吉田修一のレビュー一覧

  • 横道世之介

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    一冊を通して一貫とした主張がない、というと悪く聞こえるけど、押し付けがましくない、そういう作品。読者にこう思ってほしいとか何も考えずに18,19歳の青年が素直に世の中をどう見てどう感じているかを綴っている。私たち読者はそれに何かを感じる必要性もなく、ただ世之介の見ている世界をのんびり一緒に眺める。
    最近はメッセージ性が強い作品が多い気がするけど、たまにはこういうのも良いね。

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    2025年08月16日
  • ぼくたちがコロナを知らなかったころ

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    好きな小説家を問われたら吉田修一を挙げる。巧みなストーリーテリングとそこはかとないフェミニンさ、繊細さをもった小説が書ける人だと思う。
    さてエッセイはどうか……というと、小説ほどの巧みさはない。この本はANAの機内誌「翼の王国」に連載されているのをまとめたもの。そういえば、寡聞のせいもあるかもだけど、このシリーズ以外に吉田修一のエッセイって読んだことないから、やっぱりエッセイは苦手なのではなかろうか。
    不特定多数が手に取る媒体だから、特に万人受けするサラッとしたものにしているのかもしれないけど、わりとチャラい。ちょっとセレブな空間に行ったとか、珍しい土地へ行ったとか、自慢っぽい筆致ではないけど

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    2024年01月21日
  • 路

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    ぼちぼちですかね。
    台湾新幹線にまつわる人々の物語。簡単にいうとこれだけなんですよね。ひとつひとつのエピソードはわるく無いですが、ほぼ繋がりも少なくて。掴めるまでがとてもきつかった。とはいっても余韻は悪くなかったですが。

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    2024年01月12日
  • 素晴らしき世界 ~もう一度旅へ

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    ANA機上でコンソメ飲みながら『翼の王国』のよしださんのエッセイ読むの好きだったな。終わっちゃったんですね。
    旅、猫、パンデミック…日常と非日常を鋭く、でも切り口はやさしく切り取る筆がお見事でした。

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    2024年01月09日
  • 湖の女たち(新潮文庫)

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    出来事と出来事、
    人と人とが繋がっていくほど、
    どこにたどり着くのかわからず、
    ラストの到達点にゾクリとして終わった。

    圭介と佳代は一体何をしていたのだ。
    実は支配していたのは佳代で、
    彼女がその奥底にある欲望が昇華された時、
    清々しいまでの生きる実感が訪れる。

    くどいくらいの湖の描写が、
    近年の筆が乗りまくっている吉田修一の手腕を見せつけている。

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    2023年12月24日
  • ぼくたちがコロナを知らなかったころ

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    吉田修一がANAの機内誌で連載している旅エッセイ第六弾。コロナ禍の数年を挟んで旅行というものとの距離が開いてしまっているという方は少なくないかと思いますので、あたたかい旅の良さにちょっとした旅行の機微や楽しい瞬間に出会えるエッセイを読むのはオススメ。「旅っていいよな」と心をふわっと旅と、そして行って戻る場所である日常に改めて心を向けたくなるようなエッセイ。今回は表紙にもなっている吉田修一氏の愛猫金ちゃん銀ちゃんの話も多くて、猫好きとしても楽しめました。

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    2023年12月10日
  • 素晴らしき世界 ~もう一度旅へ

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    装丁とタイトルを見て、どこかで読んでいたかな?と。エッセイを読んでも思い出せない。しかし、機内誌に連載されていた事が書かれており、国内線の飛行機に乗った際には読んでいた事をやっと思い出しました。数年前から機内誌が廃止されていたハズなので、エッセイの終了は仕方がありませんが、約15年ほど連載されていたとの事ですので、お疲れ様でしたと心から思いました。

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    2023年12月10日
  • 湖の女たち(新潮文庫)

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    文章はスラスラと読みやすく、描写も細やかなのに、登場人物達のあまりにいびつな歪みが邪魔をして、スッと話が入ってこない。ほぼ誰も好きになれなかった。逆に凄いことなのかしら⁉
    もう少し、事件の真相や全貌が知りたかったなぁ。
    琵琶湖の情景はすごく美しかったです。

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    2023年12月09日
  • 犯罪小説集

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    娘の家族から電話があり、夕方になるのに子供が帰ってこないという。村の人達と探しに行くが見つからず、用水路に沈んだランドセルだけが残されていた。それから数年、バッタ物売りのフィリピン人女性の養子の息子が怪しいという噂が絶えず、ある日別の子供が行方不明になった際、フィリピン人の親子の家に押し入るが…。

