吉田修一のレビュー一覧

  • 長崎乱楽坂

    Posted by ブクログ

    駿と悠太という、二人の兄弟の物語。

    でも、主人公は実質的に駿といってよい。

    長崎の極道というものがどういうものか、
    駿の成長過程とともに描かれてゆく。

    特にカタルシスはなく、なんとなく、虚しさだけが残る。

    0
    2011年02月21日
  • ランドマーク

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ≪内容≫
    大宮の地にそびえたつ地上35階建ての超高層ビル。それはフロアがねじれながら、巨大な螺旋を描くという、特異な構造をもっていた。設計士・犬飼と鉄筋工・隼人、ふたりの毎日もビルが投影したかのように不安定になり、ついにゆがんだ日常は臨界点を超える。

    ≪感想≫
    そびえ立つランドマークとそれに関わる2人の男の日常。Number10から始まりNumber1で終わる各節のタイトルは、歪みの臨界へのカウントダウンとなっている。結末が明確でないことに不満を感じる方もいるのかもしれないが、徐々に歪みに耐えられなくなっていく2人の不安や焦燥感と、その捌け口となる行動がとてもリアルに感じられ、現代の閉塞感を

    0
    2011年02月24日
  • ランドマーク

    Posted by ブクログ

    主人公の一人、隼人は鍵を埋める
    作り手として自分だけが知っている秘密を残したいのか
    それ以上の意味があるのか
    隼人のそれまでの行動がとんでいるのでわかりがたい

    もう一人の主人公、犬飼は愛人部屋で
    “グローバル経済と現代奴隷制”という書籍を見つける
    この本が気になって(実際にある書籍のため)購入
    現代奴隷制という相反するような言葉が連なって
    ひとつの単語を形成していることはなんだか不思議な印象

    最後、これで終わり?と思う終わり方になっている
    吉田さんのお話はあくまで生活の一部を切り取ったもの
    という形になっている気がする
    何か大きなことが起こったとしても
    わかりやすいハッピーエンドも哀しい結

    0
    2011年01月05日
  • 熱帯魚

    Posted by ブクログ

    表題を含む3話の収載

    “グリンピース”のグリンピースを投げる人
    せめて怒鳴るとか、怒りの原因を説明するとか
    なんとかして欲しい気がする

    わかって欲しいって子どもの理屈で
    何にも言わないなら推測して動くよな~と思いつつ
    私も結構そうしてしまうかも
    だからそういうことをする人にイラっとするのかなと思う

    0
    2011年01月01日
  • 初恋温泉

    Posted by ブクログ

    「阪急電車」に続けて読んだ、土地めぐり小説。
    温泉好きなことも手伝って、楽しく読めました。
    温泉って物語があるなあ、ぬくもりがあるなあと思いながら
    どこかへ浸かりに行きたくなりました。
    お風呂のほわっとした暖かさは、いつだって心と身体を解きほぐして、ゆるゆると寛がせてくれるのです。

    0
    2019年01月16日
  • 7月24日通り

    Posted by ブクログ

    吉田修一さんの本を始めて読みました。
    男性作家さんが書く恋愛小説が苦手で、特に女性目線のものは何となく違和感が残って敬遠していたんですが、映画を観て気に入ったので原作も読んでみたいと思いチャレンジしてみました。
    そしたら、すごく綺麗な文章で自然に読めたし、共感出来るところもあってとても気持ちよく読むことが出来ました。

    映画の方がメルヘンで映像も可愛くて好きだけど、よりリアリティのある原作も面白かったです。
    他の作品も是非読んでみたいと思いました。

    0
    2010年10月12日
  • 7月24日通り

    Posted by ブクログ

    会社の上司の奥さんが高校時代の知り合いの亜希子だった。
    自分が中心にいないと気がすまない彼女は
    私を観客に仕立て上げて高校時代は聡史と、
    今は安藤さんとの仲を見せつける。
    しかし同窓会をきっかけに亜希子と聡史が再燃。
    聡史を好きだった私は今日も7月24日通りを歩く。
    写真:畠山直哉 装丁:新潮社装丁室

    自分の町がリスボンの造りと似ているって知ったら
    いつもの景色が全然違った風に見えるんだろうなあ。
    絶対絵描きの彼といた方が幸せになるのに、と思いつつも
    彼がいたからこそ間違いに踏み出せたのかも。

    章題がいまいちだと思ってたんだけど最後のリストとつながってて
    うまい!と思った。そっくりだよ本当

    0
    2010年10月11日
  • 長崎乱楽坂

    Posted by ブクログ

    地方ヤクザの栄枯盛衰を描いた物語。
    「ヤクザ」というある種、異質な家庭で育つ兄弟。

    各章ごとに時系列が途切れ、衰退の一途を辿る一族。
    地方に生まれ、地方で長い年月を生きた者には、共感できる風景の描写、兄弟の心の機微が多い。

    0
    2010年08月29日
  • 7月24日通り

    Posted by ブクログ

    吉田さんの他作品とちょっと違う、せつないお話。でもすごく共感してしまった。カッコイイ弟にコンプレックスなのか大きな期待を寄せる、平凡な姉。自分が住む街をリスボンになぞらえる所が素敵。

