吉田修一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
好きな小説家を問われたら吉田修一を挙げる。巧みなストーリーテリングとそこはかとないフェミニンさ、繊細さをもった小説が書ける人だと思う。
さてエッセイはどうか……というと、小説ほどの巧みさはない。この本はANAの機内誌「翼の王国」に連載されているのをまとめたもの。そういえば、寡聞のせいもあるかもだけど、このシリーズ以外に吉田修一のエッセイって読んだことないから、やっぱりエッセイは苦手なのではなかろうか。
不特定多数が手に取る媒体だから、特に万人受けするサラッとしたものにしているのかもしれないけど、わりとチャラい。ちょっとセレブな空間に行ったとか、珍しい土地へ行ったとか、自慢っぽい筆致ではないけどわりと派手な世界に出入りしている様子がうかがえる。もっと硬派でいてほしいという自分の期待とはずれるからいまいち不満なのかも。 -
Posted by ブクログ
娘の家族から電話があり、夕方になるのに子供が帰ってこないという。村の人達と探しに行くが見つからず、用水路に沈んだランドセルだけが残されていた。それから数年、バッタ物売りのフィリピン人女性の養子の息子が怪しいという噂が絶えず、ある日別の子供が行方不明になった際、フィリピン人の親子の家に押し入るが…。
誘拐、刺殺、撲殺、背任などの犯罪に関わる短編集。しかし、そこは吉田修一である。ミステリ的な謎解きよりも、それぞれの人の生活や心象を描くことがメインである。
中学までのいけ好かなかった同級生が、若い男を使って保険金をかけた老人を殺させる。その犯罪自体にフォーカスが当たるのは一瞬で、同級生ゆう子の中学の頃、20代の頃、結婚していた頃などの話を伝聞で積み上げていくという、ありそうで以外にない展開など、独特の世界観の構築が面白い。
ただ、誰かの視点に収まるまであちらこちらに視点が動いていったり、犯行に焦点を当てすぎないのが逆に文章の核を曖昧にしたりと、読み始めと読み終わりがわかりにくいというのも事実だ。
それぞれの話は実際にあった事件を下敷きにしてお話を広げた『横道世之介』スタイルであるらしく、リアリティが魅力。村八分の恨みから村人を襲うのは、いくつか元ネタを思いつくがどれなのか、いずれにしろもとの事件が強烈過ぎて、あらたに構築しきれていない部分があったのではないか。
面白いんだけど、あんまり人におすすめするって本でもなかったな。 -
Posted by ブクログ
金ちゃん、銀ちゃんのイラストに惹かれ手にしたが、予想した内容と違ってコロナ関係なし。タイトルよく読まなきゃ…。ネコメンタリー、大好きな番組。ネコは気ままな生き物改めて痛感。吉田サン、よく出演OKしたなと思っていたが、色々苦労と事情があったんだ。「都心の公園には未来の宝が転がっている」「この自由で大らかな場所というのが昨今のギスギスした世の中にはすっかり少なくなった」「猫という存在の可愛さは、その『重み』と『匂い』だと思う」「私には一つ自慢できることがある。それは、まだ君たちに一度も嘘をついたことがない。そんな相手は君たち以外には誰もいない」「いつも正直でいてくれてありがとう。いつも正直でいさせてくれてありがとう」
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Posted by ブクログ
吉田修一の連作短篇集『日曜日たち』を読みました。
ここのところ、国内の作家の作品が続いています。
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ありふれた「日曜日」。
だが、5人の若者にとっては、特別な日曜日だった。
都会の喧騒と鬱屈した毎日のなかで、疲れながら、もがきながらも生きていく男女の姿を描いた5つのストーリー。
そしてそれぞれの過去をつなぐ不思議な小学生の兄弟。
ふたりに秘められた真実とは。絡みあい交錯しあう、連作短編集の傑作。
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講談社発行の月刊小説誌『小説現代』に2002年(平成14年)から2003年(平成15年)に掲載され、2003年(平成15年)に刊行された作品です。
■日曜日のエレベーター
■日曜日の被害者
■日曜日の新郎たち
■日曜日の運勢
■日曜日たち
<東京>の地図の上で交差する、男と女の5ストーリーズ…… 最高の連作長篇小説!
きっといつかは忘れてしまう、なのに忘れようとするほど忘れられない…… ありふれていて特別な、それぞれの日曜日――。
東京ひとり暮らしの男女5人、それぞれの物語に同時代の<生=リアル>を映す、長篇最高傑作!
東京で暮らす5人の若者と家出中の兄弟の日曜日の物語を描いた連作短篇集…… 5つの独立した短篇で構成されており、各話は独立していますが、登場人物や出来事が微妙につながっていて、5篇すべてに謎めいた小学生の兄弟が登場し、仕事や恋愛で一段落した登場人物が、兄弟との出会いをきっかけに人生を見つめ直すという展開、、、
最後の表題作『日曜日たち』では、兄弟のその後が明らかになり、感動的なラストを迎えます…… リアルで淡々とした描写が特徴的で、登場人物の心情や背景が丁寧に描かれている印象ですね。
いつの間にか自分の日常や人生にも重ね合わせて読み進めていました…… 人と人との繋がりや優しさの大切さを感じることができる作品でした。