【感想・ネタバレ】破軍の星のレビュー

あらすじ

建武の新政で後醍醐天皇により十六歳の若さで陸奥守に任じられた北畠顕家は奥州に下向、政治機構を整え、住民を掌握し、見事な成果をあげた。また、足利尊氏の反逆に際し、東海道を進撃、尊氏を敗走させる。しかし、勢力を回復した足利方の豪族に叛かれ苦境に立ち、さらに吉野へ逃れた後醍醐帝の命で、尊氏討伐の軍を再び起こすが……。一瞬の閃光のように輝いた若き貴公子の短い、力強い生涯。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

建武の新政で後醍醐天皇により16歳の若さで陸奥守に任じられた北畠顕家は奥州に下向、政治機構を整え、住民を掌握し、見事な成果をあげた。
また、足利尊氏の反逆に際し、東海道を進撃、尊氏を敗走させる。しかし、勢力を回復した足利方の豪族に叛かれ苦境に立ち、さらに吉野へ逃れた後醍醐帝の命で、尊氏追討の軍を再び起こすが・・・・・
一瞬の閃光のように輝いた若き貴公子の短い、力強い生涯。


主人公の北畠顕家や彼を取り巻く人物たちが魅力的です。
この時代にはあまり興味がなかったのですが、前回の「悪党の裔」あたりからすっかりハマってしまいました。
足利尊氏を棟梁に頂く足利一門などを相手に、痛快なまでに相手を叩きのめす。
大塔宮、楠木正成、北畠顕家、この3人ががっちり組んでいられれば、時代の流れは変わったのでしょうね。

足利一門はもちろん、後醍醐天皇やその側近の公家衆に敵意を覚えずにはいられませんでしたが、陸奥守の考え方や行動の1つ1つで読後感は最高でした。
陸奥守北畠顕家、もっと長生きしてほしかった人物です。

1
2019年03月29日

Posted by ブクログ

北畠顕家のお話。若干20歳にして、時の足利尊氏が最も恐れた人物。

何を思って、駆け抜けたのだろう。
その胸からこぼれ落ちる思いを聞いてみたい。

1
2017年12月11日

Posted by ブクログ

破軍星とは、北斗七星の7番目の星で、それが指し示す方角は不吉だと言われる。14歳という若さで陸奥守に任じられ、軍事の天賦の才で激動の南北朝時代に輝きを放った北畠顕家その人を表す言葉として、ふさわしい。

南北朝の面白いところは、世を統治すべきは公家か武家かを問うたところだ。武士である平家が貴族として政治に台頭し、源氏が武士として統治者となり幕府を作った。これが平安後期から鎌倉時代にかけての流れだ。そして南北朝時代では、腐敗した幕府に不満を抱く武士と、もう一度世を治めることを伺う朝廷の対立が垣間見える。

顕家は、父の影響もあって、朝廷こそ統治者たるべき存在だと考える。一方で、公家でありながら武将として武士と接するうちに(というか、彼自身、腐敗した朝廷をみながら感じてはいたのだろうが)、足利尊氏が武士たちの支持を集める理由に気づき始める。

南朝側についた武将を見るのが一番面白い。鎌倉幕府は腐敗したとはいえ、一時でも武士たちをまとめ日本の統治者足りえたわけだし、足利尊氏のリーダーシップも申し分なかった。加えて、朝廷は一部を除いて腐敗しきっていた。楠木正成も、北畠顕家も、朝廷には任せられないってことにどこかで気づいていたはず。それでも、彼らは朝廷のために最後まで戦い、散って行った。

少しそれるが、作中では人々の支持を集める一つの要素として血筋が挙げられている。楠木正成がいくら戦上手でも、兵を集めることはできない一方で、なんだか頼りなく思慮深さに欠けてはいても新田義貞のもとにはたくさんの武士が集まってくる。顕家も尊氏も、血筋に大いに助けられた部分は大きいだろう。これは、情報の流通度が低い社会におけるレッテルみたいなもん。そして、この血筋が、統治者が誰であるべきかって議論にもかかわってくる。

・・・・アーまとまんない。w


勤王の思想は、幕末と重なるところがあるよね。

1
2016年10月18日

Posted by ブクログ

北方謙三の描く太平記。若くしてその命を散らすこととなった北畠顕家を主人公とした本作は、顕家の若さとその短い生涯を鮮烈に描いた。疾走感のある文章とストーリーは、1日で読み終えてしまう程に夢中にさせてくれる。北方謙三の歴史小説への入門編。

1
2016年03月02日

Posted by ブクログ

大河ドラマ「太平記」が大好きなので、基本的には尊氏びいきなのだけど…。

顕家もかっけ〜な!

