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Posted by ブクログ 2015年06月18日
吉田修一のエンターテイメント長編。
ストーリーとキャラクター、小さくまとめすぎず、大きく広げすぎず、とても収まりがいい。雰囲気や小テーマも、軽すぎず重すぎず、バランス感覚は絶妙。
更に、500ページ超を感じさせないテンポの良さもあり、娯楽もののお手本のような作品。
ハード発売時から購入を悩んだが、少...続きを読むしでも早く読むべきだった。ドラマも観てみたい。
5-
Posted by ブクログ 2014年05月29日
久しぶりにタイトルの本意が終盤まで分からない小説を読んだ。ちょっとウルっとしたのは、自分の根っこが蟹なんであって、猿になれないせいなのだろうな、と思う。ハラハラさせられるけど、どこかコミカルで、誰も不幸にならない話。よい物語でした。
Posted by ブクログ 2022年10月02日
ドラマを見て、原作を読んだ。何をやってもうまくいかないバーテンダーが国政選挙に出るという夢みたいな話。弱者が強者を打ち負かす展開は読んでて気持ちいい。
Posted by ブクログ 2018年02月23日
タイトルとか表紙の絵とかなんかグッと来なくて、まったく期待しないで読んだ。
けっこうな長編だし挫折しないで最後まで読めるかなー?なんて思いながら読み始めたら、、もうめちゃくちゃおもしろかった!!
登場人物全員のキャラが立ってて、方言混じりの心の声もイイ感じのアクセントになってて楽しく読めた。(個人的...続きを読むには美姫ママが好き。)
最初はバラバラだったパズルのピースがどんどんはまっていく感じで読んでて気持ち良かったー。
人生いろいろ、すっごいサクセスストーリーでした。
サワおばあちゃん、かわいすぎ。
Posted by ブクログ 2016年08月12日
BOOK」データベースより)
新宿で起きた轢き逃げ事件。平凡な暮らしを踏みにじった者たちへの復讐が、すべての始まりだった。長崎から上京した子連れのホステス、事件現場を目撃するバーテン、冴えないホスト、政治家の秘書を志す女、世界的なチェロ奏者、韓国クラブのママ、無実の罪をかぶる元教員の娘、秋田県大館に...続きを読む一人住む老婆…心優しき八人の主人公が、少しの勇気と信じる力で、この国の未来を変える“戦い”に挑んでゆく。希望の見えない現在に一条の光をあてる傑作長編小説。
勧善懲悪のような話かと思いきや、復讐するような流れでは無く、脇道に逸れて畜生道に落ちそうな面子が、お互いに手を差し伸べあって、陽の当たる道を歩き始める話です。ずばっとすっきりする話って訳ではないけれどもなかなかいい話です。
吉田修一は群像劇書くの上手いですね。
Posted by ブクログ 2016年06月21日
九州の過疎の島から東京に出てきた若夫婦、歌舞伎町で働くホステスママとバーテンダー、有名なチェロ奏者とそのマネージャー、さらにチェロ奏者の兄家族。何の関係もない彼らがひき逃げ事件をきっかけに協力し合い、東北での国政選挙に挑む。カニがウスやハチ、フンの協力を得て、にくきサルに戦いを挑むようにそれぞれの長...続きを読む所を接点に団結する、これぞ現代の猿蟹合戦。
人を騙す奴は悪い奴で、騙された者の復讐を受ける。そんなわかりやすい世の中が描かれるユートピア小説。
Posted by ブクログ 2016年04月11日
誰も彼もが猿と蟹であり、どこもかしこも実は合戦だらけ。これがととてつもなく面白い。私はすべての蟹を好きになったし、蟹同士が出会ってだんだん繋がりを持っていく様が心地よかった。そして女性の強さも爽快!終盤は感情移入しすぎて喜びやら感動やらでところどころ涙が出る始末。ページ数の多さを感じさせないテンポの...続きを読む良さと展開の上手さが大好きな1冊になった。
Posted by ブクログ 2015年01月25日
出てくる登場人物それぞれに魅力があって、読んでいるうちにどんどん惹かれていった。
そして登場人物の過去と現在がうまく絡み合わせ書かれていて時々ホロッとさせられたり、ドキドキさせられたり、ホォ~繋がったなどと感心させられた。そして最後まさに瑛太のスカッとするべっ?の言葉のとおり、スカッとホッコリさせら...続きを読むれた。吉田修一さんの作品やっぱり面白い!!
