吉田修一のレビュー一覧

  • 湖の女たち(新潮文庫)

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    感想を思いめぐらしていたら、もう一度始めからしっかり読んでしまった一冊。
    感想書きプロではないのに間を置かずに再読するなどと、長い読書人生初めてのこと。

    社会派ミステリーに属する内容と思われるのだが、登場する刑事たちがなにしろ悪徳者そのもの。
    でも、なぜか排除できないものもあるのだ。

    罪ありきの過酷な取り調べ、冤罪になりそうな筋書きを作る刑事たち。おまけに聴取している参考人との不徳な関係は何なんだと思う。

    その警察官圭介と事件関係者佳代との不倫関係は、強烈なサディズムとマゾヒズムの関係。不道徳極まりないと嫌悪するも、なんと生き生きと描かれていることか。

    そしてその陰に隠れるように、もみ

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    2023年12月03日
  • 悪人 新装版

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    悪人とは誰なのか?犯罪を犯した者は悪人なのか?色々と考えさせた。殺人事件の背景には色んなストーリーがある。

    人が人を殺めること。これ自体は全く許される行為では無いが、その背景には色んな想いがある。そう思った。

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    2023年11月29日
  • 逃亡小説集

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    いろんな状況で「逃亡」する人々の話。
    なんていうか…やりきれなさが拭えない。
    つくづく不公平だよなぁと思う、気づいたらどん詰まり。というか始めっから行き詰まっててどうにもならない。もちろんわかってたけど…何かのきっかけでそのことがもう嫌になって、夢を見ているみたいに、アクセル踏み込んで検問突破したり、郵便の荷物を乗せたままフラッとどっかへ行ったり。
    逃亡。願望…ですらないのかなぁ。でも長く人生に苦しんでる人が屋上に登ったら死にたいと思ってなくても突発的に飛び降りてしまうみたいなのににてるんじゃないのかな。
    悪人の時も思ったけれど、普通の状態なら真っ先に考える「先のこと」が全く考えられなくなって

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    2023年11月22日
  • 素晴らしき世界 ~もう一度旅へ

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    『旅』とゆうキーワードが大好きで、手に取ってみた。
    ANAの機内誌に掲載されていたエッセイ集。
    飛行機や新幹線に搭乗した際は、必ず機内誌に目を通している。
    (ANAはしばらく利用していないのだが…)
    筆者は職業柄なのでしょうが、様々な場所に行き、様々な体験をされていて、羨ましい限りです。
    読みながら「ここも行ってみたい!」「こんな体験してみたい!」と妄想が膨らんできた。
    また、飼い猫の『金ちゃん、銀ちゃん』のエッセイも
    ほっこりとして良かった。
    旅のお供に、手元に置いて置きたい一冊です。

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    2023年11月09日
  • ぼくたちがコロナを知らなかったころ

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    「翼の王国」シリーズは待ちわびるものの一つです。
    どの章も、短い中にもギュッと詰まった無駄のない文章に惚れ惚れします。

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    2023年10月23日
  • 長崎乱楽坂

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    昭和の長崎の、ヤクザ稼業のおじさん宅に母子3人で身を寄せ、生々しい大人たちのゴタゴタを目の当たりにしながら育った駿。絶望とか羞恥とかここから脱出したい思いとか、駿はいろいろ抱えてるんだけど、なぜかドロドロした感じがない。最底辺にいる男たちに翻弄される女たちの諦めや哀しさも感じるけど、読んでて辛い感じはなく、一気に読めた。
    長崎弁で語られるセリフが、心地よいせいかな。

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    2023年10月22日
  • ぼくたちがコロナを知らなかったころ

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    ANA機内誌エッセイをまとめた何冊目かの本
    ANAに乗ることがあれば必ず読んでいる
    そして、吉田修一さんの小説は…読んだ記憶がない
    機内誌のエッセイということもあってか旅に関することも多いのだけど、読むと書かれている土地に行ってみたくなる
    コロナ前にかかれたエッセイなので、旅がまだ普通に楽しめていた頃だなぁと感じる
    自分もたくさん旅をしていたしANAにも乗ってたはずなのに記憶に残っているページはなかった…好きなはずなのに…なぜ?
    この本を読んで今更パークライフを読んでみたくなった