自分の正義にしたがって平和をを求めれば求める程、誰かの思いとぶつかり戦になる。

その矛盾と葛藤のなか、清冽な精神と志をもった顕家が駆け抜ける。

基本的には顕家視点で書かれているが、時々カメラが移り、尊氏や直義、斯波政長などもクローズアップされる。

嫌なやつなんて、1人もいない。みな、己が信念に忠実なだけ。

「太平記」ももう少し顕家をかっこよく描いてもよかったかもね〜。そしてゴクミじゃないほうがよかったかも!?

1
2015年06月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

南北朝時代。『武王の門』の懐良親王の活躍より少し前。
足利尊氏、楠木正成の名は知っていても、「北畠顕家」という公家の存在は恥ずかしながら知らなかった。

才気煥発な若すぎる公家武者の苦悩と葛藤が悲哀を滲ませている。
もう少し早く生まれているか、もう少し遅く生まれていれば、大塔宮か懐良親王と連携して違う歴史を生み出していたかも知れないね。

懐良の兄に当たる大塔宮の従兄弟になるんだったか?
顕家に夢を託した奥州藤原の流れを汲む山の民。
大塔宮は山の民を組織化して武家に対抗する武力を持とうとしたとかなんとか。

こうなればもう未読の『楠木正成』と『悪党の裔』も読まなければ。

歴史を逆に辿って行くのもまた楽しいもんだね。

1
2014年04月29日

Posted by ブクログ

北方南北朝物二作目。若き陸奥守北畠顕家の物語。はじめはゆるゆる物語が進むが、足利直義が登場するあたりから俄然面白くなる。それぞれの武将の思惑が交錯し、ダイナミックな物語展開。主人公顕家もさることながら、足利尊氏・直義兄弟がなんとも魅力的なことよ。京を舞台とした、尊氏軍対陸奥守軍の戦闘の迫力。そして明かされる、安家利通の夢。泣ける。果たしてそれが顕家の……。そして再度の上洛。ああ、結末が分かっているだけに、終盤読み進めるのがつらい。

0
2025年08月22日

Posted by ブクログ

今村翔吾さんの「人よ、花よ、」を読み、
南北朝時代の本はないかと思っていたら、
YouTubeで今村翔吾さんがお勧めしていた本書を思い出して読みました。

主人公は北畠顕家。
16歳で陸奥守に任じられる。

戦でどんどん人の命が奪われていきます。

読めば読むほど朝廷に不信感しかないし、
人を捨て駒のように扱う判断に更に不信感は募ります。

大義とは。
正義とは。

北畠顕家が考えるなか、
足利尊氏が朝廷に向かって攻めてくる。
朝廷からは上洛せよと指示が来る。
でも。
陸奥が平定しきれていないなか、
そこを捨てて上洛しなければいけないのか。

ほんとに苦しい。
ほんとに辛い。

それでも北畠顕家が突き進んでいく姿に涙が止まりませんでした。

0
2025年05月18日

Posted by ブクログ

若き天才の一生は星の瞬きが如く強く輝きどこか儚い。この星が強く永く瞬いていたら日本の歴史は変わっていたんじゃないかと思わせる、北畠顕家とはそんな漢だと感じます。
足利尊氏、楠木正成、北畠顕家、違う立場違う人生のおとこ達が見据える夢のかたちは一緒には為し得なかったのだろうか。
そう考えさせられる北方謙三が描く浪漫が詰まった一冊。
あっぱれ。

0
2022年11月22日

Posted by ブクログ

歴史上最強と謳われた公家、北畠顕家の短い生涯を北方謙三の硬派な筆致で描いた作品。全くの無知な南北朝時代だったため世界観が分からなくて最初は苦労もしたが、1度目の足利尊氏討伐のために京へ上る場面からはめっぽう面白くなった。戦国時代以上に何のために戦うのか?というのが問われる時代に無能な朝廷のために戦う姿はカッコよさがありつつも読んでいて寂しく辛くなる。彼の能力があれば陸奥の夢もかなえることが出来たかもしれないのだが「大義」がそれを許さなかったのだろう。まさに「一瞬の閃光のように輝いた若き貴公子」だった。

0
2022年10月03日

Posted by ブクログ

読めば君も”北畠顕家”推しになること間違いなし!一般的に複雑でとっつきづらいとされる南北朝時代の世界にハマるためのゲートウェイドラッグともいうべき快作。楠木正成や新田義貞のような時代を代表するスターも多数登場するため一冊で満足度は高い。

