吉田修一のレビュー一覧
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吉田修一(1968年~)氏は、長崎市生まれ、法大経営学部卒の小説家。芥川龍之介賞(2002年/『パーク・ライフ』)のほか、山本周五郎賞、大佛次郎賞、柴田錬三郎賞等の文学賞を受賞している。
本書は、初出はANAの機内誌「翼の王国」への2012年10月号~2016年10月号の連載(25篇)で、2017年に単行本で出版、2021年に文庫化された。また、作者の「翼の王国」への連載は2007年4月から始まり、これまで『あの空の下で』、『空の冒険』、『作家と一日』の3冊が出版・文庫化されており、本書は4冊目になる。(5冊目の『最後に手にしたいもの』も2021年2月に文庫化予定)
私は、既刊の3冊も所有して -
Posted by ブクログ
「パーク・ライフ」を読んだ時に感じた、なんかいいな〜という感覚を確かめたくて読んだ。
前半はANAの機内誌に1年間連載された短編を集めたもの、後半は吉田修一さんのエッセイ集。
短編は、何か大きな出来事があるわけでもなく、様々な背景を持つ人物の日常の一片を描いている。
走馬灯どころかその日の日記にも出てこないであろうささやかな時間。
飛行機に乗りどこかに向かっている人に対して投げかける話として、「日常の祝福」をテーマにするのはかなり良いと思う。
視点を変えれば誰もが主人公になり得るというメッセージは機内で不安や期待や倦怠の中にいるひとにまっすぐ届いたことだろう。
それぞれの話に繋がりがある -
購入済み
台湾に行きたくなる
台湾ガイドブックとしても使えるとの評判どおり、台湾への愛と大切にしたいという気持ちが伝わってきます。序盤はNHKのプロジェクトXみたいな感じです。みんなで協力して一つのプロジェクトを成し遂げるというストーリーを気負わず読みたい方にオススメの作品です。
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Posted by ブクログ
吉田修一のエッセイ、ANAの機内誌で見かけた人は多いと思うが、定期的に旅するわけでもないので、これはありがたい。
作家の一日は、あまり多くは起きないようだけど、言葉をつかって人を感動させる仕事だから一般的な職業人と視点がすこし違うのかもしれない。
路、ルウを読んだときにも思ったが、台湾が好きみたいだ。本書にもいくつか登場する。安全だし、一人でブラブラしても大丈夫。誠品書店に出入りしたり、観光客とほぼ同じながら、その視点は鋭い。台湾独特の匂いや、そそられる美味しい食べ物、まあいいでしょ的な雰囲気、自分も滞在していてそうだよねと思うポイントがいくつもある。
ホテルの過ごし方も、素敵な場所、ラウンジ -
Posted by ブクログ
『森は知っている』吉田修一著
1.購読動機
202005放送の『路』の番組がきっかけです。
実際の歴史出来事と人間のドラマを交錯させる見せ方に関心があったためです。
2.森は知っている から投げつけられたこと
「死にたいならばいつ死んでもいい。
今日死のうが、明日死のうがそんなに
違いはないだろう。
ならば、今日一日だけでいい。
ただ、一日を生きてみろ。」
強烈だった。
がつんときた。
3.本書
幼きころ肉親に捨てられた。
弟は目の前で餓死。
自身は孤児院で生き始める。
彼は、その後ある組織に拾われる。
名前を戸籍を変えて、別の人生を歩みはじめる。
そう、産業スパイだ。
時