あらすじ
建武の新政で後醍醐天皇により十六歳の若さで陸奥守に任じられた北畠顕家は奥州に下向、政治機構を整え、住民を掌握し、見事な成果をあげた。また、足利尊氏の反逆に際し、東海道を進撃、尊氏を敗走させる。しかし、勢力を回復した足利方の豪族に叛かれ苦境に立ち、さらに吉野へ逃れた後醍醐帝の命で、尊氏討伐の軍を再び起こすが……。一瞬の閃光のように輝いた若き貴公子の短い、力強い生涯。
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Posted by ブクログ
南北朝時代。『武王の門』の懐良親王の活躍より少し前。
足利尊氏、楠木正成の名は知っていても、「北畠顕家」という公家の存在は恥ずかしながら知らなかった。
才気煥発な若すぎる公家武者の苦悩と葛藤が悲哀を滲ませている。
もう少し早く生まれているか、もう少し遅く生まれていれば、大塔宮か懐良親王と連携して違う歴史を生み出していたかも知れないね。
懐良の兄に当たる大塔宮の従兄弟になるんだったか?
顕家に夢を託した奥州藤原の流れを汲む山の民。
大塔宮は山の民を組織化して武家に対抗する武力を持とうとしたとかなんとか。
こうなればもう未読の『楠木正成』と『悪党の裔』も読まなければ。
歴史を逆に辿って行くのもまた楽しいもんだね。