0
2022年07月30日

Posted by ブクログ

ほんの少年であった頃に鎮守府大将軍として奥陸奥に下向して以来、無敵の強さを誇った北畠顕家の生涯です。本当に強く、敵に恐れられた将だったのが分かります。
本領安堵という実利をもって勢力を拡大する足利尊氏に対して、親政の旗印という理念で戦うのは分が悪かった、といった背景もよくわかりました。にもかかわらず、知力を尽くして勝利を重ねる顕家の姿が、さわやかな一陣の風のように描かれています。

0
2021年11月14日

購入済み

南北朝物の代表作

「武王の門」と並んで北方謙三の南北朝物の代表作である。
ハードボイルド調の文体であるが登場人物が生き生きとしていて読みごたえがある。
ただし北方謙三の歴史物作品全般に言えることだが、主人公の性格 イメージが似通ってしまう。
この「破軍の星」の北畠顕家と「武王の門」の懐良親王の印象が重複してしまう。

0
2019年11月15日

Posted by ブクログ

北畠顕家の骨太の生涯を描いた小説。戦国時代の大谷刑部と重ねながら読んだ記憶がある。初期の北方はレイモンドチャンドラーの真似のような甘い言葉の羅列で読むのがきびしかったが、歴史小説を手がけて開花した感があった。大好きな小説。

0
2017年04月24日

Posted by ブクログ

参加しているSNS「やっぱり本を読む人々。」の100冊文庫企画にエントリーし、紹介文を書くために再読しました。下に前回が3回目の再読だとありますので、今回は4度目と言うことで。。
流石にストーリーはほぼ完全に覚えています。そして新鮮さは随分薄れています。それでも話の中にのめりこんで行けます。やはりこの作品は私に良く合った作品なのだと思います。
小説の最後に主人公が後醍醐天皇に対し諌奏文を送るシーンがありますが、今回改めて調べたらこれは史実なんですね。そしてその内容も小説の通り。若干21歳でそのようなことが出来た事から見て、実際の北畠顕家は本当に傑出した人間だったようです。

===========
02-75〜2002/09/18〜☆☆☆☆☆
歴史的事実だけを引き出して再構築したら、顕家像はひょっとしたら酷薄・独善的人間像になるかもしれません。しかし、そんな事は考えずに物語に没頭すれば、なんとも爽やかな作品です。
「切れ」のある文体と迫力ある戦闘シーン。そして格好良過ぎる主人公・顕家とそれを取り巻く登場人物たち。いやあ、歴史ハードボイルドとしか言いようが無いですね。
ストーリーそのものは北方さんの歴史ものデビュー作「武王の門」に良く似ています。武王の門が上下二巻なのに対し、この作品は一巻でその分凝縮された感があります。今回は多分三度目の再読ですが、それも釣り込まれて一気に読み通せました。初回の衝撃もあわせて最高評価にします。

0
2016年08月07日

Posted by ブクログ

懐良親王が九州独立を夢見たように、陸奥独立を夢見た稀代の武闘派貴族 北畠顕家の物語。
この時代に関する北方氏の見解は一貫して、大きな構想を持ちながらも人の気持ちを考えられず、限りなく自己中心で愚かな公家に振り回される後醍醐天皇の残念さが多くの男たちの志を無駄に消費したということか。
奥州に関しては、もっと古い時代にも同じような悲劇が繰り返されており、読むために悲しくなります。
本書を読んでいる最中に奈良県五條市にある旧南朝皇居をリノベーションしたホテルに泊まり、隣にある顕家の父 親房の墓の前で当時に思いを寄せるという贅沢な経験をしました。

0
2025年11月06日

Posted by ブクログ

本当は楠木正成を読もうと思っていたんだけど、逃げ若の北畠顕家が素敵すぎて、こっちにした。
面白かったです。

本当にこの時代は、今まで知らなかった偉人が沢山いて驚く。

なんとなく北畠顕家って、銀英伝のラインハルトっぽいなぁ、と思いながら読んでいた。
漫画から入ったけど、小説も読んで見て、より人間味を感じることができた。

歴史上の好きな人物がまた1人増えました。

0
2025年08月28日

Posted by ブクログ

鎌倉時代と室町時代の間が舞台です。
日本が、足利尊氏勢(北朝)と後醍醐天皇勢(南朝)に二分して大きな戦いが起こっていた時代です。
主人公の顕家は、若干16歳にして東北の守護として任務についた貴族でしたが、上手く地域を治めていたようです。
しかし、後醍醐天皇の要請で、足利尊氏を討伐するために遠征をします。
若くして散った英雄の物語です。

