【感想・ネタバレ】新装版 静かな爆弾のレビュー

あらすじ

音の無い世界で暮らす君に、届く言葉は見つからない――。
『怒り』『悪人』の吉田修一が贈る、感動の恋愛小説。

「君を守りたいなんて、傲慢なことを思っているわけでもない」「でも」「何もできないかもしれないけど」「そばにいてほしい」。テレビ局に勤める俊平は、公園で耳の不自由な女性・響子と出会う。穏やかな日々を重ねる二人だが、ある日、彼女は姿を消した。音によって住む世界を隔てられた二人に起きた奇跡とは?

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Posted by ブクログ

ネタバレ

・とりあえず読んでみてよかった!!最後はよく分からないけど鳥肌が立った。こうして文章にまとめることにも意味があるんだと思った。
・「音のない世界」って、たぶん想像できない。怖い。
・〝情報というのは、不思議なものだ……〟(P.54L2〜)取材の人も必死なのがよくわかる。情報の価値の違いとか、考えたことなかった。
・アパートで起きたいざこざ、よく分からなかった。誰が悪いんだろう……?
・とにかく、気付かされることが多い!実体験なのかな。
・読んでるとき「これは記憶しておけばいいか」って思ってメモしなかったこともあるけど、きっと忘れちゃうんだろうな、人間って。だからこそ覚えようとするんだろうか。
・響子がいなくなったあたりとか、面白くなってきたー!って感じ。
・ラストの方、気になりすぎて一気読み不可避。
・何かを伝える仕事って素敵。やり方はなんであれ、〝伝える〟って大切。
・最後は「え?!なになに?!」ってなった。もう少し経ってから読み直したい。今までどうして知らなかったのか……

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2023年07月07日

Posted by ブクログ

伝えることの難しさ、理解することの難しさ。
自分のことさえもわからないのに、家族のとこ、ましてや他人のことは知る由もない。でも知ろうとする気持ちが大事なのかな。
知ったつもりになることが一番いけないんだと感じました。

すごく読みやすかったです。

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2025年04月13日

ネタバレ 購入済み

音のない世界

音が聞こえない世界を時折ヒヤリとする表現されていて一気に読み進めました。未来への可能性を残した終わり方も素敵です。

#切ない #深い

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2022年11月20日

Posted by ブクログ

評価は☆4と5の間です。
主人公の母親の気持ちにとても共感した。
親が心から喜べる結婚なんてこの世にないのかもしれないが、今の自分の境遇とリンクするものがあり、感情移入してしまった。
しかし、それを抜きにして考えた時、2人の将来に拍手を送っている自分がいた。

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2022年04月06日

Posted by ブクログ

テレビ局に勤める俊平は耳の不自由な響子と出会い、互いに惹かれていく。二人が出会う場面は本当に美しい絵画のようだ。
ジャーナリスト魂に火がつき、1分の余裕さえなく働き詰めの俊平と音の無い世界に住む響子との対比が印象的だが、それ故のすれ違いがかさなり・・・
会いたくて、会いたくてしょうがない俊平の気持ちが痛いほどよく分かる。
結末が読者に委ねられるところは粋だね。

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2022年03月08日

Posted by ブクログ

心のどこかで危機感や不安を感じていても、楽観的な方を信じて、行動を起こさず、気がつかないふりをしてる。
 言葉って伝えたつもりでも、伝わってない。ましてや、言葉にしないと伝わるはずもなく、すれ違いを生む。たとえ伝わったとしても、人によって受け止め方は様々。自分の心で思っていたことが伝わると思っては行けない。

 

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2022年06月19日

Posted by ブクログ

知っているつもりでも知らない、伝えているつもりでも伝わっていないのが人間関係かな。それがわかっていても、その人のことを理解したい寄り添いたいと努力するのが愛情か?いろいろなことを考えさせられました。

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2022年06月10日

Posted by ブクログ

静謐で美しい話。
冒頭でテレビ局に務める俊平と耳の聞こえない響子が出会うシーンがドラマティックで一気に引き込まれた。
筆談でのやりとりで、響子の短くも優しい言葉や、時々芯をつく会話にはっとさせられる。
音のない静かな爆弾は、爆発するまでその存在にすら気づかないように、響子がなぜ突然俊平の元を去ったのか、響子が本当は何を思っていたのかは分からず、俊平は彼女の家をぐるぐると探す。
読んでいる途中は吉田修一らしくない作品かな?と思ったが、「悪人」や「怒り」と同様に、愛する人が本当はどんな人間なのか、本当は何を思って生きているのかを主人公が考えており、殺人犯が出てこないだけで、これまでの作品とテーマ性が一貫しているように感じられた。
巻末の宇垣美里さんの解説が秀逸。この文章で一気にこの話が好きになる。
バーミヤン遺跡の爆発を誰もが見て見ぬ振りをしたように、俊平も彼女が去っていくかもしれないのを分かっていたのに、去らない方に懸けたという伏線が、この物語をより一層重厚なものにしている。

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2022年05月10日

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