の考えたことには自信を持つ。そして、実現を目指す。それが大事だと思う。
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楊令が、李富が、岳飛が頭の中に描く「国のかたち」が少しずつ固まってくる第11巻。
一歩先んじて、梁山泊だけは「国のかたち」を現実にしつつある。
南宋、金国、岳家軍、それぞれに糧道を押さえ、兵士を増やし、機会を待つ。
多くの英傑が去っていく中、梁山泊軍には楊令以来のスター登場の気配。
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「退け。退き鉦」
初めて岳飛はそう言った。しかし、遅い。「珪」の旗が、すぐそばにあった。
それからどうしたか、わからない。駆けに駆けた。追撃が熄んだ時、一万騎は七千に減っていた。
そのまま隆徳府の軍営に駆け込んだ。馬を降り、顔をあげて営舎に入り、ひとりになると膝を折った。床に額を叩きつけた。流れた血が、視界を塞ぐ。(略)
「会議を開く。敗因について、俺が説明する」
「そこまでしなくても」
「いや、俺の誤りで負けた場合は、それは説明すべきだ」
徐史は、迷っているようだった。岳飛は、大声で従者を呼んだ。
隆徳府の軍営にいた将校は、全員集められた。岳飛は出動し、斥候を出したところから説明を始めた。壁に大きな紙を貼り、両軍の動きを、筆で書き込んでいった。
質問は、幾つか出た。その時、その時の心の動きまで、岳飛はできうる限り説明した。そうしながら、負けるのは当然だった、とまた思った。蕭珪材の動きには、気負いというものがまったくない。自然体で、ただ前に出てきている。だから、どうにでも動ける余裕があったのだ。
勝つためにどうすべきだったのか、ということも話した。
岳飛が話している間、軻輔はただ腕を組んで、黙って聞いていた。(208p)
十一巻目に至り、かすりもしなかった岳飛の実力は、少しだけ楊令軍に近づく。しかし、あと四巻しか無いのだ。これがどうやって、楊令伝から岳飛伝に移ることが出来るというのだろうか。これからの展開が、岳飛に限っていえば、全く読めない。
楊令の国造りは、とりあえず順調だ。経済的基盤は何とか出来た。あと、何が必要なのか。
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歴史的には1127年 趙構が即位して南宋を興した時期
楊令が描く理想の国家がすこしずつ形になりはじめた。
旧禁軍の各勢力がその梁山泊の力をすこしづつ削ごうとする展開になってきた。
梁山泊は、今後どうなっていくのか?
理想の国家は建設できるのか?
まだまだ理想の国家の全貌は見えてこない。
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2012年04月 08/32
読むほどにはまっていく後半の楊令伝。
国づくりのステージに進むことで見えてくるものが様々あります。ただの熱い戦国ものでないところがたまりません。また1巻から読み直すべきか。
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梁山泊は西夏より西の耶律大石との交易を始める。
金軍は南宋の帝を追い回す。
金は後継者争いがあったが、ネメガが勝利する。
岳飛は隆興府を立て直し、梁山泊の軍馬を奪い、戦になったが、梁山泊に敗れる。
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何となく今回も仄々とした展開です。
梁山泊は交易を本格化させ、内政安泰で税金が安い!軍は若返りつつ、老人達も国の為に働く。
正に理想的な国家です。
南の方では李富が暗躍
中原では岳飛がメキメキと力をつける
北の金では何やら波乱がありそうな感じもします
何れにしても嵐の前の静けさか!
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秦容が、次第に力を見せ始める。
秦容の幼馴染の卻妁は、男くさい男ばかりの世界の中で、新鮮な女性キャラと思ったのだが、次の巻であんなことになるとは…
扈三娘といい、作者の女性キャラへの扱いは、なんというか、とても独特である。
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楊令の国についての考え方が絶対的なものだと感じていたが、11巻で岳飛が疑問符を落とす。秦容は梁山泊を見て回って、自分の行きたいところに入る。強い者たちがみんなが一度は口にはするが、結局いままでそうなる者はいなかった。秦容、楽しみ。あと、解珍の秘伝のタレの行方も意外でしたね。じわじわ、の11巻。
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平穏に国づくりが始まりましたが、やはり戦いが始まるようです。岳飛が、負けて負けても立ち上がり、今後どうなっていくのか?
でも岳飛と戦う理由がいまいちよくわからない。ともに手を携える事はできないのか・・・?