0
2024年09月28日

Posted by ブクログ

某有名な作家さんがYouTubeのゲストで出演していた時にお薦めしていたので、読んでみたら面白い顕家が凄くカッコいい⁉️この歴史小説お薦めです

0
2023年09月25日

Posted by ブクログ

南北朝時代、争乱のあいつぐ世で、京を目指して北天に光り輝く星、北畠顕家。21歳の若さで死んだ顕家。武家ではなく、村上源氏の血をひく公卿の名門であり、大塔宮とならび足利尊氏を最後まで苦しめており、本当に鮮烈な印象を与えてくれる。
奥州藤原氏の末裔を暗示する安家一族ら山の民を一緒に描く事で、物語に深みを与えている。

0
2021年03月24日

Posted by ブクログ

北畠顕家の公家らしからぬ高い武力と、そのベースとなった教養とその呪縛。痛快で悲劇で、一気読み。後醍醐帝の陣営は大塔宮、楠木正成、北畠顕家と有能な人材をムダにしてしまうところに、物語発生の源泉がある。

0
2019年08月17日

Posted by ブクログ

北方謙三の初期の歴史小説。
北畠顕家という日本史ではスポットの当たらない人物を主人公にしている点が北方らしさが出ていていいです。
足利尊氏も恐れた男の生き様が儚くも清々しい。

0
2019年02月27日

Posted by ブクログ

北方が歴史小説に転身した割合初期の作品。それまでお得意にしてたハードボイルドが時代に合わず、リァリティが失われるのを、人間として芯の通ったカッコイイ男を描くためにこの分野に転身したのだろう。

その試みは作品の中では見事に成功し、熱い気持ちが滾らされる。顕家もそれを取り巻く主従も、仇方の斯波家長、上杉も見事にかっこいい。ただ、歴史的事実としては、顕家は10代後半、家長は二つ年下。年齢を考えると、思考回路があまりに老成しており、途端に現実味が薄れるのが弱点か。

0
2018年10月07日

Posted by ブクログ

個人的に室町時代の歴史小説は敬遠しがちですが、これは面白かった。室町時代は鎌倉幕府倒幕からずっとダメだったんだなぁ。ある意味、江戸幕府や明治政府をつくった人たちはこの時代を反面教師にしたのでは。

0
2018年10月04日

Posted by ブクログ

北方謙三の歴史小説が好きというのと、
南北朝時代の歴史を知りたかったという
2点から読むことにした本。

主人公像や周りのキャラは
題材としては悪くないんだと思うが
最近の北方謙三を知っている分、
まだ歴史小説に書き慣れていない感じを
個人的には少し感じてしまった。

北畠顕家が、若干完璧超人すぎる感じも
それほど惹き込まれなかった要因かも。

行動原理を含めた男の生き様を描く、
というのはこの頃から変わってないんだなあ
というのは感じた。

0
2018年01月02日

Posted by ブクログ

人は何のために戦うのか。この頃は複数の尺度があった。武士は恩賞、土地を一族子孫に残すため。北条家が滅んだのは恩賞をくれなくなって武士たちが付いてこなくなったから。ちゃんと報いてくれるのは誰かって探して、最初は天皇かと思ったんだけどダメで、足利がその役目を果たしてくれそうっていうので、彼を選んだ。武士の頭領はなので結構しんどい。餌をくれなきゃ逆らう獰猛な犬を飼ってるようなものだろう。大義つまり天皇が統治する日本国を作るってのは武士にはどうでも良い、あくまでも明日のご飯。
北畠顕家は公家に生まれ、父親房に教育を受け、主上あっての国と基本概念を持つが、それが腐ってるってなった時に、陸奥国で新たな国をつくるという理想に心が揺らぐ。天皇の世でもなく、武士の世でもない、この3つ目の道には夢がある。そしてやっぱり夢だった。顕家は新たな国をつくることに挑む前に、仁義を切りに京都へ上った。辛くも生き残り、陸奥に戻ることもできたのに、果てた。戦でたくさんの部下を仲間を失い、兵や民を傷めたことに、自分には国をつくる資格がないと感じたかのようだった。
大河ドラマ「太平記」再放送中につき再読。前回は人物や背景がさっぱりだったが大河のお陰で理解が進んでた。前回は斯波家長と上杉憲顕のことしか書いてなかった…。でもやっぱりこの場面はグッとくる。しかし斯波家長の年齢設定が謎。

