あらすじ
宿敵・童貫を討ち、梁山泊は宋禁軍との闘いを終える。戦勝後に頭領の楊令が目指したのは、交易によって富む、小さく豊かな国の姿だった。その実現のため、梁山泊は、日本と遙か西域とを結ぶ交易路を開拓する。一方、金軍はついに開封府を陥して、宋王朝の廃止を宣言した。だがその時、李富は青蓮寺の拠点を江南に移し、李師師とともに新国家誕生に向けて動き始めていた。楊令伝、混迷の第十巻。
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
読み終わったァ。
というか読み始めるのに時間がかかったぁ。
発売日に買ったんだけど、どうにもこうにも読む気が起こらない。
なんでだろう?と考えると、童貫がいなくなったことが、とても大きなことと、あらためて気づくのでした。
とかいいながら、一度読み始めたらあれよあれよと進み、あっという間に終わりました。
今回はAfter童貫の混沌とした中国を東西南北あらゆるところで、ふつふつとした動きがざわついている感じ。群雄割拠の様相を呈しながら、楊令率いる梁山泊は少しずつ体制を整えていく、みたいな。
それにしても、楊令がちょっとしたベンチャー企業の社長のように感じのは僕だけだろうか?今回もとても深い言葉を残している。
「利を上げてからなにかをする、という時の余裕はない、と楊令は思っていた。頭の中にあるほとんどのことを同時にはじめ、やりつづけなければならなかった。」
P/Lで営業利益が出たり、キャッシュフローが好転しなくても、未来のビジョンに向かって、がんがん投資していくぜ!みたいな。
見習いたいなぁと思うのでした。
Posted by ブクログ
童貫を討ったことにより、戦いは一度終結する。
宋をめぐる思惑は、あちこちに不穏のたねを残しているけれど、楊令はこれ以上梁山泊を大きくするのではなく、民が安心して豊かに暮らせる国づくりを考える。
ここからみんなが幸せになっていければいいのだけど、そうはならないのが哀しいところ。
侯真は失うために人生を生きているような気がして不憫。
花飛麟のような感じで生きていくのかしら。
戴宗はもう使えないのではないか。
宋江と出会ったばかりの頃の戴宗は、懐の大きな人だったのに、今は何よりも心が老いて、小さく凝り固まってしまっている。
それなのに肉体の衰えがほとんどないせいで、心の老いに気づくことができない。
いつか、きっととんでもないことを仕出かしてしまうのではないかという予感と、妙に公孫勝が戴宗をさりげなくフォローしているので、最終的にはたいそうのせいで公孫勝が死ぬんじゃないかと不安になる。
李媛もそうだけど、想い描く理想の国の姿が楊令と違う場合、それは梁山泊にとっての大きな穴になってしまうのではないかと思う。
それを埋められるほど、まだ梁山泊は大きくはない。
なんとかみんな足並みをそろえて欲しいけれど、それでは小説にならないもんなあ。
岳飛が急激に成長した。
童貫が生きていた時は、童貫の言うことを聞いているだけの、まだまだひよっこだったのに、急に一軍を率いる将の風格がついてきた。
経験と置かれた立場がひとを成長させるんだなあ。
Posted by ブクログ
登場人物が多すぎてとても覚えきれない。
そろそろマンネリとなってきた。新たな展開に期待する。
主役が岳飛の方に徐々に移っていくのだろうか。
Posted by ブクログ
金が宋の首都開封府を落とし、宋の皇族や貴族を捕虜として金に連れ帰ったことにより、旧宋領は乱れた。
青蓮寺の李富は我が子をいずれ帝に押し上げるため南で康王を帝とした宋(南宋)を興す。
梁山泊は主な財源予定である日本から西域までの交易路の開拓に力をいれていた。