吉田修一のレビュー一覧

  • 東京湾景(新潮文庫)

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    品川に勤める私にとって東京湾の雰囲気は非常に身近な風景。今とは随分と異なる風景だなとは思うものの、物語と風景のバランスが絶妙で、物語の展開に関わらず穏やかな気持ちになることができた。

    物語は東京湾の港湾で働く青年。出会い系で知り合った女性との恋の物語であるが、互いに何に惹かれあっているのかが分からない直感的な恋心というのが非常に文学的だなと感じた。決して共感するわけではなく、芸術家作品を鑑賞するような少し別の世界を俯瞰で眺めているといった気分だった。

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    2021年08月03日
  • 最後に手にしたいもの

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    吉田修一がANAの機内誌で連載しているエッセイの文庫版。主に旅行テーマ。旅行に行けないGWを前にしてせめて気分だけでも、と。案の定旅行に激しく行きたくなります笑 旅行のハイライトってそうだよね、そういう細かい機微とか感動にあるよね、と思い出させてくれます。

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    2021年07月25日
  • 泣きたくなるような青空

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    『最後に手にしたいもの』と合わせて文庫化した吉田修一の旅エッセイ。機内誌の連載ということで国内も海外も短めのエッセイがいろとりどりに続きます。あとがきに本人も書いてるけどコロナ前の当たり前に旅行に行けていた日常の贅沢さを感じます。旅行行きたい〜

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    2021年07月25日
  • 作家と一日

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    吉田修一のANA機内誌エッセイ第三弾。国内も海外も、そして猫たちとの日常も。どうしても今は「当たり前に旅行に行けた素晴らしさ」に気を取られがちだけど、旅の一日も自宅で過ごす一日もどれも素晴らしい日常だと感じさせてくれる。タイトルと表紙の絵が良い感じ。

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    2021年07月25日
  • ウォーターゲーム

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    吉田修一のスパイ小説第三弾。毎回「前回の話を忘れてしまった」という感覚が強くてなかなか手が伸びないのですが、読んでみるとちゃんと前の話思い出すし、これまでの伏線も含めて豪華に詰め込み、敵味方入れ替わりながら軽快に進んでいく話にあっという間に読んでしまいました。またこういう小説書いて欲しいな。映画版はまだ見てないのですが藤原竜也が演じる鷹野、ちょっと見てみたくなりました。

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    2021年07月25日
  • 作家と一日

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    ANAが発刊している「翼の王国」という機内誌で連載されていた吉田修一さんの旅のエッセイ。ANAの飛行機に乗ったことがある方は、一度は目にしたことがあるかもしれない

    旅先で感じるふとした瞬間、切り取った風景、出会った誰かとの大切なひととき、毎日の暮らしの中で起きるちょっとした奇跡と、心の揺らぎ。

    旅先で感じた些細だけれど忘れたくないことを、丁寧な文章で綴っています。

    きっとあなたの過去にもそんな物語があって、その出来事を回想する一冊。

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    2021年07月06日
  • 森は知っている

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    ネタバレ

    太陽は知っているの続編。前作ではあまり登場人物の心理描写が多くない印象だったが、今作は鷹野が正式にAN通信のスパイになるまでの出来事を描く中で心理描写が多くなされており、鷹野の為人を深く知ることができた。鷹野が唯一心を許した詩織への最後のセリフ「きっとあるよ。俺、そう思う」には過去のトラウマに囚われ続け、壁の外に行きたいと願っていた鷹野の成長と生きていく希望が込められいるように感じた。

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    2021年06月01日
  • 東京湾景(新潮文庫)

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    畑野智美さんの「海が見える街」に続いて読んだ。
    当たり前だが恋愛小説でもこれだけ違うんだと
    思わされた。こちらの「東京湾景」の方が好みだ。
    得体の知れない愛や恋に対して真剣に向き合って
    いるからこそ傷ついている亮介と愛だの恋だのを
    小説の中だけのものと遠ざけている美緒。最後は
    歩み寄って、また始めようとする。良いラスト。
    でもこれからが2人には大問題。真剣な2人だから
    こそ、大変なんだろうなぁ〜。と心配してしまう。
    2人には幸せになって欲しいが、難しいよなぁ〜。
    読み終えた直後の感想です。あっ、読むのが遅い
    俺がほぼ1日で読めました。面白かった。

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    2021年05月20日
  • 橋を渡る

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    吉田修一の見せるもうひとつの世界。
    リアル。現実から少しずつずれていく。
    このひとの描く世界は手を伸ばすと触れそうで、人物が重厚で魅力的。
    主人公のひとりにおいてさえも、見えているものだけでなく、その奥に隠されているものがあり、読み進めてハッとする。

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    2021年05月01日
  • 春、バーニーズで

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    瞳の勇敢さに心打たれました。
    強い女って感じがします。
    子持ちだけど筒井が結婚を決めた
    理由がわかります。
    でも、筒井に関しては
    謎が深いと思いました。
    筒井という人物について、、、
    はっきり分かったとは思えません、、
    何かの気持ちを隠し持ってるような