・・・・・・
2017/7/16
北方謙三の南北朝シリーズのとっかかり程度の気持ちで読み始めたのに、終盤でまさか泣くとは思わなかった…。第8章「西を指す星」、足利側の武士・斯波家長との鎌倉での死闘が1つのクライマックス。最初ダメ武士だと思った上杉憲顕と家長とのやり取りにしびれる。「負けを知る武将は強い」「新しい上杉憲顕を作るために、闘え」。家長自身が一度負けてるから言える台詞だろう。家長が討ち死にして以降、憲顕側からの描写はないが、次の章、顕家を追走してくる憲顕隊の姿だけですべてが察せられ胸を打つ。
物語は主人公、北畠顕家側からの視点が中心で、ときどき足利尊氏・直義の視点もあるが、それはあくまでも顕家の敵としてのポジション。それが第8章の家長側の描写はこの物語の主人公のようで、作者の家長への強い思い入れを感じる。唯一この鎌倉での戦いだけが敵方の家長側から描くことで1枚フィルターがかかったようで、顕家が有利なのか不利なのかがはっきりとはわからずもどかしさが募る。その後の場面転換など手法がすばらしい。
北方謙三は歴史物もなにも、実は初めて読んだが、司馬のような史観みたいなものも入ってこないし、池波や隆のようなエロもなく、ただひたすら男の美学をストイックに描いて切ない。ファンになるかもしれない…。
追記)斯波家長(1321年-1338年)ってこれ本当???17歳ですよ?北畠顕家より若い。どうなんでしょう。上杉憲顕は1306-1368と戦を生き延び、家長の後、鎌倉の執事役を務めたらしい。

0
2017年07月16日

Posted by ブクログ

昔大河で、後藤久美子が演じていたような。
この辺りの時代を描くというのは、いろいろ問題がありそうだが、小説としてしっかりと描かれているのはいいですね。
北方謙三は、新田義貞をあまり評価していないんですね。
新田義貞が登場する小説をはじめに読んだのが、新田次郎の作品であるが、ちょっと印象変わりますねー

0
2017年06月15日

Posted by ブクログ

南北朝時代の北畠顕家という若い公家の人物の話。序盤の陸奥平定時や1回目の上洛までの世界観は良かったが、後半はただ悲壮感とまでいかないが希望のない上洛という雰囲気があり、夢ということで陸奥を出発したのと乖離があり、少し違和感があった。

0
2015年04月19日

Posted by ブクログ

流石です北方健三。熱い漢たちでした。(漢と書いてオトコと読む感じです(笑))
同じ南北朝時代でも、武王の門よりもこっちの方が好きだなぁ。
やっぱり北方健三さんの描く騎馬戦。大好きです。
しかし北方さんの本はのめり込みすぎて疲れる

0
2014年03月22日

Posted by ブクログ

この本の前に読んだ「中先代の乱」にて、北条時行に興味を持ち、そういえば前に読んだこの「破軍の星」を思い出した。
時行って登場したっけと思いつつ読んでいくと・・・
出てきたけど扱いが、これ?「勅使がなんたるかおわかりか?」とか「鎌倉が落とせそうになると涌いてくる奴」と北畠顕家にボロカスだった。
破軍の星の感想は、「若い!」北方謙三も若いし、主人公も若い。最初から最後まで「いくさ」のみ。ところどころ国とは?公家とは、武士とはと頭を使うシーンがあるが、ちょっと薄っぺらいです。
京への強行軍も文章からは、距離感があまり感じられない。もっとじっくり書いてくれれば、もっと素晴らしい小説になったと思う。

0
2025年01月23日

Posted by ブクログ

R2.7.31~R2.9.16

(あらすじ)
建武の新政で後醍醐天皇により十六歳の若さで陸奥守に任じられた北畠顕家は奥州に下向、政治機構を整え、住民を掌握し、見事な成果をあげた。
また、足利高氏の反逆に際し、東海道を進撃、高氏を敗走させる。しかし、勢力を回復した足利方の豪族に叛かれ苦境に立ち、さらに吉野へ逃れた後醍醐帝の命で、高氏追討の軍を再び起こすが…一瞬の閃光のように輝いた若き貴公子の短い、力強い生涯。

(感想)
北方謙三らしい一作でした。
少し期待を外れたため、低めの得点を付けましたが、決してつまらない作品ではありません。
北方謙三らしい一作でした。

0
2020年09月16日

「歴史・時代」ランキング