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Posted by ブクログ
「俺の部下だった。俺の片腕だった。死ねと言えば、あっさりと死にに行くようなやつだった。そんな男に、殿軍をやらせたのだ」
張清の手が、握りしめられている。
「あの時の戦闘はな」
「言うなよ、李俊。あそこでは、関勝を含めて、いろんなやつが死んだ。俺は、自分が死を避けたのではないか、という気がしてならないのだ。単廷珪は、俺の部下だ。死ねと言えば、黙って死ぬ部下だ。そんな男に、死ねというのは、指揮官ではない」
「自分を、責めすぎるな、張清」
「いや、李俊。張清は自分を責め続ければいい。指揮官とは、自分を責め続ける業を背負うものだ、と俺は思う」
楊令の声に、一瞬だけ暗い響きが入り混じった。
「単廷珪殿が戦死された時のことを、俺は魯達殿から、話として聞いているだけだ。あの時、別のやり方があったのかどうか、俺にはわからん。関勝殿も、戦死されたのだしな」
楊令の静かな声からは、もう暗さは消えていた。
「ただ、指揮官は部下の死については、悩み、考えるべきだ。実戦の指揮はほとんどされなかったが、宋江殿が抱かれた苦しみは、想像を絶するものだった、と思う。その苦しみについては、ほんとうはなにも語られなかった」
「そうだな。宋江殿は、なにも語られなかった。俺も、心に秘めておくべきことだった、と思うよ。余計なことを、言ってしまった」
「一度だけはいいさ、張清」
楊令が言った。
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