吉田修一のレビュー一覧

  • おかえり横道世之介

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     「横道世之介」の続編です。この作品も、読んでいて楽しかったです!

     この作品では、主人公の横道世之介が24~25歳の1年間が主に描かれています。世之介は1年留年し大学を卒業したものの、バブル最後の売り手市場に乗り遅れ、バイトとパチンコで生計を立てています。パチンコ店で知り合ったハマちゃん(浜本)や、同じく留年したコモロン(小諸)、いくつかの偶然が重なっての桜子と亮太親子との出会いもありました。桜子とは交際をはじめ、桜子の父が営む整備工場を手伝うことになったり、その兄である隼人とも親しく付き合うようになります。

     やっぱり、世之介好きだなぁ~。なんとも憎めない性格なんですよね!桜子親子が頑

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    2024年08月31日
  • 日曜日たち

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    誰かを愛するといことが、だんだんと誰かを好きになることではなくて、だんだんと誰かを嫌いになれなくなるということなのだ。

    親切など結構だと強がる人が、実はどれほどその親切を必要としているか、これまで考えたことが無かったことに気づいた。

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    2024年08月29日
  • パーク・ライフ

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    パーク・ライフ
    大きな公園には様々な人が集まる。仕事の息抜き、散歩、運動など。
    仕事の昼休みを公園で過ごす女性と主人公の交流のお話。
    文体、雰囲気が好みだった。主人公が淡々としている作品好きになりがち。
    心を新鮮な風が通り抜けたような読後感。

    flower
    パーク・ライフが爽やか寄りならflowerはドロドロ寄り。
    上京した主人公の変化の話。月日を重ね、職場の人間や妻との関係が緩やかに変わっていく。
    職場の先輩、元旦が印象的。私には想像もできない思考回路を持ち、理解はできないけどその人の中にある理念を通して生きているように見える人物を読むのが興味深かった。終わりは何かを暗示していそうなんだけ

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    2024年08月25日
  • 愛に乱暴(下)(新潮文庫)

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    人の描写がとてもリアルで胸に迫るものがあった
    自分を救うのは日々の誠実な行いであるに違いないと思った

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    2024年08月25日
  • 湖の女たち(新潮文庫)

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    展開が複雑になっていく物語ですが、読み始めると止まらなくなるストーリーでした。ネタバレになるので感想にも困るのですが、楽しかった

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    2024年08月25日
  • 永遠と横道世之介 下

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    下巻は主にあけみちゃんが切り盛りする下宿屋の下宿人や、世之介の後輩など、世之介を取り巻く人たちにスポットがあてられている。
    何事にもゆるく、肩ひじ張らない世之介だけれど、根はやっぱり誠実?
    だからあけみちゃんも見捨てないし、みんなが世之介を慕ってくる。
    仕事に行き詰って泣きついてきた先輩に掛けた世之介の一言「リラックスしてください」一気に肩の力が抜ける気がした。
    春のある1日、夏のある1日、秋のある1日、冬のある1日、あ~今日はいい1日だったなぁ、と思えるような暮らしでいい、そんな毎日でいい、というようなことを世之介が言う。
    世之介の生き方。
    最後はえっ!?てなるんだけど、これって・・・
    カメ

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    2024年08月24日
  • 永遠と横道世之介 上

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    初めて世之介が世に出たのはもう15年ほど前でしょうか。
    続編かと思っていたら、この間にもう一冊「続」があって驚く。次に読みましょう。
    さて、世之介は40歳前になっていて、下宿屋をしているあけみちゃんと暮らしながら、カメラマンをしている。
    といっても、売れっ子でもなんでもなく、レストランのメニューを撮ったり、修学旅行について行って学生の写真を撮ったり・・・
    時には先輩カメラマンのアシスタントをしたり、ゆる~くだけれど、何事にもまじめな世之介である。
    あけみちゃんとは事実婚の仲だけれど、あけみちゃんはぼくの2番などと公言して、亡くなった婚約者が忘れられない世之介である。
    婚約者の実家にもたびたび顔

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    2024年08月24日
  • 最後に手にしたいもの

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    海外旅行、国内旅行

    映画「怒り」の原作者さんだったのか。「怒り」にはピエール瀧さんも出ていたので観てみたい。

    『そう言えば、この取材旅行の最中、コーディネーターさんがこんなことを言っていた。中国に返還されたあと、何か変わりましたかという僕らの質問に対して、「別に何も変わりませんよ。ボスがイギリス人から中国人になっただけ」と。』
    → 現在はだいぶ変わっただろうなあ

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    2024年08月15日
  • 永遠と横道世之介 下

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    横道世之介っていう人。関わっていく人たちを笑顔に変えてくれる人。あったかいなにげない一日の話。永遠を撮ってるなんてかっこよすぎた。最初にこの上下を読んだけど、一、二作目も読みたくなった。

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    2024年08月09日
  • 路

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    色々と考えさせられる1冊だった。

    日本と台湾、国と国のつながりから
    春香と人豪、人と人のつながり。

    新幹線建設の背景にある
    時間、場所を越えたつながり、
    それが路のタイトルを回収しているような気がして
    しっかりした文量だけど読み返したい作品。

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    2024年07月28日
  • 路

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    台湾は一度行ったことがある。自由の国。
    この小説を読んでると、台湾がすごく近く感じる。働く事の意義を教えてくれるような小説。

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    2024年07月13日
  • 悪人 新装版

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    悪とは、正しさとは、愛とは、みたいな話をされてるんだろうなあって思ってたけど、終わり方がとても好きだった
    アクセントが「悪」人だと思って読んでいたら、悪「人」だった
    この気持ちをうまく言葉にできないのがもどかしい

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    2024年07月11日
  • 永遠と横道世之介 上

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    世之介さんシリーズやっぱり読んでてほっこりする。世之介さんが友達に居たら幸せだろうな( ´˘` )

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    2024年07月11日
  • 横道世之介

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    横道世之介が大学入学からの1年間の話。
    青春話になるのかなあ。
    バブル期の時代背景描写が
    自分の経験と重なり懐かしさがこみ上げる。

    それにしても世之介って。
    両親の名前のセンスっ!

