吉田修一のレビュー一覧

  • 悪人 新装版

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    吉田さんの作品では『怒り』を読んだことがあり、
    読みながら苦しくやるせない気持ちになった記憶。
    でも、人間の奥の奥に隠された感情に迫る感じが懐かしくなり、今回『悪人』を読むことにしました。

    誰が本当の悪人なのか、
    それを白黒で決めつけることはできない。
    誰しもの中に善も悪も混在していて、1人の人間が誰かにとっての悪でもあり、また別の誰かにとっては善だったりする。
    本で描かれているのは極端な例だけど、
    きっと日常の中でもこの構図は当たり前に存在するんだろうと思った。

    祐一のおかした殺人は絶対にいけないこと。
    それは揺るぎない事実で、私が佳乃の親だったら間違いなく祐一を120%悪(≒許せない)

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    2023年06月10日
  • 逃亡小説集

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    『ああ、俺、もしかしたらずっと逃げたかったのかも』
    ヒリヒリした緊迫感の中で逃亡の果てにつぶやいた者の言葉だ。4つの短編のどれもが、ふとしたことがきっかけで逃げなければならなかった者たちの、明日は我が身の物語である。

    どのお話も、つい先日 テレビのニュースで見たようなリアルな現実感がある。逃亡するだけの犯罪を犯したということよりも、ごくまっとうな人々が事件を起こし逃げるまでの過程がストンと腑に落ちて共感を呼ぶ。作者 吉田修一さんの、人間の心の動きを見つめる目が好きだ。優しい。

    ふと、偉大な社会派推理作家、松本清張さんを思い出す。松本清張さんも犯罪の背景と、罪を犯した者の心理に共鳴を覚える描

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    2023年06月05日
  • 路

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    NHKでドラマ化されたものを観たこともあり、原作である、こちらの本も読んでみました。
    ストーリー全体としては若干強引さを感じたので「★★★☆☆」かも、と思ったのですが、部分部分での人間関係の描き方については、胸が熱くなったところが多かったこともあり、「★★★★☆」としました。

    個人的には、「台湾新幹線を実現する上で、欧州連合と日本連合が折り合いをつけていく具体的な過程や技術的なところをもっと厚くしてほしい」と思いながら読んでいました。
    が、おそらく、著者としては、ここ100年ぐらいの日本と台湾の関係を軸にした人間模様や台湾の人々や風景を描きたかったと思われるので、「この本のような内容にならざ

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    2023年06月03日
  • 愛に乱暴(下)(新潮文庫)

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    不倫もの。軽くさらっと読んでいたが実は構成がこっていてもっとじっくり読めば良かったと少し後悔。良かった。

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    2024年02月25日
  • 悪人 新装版

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    吉田秀一せんせは流石やし、佐賀が舞台なんて胸熱。とりあえず誰かの悪い人も誰かの好きな人とはよういったもんや。

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    2023年05月09日
  • 泣きたくなるような青空

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    国内外問わず、色んなところに赴いてそこで初めての経験や感じたことが短くまとまっていてわかりやすい。その場のにおいとか天気とかふと思い出すことってあるよなぁ〜と思いながら読んでいました。旅に出たくなった。

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    2023年04月23日
  • 路

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    この作品を読んで、吉田修一さんの文章から、あたかも目の前で起こっていることがありありと浮かんでくる様な感じを受けました。台湾に行ってみたくなりました。

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    2023年03月18日
  • 東京湾景(新潮文庫)

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    夜の埠頭にバイクで行ってみたくなる。

    これを薦めてくれた人は、これを読んだ後、過去にマッチングアプリで付き合った人を追って、夜に原付きで長距離走った………と言ってた。そんなイメージなんてない人なのに。
    人をそんなふうにする力がある作品かと。

    登場人物誰一人として、彼らの恋愛観には共感できないけど、その勢いと熱情には共鳴できる。
    そして少し切なくなり、かなり歳を感じる。

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    2023年03月13日
  • 路

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    とにかく人豪と春香の2人の関係が堪らなく切なくて愛おしい。

    たった半日だけだったから、ここまで2人の気持ちを熱くさせたのだろうし、たった半日だけだったから、あまりに長すぎた月日は、その関係を2度とは戻してくれなかった。ギュッと胸が痛くなるけど、少し心地よくて、僕はこの月末で良かったと思います。

    その他2人の主人公、威志と勝一郎も魅力的な存在。それにしても、吉田修一さんは複数主人公を上手く絡ませるなぁ

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    2023年02月25日
  • 熱帯魚

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    美しい俳優が演じることを想定したダメ男ものの群像劇を、なぜかそのへんの一般人が主演しちゃった!ダメだよ〜人間臭すぎるよ〜!みたいな小説×3篇。好きです。

    共感しながら読むやつじゃないはずなのに、自分のダメポイントを浮き彫りにされるような居心地の悪さを感じながら、ぞわぞわしながら読みました。でも妙に爽やかな読後感なのがウケます。なぜ。

