あらすじ
南北の動乱が終息し、呉用は江南から救出された。金国では阿骨打が亡き後に呉乞買が即位し、国の体制を整えつつある。梁山泊は、制圧した地域を守りながら、来るべき宋禁軍との全面対決に向けて戦力を蓄えていた。候真は、黒騎兵を抜けて新たな任務に就く。一方、扈三娘は息子たちが消えたという報せを受けて洞宮山へ駆けつけるが、聞煥章の劣情渦巻く奸計に陥ってしまう。楊令伝、風雲の第六巻。
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ホッと一息な一巻です。
南の騒乱が集結、北の巨星阿骨打が堕ちて禁軍は中身ボロボロ・・・そんな中、梁山泊には良い風が吹いている!
出世する者、年老いていく者、新天地に活路を見出す者、旧友と再会する者など今作には見所が多数あるかと思います。
次作以降、逼迫していくための登場人物たちの充電期巻!
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方臘戦が終わり、いよいよ梁山泊 対 宋に向けての下準備。
そして、聞煥章は念願の簄三娘を犯しまくり。
王進と童貫の再会もあり。
それにしても、この作品でときおりあるあだ名での呼び合いの場面。
なんかイラッとするわ。
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「水滸伝」では漢(林冲)が女のためにその身を危険にさらしたように、本巻では女(扈三娘)が子供のために敵に身を投げ出す。
その結末の男前っぷりまで、さすがは北方大水滸シリーズといえるものだった。
また、本巻のエンディングの楊令の様子は、本作前半部の名場面の一つといっていいと思う。
ますます目が離せない。
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楊令伝第6巻のポイントは、壮絶な方臘の乱が終息し、いよいよ梁山泊と宋禁軍との全面対決が近づいてくる時期のこと。
嵐の前の静けさの中で、扈三娘と聞煥章の因縁がここで甦ってくる。前記水滸伝のエピソードがここで活かされるとは驚きである。聞煥章にとって、この結末は望んで得たものではないか。
童貫が子午山の王進を訪ねるエピソードも印象深い。戦いの最前線にいる者と、山中でひそかに己を鍛え上げる者との静かな対決。迫力がありました。
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扈三娘の息子救出のくだりが凄まじい…!!
いや、私でもあれは痛いと思っちゃったよ~(笑)
こういう風に一人で突っ走って、思い切りの良い所、林冲に似てるね。
水滸伝の時から、半分以上が世代交代してしまって寂しかったですが、
候真をはじめどんどん若い人材が成長してきましたね。
兵達に威圧感を与え続けていた頭領・楊令が、
今更ながら普通の青年だったんだという事に気付きました。
ただ、背負っているものが違う。だから必然的にああならざるを得ない。
もしも楊志が生きていたなら、楊令はどんな人間になっていたんだろう?
そして王進先生のもとに、まさかの客人…!
