北方謙三のレビュー一覧

  • 血涙(上) 新楊家将(ようかしょう)

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    上下巻合わせて書く。
    楊家将の後編。登場人物がいいな。どちらにも感情移入できるように書いているのだけど、遼がいい。簫大后がいい。
    西太后も我が身を投影して彼女のファンだったのだという。

    中国では楊家将は演技や京劇で人気があるようだ。
    しかしwikipediaの楊家将演義の項目を読むとまるで面白そうに思えない。そこが北方謙三のえらいところだと言えばそのとおりなのだけど、遼の簫大后が魅力的なのは北方謙三がそう書いたからで、少なくともWikipediaの記述を見る限り、西太后が何をどのようにしてこの人を気に入ったのか判断がつかない。

    この北方楊家将は中国人にとっても魅力的だそうで、それはそうだろ

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    2018年06月19日
  • 岳飛伝 一 三霊の章

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    北方水滸伝の最終章「岳飛伝」。第一巻はまだ楊令伝のその後といった印象。軍も健在で張朔、王貴が新たな交易を始めたが未だ「楊令ロス」の梁山泊。新頭領・呉用は洪水の復興に努めながらもとりあえず静観。それぞれが自らの志と向き合い行動するのを見守ってる感じかな。
    岳飛も失った右腕とともに虚脱感から抜け出せていない、まだ完全復活前。
    そして楊令の遺児・胡土児を養子に迎えた金軍総帥のウジュ。まだ父親が楊令とは伝えていない。どのように物語に反映させるのか気になるところ。

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    2018年05月13日
  • 楊家将(ようかしょう)(上)

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    やっぱり北方謙三の中国物はおもしろいねえ。
    理屈抜きで。
    教練を説明に使うのはうまいな。実践だとすぐにインフレーションを起こすけど、教練だとそこがうまいことできるし、感想戦もできるし。

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    2018年04月24日
  • 岳飛伝 十七 星斗の章

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    終わりました。 さてこの後の南宋と金はどうなったんでしょう。世界史の教科書でおさらいをしなくては。
    物語としては上手くまとまっていました。ただあんまりあっけなく終わっちゃったので、ちょっと拍子抜け。

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    2018年04月05日
  • 岳飛伝 十六 戎旌の章

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    金で、南宋で、沙門島沖で、南の海で、戦いが続く。岳飛と梁山泊は、物流の道が到る中華圏のあちこちで戦い続ける。
    最後の巻に向けて、力押ししている感じ。
    誰にも支配されない国はできるのか?
    物流は中華の太い血管となれるのか?
    多くの登場人物が退場していったあと、何が生まれるのだろう?

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    2018年04月01日
  • 波王の秋

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    ようやく読み終わった。何故か読み進まず…。
    どこかで見た北方作品という感じ。
    ちょっとキャラクター造形が単純過ぎないか?
    海戦の描写ってなかなかリアリティを出すのが難しいと思いますね。

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    2018年03月23日
  • 水滸伝 十 濁流の章

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    なかなかエキサイティングな第10巻。
    ここから怒涛のクライマックスに向かうなんて、あと文庫本9冊もあるんですが苦笑

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    2018年02月27日
  • 水滸伝 九 嵐翠の章

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    どういう結末になるんだろうと、想像してみるがまったく想像できない苦笑
    宗を倒すことはできないのだとは思うが。

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    2018年02月19日
  • 水滸伝 八 青龍の章

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    まだ半分も読み終わっていないことに気づく。
    だんだん人が死んでいく。
    あのキャラはいつ死ぬのかなんてことを考えながら読みすすめている今日この頃。

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    2018年02月14日
  • 岳飛伝 十五 照影の章

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    決戦前夜
    未だ古いものを残す世代が、最終決戦に向けて徐々に準備が整っていく。
    第2世代の生き残りは退場し、第3世代は生命を懸けて、次の最終決戦に向かう。
    決戦の先に、次の世代による新しい国家像が見えてくるだろう。

    小梁山のオウム・鈴は、「やるだけやって死ぬ。でも」のあとは覚えたのだろうか。。。

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    2018年02月04日
  • 岳飛伝 八 龍蟠の章

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    梁山泊水軍と韓世忠水軍が危険水域に入り、南宋と金の講和がなったところで小梁山に拠る秦容と岳飛が邂逅し、次の戦への導火線に火がついたところで、次巻へと続くというじれったい展開です。
    『水滸伝』での、四神獣ごとに山場が来る展開が懐かしいです。

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    2018年01月23日
  • 岳飛伝 十四 撃撞の章

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    ふたたび、中華に戦乱が始まろうとしている。
    岳飛は南宋に侵攻する。は金が梁山泊相手に戦いを続けようとする。三つどもえの戦い。
    そこに物流が絡み、戦いの様相も変化しきた。
    新しい国はできるのか?
    すこしづつクライマックスに近づいている感じがする。

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    2018年01月20日
  • 楊令伝 五 猩紅の章

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    期せずして宋の北と南で同時に起こった新興国の勃発。
    制圧するために国の軍を2つに分け、北と南で戦が始まる。

    北部は、童貫の右腕である趙安(ちょうあん)が率いる宋軍が燕国を制圧するために闘っていた。
    そのすぐそばで、宋の領土を制圧し、梁山泊軍はじわじわと領土を広げていく。
    燕の皇帝耶律淳(やりつじゅん)が暗殺され、宋が勝利したと同じころ南では。