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    2023年01月19日
  • 愛に乱暴(下)(新潮文庫)

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    作者の吉田修一に、騙す気なんてないかもしれないけど騙された(日記の部分)。騙されたことに、読み終わるまでというか読み終わってもなお気づかかなった。登場人物の誰も好きにはなれないけど、日記部分の仕掛けに唸ってます。そこに感心したので★4つにしたけど、内容としては★3つ。
    李という青年、神出鬼没のピーちゃん、時枝おばさん、床下の穴、連続放火事件・・・。怪しさ満載で気を持たせすぎ。

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    2023年01月07日
  • 悪人 新装版

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    悪意をもって人に接し悪事を行っているヤツは他にいる(騙してものを売り作るなど)。気持ちが通じ会えない淋しさ、理解しようとしない貧しさ、見栄やプライドの行き過ぎた局面で人を殺めるところまで暴走してしまう悲しさ。一方的・機械的に善悪を分けてしまいがちな風潮のなかで、あえて悪人に徹しようとするきことで、愛するものを守ろうとした悲しすぎる愛の物語でもある。

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    2023年01月04日
  • ウォーターゲーム

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    爆発的な面白さ。世界をどこまでも、いつでも戦いのために飛び回る主人公。まさか最後にあんな芸当をやってのけるとは。残り10ページが息つく暇なくページをめくることに。
    テーマはこれから世界的な課題である水問題。日本、カンボジア、ロンドン、キルギスと飛び回り世界的な水ビジネスで悪どく儲けようとする企業をはめていく。その水問題と水ビジネスを的確に描きながらエンターテイメント性を高めていることろ、なかなかに評価できる。

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    2022年12月29日
  • 犯罪小説集

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    ネタバレ

    モデルとなった事件

    ・青田Y字路
     栃木小1女児殺害事件

    ・曼珠姫午睡
     首都圏連続不審死事件

    ・百家楽餓鬼
     大王製紙事件

    ・万屋善次郎
     山口連続殺人放火事件

    ・白球白蛇伝
     元千葉ロッテマリーンズ投手強盗殺人事件
     清原和博覚せい剤取締法違反

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    2022年12月27日
  • 初恋温泉

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    映画的な文章から、柔らかなお湯やしんしんと降る雪の音、ピンと張りつめた空気等々が伝わってきました

    どのお話もよかったけど、男女の機微は私にはわからないところもありました(恋愛経験不足)

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    2022年12月07日
  • 熱帯魚

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    籍も入れていないのに、子連れの女とともに過ごす大輔。さらには仕事をしないで引きこもっている光男。光男は毎日出かけずに熱帯魚の世話をする。大輔はボーナスで家族全員を連れて海外旅行へ行こうというが、だれもまともに取り合ってくれない…。

    吉田修一の短編3編で、いつもどおりなにか起こるようで起こらないようなグズグズとした話である。しかし、とにかくあるかね全部使って何かを変えようとしたり、女子中学生に手を出したり、女にグリーンピースを投げつけたり、作りかけの酢豚を皿ごとゴミ箱に捨てたりと、突然爆発する。

    どこかにあるようでどこかにない、掴みどころのない作風なのだが、なぜか日本映画のような妙な静けさと

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    2022年12月06日
  • 新装版 静かな爆弾

    ネタバレ 購入済み

    音のない世界

    音が聞こえない世界を時折ヒヤリとする表現されていて一気に読み進めました。未来への可能性を残した終わり方も素敵です。

    #切ない #深い

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    2022年11月20日
  • 逃亡小説集

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    いろんなしがらみから逃げたくなる時って度々あるけど、結局踏み留まることが多いワタシ。それが良いのか悪いのか、、、。

    この短編集では、逃げた後、幸せになれるどころか大切な人や無関係な人まで巻き込んで不幸になるだろう未来を予感させる結末。
    辛くなったら逃げれば良い、なんて人には簡単には言えない。
    逃げた後、ちょっと希望がみえるそんな話も読んでみたかったな。

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    2022年11月18日
  • 橋を渡る

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    世間の評判ほど言うほど悪くはなかった印象。
    前半3部はまさに吉田修一といった感じでスイスイ読み進められる。
    問題の最終章、
    まさにフロム・ダスク・ティル・ドーンばりに、
    一気にジャンルが変わっていく。
    ここで躓くということなのだろう。
    だが、過去とされる所謂現代の物語も引き継がれ、
    さらにユートピアともディストピアとも言えない未来を
    見せられ、それがやけにリアルに感じたのは確か。

    欲を言えば、もう少し伏線の回収をしてもらいたかったとこだが、
    それは愛嬌。物語に蛇足はいらない。そういうことだ。

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    2022年11月12日
  • 悪人 新装版

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    不器用な人たちばかり。でも人間はそんなに器用には生きられなくて、運が良かったり悪かったり、真面目でも上手くいかなかったり、適当にしたことが上手くいったり、本当に思い通りにならないなあ、なんて思いながら読み進めた。

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    2022年10月27日