    そして
    最後のストーリーが謎でした。

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    2021年04月28日
  • 橋を渡る

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    主に3人の登場人物目線の話が章ずつ進むというプロット自体は解説にも書かれている通り吉田修一お得意のもの。ただ、各章での展開がいまいちなように感じながら読み進めて、最後4章でどう絡めるのかと思ったら予想の斜め上の展開だった。賛否両論ありそうな展開だけど個人的には前半三章の展開的にこのまま普通に終わらせるだけだったらつまらないよな、と思っていたので予想外の展開なのは良かった。

    この作品には現実に起こったニュースがいくつも登場する。登場する、というか前半三章においてはそれぞれの生活の中でけっこうなウェイトを占めていたり、事件の関係者だったりする。吉田修一には『犯罪小説集』という実際のニュースを元に

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    2021年04月20日
  • パレード

    ネタバレ 購入済み

    おもしろかった

    おもしろかったけどよくわからなかった。
    純文学も混じっているような作品なのでじっくり何度も読んだ方が味が出てくると思う。
    ただ最後は少しゾッとする感じでしばらく引きずる作品だった。
    二度目はもう少しいろんな箇所に気をつけて読んでみたい。

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    2021年04月10日
  • 最後に手にしたいもの

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    吉田修一(1968年~)氏は、長崎市生まれ、法大経営学部卒の小説家。芥川龍之介賞(2002年/『パーク・ライフ』)のほか、山本周五郎賞、大佛次郎賞、柴田錬三郎賞等の文学賞を受賞している。
    本書は、初出はANAの機内誌「翼の王国」への2012年9月号~2016年9月号の連載(25篇)で、2017年に単行本で出版、2021年2月に文庫化された。また、作者の「翼の王国」への連載は2007年4月から始まり、これまで『あの空の下で』、『空の冒険』、『作家と一日』の3冊が出版・文庫化されており、本書は4冊目(2021年1月)の『泣きたくなるような青空』と続けての文庫化である。
    私は、既刊の3冊も所有してい

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    2021年04月07日
  • 森は知っている

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     「太陽は動かない」を読んだときは,吉田修一はこんなハリウッド映画みたいな小説も書くんだと感心したんだけど,これは吉田修一らしい作品(活劇風ではあるが).ティーンエイジャーの鷹野くんがエージェントになるまでの物語で,鷹野くんの生い立ちや風間さんとの関係も明らかに.
     やっぱり,吉田修一が物語るハイティーンの子の話は面白い.

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    2021年04月06日
  • もの書く人のかたわらには、いつも猫がいた NHK ネコメンタリー 猫も、杓子も。

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    闘病中の我が子がいるので、よその猫もとっても気になる今日この頃。
    ネコメンタリーも観たかった。
    みんなそれぞれの距離感で愛猫たちとのお付き合いがおもしろかった。
    猫はほんとにすばらしいな。

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    2021年03月21日
  • ウォーターゲーム

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    ネタバレ

    壁の向こうに行きたいと願っていた鷹野が最後にどこまでも行けると心から思えて本当に良かった。柳が大変な人生を送っていたのは辛いけど、鷹野と再会できたことが嬉しかった。あとデイビッド・キムはなんだかんだいい男で好き。AYAKOの人間らしいところも最後見れて嬉しかった。

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    2021年03月19日
  • 作家と一日

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    エッセイってジャンル自体が苦手だったけど、これは好きだと思った。好きな作家だからというのもあるだろうけど、旅に出たくなったし、むしろ行った気分になれる本だった。日常の話も時々出てきて、丁度良かった。

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    2021年03月16日
  • 最後に手にしたいもの

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    ホテルに泊まりたくて旅行に出かけているような、に僭越ながら共感。たとえそこがチェーンのビジネスホテルでも。

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    2021年03月07日
  • 犯罪小説集

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    こちら
    短編集だと
    知らずに読んでいて
    3作目に入って
    ん?
    いつ前の話しに戻るん?
    って真剣に思っていた
    バカ←

    てっきり
    最後は話し繋がるもんだと
    ばかり笑

    なる程ね
    だから犯罪小説集

    映画も
    この中の2作を
    映像化したのね

    青田Y字路
    だけの小説で
    映画だと思っていた

    "人はなせ、
    殺めるのか''
    表紙も見ず
    帯も見ずに読むもんで
    このキャッチコピー
    読んだ後に
    目にして
    心に響く

    短編集だから
    重い事件が短く
    まとめられていて
    (そこが凄いのだけど)
    もっと
    読みたい!
    と思ってしまった

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    2021年02月13日
  • 泣きたくなるような青空

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     ANAの機内誌「翼の王国」で連載のエッセー、三巻目。

     スッと読めて、頭からまたスッと出ていく軽い読後感が機内誌にちょうどいい。
     その頭に残らないなかで、ふといつかなにかの表紙で思い出すことがあるのだろうか。
     
     旅と人にまつわるエッセー集。

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    2021年02月09日