【感想・ネタバレ】楊令伝 十 坡陀の章のレビュー

あらすじ

宿敵・童貫を討ち、梁山泊は宋禁軍との闘いを終える。戦勝後に頭領の楊令が目指したのは、交易によって富む、小さく豊かな国の姿だった。その実現のため、梁山泊は、日本と遙か西域とを結ぶ交易路を開拓する。一方、金軍はついに開封府を陥して、宋王朝の廃止を宣言した。だがその時、李富は青蓮寺の拠点を江南に移し、李師師とともに新国家誕生に向けて動き始めていた。楊令伝、混迷の第十巻。

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国を創り上げるというのも、ある意味では一つの戦。そう思わせるエピソードが幾つも出てきた第十巻。
楊令の壮大な構想は現実となるのか、まだまだ目が離せない。

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2013年09月16日

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日本、西との交易を活発化。それぞれの役割。
史進が意気がっている新参ものを鍛え直す場面が良い。打つ物、覚悟して受けるもの、ハラハラしながら見守る物。考えは違えど、想いは一つになれるのか。厳しいが乗り越えたときの強さ、絆。

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2013年06月24日

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梁山泊を国にしようと長いこと戦ってきた金大堅と李俊の会話

「梁山泊という国を、わしは見ることができた。おまえ、昔、こんなことを考えてみたことがあったか」

「考えはしたさ。ほんとうにできると思っていたかは、別としてな」

「そりゃ、考えたことにはならんな。わしは考えたり夢見たりしたが、ほんとうにできるとは、考えていなかった。」

梁山泊を国とした揚令は考えたのだろう。それが夢物語ではなく、実現するものとして。自分を信じて。

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2012年08月23日

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ネタバレ

読み終わったァ。

というか読み始めるのに時間がかかったぁ。

発売日に買ったんだけど、どうにもこうにも読む気が起こらない。

なんでだろう?と考えると、童貫がいなくなったことが、とても大きなことと、あらためて気づくのでした。

とかいいながら、一度読み始めたらあれよあれよと進み、あっという間に終わりました。


今回はAfter童貫の混沌とした中国を東西南北あらゆるところで、ふつふつとした動きがざわついている感じ。群雄割拠の様相を呈しながら、楊令率いる梁山泊は少しずつ体制を整えていく、みたいな。


それにしても、楊令がちょっとしたベンチャー企業の社長のように感じのは僕だけだろうか?今回もとても深い言葉を残している。

「利を上げてからなにかをする、という時の余裕はない、と楊令は思っていた。頭の中にあるほとんどのことを同時にはじめ、やりつづけなければならなかった。」

P/Lで営業利益が出たり、キャッシュフローが好転しなくても、未来のビジョンに向かって、がんがん投資していくぜ!みたいな。

見習いたいなぁと思うのでした。

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2012年04月02日

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3.9

複雑さがかなり増してきた。
今までの北方水滸シリーズには無かった、群雄割拠時代特有のGOT的要素が強くなる。国を操る調略の部分を覗くことで、なんとなく現代社会の裏側も知れるような気がする。

なんとも懐が深い作品だ。学べることが多い。

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2021年06月05日

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何組か好きなカップルがいる。
花飛麟と扈三娘がそうだし、今作で描かれる秦容と郤妁、候真と徐絢がそうだ。

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2021年05月24日

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久々に仄々・・・

子午山の面々も久しぶりに登場します。


水滸伝時代からのGeneralクラスの登場人物達がもはや残すところ史進のみ・・・
変わりに若くて新しい戦力は入って来るのですが寂しいですね。
梁山泊サイドは取り敢えず一定程度の落ち着きを見せている様ですね。

一方、宋の話は置いておいて岳飛にもこれから上に立つものとして色々な仲間が集まって来たようです。何だか梁山泊の創成期のような懐かしさを感じます。

何れにしても残り5巻で楊令伝が終わってしまいます・・・

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2020年01月19日

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停滞期?過渡期?そんなに劇的に動いているわけでない時期での人の動き。なのになんかグッときてしまいました。
またよく聞くフレーズだったりするんだけど
「さらば、韓成。生きているというのは、別れの積み重ねだと、私は思っている」
そうだよね〜と思うのでした。

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2019年03月27日

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ネタバレ

童貫を討ったことにより、戦いは一度終結する。
宋をめぐる思惑は、あちこちに不穏のたねを残しているけれど、楊令はこれ以上梁山泊を大きくするのではなく、民が安心して豊かに暮らせる国づくりを考える。

ここからみんなが幸せになっていければいいのだけど、そうはならないのが哀しいところ。
侯真は失うために人生を生きているような気がして不憫。
花飛麟のような感じで生きていくのかしら。