    0
    2010年07月16日
  • 春、バーニーズで

    Posted by ブクログ

    最初の章を読んで、ああ、いつもの短編か、と思ったら短編の続き物でした。
    妻子ある男の、何気ない生活を描いたものです。時々脱線する感じが、なんとなく村上春樹の作品に似てますね。って思ってたら、作中に村上春樹の作品が出てきたりします。「パーキングエリア」の、いかにもありそうでやっぱり無い日常と、「楽園」の虚無感がいいです。いややっぱ「パパが電車をおりるころ」もいい。

    0
    2011年12月27日
  • 長崎乱楽坂

    Posted by ブクログ

    1回途中まで読んで放り投げたけど、もう一回読んでみたらすいすい読めました。なんだか終わり方が『天人五衰』っぽい…感じがしました。うまく言えないけど。

    0
    2010年03月21日
  • 熱帯魚

    Posted by ブクログ

    【あらすじ】
    大工の大輔は子連れの美女、真実と同棲し、結婚を目指すのだが、そこに毎日熱帯魚ばかり見て過ごす引きこもり気味の義理の弟・光男までが加わることに。不思議な共同生活のなかで、ふたりの間には微妙な温度差が生じて…。ひりひりする恋を描く、とびっきりクールな青春小説。表題作の他「グリンピース」「突風」の二篇収録。

    【感想】

    0
    2010年01月06日
  • ランドマーク

    Posted by ブクログ

    人は見た目じゃわからないというものの象徴が主人公の貞操帯で、内と外という(内面外面というよりも文字通りの内側と外側)面をそれぞれの登場人物に適したアイテムで鋭く描かれている。


    ふたつのサイドからの構想も変に感傷的じゃないので鼻につかなくてよかった。

    0
    2009年12月21日
  • ランドマーク

    Posted by ブクログ

    好きな作家はと聞かれたら、必ず入れるであろう作家の一人です。

    文学界や芥川賞を取るなど純文学の作家ですが、この「ランドマーク」は彼の作品の中でも特に純文学っぽい作品だと感じました。


    舞台は大宮。大宮駅前に建設中の地上35階建ての超高層ビル。
    その建設に関わる設計士・犬飼と、鉄筋工の隼人という二人の毎日が描かれます。
    犬飼が設計したビルはフロアが捩れながら積み上げられる螺旋の構造を持っている。
    そのビルの設計が進むに伴って交互に描かれる犬飼と隼人の毎日も少しずつずれていき・・・、というお話。

    舞台が東京でなく九州でもなく、大宮であることには意味があるんですが、個人的には、大宮

    0
    2009年10月25日
  • 長崎乱楽坂

    Posted by ブクログ

    読み始めはなんて温度が高い小説かと驚いた。そして、主人公である瞬が、小1、小5、中1、中3、そして高校2年で中退し、最後には最初は赤ん坊に近かった弟が大学生となり、主人公ではなくなった兄をあきれた目で見るようになるまでの、どんどん温度が低くなっていく過程に悲しくなった。一話一話進むごとに、三村家の人間がいなくなっていき、比例するように確実に温度が下がっていく。悠太が瞬を見る視線に遣る瀬無さがつのった。幼くして父親を亡くし、たくさんの男たちを見てきた瞬は、何も覚えてない悠と違い、ずっと「男」の姿を模索し続けてきた。「なんもせんで生きとるのも、なかなか難しかとぞ」と言う瞬に涙が出そうになった。最後

    0
    2009年10月07日
  • 熱帯魚

    Posted by ブクログ

    うっぷんやわだかまり、いろんな事を抱えながら人は生きている。
    それをどう表現するかは人それぞれだけど、それによって隣にいる人を傷つけてしまうこともある。

    心の交わりをモノに託していて、透明感のある素敵な表現だなと思った。

    ちょっとでも共感できるところのあるキャラクター達。
    それが心に少し引っかかりながら入ってくる。

    0
    2009年10月07日
  • 長崎乱楽坂

    Posted by ブクログ

    いつからだろう・・・?

    さだまさしの『解夏』を読んでから?吉田修一の本と出会ってから??

    僕は行ったことのない長崎県にとても魅力を感じるようになりました。

    この長崎楽乱坂は、父親が死にヤクザの一家で生活することになった二人の兄弟の話です。

    母が二人のもとを去り、大人になっていく姿が描かれています。三人称ながら主人公が変わるとゆう手法もいいです☆

    0
    2009年10月04日
  • ランドマーク

    Posted by ブクログ

    ねじれながら空へと上っていくビルの建設。
    そこに絡みつくように織り成す人間ドラマを、軽妙なテンポの文章表現で描き出しています。
    生き生きと脳内で踊る登場人物たちに、圧倒させられます☆

    0
    2009年10月04日
  • 7月24日通り

    Posted by ブクログ

    吉田さん初読。読みやすくてびっくり。
    サユリの考え方、すごいわかるなーと思いつつ読んでました。先輩かっこいいですねー。
    でも映画とは結構違うみたいですね。予告で使われていたようなシーンが本ではなかったように思うのですが。でも映画も面白そうです。キャスティングお見事!!

    0
    2015年02月09日
  • 7月24日通り

    Posted by ブクログ

    異国の地図、ピンの刺さった蝶、バスにこもる雨の匂い、吉田修一によって配信される世界はまるで地図。彼の手にかかれば世界(風景)と人間(読者)の距離感は縮められ、情景描写という言葉を使うことさえためらわれる。だから私は吉田修一の小説は地図だと思う。人間模様を象った地図だ。これは女性が書いたものだと紹介しても誰も驚きはしないだろう。女性の心理を書くのが上手すぎる。

    0
    2011年07月03日