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    2023年10月04日
  • ぼくたちがコロナを知らなかったころ

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    「旅に出られる。人に会える。それはこんなに幸せなことなんだー。」というオビの惹句。
    (まだコロナ最中ではあったが)昨年8月に職場には内緒にして家族旅行に行って、飛行機に乗った時に、こんなこと感じたな。

    飛行機の機内誌は結構好きで必ず読む。
    ANAの機内誌「翼の王国」連載のエッセイの文庫化。

    自由な旅の尊さよ。
    ちょくちょく出てくる愛猫の話も微笑ましい。

    ♫Still/Elvis Costello(2003)

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    2023年09月30日
  • 橋を渡る

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    ネタバレになるけれど、2015年から70年後の世界が描かれていて、構成といい、文章といい、とても面白かったけども、わたしが経験した70年後の世界はもっと面白いのかも。

    つまり今、82だから12の時から、現在70年後の世界にいるってこと。

    12歳の時(1953年)は今普通に使っているものは無かったか、初期段階。

    例えば、テレビジョンの放送が始まって、ブラウン管のでかい箱を駅頭で見上げた記憶。
    電話は黒いダイヤル式、冷蔵庫は氷で冷やし、たらいで洗濯(14歳ころ一層式洗濯機ハンドル絞りつきになった)などなど...

    人間関係の世界はっていうと、それも変遷だ。社会機構、体制様変わり。

    LGBT

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    2023年09月27日
  • 悪人 新装版

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    とある男が女性を殺した。
    殺人を犯したって事実がある以上男は"悪人"なんだけど事件の背景、登場人物の人柄を知っていくと男に同情してきてしまう。
    悪人とは…?ってなる話。

    後味は悪いけど考えさせられるの好き。
    週刊誌とかの誹謗中傷も、何も知らない第三者が好き勝手言うのは良くないなって思える。

    祐一が母親に金をせびってた理由が母親の加害者意識を無くすためって知った時には、なんて良いやつ奴だ!って思った。けど、やっぱ殺人犯しちゃったらダメなんだよ。でもあそこで殺さなくても、祐一は逮捕される結果になっただろうし、不憫だな。

    映画も観たい!

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    2023年09月26日
  • 日曜日たち

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    こちらもそうだし、世之介もそうで、「人間を読む」吉田作品が好き。
    心にできるささくれによく効く、家にひとつ置いてあると安心するオロナインてきな作家さん。

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    2023年09月09日
  • 横道世之介

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    いろんな方が高評価されていて、とても気になったのでよんでみました。モデルとなった方が実在するのにもびっくりでした。
    世之介のキャラが憎めないのがいいね。周りの人もみんな世之介を愛しているのがよくわかった。
    途中に電車事故の話を織り込まれているので、亡くなっているのがわかりとても残念だなぁと思いがありました。

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    2023年09月09日
  • ぼくたちがコロナを知らなかったころ

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    吉田修一さんの本は読破。
    インタビュー記事もできるだけ読む。
    新刊も刊行されたらすぐ購入。
    それほど好き。
    エッセイでは、吉田修一さんの素顔を見ることができる。

    P113
    〈毎日毎日言葉を積み上げていくのは本当につらい。
    日々、言葉を探している〉

    作品を読むことができる喜びを噛み締めている。
    ありがたいな。

    さて『永遠と横道世之介 上・下』を読みますか。

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    2023年09月05日
  • 悪人 新装版

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    ネタバレ

    映画のイメージが強くて(観てないけど)、ずっと逃走劇が繰り広げられていると思っていたけど、前半はむしろ淡々と進んでいた印象。登場人物の心情に深入りすることなく、一歩距離をとって紹介が続く。
    こんな感じか、と拍子抜けしていたら、いつの間にか祐一にのめり込んでいて…。光代には惹かれなかったけど、(むしろ、トラウマとはいえ自首させてやれよと思ってイライラした)二人の姿は哀れながらも笑うことはできなかった。

