吉田修一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
文庫の表紙が素敵だったので 映像化もされていることだし(見れてないけど) 著書が吉田修一さんだし…と思って読んだ
最後になって物語の主だった人達が絶妙に交錯する感じがなかなかおもしろいなと感じた
人生って こういう風に最後には交錯する部分が大いにあるんじゃないかな?と期待!
物語は台湾に日本の技術を持って時速300キロの新幹線を台北から高雄(カオシュン)まで走らせるという大掛かりな計画を遂行するものだ
日本と台湾の背景がうまく表現されている
その新幹線の計画に関連している人物のそれぞれの生き様や 恋の行方も読みどころとなっている
舞台設定は2000年〜2007年で 年ごとに章が分かれて -
Posted by ブクログ
リアル。
義父母の住む母屋の離れに夫・真守と暮らす桃子。
真守は不貞を働いており、不倫相手の日記部分を読むことで、読者はその不貞を桃子より先に知ることになります。
また、桃子の日記も途中途中現れるので、桃子の気持ちも読み手は知ることができます。
が、この日記。途中で役割がガラリと変わります。
夫の気持ちが離れていく事に気付く妻の気持ち。妻帯者を愛してしまい、幸福と不信感の間に置かれる愛人の気持ち。子供を授かった女性の気持ち。
よくここまで描写できるものだと思います。
みんなそれぞれ、その瞬間、その瞬間では真面目に、誠意と愛情を持って、
いや、愛情がある時は、真面目に誠意を持って向き合 -
Posted by ブクログ
「パーク・ライフ」以来吉田さんの作品を読んで
無かったのですが、久々に新刊として、出てたので
買ってすぐ読みました。本作のテーマは「逃亡」で、人生につまづいたり、何かの拍子に行き止まりにあった人たちの行き場のない逃亡劇が描かれています。本作の兄弟作でもある「犯罪小説集」と、共通しているのが、実在の事件をモチーフにして、描いている点で、吉田さんの作品の醍醐味だと感じています。そして、登場人物たちが、何かから逃げる
様を色濃く作品に投影していると私は感じています。是非実写化して欲しいし、吉田さんの作品はこれまで、多く映画化されているので、設定がしっかりされているイメージです。