北方謙三のレビュー一覧
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「楊家将」続編。前作で既に後篇があることは十分に匂わされていたので、待望の続編。ただ、前作がすごすぎてそれを超えるのは難しい続編。楊業の死から息子たちが再び立ち上がる。宋は「六郎」に楊家軍再興を命ずるが、味方の裏切りによって命を落とした父への思い。六郎は父が魂を込めて打った「吹毛剣」を佩き戦場へ向かう。対するのは遼の名将『石幻果』。天稟の才を持つこの男は蕭太后の娘婿で「吸葉剣」という名剣を佩いていた。その石幻果が父と慕うのが「白き狼」と怖れられ楊業を斃した猛将「耶律休哥」。
戦場で見えた六郎と石幻果。剣を交えた瞬間、天を呪いたくなる悲劇が。綾なす人々の悲しみが交錯する衝撃の結末。北方謙三の世界 -
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ネタバレ複雑。
血涙は遼と四郎を中心として動く。
北方謙三は、四郎の生きざまに惹かれたんだと思う。
「技のぶつかり合いでなく、意地のぶつかり合いでも、生命そのもののぶつかり合いでもない。強いて言えば、哀しみと哀しみのぶつかり合いだった」
四郎(石幻果)と五郎の戦いのシーン。
四郎の生きざまと楊家の流す血の涙が血涙のテーマなのかなぁと。
そして、吹毛剣が楊家を導く。
てか、五郎が魯智深そのものだったところなど、水滸伝、楊令伝へのオマージュが…
個人的に、一番てつまらないかもしれないかもしれない「単なる楊業の敵討ち」という結末を期待してたけど、そうならずによかったのかもしれない。 -
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「なんだったのでしょう、史進殿?」
花飛麟がそう訊いたのは、宮殿を出てからだった。
「さあな。国とはこの程度のものだ、と楊令殿は、俺たちに見せたのかもしれん」
第四巻は、いままでとは打って変わって、大きな戦いが立て続けに起きる。けれども、なんだか満足度が少ないのはおそらく私だけではない。梁山泊の戦い自体が少ないのである。宋対梁山泊という単純な戦いだった前シリーズとは違い、今回は複雑な様相を示している。南では宋禁軍童貫対宗教反乱方臘との戦い。北では禁軍の趙安対燕国を建てようとする耶律大石たちとの戦い、そして金国と絡んだ楊令が入っていく。梁山泊が絡んだときだけ、すぱっと気持ちのいい読後感がある。 -
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一巻では、最後になって登場した楊令が今度は出ずっぱりだ。
「俺はね、汚れたのですよ、青燕殿。梁山泊軍にいたときとは較べられないほど、汚れきってしまった。そんな俺を待つことを、空しいと思われませんか?」
「汚れたかどうか、余人が決めることではない。おまえ自身が決めることだろう」
「俺は汚れましたね」
「いいな。子午山から降りてきたおまえは、若いくせいに非の打ちどころが無かった。それは、いくらか異常でもあった。人なのだからな。汚れを持っていて、当たり前と言っていい」
楊令はいま、新しい国を模索している。いまは、まったく具体的ではない。しかし、呉用とも、史進とも、公孫勝とも、比べてもまったく -
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【あらすじ】
「藤原一族のはぐれもの」が海を生きる場所と定め、
時に交易で、時に海賊を働きながら心のままに生きる。
【読もうと思ったきっかけ】
北方ハードボイルド計画第二段。
【感想】
下巻まで読んだよ。
北方作品やはりキャラの造型がいつも同じだった・・・
しばらくこの計画もお休みします笑
しかし、自由ってものが何なのかを考えるきっかけになりました。
この話は長くなる気がするからまたブログで書きます。
1つだけ言えるとしたらやっぱりお金と強かさ(政治力?)は大事ね。
下巻の後ろ半分の静かなのに熱い戦いはたまらんかったです。
それにしても平将門のオマケみたいな感じで日本史では出てくるけ