    誘拐、刺殺、撲殺、背任などの犯罪に関わる短編集。しかし、そこは吉田修一である。ミステリ的な謎解きよりも、それぞれの人の生活や心象を描くことがメインである。

    中学までのいけ好かなかった同級生が、若い男を使って保険金をかけた老人を殺させる。その犯罪自体にフォーカスが当たるのは一瞬で、同級生ゆう子の中

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    2023年12月05日
  • 日曜日たち

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    兄弟のくだりは物語としてキーになっていたのかもしれないけど、個人的にはいらなかった むしろない方が良かったくらい 無理やり入れなくても それぞれの話がちゃんと面白いし、女性の心理描写えぐいなー

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    2023年11月17日
  • ぼくたちがコロナを知らなかったころ

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    金ちゃん、銀ちゃんのイラストに惹かれ手にしたが、予想した内容と違ってコロナ関係なし。タイトルよく読まなきゃ…。ネコメンタリー、大好きな番組。ネコは気ままな生き物改めて痛感。吉田サン、よく出演OKしたなと思っていたが、色々苦労と事情があったんだ。「都心の公園には未来の宝が転がっている」「この自由で大らかな場所というのが昨今のギスギスした世の中にはすっかり少なくなった」「猫という存在の可愛さは、その『重み』と『匂い』だと思う」「私には一つ自慢できることがある。それは、まだ君たちに一度も嘘をついたことがない。そんな相手は君たち以外には誰もいない」「いつも正直でいてくれてありがとう。いつも正直でいさせ

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    2023年11月07日
  • 路

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    新幹線建設の部分が少しアッサリな印象。
    ドラマとごっちゃになっている気がするけど、たまたま一度会っただけの人に、そこまでの想いを寄せる?

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    2023年11月07日
  • ぼくたちがコロナを知らなかったころ

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    小説はもちろん、エッセイもとても面白い作家さん。特に中村鴈治郎さんのお話がよかった。いいお店を選び抜く鼻の効く人になりたい。
    また読みたい

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    2023年11月06日
  • 湖の女たち(新潮文庫)

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    湖のほとりの老人ホームで、百歳の老人が亡くなった事から、物語はゆっくりと進んでいく。

    特殊な性的指向の刑事と女の方を描きたかったのか。ミステリーとしてはやや弱い気がした。

    犯人は暗示されているが、ハッキリ描写しないせいか、終始薄ぼんやりした霧の湖につつまれた印象だった。

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    2023年11月05日
  • 湖の女たち(新潮文庫)

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    老人ホームで人工呼吸器を止められた100歳の老人。
    ホームで働く女と、担当の刑事。
    過去の事件を追う週刊誌記者。

    現実なのか妄想なのかわからない部分もあり、ずっとモヤに包まれたよう。
    ラストだけは分かりやすかった。

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    2023年11月03日
  • 日曜日たち

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    吉田修一の連作短篇集『日曜日たち』を読みました。
    ここのところ、国内の作家の作品が続いています。

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    ありふれた「日曜日」。
    だが、5人の若者にとっては、特別な日曜日だった。
    都会の喧騒と鬱屈した毎日のなかで、疲れながら、もがきながらも生きていく男女の姿を描いた5つのストーリー。
    そしてそれぞれの過去をつなぐ不思議な小学生の兄弟。
    ふたりに秘められた真実とは。絡みあい交錯しあう、連作短編集の傑作。
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    講談社発行の月刊小説誌『小説現代』に2002年(平成14年)から2003年(平成15年)に掲載され、2

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    2023年11月03日
  • ぼくたちがコロナを知らなかったころ

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    ANAの翼の大国に連載されているエッセイ。
    この本のタイトル、確かにコロナ前に綴られたもので、なんだか平和感が伝わってくる。

    NHKの「ねこメンタリー」も拝見しました。
    この文章とは違って、著者も猫たちもクールにおしゃれに映ってましたが、やっぱり猫バカでしたね(笑)

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    2023年10月25日
  • 湖の女たち(新潮文庫)

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    途中挫折しそうなほど嫌な感じだった。
    吉田修一さんの小説はいつも登場人物のキャラクターが良いのに、胸糞悪い人ばかり…。特に伊佐美は…。ただ、皆はじめから腐っていたわけではない。腐っていることに気づいていないわけめはない。最後まで読んで良かった。汚い世界に慣れて生きていく人と抗おうとする人の生き様を描いていた。

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    2023年10月21日
  • ぼくたちがコロナを知らなかったころ

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    ANAの機内誌に掲載されていたのですね。年に1度ほど飛行機を利用していましたが、見逃しておりました。近年は紙媒体を廃止しており、ネットで機内誌を読むのが支流になってしまい、読んでおりませんでした。今回のエッセイは吉田さんの猫好きが解り、微笑ましかったです。クールなイメージだったので、なんとなくですが意外でした。

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    2023年10月05日
  • 森は知っている

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    スパイみたいな物語
    なんとなく予想通りな感じ
    とにかく1日1日を一生懸命生きていく!というか言葉は良いね。

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    2023年10月05日