吉田修一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ45年前の主婦失踪事件の容疑者でもあった富豪の米寿の祝いの最中、その富豪が姿を消し彼を見つけようとする祝い参加者と45年前の主婦失踪事件の謎に迫る物語。
読むにつれて次はどのような展開になるのかと興味を持って読み進むことが出来たが、当初は風雨の中、決して島からは出れないと言っておきながら、クルーザーでもやっとたどり着けた離島に88歳の富豪が一人でボートに乗って離島に行ったことになっているのはどう考えても???。せめて、離島への秘密の地下道でもあったとなれば何とか納得は出来るのだけれど。
このことが頭から離れずすっきりとしない読後感だった。 -
Posted by ブクログ
解説を読んで、作者は逃亡劇に対する文学作品を得意とするんだなと納得した。
最初の逃げろ九州男児は、一通を逆走し警官に止められたとき、ふと何もかもどうでもよくなり犯罪歴のない男性が母親を乗せたまま車での逃亡劇。走馬灯のように過去の思い出が蘇るが、逮捕され冷静になるものの、最後はまた逃走で終わる。
2作目の逃げろ純愛は、教え子と教師のまさに純愛。結果未成年との交際で逮捕されるがその際に押収された交換日記が何とも青々しい。
3作目、逃げろお嬢さん。あとがきでも述べられている女性芸能人の逃亡劇と、それをドッキリと勘違いした熱烈ファンとの邂逅。
勘違いもここまで来ると立派と思わせる良作。
四作目、逃げろミスターポストマン。
郵便配達員の逃亡劇。何気ない日常からの逸脱。ふとしたところに狭間の入り口がありそうな情景が思い浮かぶ。
全体的に練られているストーリーではあったと思う。ただ、そこまで惹きつけられなかったので、星3つ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ大学進学のために長崎から東京に来た青年が様々な人と関わっていく約1年間の生活を描いた物語。
この本は2010年の本屋大賞3位となった小説で、読もう読もうと思いながら題名が個人名で何となくピンと来なくて、なかなか読む気になれなかった。
読んでみると、随所に「フッ!」と笑いたくなるような表現があり、楽しく読むことが出来た。まるで、有川浩氏の小説みたいな。。
例えば、
・主人公が上京する時に、母親に無理やりカバンに入れられた雑巾が、アパートで役立った時に、
「息子にとって新生活は希望なのだが、母親にしてみれば新生活は雑巾らしい」
・友人の家に電話をした時に、その母親が出て長話をすることになった時、
「時間を持て余してかけた電話だったが、世之介よりも時間を持て余している人に繋がってしまったらしい」
等々
以前、同じ著者の「怒り」を読んだけれど、こんな事は無かったように思うけれど。。
この本で気に入らなかったのは、主人公が死んでしまったこと。最後の盛り上がりには必要だったのかもしれないけれど、「ハッピーエンド大好き」な私にとっては辛い。。。
主人公が上京して、お金持ちのお嬢様で言動がテンネンなガールフレンドが出来たが、何かのきっかけで別れたのだけれど、20年後、報道カメラマンとなった主人公と国連職員となった元ガールフレンドが、タンザニアの難民キャンプで劇的な再会!!
ってことにして欲しかったなぁ~ -
Posted by ブクログ
パークライフ
淡々と進んでいくストーリーで急な展開はない。その穏やかさに包まれていたら、スタバ女の決意に唖然とした。彼女は何を決めたのだろうか。
スタバが日本上陸したのは1996年、この本が書かれた2002年はスタバは最先端なカフェだったのだろう。猿をペットにしてる人も当時はそんなに多くなかったのかな?終始ちょっと小洒落た雰囲気がある物語だった。
印象に残ったのは、
公園のベンチで長い時間ぼんやりしていると風景というものが実は意識的にしか見えないものだということに気づく。
日比谷公園全体を俯瞰してみると人体胸部図の様に見える。
という描写だ。私は確実に前者で、よく公園には行くが、公園全体を俯瞰して何かに見立てたことがなかった。そんなこと意識的に考えたこともなければ、意識的に考えても公園の形が立体的に思い浮かばない。いつも見ていた様に思っていたこともよく見てはいなかったことに気づかされた。
朝井リョウ氏が中学生の時にこちらの本を読んで何だかわからなかったといっていたので読んでみたのだが、とっくに大人になった私も同じ様な感想を抱いた。
flowers
人々の多面性を感じた。見えているパーツによって、いい人にも悪い人にも見える。
パークライフが淡々とした日常の物語だったので、flowersのグロさや生々しさが際立っている。パークライフもflowersも絵だったとしたら同じ作者だとは思わないだろうなぁと思った。