あらすじ
そろそろ旅の準備を始めませんか? 今年はここに行こう! 旅って計画している時、とても楽しいですよね。そんなひと時をサポートします。ベストセラー作家・吉田修一が旅の面白さを綴る25編。台北でマルーン5のライブを観て、阿蘇の天空の湯に浸かり、マカオで苦手なカジノに興じ、ソウルでのサイン会、そして愛猫との生活……などなど。旅に出たい! そんな気持ちがかきたてられるANA機内誌連載をまとめたエッセイ集。
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ANA機内誌翼の王国に掲載されたエッセイをまとめた1冊。先日観た映画国宝に圧倒され、原作の作者の本を読んでみたく手にした1冊。旅好きの私に嬉しい各地の話に出会える短編集。
「ぽんと完成品があると、最初からその姿でこの世に存在しているようだから、よく考えてみれば全て誰かの出て作られたもの」→物心ついた時、世界は完全なものに見えた。大人になるにつれ、この世界はまだ課題が山積みであると知った。
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世界の見え方がとても綺麗で、でもクスッと出来るエッセイ
日常から旅の記憶、機械音痴あるある、ペットの猫のことまで様々な日常をここまで綺麗な文章に纏められるの素敵だなと
確かに機内で読みたいなぁと
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電車の移動中に薄い文庫本をとこちらを手にしてみましたが、いやいや、旅がしたくなりますね。一期一会での体験を日常に入れて行こうかと思う一冊でした。
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何のために生きてるのか、考える時間がたっぷりある今のタイミングからこそ、沁みる内容だった。東京で何かに焦りながら暮らした直近4年間も、それはそれで悪くなかったと感じさせてくれた。旅はこれから続ける。本当に心を癒してくれるのは綺麗な空とか人の優しさとかいつかの思い出なのかなあ、とか考えた。
著者吉田修一さんが映画「怒り」原作者とは知らなかった。とてもいい映画だったのでまた見たい。
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どのお話も旅に出ているような気分になれだけど、台湾でマルーン5が最高でした。
私もコロナ前はとあるバンドを追っかけて海外へ行っていました。コロナ禍が落ち着いたらまた絶対に行くつもりですが、ライブが始める前のドキドキした気持ちや周りのお客さんとの会話。どれもこれも共感できる話ばかりで涙ぐんでしまいました。本当に旅は素晴らしい。早く行けるようになると良いな。
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昨日に続いて吉田修一さんのエッセイ。
村上春樹さんは小説とエッセイにかなりの落差があって痛快なのだが、吉田修一さんはどうなのだろうか。
『横道世之介』という映画はうろ覚えだけど、あまり落差がない気がする。
今回のエッセイも旅の一コマと追想が綴られている。
なかでも、「青の氾濫・竹富島」「対馬旅情」「四00万人分の笑顔がお気に入り」竹富町も対馬も金比羅山神社も行ったことがない。
特に藍色、空色、水色、水浅葱、露草色、勿忘草色、青褐、鉄紺、、33種類の青表現以上の色の豊富な竹富島の海と空。期待を裏切らないどころか期待以上という景色。
想像ばかりがふくらみ、幸せな気分になる本だった。
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海外旅行、国内旅行
映画「怒り」の原作者さんだったのか。「怒り」にはピエール瀧さんも出ていたので観てみたい。
『そう言えば、この取材旅行の最中、コーディネーターさんがこんなことを言っていた。中国に返還されたあと、何か変わりましたかという僕らの質問に対して、「別に何も変わりませんよ。ボスがイギリス人から中国人になっただけ」と。』
→ 現在はだいぶ変わっただろうなあ
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ANAグループ機内誌の連載の書籍
旅行エッセイ?
作者の吉田さんは怒り、や悪人のイメージが強かったので、ちょっとダークな世界観かとドキドキしたのだが、
国内外含めての吉田さんの旅にほっこりした
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吉田修一がANAの機内誌で連載しているエッセイの文庫版。主に旅行テーマ。旅行に行けないGWを前にしてせめて気分だけでも、と。案の定旅行に激しく行きたくなります笑 旅行のハイライトってそうだよね、そういう細かい機微とか感動にあるよね、と思い出させてくれます。
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吉田修一(1968年~)氏は、長崎市生まれ、法大経営学部卒の小説家。芥川龍之介賞(2002年/『パーク・ライフ』)のほか、山本周五郎賞、大佛次郎賞、柴田錬三郎賞等の文学賞を受賞している。
本書は、初出はANAの機内誌「翼の王国」への2012年9月号~2016年9月号の連載(25篇)で、2017年に単行本で出版、2021年2月に文庫化された。また、作者の「翼の王国」への連載は2007年4月から始まり、これまで『あの空の下で』、『空の冒険』、『作家と一日』の3冊が出版・文庫化されており、本書は4冊目(2021年1月)の『泣きたくなるような青空』と続けての文庫化である。
私は、既刊の3冊も所有しているが、実は本棚の片隅で積読状態である。というのは、2019年に、ビジネスの関係で海外の短距離フライトに乗る機会が急激に増え、その時に読もうと思って、2019年末に3冊まとめ買いしたのだ(短距離便には個人モニターが付いていないため、とにかく退屈である)が、昨年1年はコロナ禍のため全く飛行機に乗る機会が無くなってしまったのだ。
前作は、帯に書かれた「今年こそは旅に出たい!まずは“読む旅”をお楽しみください」というフレーズを見て我慢ができず、思わず自宅で読んでしまい、本作もやはり読んでしまったが、体の移動の自粛が続く中で、心は(わずかながらも)軽くなったように思う。
作者は「文庫版あとがき」でこんなことを書いている。「基本的に旅情をテーマとしたエッセイであるから、旅先のスケッチが多い。・・・そこには人や場所との出会いがあり、人や場所の匂いがあり、人や場所の声が聞こえ、人や場所の手触りがある。そして今回、なによりも驚かされたのが、そうやって日々の旅を続ける自分自身が、この旅が続くことに、なんの疑いも持っていないことであった。今回、改めて一編一編のエッセイを読み返しながら、台北や博多の屋台にいる自分や、沖縄やスイスの青空の下に立つ自分に、こう言ってやりたい気持ちにあふれる。「お前は奇跡の中にいるんだぞ」と。お前は日々、奇跡の上に立っているんだぞ。だからこそ、こんなに空は青く、風は清らかなんだぞ、と。」
コロナ禍があったからこそ、我々は、旅のできる日常が当たり前のものではないことを知った。そうした意味で、貴重な体験だったとも言えるのだが、今はただ、一日も早く、心置きなく旅ができる日々が戻ってくることを祈るばかりである。
(2021年4月了)