吉田修一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
好きな作家はと聞かれたら、必ず入れるであろう作家の一人です。
文学界や芥川賞を取るなど純文学の作家ですが、この「ランドマーク」は彼の作品の中でも特に純文学っぽい作品だと感じました。
舞台は大宮。大宮駅前に建設中の地上35階建ての超高層ビル。
その建設に関わる設計士・犬飼と、鉄筋工の隼人という二人の毎日が描かれます。
犬飼が設計したビルはフロアが捩れながら積み上げられる螺旋の構造を持っている。
そのビルの設計が進むに伴って交互に描かれる犬飼と隼人の毎日も少しずつずれていき・・・、というお話。
舞台が東京でなく九州でもなく、大宮であることには意味があるんですが、個人的には、大宮 -
Posted by ブクログ
読み始めはなんて温度が高い小説かと驚いた。そして、主人公である瞬が、小1、小5、中1、中3、そして高校2年で中退し、最後には最初は赤ん坊に近かった弟が大学生となり、主人公ではなくなった兄をあきれた目で見るようになるまでの、どんどん温度が低くなっていく過程に悲しくなった。一話一話進むごとに、三村家の人間がいなくなっていき、比例するように確実に温度が下がっていく。悠太が瞬を見る視線に遣る瀬無さがつのった。幼くして父親を亡くし、たくさんの男たちを見てきた瞬は、何も覚えてない悠と違い、ずっと「男」の姿を模索し続けてきた。「なんもせんで生きとるのも、なかなか難しかとぞ」と言う瞬に涙が出そうになった。最後
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Posted by ブクログ
著者は読者に対する共感を目的として書いているようではないし、実際自信を持って書評を書いている人たちも見当たらない。私自身、著者が何を伝えたかったかを断定することはできないが、この世界に関する違和感を塗りつけたような印象を受けた。もちろん、これは私がこの本に理解しきれないところがあることを反射した感想であるとは思うが、人の多面性や、表面の下に潜むアノマリーを撫でるように書いている点にそう思わされるという理由がある。
数は少ないが、著者の他の作品を読んだ限り、書こうと思えばもっとはっきりした輪郭で、エンターテイメント性があるものを書けただろうと思う。このような作風にした理由を正確に理解はできないが