北方謙三のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
北方版の史記も完結!
時間かかっちゃったけど、読破しました。
最後、帝をはじめとして、登場人物の老いが如実に現れ、哀愁漂う作品になってました。
幼い帝に国を託し、亡くなった劉徹。
国とは民である。国とは何か、考え続けよ。
しっかりと託されたこの言葉。
これまでの劉徹から考えられないこの言葉。
劉徹を見ていると、国は帝のために存在しているものとしか考えられなかった。
それなのに、違った。
もっと深く、もっと広く、てつもなく大きな視点で国のこと、民のことを考えていたことに驚いた。
人の生き様、国のあり方、様々なことを考えさせられ、感銘を受けた良い作品でした。
途中のまんねりは辛かったけどね -
Posted by ブクログ
久しぶりに、史記の続編を。
3.4巻がつまらなくなりつつあったので、しばらく間を空けてみたんだけど、5巻は持ち直した気がする。
前漢の中国。帝は、絶対的な王様として、腐った政治を行い続けている。即位した初めの頃は、部下の意見にも耳を傾けその上で判断をしていた帝も、時が経つにつれ、煩い者を退け、全てが思うままになってしまっている。
戦は負け続け、罰すべき人を罰せず、全く関係のない人を怒りに任せて処罰する。まさに、暴君。
一方で、漢の敵、匈奴は組織的な規律を身につけ、更に強くなりつつある。
国の大きさ、富、全てにおいて漢の力は強いけど、小さいながらも強い力でまとまった匈奴の勢いが今後は楽 -
Posted by ブクログ
ネタバレ北方謙三は読んだことありませんでしたが、全共闘ものということで読んでみました。青春小説の良作だと思います。
全共闘は意外なほどにテーマとして取り上げられることが少ないですが、その中でもエンターテイメント性の高いものとなると本当に希少で、そういう意味でも評価されるべき作品。ただし主人公たちの学生時代に成し遂げようとして失敗したテロの規模の大きさと、10年後に舞台を変えて青春にケリをつけるべく実行した犯罪の規模の小ささにギャップがあって、プロローグから10年後を描いてひっぱっていたこともあって尻すぼみ感が残った。なにかもっとでかいことをやるんじゃないかと思った。