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最強の軍、黒騎兵(幻王軍)と楊令(指揮官)の別れのシーン
「おまえたちとともに戦ったのは、俺の誇りだった。そして、これからも、誇りであり続ける。それ以上、言うことはなにもない」「幻王軍で戦った誇りは、胸に秘めてくれ。俺も、胸に秘める。しかし、忘れない」
もう少しセリフは長いけど、感動のシーン。周りから強い人間にみられている楊令だって、別れは辛い。あっさりしている最後の挨拶だが、思いがすごい伝わった。
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扈三娘の件は胸が熱くなる。
豹子頭林冲の魂が生きている。
そして楊令が変わり始めた。
童貫も変わり始めた。
次の巻ではきっと大きく物語が動く気がする・・・。
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宋の南北での戦いが終わり、ついに梁山泊と宋との戦いが目前に迫ってきた。そんな中、扈三娘の息子が誘拐され、扈三娘自身も聞煥章に捉えられてしまう。どうなるのかと息を飲む展開である。
楊令の人間的な側面を見せる場面もあり、戦がないが、なかなか面白い巻である。
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5巻
4.1
阿骨打にしろ方臘にしろ、上に立つ人間というのは立つべくして立ってると感じる。もちろん楊令も。蕭珪材楽しみ。
6巻
4.0
時が経つのが早い。王進が58になったと思ったら、セカンドジェネレーションたちが次々に育ってる。
それにしても子午山の存在は異質すぎる。王進が達した境地に立ってみたい、何十年もかけて。
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世代交代の時期なのだろう。
梁山泊が壊滅的な負けを蒙ってから10年。
公孫勝は自らが築き上げた致死軍を後進に譲り(上手い!)、戴宗も、もはや昔ほどには走ることのできない自分に気付く。
もちろん宋軍にも同じだけの時間は流れ、方臘との戦いを終えた童貫もまた、自らの老いに気付かざるを得ない。
しかし、再び楊令と対戦するという強い意志が童貫を支えているといえる。
翻って楊令は、閉じこもっていた硬い殻から少しずつ本来の姿を見せ始めたような気がする。
それがこの先の楊令にとって、いいことなのか悪いことなのかはまだわからないが。
心配なのは扈三娘。
この巻では扈三娘の真情は語られていないが、それは作者があえて書かないだけなのか、それとも扈三娘の心が死んでしまっているということなのか。
女性でありながら、男性のように生きてきた彼女は、自分の中の女性を認めて、許すことができるのか。
さて、そろそろ次巻くらいから、物語が大きく動き出すだろうか。
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梁山泊軍と宋禁軍との全面対決を間近に控えた準備期間での小さな出来事が主体となっておりました。青蓮寺の聞かん章の最期や童貫と王進のまさかの遭遇という展開が面白かったですね!
これからの全面対決の行方と李富率いる青蓮寺がどうそれに絡んでくるのか?というところが気になります。
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南北の戦が終わり、大きな動きはない。山場としては扈三娘の息子の救出なんだけど、あちらこちらで語る場面が印象的な6巻。呉用と楊令、呉用と李俊、王進と童貫。また侯真が燕青のような存在になっていくのが頼もしい。7巻は呉用さんが語ってくれるといいなあ。
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南北の乱は収束し、いよいよ梁山泊軍と宋軍の戦いが始まる。
息子を攫われた扈三娘は聞煥章の奸計にはまり、
幽閉されたうえ陵辱される。
一方、かつて楊令に一蹴された岳飛は
童貫のもとで薫陶を受け、次第に頭角を現していく。
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「しかし楊令殿は」
「俺に、しかしがあるなら、おまえにも、しかしはある、呉用」
しびれるなー。
南の戦いが凄惨な終結を見、北の戦いも終結し、禁軍・梁山泊共に力を養う第6巻。
「青面獣」「青鶻鬼」「幻王」。獣から鬼へ、鬼から王へと呼ばれた楊令が、人間楊令として梁山泊の統領に立つ!。登場人物紹介欄で二つ名(あだ名)のついた好漢が増えたのも嬉しい。
宋禁軍と雌雄を決する戦いは近い。
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敵の幹部のアレな死に様に股間が痛いです。噛み千切るとか。いや当方いちおう女だけども。