戴宗はもう使えないのではないか。
宋江と出会ったばかりの頃の戴宗は、懐の大きな人だったのに、今は何よりも心が老いて、小さく凝り固まってしまっている。
それなのに肉体の衰えがほとんどないせいで、心の老いに気づくことができない。
いつか、きっととんでもないことを仕出かしてしまうのではないかという予感と、妙に公孫勝が戴宗をさりげなくフォローしているので、最終的にはたいそうのせいで公孫勝が死ぬんじゃないかと不安になる。

李媛もそうだけど、想い描く理想の国の姿が楊令と違う場合、それは梁山泊にとっての大きな穴になってしまうのではないかと思う。
それを埋められるほど、まだ梁山泊は大きくはない。
なんとかみんな足並みをそろえて欲しいけれど、それでは小説にならないもんなあ。

岳飛が急激に成長した。
童貫が生きていた時は、童貫の言うことを聞いているだけの、まだまだひよっこだったのに、急に一軍を率いる将の風格がついてきた。
経験と置かれた立場がひとを成長させるんだなあ。

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2018年03月05日

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北方謙三描く水滸伝の続編シリーズ。童貫を失った禁軍は崩壊し、梁山泊は新しい国づくりへ。一方、金国の攻勢により、ついに都・開封府が陥落…。ラスボス打倒で終わらなかったこの物語の結末はどうなるんだー。

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2014年06月29日

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梁山泊軍に敗れた後の宋国が3つに分かれて混沌としている中、梁山泊軍は1つの独立国として着々と基盤を形成しつつありますね。
戦モードは小康状態となっておりますが、やはり岳飛軍がこの後、どう成長して、宋国の中でどう存在感を示していくのか?と、梁山泊軍とどう対峙することになるのか?というところが焦点ですかね?

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2013年08月12日

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船上で堂猛と楊令2人で話すシーンが良かった。

それにしても戴宗って昔(水滸伝時)から
あんなカンジだったっけ・・・
ニガテだなあ。

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2012年12月11日

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大きな戦が終わり、新しい国家作りへの第一歩。
手に汗握る戦闘描写が大好きな読者には、少し物足りない印象(笑)
でも、ずっと戦をしている訳にもいきませんからね…

何のために闘うのか、ひとつの大きな目標を達成してしまうと、
ちょっと寂しい感じがします。

梁山泊がやがて国という形をとり、帝が即位したとする。
そうすると、やがては腐敗した役人が増え、賄賂が横行する。
すると国を倒そうと叛乱が起こるのは必然。
結局それは宋と同じ道を辿るのではないか?
それとも梁山泊だけは違うのだと言い切れるのだろうか?

国の在り様は難しいものです…

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2012年09月01日

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ネタバレ

愈々国が乱れてきましたね
宋が無くなり金軍が押し寄せ
漫歩では新たな国が興り
楊令は 新しい国家建設に向けて行動していく

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2012年06月18日

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金国の、南宋の、そして梁山泊の、それぞれの武将、文官がそれぞれに「国とは何か」を問う10巻目。
革命は一日にして成らず。

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2012年06月06日

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ネタバレ

登場人物が多すぎてとても覚えきれない。
そろそろマンネリとなってきた。新たな展開に期待する。
主役が岳飛の方に徐々に移っていくのだろうか。

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2012年04月20日

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それぞれの思い描く国の形がどうなっていくのか、心の在り様とともに描かれていきます。国を成すとはどういくことなのか楊令をはじめ漢達の思いは交叉していきます。地平線の向こうに新たな燭光を見据える第10巻でした。

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2012年04月14日

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9巻までで一つの物語が終わり、この巻から新たな展開に入っていく。楊令は何を思い、何を目指して進むのか。志をかたちにする事とは、何をする事なのだろうか。梁山泊に起きている変化をまずは見守りたい。

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2012年04月05日

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楊令の国造は財源確保の為にシルクロードから東北藤原京までの道作りを目指そうとしていた。発想やよし、まだ鎌倉幕府誕生まで間がある、史書には載っていない彼らの国だけど、見守りたい。

「役に立つのかな、それ?」
「ああ」
「よかった。あたしは、働いたよね」
「働いた」
徐絢が、眼を閉じた。唇は、動いている。羅辰が、かすかに首を横に振った。縫った傷のところから、出血が続いている。
「死ぬのかな、あたし」
「俺がついている」
おまえには俺がいる。いまさら言っても、空しいだけだった。
「何か、足りない、と思ってた」
徐絢が眼を開いた。
「いつも、なにか、足りなかった」
徐絢の眼から、涙が流れ出してきた。
「ありがとうって言ってみたけど、それでも、足りない」
徐絢の躰に、なにかが襲いかかっているのを、候真は感じた。
「いま、わかる。ありがとう。続きがあるのよ。ありがとう、あたしみたいな女、好きになってくれて」
徐絢がいなくなるということが、候真にははっきり分かった。(226p)

楊令伝、ちょっと女性に厳し過ぎはしないか?徐絢には生きて欲しかった。

国造り、それぞれの処で闘いは続く。

泰容が遂に動き始めた。

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2012年04月03日

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梁山泊を中心とする人々の物語。

人々にはそれぞれ物語があり、作者は大勢いる登場人物の細部まで鮮やかに描く。

梁山泊は西夏との交易の道を作ろうとしていた。

一方、金は宋を滅ぼし、傀儡政権を立てたが、崩れる。

岳飛や張俊は大きな都市で軍閥を立て、南京では青蓮寺が操る南宋が立ち上がった。梁山泊は今後どうなるのか!?

