吉田修一のレビュー一覧
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映画化もとっくにされていて昔から存在を知ってるお話を、前知識無しで今更ながら読んだ。
結果、なぜ今まで読まなかったんだろう?!と思うくらいには好きなテイストの本だった。
調べてみたら、なんと続編も2つくらい出てるんですね。全然知らなかったです。
物語は、バブルの頃の大学1年生男子の1年のお話。田舎から上京してきた、横道世之介。名前もなんだかふざけているし、本人も(至って真面目なのだろうけれども)飄々としていて面白い。
周りのキャラクターも濃くて、学生ならではのゆるっとした空気のまま、ひと月ひと月が過ぎていくような一冊。学生の時ってそうだったなと思い出しながら読み始める。
そんな何気ない日々 -
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日雇いのアルバイトを無断欠勤でクビになり、無職でだらだらと暮らしていると、以前に付き合っていた圭子のことを思い出す。圭子は職を転々とするろくでなしの自分と付き合ってくれていたが、実は医者の卵であったことが判明。身分も違うことから別れようと言う話になったとき、腹をすかせた兄弟に出会う…。
繋がっていないようで、あるところから繋がる5本の掌編。人生の分岐点で出会う、得体のしれない親を探す兄弟が、普通ならば人生を変えるきっかけになるようなものだが、本作ではそんなことはない。2本目を読んでいるときに「あれ?さっきも出てた?」とひっかかる程度というのが、なんとも良い重み付けをされている作品である。
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映画の原作ということで読みました。
既に劇場公開されてしばらくした頃、書店で原作を見かけて吉田修一の作品であること、琵琶湖が舞台になっていることを知って、慌てて原作を読みましたが、鑑賞当日(6/11)は夜勤明けであったこともあって50ページを残して鑑賞となりました。
一日一上映になって木曜日が最終上映になってもいたので、この日を逃すと劇場で見れなくなるので、仕方ないかって感じです。
ただ鑑賞後に残りを読みましたが、クライマックスの部分以外は読めていたし、そこまで読んでイメージしていたそのシーンの映画の中の佳代の姿に違和感を感じたのですが、その違和感は外れてはいなかったと残り50ページを読んで得 -
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楽しい。この描写の奥深さ。
たとえば、腕をつたう洗剤の泡、だとかそのかゆみが全身にうつる、とか細かな描写から人物の心の内をのぞかせてくれる。宮部みゆきさんとかもそう。余韻というのか、想像の余地を少し残してくれている。
よくファミコンなんかが再評価される時に使われる、表現しすぎないというプレイヤーの自由。
ああ、吉田修一さんは『国宝(上)(下)』に震撼させられた方じゃないか。本作もまた、シーンと深い思索に落ちていくような感覚を味わった。
祈るしかないようなフィナーレの迎え方が、人間という余韻すら残してくれる。
うん、なんかいいこと言った気がする。
生きたという余韻。 -
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読み終わった。
生活支援員として働き出し、夜勤をして4年目。
介護福祉士の勉強が、なかなか家で思う通りに出来なくて、
「よし!夜勤の時間を使おう!」と思ったのがきっかけで、
夜勤の時間を使って、好きなことをするようになった。
今まではiPhoneさえ触っていなかった。
ちょうど気持ちに余裕がある夜でもあり、読んだ。
横道世之介といえば、熊本出身の俳優、高良健吾さんが主演を務めるということで、
その時大分に住んでいた私は、
お世話になっている綺麗なお姉さんとそのご友人さんと試写会に博多の映画館に行った。
その時、恐らく高良さんのご両親とお兄様も見にこられていた様子だったなぁ。
その時の横 -
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ネタバレまさに橋を渡るような読書体験だった。春、夏、秋と橋を渡った先には奇妙な冬の景色がある。それは虚構に違いは無いが、我々自身の選択によってはある意味有り得る未来図とも言える。
初めの三篇は極平凡な純文学的作品に見える。iPS細胞、東京都議会野次問題、雨傘革命、マララ・ユスフザイ、東京オリンピック等等、当時としてはタイムリーだったのだろう、リアルと地続きの距離感と世界観で物語は展開する。日常に潜む言語化し難いモヤモヤを抉りながら。人間ってこういうところあるよね、みたいな。それぞれの掌編の繋がりは稀薄で、態々一つの作品としてやる意味あるのかな、なんて考えたけれど……。
最終章「そして、冬」に -
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いずれも実際に起きた事件を題材とした短編5編。どの作品もラストに曖昧さを残すが現実と創作の差異を読んで想像する。
誰しも犯罪者となる隙間が見える。
「青田のY字路」
北関東連続幼女誘拐殺人事が題材か。
そのうちの一件「殺人犯はそこにいる」で取り上げられた冤罪事件“足利事件”を意識したかな。
それだけでなく類似犯罪も取材の上かと思う。
少女達の誘拐殺人は許せるものではないが、
犯人であろうと地域住民から追い詰められる男の行先。数々の状況や生い立ちそのものへの不信感。
「曼珠姫午睡」
弁護士の妻英里子の中学の同級生が殺人犯で捕まる。内縁の夫の保険金殺人。目立たなかった少女の中学卒業後の変貌。中学 -
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6人の作家さん毎に色が異なる厚手の紙の本。
写真はもちろんカラー。
角田光代さん
「トト」は2冊フォトエッセイを読んだので知ってる。
「トトが来る前は自分中心で、辛いことがあると全身で向かい合っていたのでしんどかった。」が、
「トトが来てからは、とりあえずトトにご飯をあげなきゃ、といった気持ちの逃し方ができた。」そうだ。
角田さんは犬が好きで、「トト」は犬の要素を持っていると言っていたのを思い出した。
他の猫よりも人懐っこいのかな。
村山由佳さん
猫が大好きなんですね。
「もみじ」に対する想いは尋常ではなく、エッセイを何冊も出しているみたい。
「もみじ」の生まれる瞬間にも立ち会ってるし、亡