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童貫率いる宋禁軍が、ついに梁山泊討伐に出動した。開封府では、燕青と侯真が、不穏な動きを見せる青蓮寺の妓館を探っている。梁山泊は楊令を中心に結束を強め、童貫を迎え撃つ準備をかためた。張平は黒騎兵を離れ、新たに編成した青騎兵を率いる。花飛麟軍が、宋禁軍の先鋒・岳飛軍と激突し、史進遊撃隊に入った呼延灼の息子、穆凌は、趙安の首を狙って疾駆する。楊令伝、白熱の第七巻。
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Posted by ブクログ
「俺の部下だった。俺の片腕だった。死ねと言えば、あっさりと死にに行くようなやつだった。そんな男に、殿軍をやらせたのだ」
張清の手が、握りしめられている。
「あの時の戦闘はな」
「言うなよ、李俊。あそこでは、関勝を含めて、いろんなやつが死んだ。俺は、自分が死を避けたのではないか、という気がしてならないのだ。単廷珪は、俺の部下だ。死ねと言えば、黙って死ぬ部下だ。そんな男に、死ねというのは、指揮官ではない」
「自分を、責めすぎるな、張清」
「いや、李俊。張清は自分を責め続ければいい。指揮官とは、自分を責め続ける業を背負うものだ、と俺は思う」
楊令の声に、一瞬だけ暗い響きが入り混じった。
「単廷珪殿が戦死された時のことを、俺は魯達殿から、話として聞いているだけだ。あの時、別のやり方があったのかどうか、俺にはわからん。関勝殿も、戦死されたのだしな」
楊令の静かな声からは、もう暗さは消えていた。
「ただ、指揮官は部下の死については、悩み、考えるべきだ。実戦の指揮はほとんどされなかったが、宋江殿が抱かれた苦しみは、想像を絶するものだった、と思う。その苦しみについては、ほんとうはなにも語られなかった」
「そうだな。宋江殿は、なにも語られなかった。俺も、心に秘めておくべきことだった、と思うよ。余計なことを、言ってしまった」
「一度だけはいいさ、張清」
楊令が言った。
Posted by ブクログ
『水滸伝』から続けて読んだので、最初はどうしても宋江たちの梁山泊と比べながら読んでしまいました。
でも、読み進めるうちに「これは同じ梁山泊でも、まったく別の物語なんだな」と少しずつ思うようになりました。
楊令が散り散りになった仲間たちをもう一度まとめていくところはやっぱり熱く、かつての梁山泊を知っているだけに、名前のある人物が出てくるたびに少し嬉しくなりました。
ただ、楊令は宋江の真似をするのではなく、自分なりにその先を考えていて、戦に勝つことより、「勝った後に何を作るのか」で悩み続ける姿がかなり印象に残りました。
後半になると戦より交易や国づくりの話が増え、『水滸伝』のような勢いを期待していると、正直少し長く感じるところもありました。
それでも童貫との戦いなど、ここまで読んできたからこそ胸が熱くなる場面は何度もありました。
最後まで読むと、志を受け継ぐというのは、同じことを繰り返すのではなく、自分の時代に合った形に変えていくことなのかもしれないと思いました。
15巻ずっと付き合ってきただけに、読み終えた時は達成感よりも、「もうこの梁山泊を見られないのか」という寂しさのほうが強く残るシリーズでした。
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