楊令の描かれ方が鬼から人へと変化していく様が微笑ましいというか、魅力的ですね。特に、終盤あたりの韓成・宋万と語らうシーンが好きだな。兵のことを知ると指揮するときに苦しい、そういう感情はちゃんとあるんだ。
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呉用が楊令を見つめてくる。
「行こうか、梁山泊へ」
「ほう、本気になったか」
「いままでも、本気だった。本気であるがゆえに、勝つ道筋が見えなければ、立つこともできなかった」
「そんな道筋はどこにもない。俺たちにもないが、童貫にもない」
「確かに、そうだ。私は、確かに、いや楊令殿自身に、手を握って引き摺り込まれたかったのかもしれない」
「いくらでも引き摺り込んでやる。反吐が出るほどにな。俺が足りないと思っていたものが、これで揃った。あと足りないのは、兵力ぐらいなものだ。それはおまえの頭でなんとかして貰うしかない」
「わかった」
この巻は大きい戦の続いたシリーズの「転」巻のようものだ。今まで揃った漢たちの小さなエピソードを繋げている。
一番大きいのは、聞煥章の人生に決着がついたことである。思えば、優秀な男だった。優秀なだけの男だった。頭だけよくて志がない男が国政に係わるとろくなことがない、ということの象徴のような男だった。「水滸伝」で消えるべきだと私は思っていた(あれだけ多くの漢がなくなったのだから、敵役の重要人物も死んで欲しかったという意味である)。生き残るにはそれなりの意味はやはりあった。彼が企てた燕州の「夢」は、その後いろいろとバリエーションを持ちながら活きていくのだろう。ただ、そういう男の運命の決着の付け方としては、これは私は一番相応しかったと思う。扈三娘にとっては、可哀想だったが。彼女には悲劇ばかりが襲い掛かる。美人薄命ならぬ、美人薄運か。せめて、長生きしてもらいたいものだ。
候真の昇格(?)も非常に興味深い。
童貫の王進の里訪問も大きなトピックだった。おかしいなあ、と思っていたが、青蓮寺も禁軍もちゃんとここのことは把握していたのだ。それでもここを急襲するようなことは何故かなかったのだという。少し青蓮寺を好きになった。
意外にも吉田戦車の解説は今まででピカイチのものだった。楊令のことをよく理解している。
日本には珍しい「革命小説」いよいよ快調である。
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色々な経験があり、様々なものを受け継いで行く。やり方を変えようとしない者、自分のやり方で変えて行こうとする者。
そうして先に進んで行く。それぞれの思いを胸に。
あっ、あの粉とタレも受け継がれています。
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金国はウキマイが即位。
梁山泊は戦準備を進める。
扈三娘は聞煥章の奸計にはまるが、自ら倒して脱出する。
いよいよ梁山泊と宋禁軍の闘いが始まろうとしていた。
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迫りつつある梁山泊・童貫軍の全面対決。嵐の前と言える第六巻。
聞煥章を討ち取った扈三娘の勇ましい活躍、自ら命を絶った蔡福の妻・真婉の憎しみ。どちらも女な強さや壮絶さを見せつけるエピソード。
梁山泊陣営では孤高の存在だった楊令が少しずつ胸のうちを晒し仲間たちとの距離を縮めていく姿、「方朧の乱」から生還した呉用の心境の変化が興味深い。
そして童貫が子午山の王進の元を訪れるという心憎い演出もあり。静かだが人間味溢れる二人の対話は優しさと同時に物悲しさも感じられる。
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前回は、第5巻まで読んで、そのあとは、雑誌で途切れ途切れ読んでいた。
一丈青扈三娘がピンチ。
作者の情け容赦なさは、すごい。
それにしても金国の宮廷に使える蔡福は、登場人物の中では、最も不幸な人間に思えるのだが、果たして彼に幸せはやってくるのだろうか。
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北も南も落ち着いて、今回は静かな物語が、次の時代を予感させるような雰囲気で続いた。
狂気も、絶望もあるのだけれど、戦乱から少し離れたそれらの色合いはだいぶ違う。
静寂と深さの中に、彼らの重ねた年齢を少し思う。
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いろんな人がいろいろ動きます。大きい戦いの準備のために。
官能シーンは相変わらず北方謙三さんです。そんな女がきっと好きなのね。とはいえそんなこんなで爽やかな読後感。
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物語の継ぎ目となる章です。漢達の移ろう日々をたんねんに描写しています。聞煥章の夢とそのどうしようもないあがきが心に残りました。そして主人公の楊令がかいま見せ始める儚さも。