吉田修一のレビュー一覧

  • パーク・ライフ

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    ネタバレ

    横道世之介から流れつき拝読。出てくる人物がみんな魅力的に浮かび、くすっと笑えるのがとても好きだった。パークライフにて、電車内で友人と間違えて話しかけてしまった彼女と偶然にも再会したときの声の掛け方が気に入った。さっき何か言い忘れたことがあるような気がして、つい走ってきちゃったなんて、

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    2024年03月06日
  • 湖の女たち(新潮文庫)

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    評価が低めだったので、恐る恐る読みましたが、私としては満足。吉田修一さんのこの人間の描き方が好き。絶望を感じる人間の醜い部分に反して美しい湖の描写が印象に残る。本来人間もこの湖の様に美しさと、底知れぬ怖さを持っているのだと、雨が降り、風が吹き、環境が荒れると波が立つように、人も環境に左右され荒れるのだと、そんなことを感じとりました。
    何気に伊佐美さんの描き方良かったな。どうしようもない権力や金や悪に負けた時、人は捻くれてしまうものだと思う。正しさとか、純粋さとか、諦めを装って生きていかなければやってられないこともある。

    映画化されるとのことだが、なんとも不安な配役。松本さんは好きだけど、あの

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    2024年03月01日
  • 女たちは二度遊ぶ

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    登場する全ての女性との出会いと別れに共通して、ミステリアスさと哀しさを感じる。著者の描写が絶妙で、想像しやすく、読み進める中であたかも自分が経験しているかのような錯覚に陥る。

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    2024年02月23日
  • 橋を渡る

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    前半と後半で話が全く違う作品

    前半の 日常を丹念に描く作品から
    後半のSFの切り替えに驚く

    どの時代も どの歴史の1ページでも
    どこでも 人は迷いながら
    生きていくのだと 思った

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    2024年02月23日
  • 永遠と横道世之介 下

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    満足。 なんやかんやで世之介3作目。
    これが完結編とわかって読み始めたてみると、
    ちょっといつもの世之介が鼻につくように感じた。
    が、そんなふうに思ったのも束の間、
    すぐに鼻につかないいつもの世之介を取り戻していた。
    なんでもないような1日、1日を、愛おしく思えるような、
    ええ話のようでなんでもない話。

    満足。

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    2025年12月06日
  • 湖の女たち(新潮文庫)

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    ネタバレ

    最初、読んでるうちは、インモラルな性愛に目が向きがちで、これ、映画化ってどうするんだろう…、みたいな野次馬的な見方をしていたのですが…

    吉田修一さんを見縊るもんじゃありませんでした

    それは様々なインモラルについての描写の1つに過ぎなかっただけ

    この時代に、1番弱く崩しやすい者を追い込み吊し上げる集団
    ある一定数の、金と権力を持っている者の振る舞い
    戦時中の正誤が歪んだ中での歪んだ行為

    そして、終盤に露わになる事実に、やはり吉田修一氏もはたして盛り込んできたかと放心しました

    昨年、「ロスト・ケア」が口火を切り、「正欲」「月」とセンセーショナルな映画が公開されました
    今まで、見ないように

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    2024年01月29日
  • 横道世之介

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    呑気で素朴な少年の話。読んでいると、なんとなく優しい気持ちになる。最後の母の言葉には、納得させられ、思わず涙が出た。

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    2024年01月21日
  • パーク・ライフ

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    パークライフ、面白かった。
    月9ドラマの3話目くらいまでの、おしゃれで、何かが始まりそうなワクワクだけを取り出してる感。実は事の顛末とか感動的な展開とかって要らなかったのかも、とか。
    flowers のほうはそこまで。

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    2024年01月17日
  • 横道世之介

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    普通の大学生の話なのに、なんでこんなにサクサク読めるんだろう

    時代も違うけどそれすら感じさせない

    さすが

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    2024年01月03日
  • 素晴らしき世界 ~もう一度旅へ

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    あ〜 とうとう終わってしまった…

    新刊を楽しみに待つシリーズはいくつかありますが、その中のベストです。
    最終章は泣いてしまいましたよ。

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    2023年12月19日
  • ぼくたちがコロナを知らなかったころ

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    作家さんなのに(と言うのは失礼だけど)羨ましい話もあればすごく親近感を覚える話が多くて、もっと吉田さんを知りたくなりました。

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    2023年12月07日
  • 湖の女たち(新潮文庫)

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    感想を思いめぐらしていたら、もう一度始めからしっかり読んでしまった一冊。
    感想書きプロではないのに間を置かずに再読するなどと、長い読書人生初めてのこと。

    社会派ミステリーに属する内容と思われるのだが、登場する刑事たちがなにしろ悪徳者そのもの。
    でも、なぜか排除できないものもあるのだ。

    罪ありきの過酷な取り調べ、冤罪になりそうな筋書きを作る刑事たち。おまけに聴取している参考人との不徳な関係は何なんだと思う。

    その警察官圭介と事件関係者佳代との不倫関係は、強烈なサディズムとマゾヒズムの関係。不道徳極まりないと嫌悪するも、なんと生き生きと描かれていることか。

    そしてその陰に隠れるように、もみ

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    2023年12月03日
  • 悪人 新装版

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    悪人とは誰なのか?犯罪を犯した者は悪人なのか?色々と考えさせた。殺人事件の背景には色んなストーリーがある。

