吉田修一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ収録されている2話のうち、タイトルにもなっているパークライフが良かった。
以下、ネタバレあり
公園から過去の話を思い出し、そこからさらに過去の初キスの話へと展開されて、また公園に戻ってくるところ。複雑な構成だが、スッと頭にイメージできて、自分も体験している感じになれた。人物同士の距離感が不思議。夫婦は離れていて、夫婦じゃない、初見同士の方が近い。最後のふわっとだけど何か芯のある終わり方。
全体的にさっぱりしている。
2話目は1話目と違い内容が気持ちの良いものではなかったので★-1で、トータル★4とした。
ただ、表現というか、時系列が前後する構成はこちらも健在で、読みものとしておもしろかった。 -
Posted by ブクログ
「国宝」を読む前に横道世之介は履修しなくては、と手に取りました。前から気になっていた本なので、丁度良いきっかけになりました。
長崎(佐世保?)出身の世之介が東京の大学(法政?)に進学し、東京の暮らしを始めるお話です。一年生の期間と、その時濃密に過ごした人のその後が●印の後にちらりと出てきます。特に大きなにかがおこるわけではないのですが、バブル期なのに毎日の生活は金満とはあまり関係なくて、ただ、ホテルのバイト内容はバブルっぽい。あとは、千春みたいな存在も。
世之介だけでなく、祥子さん筆頭に出会った登場人物がとても個性的で、多分誰かしらを好きになるのがこの本の人気を支えている気がします。大きなことはおこらないけど、普段体験しないようなことはいくつもおきますし。また、あの時代を思い出させるワードが多くて、40代後半~60歳位の人は懐かしく読めると思います。夏の帰省先で起こった大きな出来事、確かにあの頃多かった。私の住んでいた地域にもまれにたどり着くことあり、ポイントとなる場所で検問できていたなぁ。
世之介がそこそこ彼女つくって、しばしば異性と淫らな行為にふけるので中学校以上。 -
Posted by ブクログ
「最後の息子」
ビデオ日記を撮るという設定がなんとなくピンと来ず。かなり自分で感情を考察しなければいけない部分が多いのが難しく、読むのは2回目だが、やっぱりあまりハマれなかった。
ラストの閻魔ちゃんの電話中のメモの愛情にはグッとくる。あえて悪ぶるのとか、それでも閻魔ちゃんには優しく見えているのとか、人間失格に近い構図か?
「破片」
最後の息子に比べて格段に情景描写が増え、一気に物語の風景が浮かんで真に迫ってくる感じがあった。これぞ吉田修一という感じ。明らかに才能開花している。
積み重ねられるエピソードで、母を不幸な事故で亡くした田舎の男世帯の雰囲気、九州に根強く横たわる男尊女卑思想、兄弟それぞれの歪んだ女性感が伝わってくる。突然去っていくかもしれない怖さでか女を手放したくなってしまう兄と、女を握りしめて絶対逃さないことが女の幸せだと信じ込む弟。
「Water」
恋も部活も、いろいろ悩みもありつつ全力&ストイックな青春坊主たちも素晴らしいけど、かなり苦味走った恋愛をしていそうな大人のエピソードが挟まるのが、アクセントとしてとてもいい。
その効果で、より青春はキラキラして見え、大人の世界はほのぐらく見える。
とにかく部活を頑張る青春って、無駄かもしれないけどかけがえないな。部活って、初めて気づく複雑な人間心理をいったんリセットして別のことに打ち込み、心の健康を守るのに必要なのかもな。 -
Posted by ブクログ
春、子供のいない夫婦が預かっている、海外赴任中の姉の高校生の息子が、彼女を妊娠させる。夏、市議会議員の妻が、夫の収賄を知って苦悩し、秋、数カ月後に結婚を予定している順風そうなテレビディレクターが、彼女を殺してしまう。そして冬、時代は一気に70年後に飛ぶ。冬の視点者は、「サイン」と呼ばれる、特殊な生まれ方をし、通常の人間とは区別されて生きている男。その「サイン」は、秋、テレビディレクターが追いかけていた研究者が作り出したものである。サインの妻が、春の夫婦の血縁者であったり、もう一人のサインの夫が、夏の市議会議員の血縁者だったりすることが、だんだんわかる。70年前の出来事が、影響している世界。あの時の選択は、間違いだったのか。
初読みの時にはあまり印象に残らず、忘れていたけれど、今回、おもしろくてのめり込むように読んだ。週刊文春連載だったらしく、「セウォル号沈没事件」「都議会セクハラヤジ問題」「iPS細胞」「香港の雨傘デモ」など、当時、世間を騒がしていたニュースが、そのままの形で出、正しいとは何かという問いかけが、ちりばめられている。そして、その影響を受けた70年後は、人間がストレスから解放された社会であり、しかし、その下で、犠牲になっているものがある。
どうということのない夫婦の生活が、吉田修一が書くと、面白いのはなんでなんだろう。春、子のない夫婦のもとに届いた、差出人不明の酒、米の回収は、他の人の感想を読むまで、気づかなかった(ちゃんと書いてあるんだけどー)。
良かった比喩。朝、泥酔状態の若いホスト三人が歌舞伎町のマンションに帰り、登校する小学生が出てくるシーン。
「兵士が野戦病院に担ぎ込まれるように彼らが消えると、代わりに叶音ちゃんが元気よく飛び出してくる。」 -
無料版購入済み
さすが
2025年夏、超話題の映画「国宝」のマンガ版。
原作小説が2018年秋と2021年秋の上下巻発売、このマンガが2024年9月から連載開始、そして映画の公開が2025年6月。
タイミング的に、このマンガ版は映画と共に売るというメディアミックス戦略の一環だろう。
作画の三国史明というマンガ家は、ビッグコミックオリジナルにて「穀潰しのメシア」という読み切り作品で2022年にデビュー。
そして、恐らくその次の作品が本作。
他に「武論尊100時間漫画塾」出身という情報くらいしかないが、絵のレベルはかなりのモノ。
特に、歌舞伎の女役にスポットを当てた作品で、妖艶さを出す描画力はすごい。
また、普段の絵もいい感じ。
三国史明のオリジナルの発想力はまだ不明だが、今後かなり人気の出るマンガ家になるんじゃないかと思う。
ストーリーは原作小説も映画も知らないが、なかなか壮大なストーリー。
さすが話題になる作品だけあると感じた。
これはいつか全巻読んでみたい作品。
もっとも、その前に映画版を見てみたいが。 -
匿名
購入済み引き込まれました
映画が好評ということで、とても気になっていたのですが、原作が有るという事で、映画を見る前に読むことにしました。どちらが先が良かったか?はまだ分かりませんが、とても面白く、あっという間に上巻を読み終えました。早く映画がみたいです。
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Posted by ブクログ
ネタバレ面白かった。まさかそんな方向に行くのかと先が気になって急いで読んでしまい,二度読みした。真相というか過去の経過はすごく辛くて,実際を知っている人にとって虎に翼はきれいすぎただろうなと思う。最後のファンタジー的な結末はちょっと,と思うけど,全体が面白かったので気にならない。
話は面白かったけど,砂の器とかのネタバレになっているのはどうなのか,「砂の器等のネタバレをされたくない人は先にそっちを読んで・見てください」と注意喚起すべきでは,でもそうするとこっちのネタバレになってしまうし難しい,と思う。先に知っておいて良かった。
映像化は難しいだろうなと思うけど,そう思った国宝も映像化されてるし,されるかな。梅田翁はイッセー尾形さんあたりでどうか。豊大と三上も絶妙な俳優さんを選んでもらえることを期待。