北方謙三のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
楊令の国造は財源確保の為にシルクロードから東北藤原京までの道作りを目指そうとしていた。発想やよし、まだ鎌倉幕府誕生まで間がある、史書には載っていない彼らの国だけど、見守りたい。
「役に立つのかな、それ?」
「ああ」
「よかった。あたしは、働いたよね」
「働いた」
徐絢が、眼を閉じた。唇は、動いている。羅辰が、かすかに首を横に振った。縫った傷のところから、出血が続いている。
「死ぬのかな、あたし」
「俺がついている」
おまえには俺がいる。いまさら言っても、空しいだけだった。
「何か、足りない、と思ってた」
徐絢が眼を開いた。
「いつも、なにか、足りなかった」
徐絢の眼から、涙が流れ出してきた。