北方謙三のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
●1回目 2007.9.23
最終巻。
いやあ、こういう終わり方になるのか。
これはこれですごい終わり方だが、終わりという感じが全然しないのは、作者が作り出した虚構の世界が勝手に動き出していて、作者がここで巻を閉じようがどうしようが、作品中の人物達はそのまま生きたり死んだり戦ったりするだろうと思わせるからだろう。
だから19巻を最終ページを読んでしまっても、これでジ・エンド、ああ長い長い物語がおわってしまったんだ、思えば遙かな道のりを作者と登場人物と読者である我々は旅してきたものだという、あの大長編小説を読んだ後の感慨は出てこずに、さあ次だ次だと思ってまわりをキョロキョロしてしまう。
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Posted by ブクログ
●1回目 2007.9.23
梁山泊軍対宋軍の総力戦。
犠牲者が増大。
水滸伝の宋江と、三国志の劉備は、よくわからない人物だ。
なぜあれだけの英雄豪傑たちが、この凡庸そうに見える人物のもとに集まってくるのか。
人間としての魅力ということになるのだろうが、その魅力をうまく描いた本に出会ったことがない。
北方謙三は「三国志」の中で、劉備を激情家として描いて、かなり説得的な人物像を作り出すことができたが、「水滸伝」の宋江には、なんだかちょっと困っている感じ。旅に出て同志を訪ね歩いている間はよかったが、梁山泊に入って動きが少なくなり、そしてここ数巻のように全面戦争に入ってしまうと、武術家でも戦 -
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●1回目 2007.9.16
宣賛の奇計。
宋軍の攻撃終息。
扈三娘の結婚話(笑)
この作者はいつのまにか、笑わせたり和ませたりすることも上手になっているな。
そういう息抜きがないと、こんなに長い話は読者の方がもたないだろうな。
●2回目 2015.1.17
流花寨、二竜山、双頭山に拠る梁山泊軍3万と、官軍20万の総力戦。
じわじわと押される梁山泊軍の起死回生はなるか。
前回読んだのは2007年9月だから、7年半前のこと。
これから先のストーリーは、結末以外、まったく覚えていない。
きれいさっぱり忘れている。
ということは、ほかの本についても同じなんだろうな。
これまでずいぶん -
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●1回目 2007.9.9
九紋竜史進の副官、杜興のエピソード。
映画でいえば、渋い脇役が演じて主役を食ってしまう一番オイシイ役どころ。
全19巻の11冊目。
文庫版が出ているのはここまで。
もはやとまりません。
●2回目 2015.1.10
前回は文庫本でここまで読んだ。
それ以降の巻はまだ文庫化されていなかったので、あとはハードカバーで。
今回は、1~4を文庫版、5~7をハードカバーで、8~からふたたび文庫版で読んでいる。
ハードカバーに変えたのに特に理由はなくて、気分転換のつもりだったのだが、文庫化の際に手が入って、それが最終版だということを知ったので、8巻から文庫に戻った -
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●1回目 2007.9.1
原作の水滸伝は、いろんな登場人物のエピソードが集まって、物語がゆっくり進んでいくというものだった。
いってみれば説話集的。
この水滸伝はもっと構造的、重層的だ。
敵役の青蓮寺は強敵だが、さらに強力な秘密兵器、聞煥章が加わる。
●2回目 2014.12.23
聞煥章登場。
それにしても、青蓮寺の情報収集能力は、あまりにも凄すぎないだろうか。
いくら政府の諜報機関といえ、いまから1000年前の中国で、あそこまで迅速正確に情報を集められるとは、とても思えない。
舞台となったのは北宋末期、日本でいえば、まだ平安時代である。
日本のような狭い国でも、京都を離れ