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Posted by ブクログ
「呉用殿が見舞いに来るとは、私ももう目醒めなくなるのだな」
こんなことを、言いそうな気はしていた。呉用は笑いかえしたが、それは覆面で見えなかっただろう。
「偽の書類は必要としていないのか。遠慮することはない。私はまだ、一通や二通の書類なら、書けるかもしれん。ほかに、書ける者はいないのだからな」
「もういいのだ、蕭譲」
呉用は、皺で隠れてしまいそうな、蕭譲の眼を見つめた。
「偽の書類でこそこそやる時期は過ぎた。宋とは、正面切った戦になる」
「そうか、安心して死んでいい、と言いに来てくれたか」
(略)
「面白いところに誘われたものだ。塾の教師がな」
「私もわか若いころは塾の教師だった」
「別れはしたぞ。またの見舞いはいらぬ」
「わかった」
この巻は全面、童貫と梁山泊との戦いであった。堰を切ったように多くの英傑たちが死んで行く。海棠の花と云われ、不幸ばかりが襲ったあの女性には、この大河物語の最後まで生きて欲しかったのであるが、ほとんど必然性を持って泥土に沈んだ。唯一礫という飛び道具を持ったあの英傑も、岳飛という新しい時代の若者の前にあっけなく斃れた。「水滸伝」時代の英傑ばかりでなく、若者も次々と斃れた。そうして冒頭にある様に、呉用をして「一軍を率いている指揮官がいないより、大きなことだった」と言わしめた蕭譲も静かに亡くなった。私もおそらく病院で死ぬのだろうが、この様に友に別れを告げたいものだ。
それだけではない。戦いの中で若者たちの目の覚める様な「成長」も描かれる。
思うに、この楊令伝、中盤の白眉であろう。
Posted by ブクログ
またまた面白かったす。
ドーカン戦も佳境に入ってきて、こうなったときのスピーディーさは、まんまだけど、水滸伝のラストの戦いが思い浮かんだ。
で、その最中で死んでいく漢たちのあっけなさもやっぱり圧倒的。大きな戦以外で死ぬ場合、その漢の近辺状況が一通りクローズアップされて、その後、それなりの見せ場をもって死にゆくからインパクトもでかい。
でもメインの戦いでは、やっぱり人も沢山死ぬし、かといって話の流れが折れるのも気持ち悪いしってことか、ホントにあっけない。
コサンジョーはやっぱり…
チョーセー(ボツウセン)、北方水滸伝で初めて知って、こんな強いのがまだいたんだ!って思ってたのに…
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