吉田修一のレビュー一覧
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ネタバレ大学進学のために長崎から東京に来た青年が様々な人と関わっていく約1年間の生活を描いた物語。
この本は2010年の本屋大賞3位となった小説で、読もう読もうと思いながら題名が個人名で何となくピンと来なくて、なかなか読む気になれなかった。
読んでみると、随所に「フッ!」と笑いたくなるような表現があり、楽しく読むことが出来た。まるで、有川浩氏の小説みたいな。。
例えば、
・主人公が上京する時に、母親に無理やりカバンに入れられた雑巾が、アパートで役立った時に、
「息子にとって新生活は希望なのだが、母親にしてみれば新生活は雑巾らしい」
・友人の家に電話をした時に、その母親が出て長話をすることにな -
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パークライフ
淡々と進んでいくストーリーで急な展開はない。その穏やかさに包まれていたら、スタバ女の決意に唖然とした。彼女は何を決めたのだろうか。
スタバが日本上陸したのは1996年、この本が書かれた2002年はスタバは最先端なカフェだったのだろう。猿をペットにしてる人も当時はそんなに多くなかったのかな?終始ちょっと小洒落た雰囲気がある物語だった。
印象に残ったのは、
公園のベンチで長い時間ぼんやりしていると風景というものが実は意識的にしか見えないものだということに気づく。
日比谷公園全体を俯瞰してみると人体胸部図の様に見える。
という描写だ。私は確実に前者で、よく公園には行くが、公園全体を -
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ずっと読んでみたかった吉田修一さん。
テーマ的に重たそう、ボリューム感があり、
見送っていましたが、新刊で見つけた本書。
これなら読めるかも!と思い手に取りました。
大学院生の一心が、
教授の紹介で、
伝説の映画女優だった鈴さんの
自宅の荷物整理を手伝うことに。
「モノクロの夏に帰る」と拝読してたのですが、
こちらもなかなか読み進められず。
一心という名前に対する私の中のイメージと、
作品のなかでの一心の言動が一致せず。苦笑
中盤以降は、第二次世界大戦を経験している鈴さんの過去が明らかになっていき、女の友情に思わず泣きそうになりました。
そして夏が終わるまでに読めて良かったです。
恋 -
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著者の作品で描かれる、人間模様が魅力的で、
楽しみにしてページをめくったこちら。
物語の主人公、大きく年が離れた老女と青年。
苦難を乗り越え強く生きてきた鈴さんと、彼女に魅了されていく一心。
2人の心のつながりが、読んでるこちらにじんわり伝わる。鈴さんの存在が、その後の一心の支えとなり続ける所に、縁の尊さを強く感じる。
ところが私が印象的だったところは、
一心と桃ちゃんのくだり。
味のついていない水が苦手な桃ちゃん。
「だって、普通の水って、薬飲んでるみたいなんだもん」
それに対して何も言えない一心。
自分が水が好きなこと。人生の最後に口にしたいものは何かと聞かれたら、一杯の冷えた水がいいと思 -
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ネタバレこのままだらっと何ともない生活が淡々と続いていくのかなあなんて呑気な気分で読み進めていたら、最終章で突き放された。
書いてある言葉の意味は分かるけれど、全然意味が分からなくて、戸惑いながら読み進めた。
人の多面性って侮れないですよね...と再認識させられた。
みんな平凡だしみんなやばいやつ(なんとなく、吉田修一の根底には一貫してこれがある気がする)。
以下備忘
すごくタイムリーな(8日前に神戸で起きた、エレベーターで乗り合わせた男性に若い女性が刺殺された事件を連想するような)結末で、今読んでてラッキーだった。
病院の待合室で、まさにその事件がニュース番組で取り上げられているのを横目に見ながら -
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「国宝」の著者の他作品を読みたくて適当に購入。
芥川賞受賞作とおびにあったから吉田修一氏の初期の作品なのかな。
構成が匠というか、奇をてらったというか、不思議な構成。
いえ、読み手の自分が慣れていないだけでしょう。
読後には構成が素晴らしいなと思った。章別に無造作に出てきた人々がそれなりに何らかの線で繋がっていた。いや、無造作と思わせるところに才能や苦心がつめられているのかも。ホントに無造作にこういう構成が出来るのならそれが才能なのかもしれないけれど。この小説は好きになれない。知ってる世界とあまりにも遠くて「そうなんだ」としか感想が書けない。
そして、なさけなくなる。みじめにさえも。