    童貫の動きを読みに読んだ呉用が、必勝のための作戦を立てるが、ここにきて方臘の部下たちの反対に会い、力で押し切られてしまう。
    そのため絶好の機会を失った方臘軍は、一気に童貫軍に責め立てられる。

    このあたりから徐々に方臘軍に余裕がなくなってくる。
    童貫

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    2017年12月30日
  • 岳飛伝 十三 蒼波の章

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    海では李俊が、南宋では燕青が、北では史進が動く。
    梁山泊の重鎮のそれぞれの想いが行動に重なる。
    西遼でも変化が始まった。
    そして、金と南宋との戦い。
    東西南北で動き出した嵐は、中央に向かってどの様に動くの?その嵐の中を梁山泊の勇者達はどう動くのか?
    大水滸伝の中の時代が走りだそうとしている。

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    2017年12月24日
  • 岳飛伝 十二 瓢風の章

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    東では、梁山泊水軍が動き出す。李俊はここからの一連の働きで舞台から降りるのだろうか?
    南では、岳飛と秦容が北に向けて動き出す。
    北では、金の国主が代わり、戦が近づく。
    一斉に状況が動き出す。その先には何がある?
    それぞれの志が、時代を動かす。

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    2017年12月24日
  • 楊令伝 四 雷霆の章

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    うーん。
    あまり熱は感じなかったな。

    水滸伝の、梁山泊を造り上げて、守り抜こうと闘う漢たちの熱さは、楊令伝には感じられない。

    宋という国の在り方からはみ出した漢たちが、自分で感じ、考えて行動していたのに対して、今の梁山泊は楊令を中心とした第一世代がすでにひとつの在り方として、型になってしまっているような気がする。

    せっかく第二世代が育ってきているのに(楊令だって第二世代と言えばそうだが)、即戦力としれ育てるばかりで、育てる側の懐の深さが見えてこない。
    だから第二世代は能力が高いのに、みんないい子。
    器からはみ出すような子はいない。(今のところ)

    公孫勝に至っては、老いたのか?ってくらい

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    2017年12月18日
  • 眠りなき夜

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    第一回日本冒険小説協会大賞受賞作。調べてたらヒットしたので、中古盆屋へ行った時に探してみて見かけたので買ってみた。昔ラグビーやってた弁護士という橋下市長みたいな人物が主人公。とはいえ20年以上前の作品なので橋下さんがモデルというわけではない。負けん気の強さから身体に物を言わせる感じ。格闘技をやってないので無骨な攻撃。印象的な人物が多い。ここに出てくる刑事を作品にしたもの(「檻」)があってそれが二回の大賞のようだ。ジャンルとしてはハードボイルドなので好きな感じの登場人物が多数登場する。まぁ面白かったかな。という感じ。記念すべき第一回の受賞作だからか亡くなった会長内藤陳さんの解説が嬉しい一冊。

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    2017年12月18日
  • 楊令伝 十 坡陀の章

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    大きな闘いが終わり、次への準備段階に入った第10巻。
    楊令が目指す「小さく豊かな国作り」のため日本から西域までの交易路を作り始めた梁山泊。
    そして金軍の侵攻によって開封府が陥落、ついに宋王朝が終わりの時を迎える。一方、南では李富の野望が動き出す。童貫亡き後の禁軍でも岳飛と張俊が軍閥を率いて独立。幾つもの勢力が入り乱れどこかぶつかるのか、結ぶのか、なかなか読みにくい情勢下に。
    そんな中、気になったのが韓成。これまで旧方朧軍の残存兵を率いて悲惨な闘いに傷つく姿、生き残った者たちを想う姿には心が痛くなってきた。
    西域への旅の中でその傷ついた魂が癒されていくのか注目していきたい。
    そして子午山を降りて

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    2017年12月05日
  • 楊令伝 六 徂征の章

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    迫りつつある梁山泊・童貫軍の全面対決。嵐の前と言える第六巻。
    聞煥章を討ち取った扈三娘の勇ましい活躍、自ら命を絶った蔡福の妻・真婉の憎しみ。どちらも女な強さや壮絶さを見せつけるエピソード。
    梁山泊陣営では孤高の存在だった楊令が少しずつ胸のうちを晒し仲間たちとの距離を縮めていく姿、「方朧の乱」から生還した呉用の心境の変化が興味深い。
    そして童貫が子午山の王進の元を訪れるという心憎い演出もあり。静かだが人間味溢れる二人の対話は優しさと同時に物悲しさも感じられる。

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    2017年11月09日
  • 杖下に死す

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    北方さんの歴史時代小説には2つのタイプがありますね。ひとつは武将を取り上げ、大きなスケールで描く歴史物。もうひとつがハードボイルドの時代バージョンといった雰囲気の剣豪小説。私は前者は好きなのですが、後者は苦手。
    さて、この作品はというと、やはり後者のほうなのでしょうね。大塩平八郎の乱という歴史的事実を取り上げたので、ひょっとして歴史物かと期待したのですが。
    もっとも、そんなに悪くはないです。
    少々、刀を振り回しすぎるし、最後の転身は唐突な気もしますが、全体的には押さえが利いた雰囲気です。ただ、人に勧めるほどじゃないかな。

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    2017年10月30日