北方謙三のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ今まで後手に回っていた青蓮寺が、梁山泊をつぶす準備を整えつつある巻。
狙いはふたり。
楊志と宋江。
悲しい行き違いで殺された宋江の妾・閻婆惜(えんばしゃく)。
その犯人と目されている宋江は姿を消し、閻婆惜の母・馬桂(ばけい)は青蓮寺の李富(りふ)に取り込まれ、梁山泊の力をそぐために楊志の妻子に近付く。
宋江は江州へ辿りつくが、それは青蓮寺が予想していたことだった。
宋江は上手く身を隠してはいたが、青蓮寺の手先である江州の通判・黄文炳(こうぶんぺい)は徐々に範囲を絞って宋江を追いつめていく。
あと一押しで反撃を受けてしまう、っていうところで終わっているのでとても続きが気になります。
第一巻に出てきたときは人間らしい温かみを一切見せなかった李富が、馬桂と男女の関係になり、ずぶずぶとはまっていく様子にはびっくり。
こんなに簡単にただの男になってしまうとは…。
しかし本人は自分が馬桂を愛してしまったことを認めてはいない。
このパターンはあれですね、林冲や宋江と同じ匂いがしますね。
喪ってから初めて大事な人であることに気づくという。もっと大切にすればよかったと後悔するという。
中国のいわゆる英雄という人ってそうなの?
それとも李富はちゃんと馬桂と結ばれるの?
ここも気になるところである。
登場人物が増えてきたので、魯智深や林冲、楊志に阮小五などが全然出てこなくなっちゃった。
頭が混乱しないように、人物やストーリーを忘れないように、毎度復習が欠かせないのである。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ武家の名門という誇りがあるために、どうしても梁山泊の仲間になる決心がつかない楊志。
そんな彼を、盗賊退治という名目で二竜山へ連れて行き、命令によってではなく、自らの考えで戦うように仕向ける魯智深。
今までの生き方、誇りを簡単に捨てられるものではないけれど、少しずつこの国のあり様や民の苦しみに着いて考え始める楊志。
梁山泊と志をともにしながらも、どうしても己の強さのみを頼みとし、戦いにしか意義を見出せなくなってしまった史進。
魯智深は、史進を再び王進に託し、預けていた武松とともに山を下る。
びっくりしたのは宋江。
え~!そんな理由で役人辞めて旅に出ることになったの!?
ってか、林冲と同じ轍じゃあないですか?
亡くなった後に自分の本当の気持ちに気づくって。
今回は青蓮寺についての記述も結構多かった。
国の裏側で暗躍する集団ではあるけれど、決して悪の組織ではない。
彼らには彼らの理屈があり、国を憂いてはいるのだ。
改革をしようとは思っているけど、革命は許さないだけ。
これがわかっただけでも、物語にぐんと厚みが増した。