突如ダムが決壊し、濁流が町を呑み込んだ。水道民営化の利権に群がる政治家や企業による爆破テロ!? 秘密組織エージェントの鷹野一彦と田岡亮一は次の爆破計画を阻止するために奔走するが、事件の真相に迫るスクープ記事が政財界を揺るがす大スキャンダルを巻き起こす。テロの首謀者は、そしてこの情報戦を制する者は誰か。シリーズ三部作完結!
Posted by ブクログ 2020年08月22日
吉田修一の鷹野一彦シリーズの第3作目。(2018年5月単行本、2020年8月文庫本)。
2作目の「森は知っている」の17歳の鷹野一彦が3作目で34歳になっていた。1作目の「太陽は動かない」の時は31歳だから、順番が違っているように見えるが、この順番で物語を追うのが正解。
「太陽は動かない」での田岡亮...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年12月29日
爆発的な面白さ。世界をどこまでも、いつでも戦いのために飛び回る主人公。まさか最後にあんな芸当をやってのけるとは。残り10ページが息つく暇なくページをめくることに。
テーマはこれから世界的な課題である水問題。日本、カンボジア、ロンドン、キルギスと飛び回り世界的な水ビジネスで悪どく儲けようとする企業をは...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年06月12日
まさにウォーターゲーム。
水道事業の民営化により莫大な利益を得ようとするというのは、かつてのラテンアメリカに対して欧米がやってきたことに似ている。
それを阻止すべく日本の諜報機関が暗躍するところは、007やミッションインポッシブルみたいでスリリングです。このように日本の諜報機関という設定は非常に珍し...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年02月10日
ダムをテーマにした内容で興味深かった。メコン川の上流で、どんどんダムが造られているのには驚いた。中央アジアでも水の取り合いが起きているとは知らなかった。島国で山が多い日本では危機感を感じることは少ないが、いずれ山ごと外国企業に買われてしまったら人ごととは言えなくなる。読み終わってから世界のダム事情を...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年07月25日
吉田修一のスパイ小説第三弾。毎回「前回の話を忘れてしまった」という感覚が強くてなかなか手が伸びないのですが、読んでみるとちゃんと前の話思い出すし、これまでの伏線も含めて豪華に詰め込み、敵味方入れ替わりながら軽快に進んでいく話にあっという間に読んでしまいました。またこういう小説書いて欲しいな。映画版は...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年01月05日
シリーズ3作目。時間軸が行ったり来たりするシリーズだし、登場人物も魅力的なので、ぜひとも続いてほしい。
吉田修一の描くキャラクターは、それぞれに丁度良い「品」が備わっている。特に主要なキャラクター達は、分相応に頑張りながら、他者と競って補い合う。鷹野以外にも、田岡、風間、AYAKO、デイヴィッドと...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年07月25日
吉田修一は大好きだけど、この系統の彼の小説には実はあまり魅力を感じない。
太陽は動かない、はあまりにも思っていたものと違い過ぎて、珍しく途中でやめた程。国際的なスパイ組織とか、謎の美女 Ayakoとか、そういうのは吉田小説には求めていないんだよね・・と思いながら。
それでも、本作はの書評を読んで...続きを読む