吉田修一のレビュー一覧
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会社の上司の奥さんが高校時代の知り合いの亜希子だった。
自分が中心にいないと気がすまない彼女は
私を観客に仕立て上げて高校時代は聡史と、
今は安藤さんとの仲を見せつける。
しかし同窓会をきっかけに亜希子と聡史が再燃。
聡史を好きだった私は今日も7月24日通りを歩く。
写真:畠山直哉 装丁:新潮社装丁室
自分の町がリスボンの造りと似ているって知ったら
いつもの景色が全然違った風に見えるんだろうなあ。
絶対絵描きの彼といた方が幸せになるのに、と思いつつも
彼がいたからこそ間違いに踏み出せたのかも。
章題がいまいちだと思ってたんだけど最後のリストとつながってて
うまい!と思った。そっくりだよ本当 -
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好きな作家はと聞かれたら、必ず入れるであろう作家の一人です。
文学界や芥川賞を取るなど純文学の作家ですが、この「ランドマーク」は彼の作品の中でも特に純文学っぽい作品だと感じました。
舞台は大宮。大宮駅前に建設中の地上35階建ての超高層ビル。
その建設に関わる設計士・犬飼と、鉄筋工の隼人という二人の毎日が描かれます。
犬飼が設計したビルはフロアが捩れながら積み上げられる螺旋の構造を持っている。
そのビルの設計が進むに伴って交互に描かれる犬飼と隼人の毎日も少しずつずれていき・・・、というお話。
舞台が東京でなく九州でもなく、大宮であることには意味があるんですが、個人的には、大宮 -
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読み始めはなんて温度が高い小説かと驚いた。そして、主人公である瞬が、小1、小5、中1、中3、そして高校2年で中退し、最後には最初は赤ん坊に近かった弟が大学生となり、主人公ではなくなった兄をあきれた目で見るようになるまでの、どんどん温度が低くなっていく過程に悲しくなった。一話一話進むごとに、三村家の人間がいなくなっていき、比例するように確実に温度が下がっていく。悠太が瞬を見る視線に遣る瀬無さがつのった。幼くして父親を亡くし、たくさんの男たちを見てきた瞬は、何も覚えてない悠と違い、ずっと「男」の姿を模索し続けてきた。「なんもせんで生きとるのも、なかなか難しかとぞ」と言う瞬に涙が出そうになった。最後
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多方面から熱くお勧めされた映画は、私が個人的に観たくないシーンがあることを知ったため、結局、鑑賞していません。縁あって、原作を読むことができました。
青春篇は、主人公の幸せとはいえない生い立ちからか、高度経済成長期の日本が時代背景にもかかわらず、どことなく陰鬱な印象が頭から離れませんでした。
上巻では、私は、喜久雄に対し、わだかまりを持ちつつも、腹を決めて喜久雄の世話をする幸子の姿がとても心に残りました。女性については、物語の中心ではないかもしれませんが、幸子に女性の意地、逞しさを感じました。途中、幸子が宗教に救いを求めようとするところも、強いだけでなく、弱い部分も描かれていて、人間味があっ -
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ネタバレ台湾新幹線を舞台に日本と台湾をつなぐ恋の物語、とでもいいましょうか。
商社勤務の春香と、春香を思い日本に留学し就職までした人豪。彼らのすれ違いが物語のメインに据えられます。
この恋物語、行く末は分かりませんが(続編出そうな)、逢えそうで逢えないヤキモキした展開。その長々と続く悲恋っぷりは以前読んだ平野啓一郎氏の『マチネの終わりに』に通ずるところありました。
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もちろんこの作品、それだけではありません。
現地人に恋し、妻子と仲が悪くなる安西の話(駐在(たまに)あるある)、日台の仕事のスピード感の話(これまた駐在あるある?)、はたまた台湾新幹線の整備工としてぐうたら人生を改めようとす