【感想・ネタバレ】最後に手にしたいもののレビュー

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Posted by ブクログ 2021年04月07日

吉田修一(1968年~)氏は、長崎市生まれ、法大経営学部卒の小説家。芥川龍之介賞(2002年/『パーク・ライフ』)のほか、山本周五郎賞、大佛次郎賞、柴田錬三郎賞等の文学賞を受賞している。
本書は、初出はANAの機内誌「翼の王国」への2012年9月号~2016年9月号の連載(25篇)で、2017年に単...続きを読む行本で出版、2021年2月に文庫化された。また、作者の「翼の王国」への連載は2007年4月から始まり、これまで『あの空の下で』、『空の冒険』、『作家と一日』の3冊が出版・文庫化されており、本書は4冊目(2021年1月)の『泣きたくなるような青空』と続けての文庫化である。
私は、既刊の3冊も所有しているが、実は本棚の片隅で積読状態である。というのは、2019年に、ビジネスの関係で海外の短距離フライトに乗る機会が急激に増え、その時に読もうと思って、2019年末に3冊まとめ買いしたのだ(短距離便には個人モニターが付いていないため、とにかく退屈である)が、昨年1年はコロナ禍のため全く飛行機に乗る機会が無くなってしまったのだ。
前作は、帯に書かれた「今年こそは旅に出たい!まずは“読む旅”をお楽しみください」というフレーズを見て我慢ができず、思わず自宅で読んでしまい、本作もやはり読んでしまったが、体の移動の自粛が続く中で、心は(わずかながらも)軽くなったように思う。
作者は「文庫版あとがき」でこんなことを書いている。「基本的に旅情をテーマとしたエッセイであるから、旅先のスケッチが多い。・・・そこには人や場所との出会いがあり、人や場所の匂いがあり、人や場所の声が聞こえ、人や場所の手触りがある。そして今回、なによりも驚かされたのが、そうやって日々の旅を続ける自分自身が、この旅が続くことに、なんの疑いも持っていないことであった。今回、改めて一編一編のエッセイを読み返しながら、台北や博多の屋台にいる自分や、沖縄やスイスの青空の下に立つ自分に、こう言ってやりたい気持ちにあふれる。「お前は奇跡の中にいるんだぞ」と。お前は日々、奇跡の上に立っているんだぞ。だからこそ、こんなに空は青く、風は清らかなんだぞ、と。」
コロナ禍があったからこそ、我々は、旅のできる日常が当たり前のものではないことを知った。そうした意味で、貴重な体験だったとも言えるのだが、今はただ、一日も早く、心置きなく旅ができる日々が戻ってくることを祈るばかりである。
(2021年4月了)

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Posted by ブクログ 2021年03月07日

ホテルに泊まりたくて旅行に出かけているような、に僭越ながら共感。たとえそこがチェーンのビジネスホテルでも。

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