    世之介のやる気があるんだかないんだか、
    ふわふわっとしている雰囲気のような
    つかみ所があるよな、ないような
    流される性格のような、そうでないような、
    独特の雰囲気を醸し出している感じでもあるが
    どこにでもいるような平々凡々な男でもある。
    ひょうひょうとているようで、熱いものもあるような
    なんだか憎めないやつ。
    20年後ふと思い出したときに
    笑みがこぼれてしまう不思議な人。

    当時つきあっていたお嬢様の祥子ちゃん

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    2024年06月23日
  • 湖の女たち(新潮文庫)

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    断捨離をしているうちに吉田修一さんの本が結構出てきて、また読んでみようかと。本屋さんに行くと最近の作品=映像化されている作品があり、つい手にとった。
    地理的に琵琶湖の風景が脈々と解るので余計リアル、薬害問題、戦時中の人体実験、介護施設の事件もかなり知見しているのでリアル
    人間とは賢くもあり愚かである。
    この物語
    圭介と佳代のなんとも言えないインモラルな描写に妄想も加わり一気読み。
    「湖は自らを波立たせることが出来ない。だからこそ静かで美しい」
    波立った湖は物語の終わりに何事も無かったように静かなり、より一層美しくなる
    ちょっと車を走らせて湖岸に向かおうかなと言う気持ちだ。
    もし白衣の子供たちが

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    2024年06月21日
  • ぼくたちがコロナを知らなかったころ

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    先日ANAに乗ったら、翼の王国が
    無かった。リストラ?確かに印刷費はバカにならない事だろうけど、機内誌で読むエッセイが出張であっても旅行気分を高めてくれるんだけど。

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    2024年06月19日
  • パレード

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    ラストの衝撃度MAX!
    全く予想していなかった、あーそうか言われてみればチラチラ出してきてたその事件、サトルの章でも描かれてなかったのかー、みたいな。

    途中まで、西加奈子「漁港の〜」並にニヤニヤしながら読んでいて、あれ吉田修一ってこんな文体だったっけ?と油断させられました。
    まんまとやられた。
    突き落とされた。

    本音でぶつからない、中身のない、ぬるま湯な関係。
    しかし、本音で語らないのに、相手のことが実は見えていて。
    けど、自分のことは見えてなくて。
    そんな、青春群像劇。

    それにしても、ラストはあまりに突然な印象。
    実は巧妙な伏線があったのか?
    もう一回読んでみた方が良いのかも。

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    2024年06月17日
  • 横道世之介

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    映画化もとっくにされていて昔から存在を知ってるお話を、前知識無しで今更ながら読んだ。
    結果、なぜ今まで読まなかったんだろう?!と思うくらいには好きなテイストの本だった。
    調べてみたら、なんと続編も2つくらい出てるんですね。全然知らなかったです。

    物語は、バブルの頃の大学1年生男子の1年のお話。田舎から上京してきた、横道世之介。名前もなんだかふざけているし、本人も(至って真面目なのだろうけれども)飄々としていて面白い。
    周りのキャラクターも濃くて、学生ならではのゆるっとした空気のまま、ひと月ひと月が過ぎていくような一冊。学生の時ってそうだったなと思い出しながら読み始める。

    そんな何気ない日々

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    2024年06月17日
  • 日曜日たち

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    日雇いのアルバイトを無断欠勤でクビになり、無職でだらだらと暮らしていると、以前に付き合っていた圭子のことを思い出す。圭子は職を転々とするろくでなしの自分と付き合ってくれていたが、実は医者の卵であったことが判明。身分も違うことから別れようと言う話になったとき、腹をすかせた兄弟に出会う…。

    繋がっていないようで、あるところから繋がる5本の掌編。人生の分岐点で出会う、得体のしれない親を探す兄弟が、普通ならば人生を変えるきっかけになるようなものだが、本作ではそんなことはない。2本目を読んでいるときに「あれ?さっきも出てた?」とひっかかる程度というのが、なんとも良い重み付けをされている作品である。

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    2024年06月15日
  • 湖の女たち(新潮文庫)

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    映画の原作ということで読みました。
    既に劇場公開されてしばらくした頃、書店で原作を見かけて吉田修一の作品であること、琵琶湖が舞台になっていることを知って、慌てて原作を読みましたが、鑑賞当日(6/11)は夜勤明けであったこともあって50ページを残して鑑賞となりました。
    一日一上映になって木曜日が最終上映になってもいたので、この日を逃すと劇場で見れなくなるので、仕方ないかって感じです。
    ただ鑑賞後に残りを読みましたが、クライマックスの部分以外は読めていたし、そこまで読んでイメージしていたそのシーンの映画の中の佳代の姿に違和感を感じたのですが、その違和感は外れてはいなかったと残り50ページを読んで得

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    2024年06月14日