    人が人を殺めること。これ自体は全く許される行為では無いが、その背景には色んな想いがある。そう思った。

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    2023年11月29日
  • 逃亡小説集

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    いろんな状況で「逃亡」する人々の話。
    なんていうか…やりきれなさが拭えない。
    つくづく不公平だよなぁと思う、気づいたらどん詰まり。というか始めっから行き詰まっててどうにもならない。もちろんわかってたけど…何かのきっかけでそのことがもう嫌になって、夢を見ているみたいに、アクセル踏み込んで検問突破したり、郵便の荷物を乗せたままフラッとどっかへ行ったり。
    逃亡。願望…ですらないのかなぁ。でも長く人生に苦しんでる人が屋上に登ったら死にたいと思ってなくても突発的に飛び降りてしまうみたいなのににてるんじゃないのかな。
    悪人の時も思ったけれど、普通の状態なら真っ先に考える「先のこと」が全く考えられなくなって

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    2023年11月22日
  • 素晴らしき世界 ~もう一度旅へ

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    『旅』とゆうキーワードが大好きで、手に取ってみた。
    ANAの機内誌に掲載されていたエッセイ集。
    飛行機や新幹線に搭乗した際は、必ず機内誌に目を通している。
    (ANAはしばらく利用していないのだが…)
    筆者は職業柄なのでしょうが、様々な場所に行き、様々な体験をされていて、羨ましい限りです。
    読みながら「ここも行ってみたい!」「こんな体験してみたい!」と妄想が膨らんできた。
    また、飼い猫の『金ちゃん、銀ちゃん』のエッセイも
    ほっこりとして良かった。
    旅のお供に、手元に置いて置きたい一冊です。

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    2023年11月09日
  • ぼくたちがコロナを知らなかったころ

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    「翼の王国」シリーズは待ちわびるものの一つです。
    どの章も、短い中にもギュッと詰まった無駄のない文章に惚れ惚れします。

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    2023年10月23日
  • 長崎乱楽坂

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    昭和の長崎の、ヤクザ稼業のおじさん宅に母子3人で身を寄せ、生々しい大人たちのゴタゴタを目の当たりにしながら育った駿。絶望とか羞恥とかここから脱出したい思いとか、駿はいろいろ抱えてるんだけど、なぜかドロドロした感じがない。最底辺にいる男たちに翻弄される女たちの諦めや哀しさも感じるけど、読んでて辛い感じはなく、一気に読めた。
    長崎弁で語られるセリフが、心地よいせいかな。

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    2023年10月22日
  • ぼくたちがコロナを知らなかったころ

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    ANA機内誌エッセイをまとめた何冊目かの本
    ANAに乗ることがあれば必ず読んでいる
    そして、吉田修一さんの小説は…読んだ記憶がない
    機内誌のエッセイということもあってか旅に関することも多いのだけど、読むと書かれている土地に行ってみたくなる
    コロナ前にかかれたエッセイなので、旅がまだ普通に楽しめていた頃だなぁと感じる
    自分もたくさん旅をしていたしANAにも乗ってたはずなのに記憶に残っているページはなかった…好きなはずなのに…なぜ?
    この本を読んで今更パークライフを読んでみたくなった

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    2023年10月04日
  • ぼくたちがコロナを知らなかったころ

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    「旅に出られる。人に会える。それはこんなに幸せなことなんだー。」というオビの惹句。
    (まだコロナ最中ではあったが)昨年8月に職場には内緒にして家族旅行に行って、飛行機に乗った時に、こんなこと感じたな。

    飛行機の機内誌は結構好きで必ず読む。
    ANAの機内誌「翼の王国」連載のエッセイの文庫化。

    自由な旅の尊さよ。
    ちょくちょく出てくる愛猫の話も微笑ましい。

    ♫Still/Elvis Costello(2003)

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    2023年09月30日
  • 橋を渡る

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    ネタバレになるけれど、2015年から70年後の世界が描かれていて、構成といい、文章といい、とても面白かったけども、わたしが経験した70年後の世界はもっと面白いのかも。

    つまり今、82だから12の時から、現在70年後の世界にいるってこと。

    12歳の時(1953年)は今普通に使っているものは無かったか、初期段階。

    例えば、テレビジョンの放送が始まって、ブラウン管のでかい箱を駅頭で見上げた記憶。
    電話は黒いダイヤル式、冷蔵庫は氷で冷やし、たらいで洗濯(14歳ころ一層式洗濯機ハンドル絞りつきになった)などなど...

    人間関係の世界はっていうと、それも変遷だ。社会機構、体制様変わり。

    LGBT

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    2023年09月27日