    ラストの首を絞めるシーン、気になって調べたら映画ではアドリブでキスシーンもあったとか。なんだその演出、そこだけでも観たいもんな。そして、ラストの「あの人は悪人やったんですよね?ねえ?そうなんです

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    2023年08月19日
  • 横道世之介

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    「永遠と横道世之介」を読む前にもう一度振り返ってみようと思い再読した。

    2009年に読んでから年数は経っているから細かなところは忘れていた。
    だが、一気に世之介の世界観に浸る。

    長崎から東京へ出てきて大学生活が始まり、サンバサークルの倉持と阿久津との出会いや加藤のアパートに入り浸っていた頃。
    バイトに明け暮れていた頃でもある。

    自動車教習所で知り合った祥子と夏休みには実家で過ごしたり…と。

    確かに出会いとともにいろんなものが増えていく…という感じでアパートの隣人の京子が言うように一年経つとあの頃より隙がなくなった。
    ドンピシャな表現である。

    飄々とこなしている世之介は妙に人を惹きつけ

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    2023年07月03日
  • 永遠と横道世之介 上

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    何気ない1日。何気なく自由気儘に暮らしている世之介。

    横道世之介シリーズ、第何弾だろうか?三作目くらいかな。

    作中で作者自身がこの物語には、大波や波乱は起こらずごくごく普通の世之介の日常が描かれていると、まさにその通りである。

    思えば自分の人生だって、小説やドラマのようなジェットコースターのようなことは早々起こらない。

    波乱はないけど、読んでいて安心する。

    色々な本を読む中でたまにはこのようにホッコリする小説もいいな。

    本編には全く関係ないが、作中で世之介が紹介したアメリカ軍で導入されている寝方は、自分も実践して役立っているw。

    1.舌の力を抜く、2.口を緩める、3.徐々に瞼を閉

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    2024年08月12日
  • 横道世之介

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    朝井リョウさんの作品に出てきたので気になり読みました。存在感が無いのに何年も経ってから思い出してもらえる人ってスゴい。この1冊で完結して欲しくなくて続編さがしたほどに。

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    2023年06月24日
  • 泣きたくなるような青空

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    飛行機はANA派なので、何度も空の上で『翼の王国』の中のこのエッセイを読んだことがある。
    旅のエッセイを読むと、やっぱり旅心がついちゃうな。
    息を飲むようなヨセミテ国立公園の空気、
    それから、長崎の精霊流しの夜、
    私も感じてみたい…。

    著者の小説にまつわる短編も多く、楽しめた。
    『路』を読んで台湾に行きたくなったこともあったなぁ。

    読み終わった時なんとなく、旅の終わりに感じる「あーあ。終わっちゃった」という気持ちになっちゃって、自分でちょっと笑ってしまった。

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    2023年06月18日
  • 空の冒険

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    吉田さんの小説は、『横道世之介』しか読んだことがない。
    本書は、短編+エッセイ集。
    ANAの機内誌『翼の王国』が初出とのこと。
    世之介とはまた違う側面が見えると期待して手に取る。

    超短編小説なので、どうしても説明部分が目立って見える。
    最初の二、三作は、そんな感じが否めなかったが、「居酒屋」あたりから、だんだん作品との波長が合ってくるのがわかる。
    そうすると、やはり展開の鮮やかさに心を奪われる。

    エッセイは…
    以前NHKのネコメンタリーという番組で、吉田さんと飼い猫との日々が取り上げられていたのを見たことがある。
    マンションの様子なども映り、作家の日常生活がほんの少し垣間見えたりする番組だ

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    2023年06月18日
  • 橋を渡る

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    多少はぼかす事が普通だが、当時のニュースがそのまま使っていた事が面白かった。確かに、こういう事あったなあ、と懐かしい気分になった。

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    2023年06月11日