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2024年08月07日

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童貫戦後の宋が倒れていく
それぞれ次の道を模索する。
梁山泊、金、宋、
岳飛、張俊、楊令、
史進と、葉敬の稽古の場面も印象的だった

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2022年06月22日

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ネタバレ

金が宋の首都開封府を落とし、宋の皇族や貴族を捕虜として金に連れ帰ったことにより、旧宋領は乱れた。
青蓮寺の李富は我が子をいずれ帝に押し上げるため南で康王を帝とした宋(南宋)を興す。
梁山泊は主な財源予定である日本から西域までの交易路の開拓に力をいれていた。

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2021年08月13日

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大きな闘いが終わり、次への準備段階に入った第10巻。
楊令が目指す「小さく豊かな国作り」のため日本から西域までの交易路を作り始めた梁山泊。
そして金軍の侵攻によって開封府が陥落、ついに宋王朝が終わりの時を迎える。一方、南では李富の野望が動き出す。童貫亡き後の禁軍でも岳飛と張俊が軍閥を率いて独立。幾つもの勢力が入り乱れどこかぶつかるのか、結ぶのか、なかなか読みにくい情勢下に。
そんな中、気になったのが韓成。これまで旧方朧軍の残存兵を率いて悲惨な闘いに傷つく姿、生き残った者たちを想う姿には心が痛くなってきた。
西域への旅の中でその傷ついた魂が癒されていくのか注目していきたい。
そして子午山を降りてきた秦容。どこかのんきで軽い雰囲気は優等生が多い二世キャラの中では新たな魅力。郤妁との掛け合いも小気味がいい。

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2017年12月05日

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宋崩壊後の混沌状況。
これはこれでなかなか面白い。

水滸伝からの生き残りも少なくなった。
その中でも、神行太保戴宗は、呉用と並んで、宋江の最も最初の頃からの同志だったはず。
牢役人をやるかたわら、飛脚を使った情報通信網を作った功績は大きい。

それが年取って、ものすごく嫌な奴になっていくのが、リアルでイイ。
そのうち悲惨な死に方をするのだろうか。

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2017年10月12日

Posted by ブクログ

交易のため、梁山泊の富を築くための章かな。
なので少しおとなしい感じ。
それでも、旧梁山泊に突入するあたりは少しハラハラした。
最後に史進の愛情話もあり。

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2016年05月26日

Posted by ブクログ

あっちこっちの近況をまとめたような巻。ただ楊令と呉用10ページ以上話す場面がすごく嬉しかった!あと、蕭譲の時もそうだったが、金大堅が「偽印じゃない印を、この手で彫った」というところで感極まるわたくし。童貫を打ち破って、国を作ったという描写よりも、国印をこの手で彫ったという描写が好きだ。秦容と郤妁、岳飛も動きだす。岳飛は「盡忠報国」を口にする。次へと繋がる巻であった。

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2012年07月30日

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梁山泊の国造りが進んでいます。
金、西夏、南宋・・・国が乱立する時代。
独自の理想で国を富ませようと奮闘する梁山泊のブレーンたち。
民からの税の取り立てとは別の儲け方(糧道)を確立させようとするところは面白い。

とは言っても、戦が盛り上がっていたころの臨場感がなく、つまらなくなってきました…。

ただ、税とは別の商いで儲ける方法を考える姿勢は、今の時代にも合う気がしました。消費税増税とは別に何か方法を考えないと完全に日本は破たんしますしね・・・

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2012年05月20日

Posted by ブクログ

やっとこさ読み終わった。ちょっともっさりしてしまった感。次への準備段階なのでしょうな。それにしても女がからむと途端に面白くなくなるのはなぜ⁈甘くなったら美味しくないんだよなあ。はあ~あ。

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2012年05月20日

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ネタバレ

血戦の後、崩壊していく宋国。
楊令率いる梁山泊は「叛徒」から「国」へと変わっていく。
さてそれが面白いのかどうか。

この後どう戦いが続くのか。

先が見えない第十巻。

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2012年05月10日

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童貫将軍が倒れ、宋(北宋)が滅亡して一区切り。
この巻は、種まきの巻
梁山泊、青蓮寺、金、岳飛、韓世忠、張俊などが新しい国の成立を目指して動き出す。
大きな戦闘の場面はなく、人が新しく動き出し、新たな物語を紡ぎだそうとしている。すこしづつ水滸伝の英雄たちは退場してゆき、新しい人たちにバトンタッチしていっている。
さて、これからどんな風に展開していくのか。

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2012年04月07日

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