吉田修一のレビュー一覧

  • 怒り (下)

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    結局怒りの正体は何だったのか。
    怪しい3人それぞれがスッキリしない結末になってしまった。

    風俗嬢やゲイの設定、親がふしだらで転勤を繰り返したという設定が必要だったのかがよくわからない。
    大枠のストーリーにはさほど影響はなかった気がする。

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    2025年08月05日
  • 湖の女たち(新潮文庫)

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    介護施設で100歳の老人が亡くなる。その近くを訪れていた記者がたまたま展示されていた写真から地元の有名人の繋がりを見つける。
    推理小説の展開のはずが、壊れていく主人公の心理描写を中心に、湖の周りにいる人たちに伝染していくかのような怪しげな空気が漂う。帯に憎悪が沈澱する場所とあった。そういう話かと気づいた自分もその濁った湖の中に飲み込まれそうなる感じ。
    これを映画にしたのか、いやぁあまり見たくないかな、と思いつつ、ストーリーはエンディングに向かうところで、湖がさまざまに変化していく姿を描写がある。何か吉田修一が描きたかったことがここに表されているのか。そしてミステリーの結末へ。
    明確に結論を描い

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    2025年07月24日
  • 怒り (下)

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    誰が殺人犯か、この話はどこかで交わるのか、など思いながら興味深く読み進めることができた。結末にモヤモヤ感が若干残るものの楽しく読めた。今話題の映画「国宝」も吉田作品と知って読みたくなった。

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    2025年07月23日
  • 怒り (下)

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    『国宝』からの流れで『怒り』を読んだけど、染井為人さんの『正体』を読んでしまったので、ちょっと物足りないな…。

    もちろん、『怒り』が先なので、『怒り』からの『正体』だったらもっと楽しめたのにちょっと残念。
    テーマとかテイストは違うんだけど、どうしても似ているところがあって、比べてしまい、物足りなさを感じてしまう。

    なんで、“怒り”にしたのか、犯人の動機や刑事さんの恋人の正体とか、もやもやしすぎてすっきりしない後味が何とも言えない。

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    2025年07月22日
  • パレード

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    ネタバレ

    個人的に山本周五郎賞にハズレなしということで読んでみた。

    年齢も性別もバラバラの4人+1人でするなし崩し的なシェアハウスを各自の視点から描いた物語。

    全員切羽詰まって一緒に暮らしてるわけではなくて「何となく」居心地がいいから住んでいるというのがひとつポイントなのか、と思う。

    とても面白いと思ったのはみんなが善意や悪意を適度に上手く隠しながら「上辺だけの付き合い」を続けていることでうまくいっているという考え方。
    ラストの直輝のシーンにも繋がるが見て見ぬふりをしながら自分の居心地の良い場所を確保するために過ごしているのが印象的。

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    2025年07月20日
  • 国宝 1

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    映画を観て圧倒されました。
    現在、吉田修一の原作を読みつつ、コミックがあることも知り、手に取ってみました。
    原作も映画もコミックも、
    それぞれに微妙な違いがあり、
    解釈や表現の違いを楽しませてもらってます。

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    2025年07月06日
  • 横道世之介

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    長崎から東京の大学へ進学した横道世之介という人物の1年間を切り取った物語。

    惹かれるのは人物。

    何かすごい取り柄があるわけでもないのだが、多くの人から慕われる。

    こんなヤツいたなあと思いながら読み進めるのが面白い。

    すごい話はどこにもないのだが、面白くない話でもなく、惹き込まれる魅力はなんなのだろうか。

    初めて読む作家さんなのだが、何を書きたかったのかがわからないが、魅力的で面白い話だった。

    この作家さんの他の本も読んでみたい。

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    2025年06月27日
  • 罪名、一万年愛す

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    探偵の遠苅田に、九州の小さな島で隠居生活を送る高齢の祖父がある宝石を探し始め、その謎を解き明かしてほしいと依頼が来て、その島で起こる出来事や祖父の出自など明らかになっていく話。ネタバレになるのであまり言えないが、『砂の器』や『飢餓海峡』、『人間の証明』に通じる戦後を生き延びる厳しさや哀しみが描かれている。そういう世の中だったことが忘れ去られていくのは亡くなっていった人たちに申し訳なく、作品としても引き継がれていくのは良いことだなと思った。

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    2025年06月21日
  • 罪名、一万年愛す

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    これは推理小説?ミステリー?と思わせておいての、ちょっとした変化球な小説でした。
    現実的かと言えば、むしろおとぎ話的な色合いが濃く、それだけに絶海の孤島での事件発生時にも、割合と気軽に読むことができました。
    読後感は極めて良いです。
    心に残るのはやはり「今からそう遠くもない昔」の幸次とケロとみっちゃんの物語。
    大切な人を想う気持ちはやはり尊い。

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    2025年06月16日
  • 罪名、一万年愛す

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    産経新聞に連載されていた小説。タイトルに惹きつけられたが、ラストにその実がわかる。
    昭和の時代を異なる形で生きてきた、愛の話。

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    2025年06月12日
  • 逃亡小説集

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    何かのきっかけで突然逃亡することを決めた人達。逃げ出した後はきっと大変だろう。それでも何もかも捨て去りたくなる瞬間。経験はないはずなのに、登場人物達の心情が伝わってきて辛かった。「俺、もしかしたらずっと逃げたかったのかも」本当の気持ちに気づいてしまったとき、私ならどうするだろう。きっと逃げられないだろうな。

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    2025年06月08日
  • 湖の女たち(新潮文庫)

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    なんだか、すごかった。居心地の悪さ。モヤモヤとした悪意。人間の表の顔と裏の顔というか、見る角度によって違う顔。

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    2025年06月05日
  • 罪名、一万年愛す

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    ありがちなサスペンスものの流れから壮大なお話だった
    毎度ながら映画を意識させられるような情景が思い浮かぶ吉田マジック

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    2025年06月01日
  • 素晴らしき世界 ~もう一度旅へ

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    吉田修一氏がANAの機内誌『翼の王国』に載せていたエッセイの集大成。2019年〜2021年に掲載されていた内容が主なのでちょうどコロナウィルスで緊急事態宣言が出されたり、今読んでみるとなかなか面白い。

    吉田修一氏は歳は5歳くらい下だが、実は同じ大学なので学生時代の回想を書いていたりすると、妙な親近感もある。
    学生時代の飲み会で吉川晃司の歌を振り付きで歌わされたとか、もしかしたら神楽坂や飯田橋の居酒屋だったのかなと想像してしまう。

    また吉田修一さんの小説『湖の女たち』『横道世之介』『悪人』などを書いた際のエピソードなども触れられているので興味深い。

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    2025年05月30日
  • 罪名、一万年愛す

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    ネタバレ

    探偵の遠刈田は「一万年愛す」という宝石を探してほしいと依頼をうけ、依頼者の豊大とともに孤島、野良島を訪れる。そこでは豊大の祖父、壮吾の米寿をお祝いするため息子家族、そして元刑事の坂巻が待っていた。
    その次の日、「一万年愛すは、わたしの過去に置いてある。」という遺言書をのこし壮吾は消えてしまう。台風の影響で本土から警察も呼べないなか、彼らは壮吾を探し始めるが……。


    この本のほとんどが会話文で成り立っており、その9割が「」の外にあるため、それがセリフなのか、それとも状況説明なのかを確認しながら読まなければならない。
    最初はものすごく読みづらかったが、中盤あたりもすぎるとそれにも慣れ、気にならな

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    2025年05月30日
  • パレード

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    ネタバレ

    5人の男女がシェアハウスで暮らしていくなかで、本当の自分をどのくらい共有すべきか、目に見える部分だけが人間のすべてなのか、どこが自分の居場所なのかなどいろんなことと向き合っていくのが印象的でした。
    終始仄暗く、独特の雰囲気だったように感じます。
    人のことをわかった気になるのはやめようと思えるきっかけになれる作品でした。

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    2025年05月23日
  • 罪名、一万年愛す

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    どんな作品かも全く知らずなんの事前情報もないまま、好きな吉田修一の作品というだけの理由で読んだ。

    だから読みながら「え?島田荘司でも乗り移った?」とちょっと思うくらい、よもやのストーリー展開だったけれど、終盤になって、ああこの感じは『悪人』とかそっちっぽいのかな、とも。
    正直荒唐無稽とも言っていいかもしれないけれども、読みやすくてほぼ一気読みだったし、著者が描く人物像は相変わらず嫌いじゃない。
    うーん、でもやっぱりちょっと突っ込みどころ満載な感じは否めず。最後の最後のオチも、これ必要?と思わないでもない。
    まあいわゆるエンタテイメントとして受けとめとくのが正解かなー。

    ほんとは、著者のリア

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    2025年05月18日
  • 怒り (下)

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    並行して進む3つのストーリー、どう繋がるのだろうと思いながら読み進めたが、正直やや想定外の結末。ただ、それぞれのストーリーにドラマがあり、どんどん読み進めた。

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    2025年05月17日
  • 昨日、若者たちは

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    香港・上海・ソウル・東京でスポーツをめぐる若者たちの物語。東京編で父親が「スポーツが教えてくれるのは勝つことじゃない。負けてもいいってことだ。負けることが、決してかっこ悪いことじゃないことを教えてくれる」と言う。素敵な言葉だ。

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    2025年05月13日
  • 罪名、一万年愛す

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    ネタバレ

    吉田修一さんの作品はけっこう読んでます。
    わりと普通な感じのミステリという印象でしたが、
    結末はややSFというかファンタジー的なものになったのが、
    この著者にしては意外でした。
    でも、落としどころというか真相としてはわるくないものでした。
    最後に著者が登場してきて、ちょっと混乱しました。
    登場人物のキャラもわかりやすかったりして、
    映画にはしやすそうなので、映像化にも期待します。

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    2025年05月13日