Posted by ブクログ 2014年09月24日
この本読んで、
わたしはやっぱり吉田修一の作品が好きだと思った。
展開が早く、話がとっちらかるのでは、
と不安に駆られることもあったけど、
最後は暖かく、スカッとした。
読み応えありの長編。
面白かった!
Posted by ブクログ 2014年09月21日
おもしろかった。
スカッとする話、これに尽きるんだろう。
「スカッとする話さは毒っこ入ってらど」
そう、だからいい。
と、いいつつこのお話自体にそんな毒はない。
いや重い背景はそれぞれにみんなが背負ってるんだけど、
むしろすごい優しい。優しいというか爽やかというか。
登場人物多くて最初戸惑うけ...続きを読むど、みんな優しくてみんな好きになる。
「悪人」にあふれ不幸でひねくれた世の中だけど、
たまにはこんな話もいいでしょう、的な。良いっす。
「なんで颯太ってこんなに何の匂いもしないんだろ。こんなに近くにいるのに、ほんとに何の匂いもしない。(略) でもそれが嫌なわけじゃない。だからこそ、颯太を好きなのかもしれないなー。」
所々に挟まれる独白が吉田節前回でとても良いんですが、特に好きだったのがこれ。
この小説自体のイメージもこんな感じ。
すごく軽くて毒がなくて、でもそれが嫌とか物足りないわけじゃなくて、だからこそいい、というか。
横道世之介に続く吉田修一の優しい世界。
悪人も好きだけど、こっちも好きです。
Posted by ブクログ 2014年06月08日
予想外の展開で面白かった。読み始めはまさか国会議員になる人とその周囲の物語やとはまったく思わなかった! 最初はしょうもなさそうな人やなーと思ってた登場人物も根はいい人で、主要な登場人物に嫌な人が出てこないのが好きでした。
Posted by ブクログ 2014年05月29日
まさに平成の猿蟹合戦というべきであろうか。
横道世之介テイストの吉田修一の得意なパターンであろう。
悪人や怒りで描く人間の本質を突き詰める吉田修一作品も
勿論魅力的であり、大好きではあるが、
こういった作風もまた彼の魅力であり、惹き付ける要因であろう。
新宿のバーテンの若者がふと目撃してしまう轢き...続きを読む逃げ事件。
それが、あれよこれよと複雑に入り組んで行き、
想像を超える展開へと発展していく。
次々と登場して来る人物がどこかで誰かと繋がっていて、
最終的には点が線となりしっかりと絡まる。
簡単なようで難しい構成であると、改めて関心する。
まさか、呑気な水商売の人間たちがここまで巻き起こすとは。
そして、何よりも救われるのは誰一人として嫌な人間がいない。
物語を紡ぐ上で、これはなかなか難しいことである。
勿論、倒すべき相手というか悪役というのはいるにはいるのだが
こういった群像劇で物語の鍵を握る人間たちが多い中では
なかなか難しい構成だ。それを難なくやってのける力に感服。
期待は無限大に膨らんでいく。物語のような物語だ。
Posted by ブクログ 2014年05月27日
視点が次々に切り替わるので、一瞬頭が混乱しますね。
一人一人味があるので、もっと詳しく読ませて欲しいような、この切り替えが面白味に繋がってるのか。
重たい部分もこの切り替えであっさりした感じ。
最後にはみんなにやって笑える結末で後味はいいのかな。
Posted by ブクログ 2023年03月06日
罪を犯した弟にどう贖罪させるんだろう。兄をどう救うんだろうと思いながら読んで、弟に関してはこれしかないかなという感じ、兄に関しては仕方ないこれが現実か、という感じ。
ラストが何だか惜しかった。この終わり方だと、この出会いが全ての始まりのような印象になってしまうが、実際には全ての出会いがつながっている...続きを読むんだから、このエピソードに限定しない方が良かったのではと思った。
Posted by ブクログ 2020年03月23日
ずーと,いつ猿が出てくるのかな?子蟹は誰だろう,友香ちゃんかな?高坂さんが蜂か臼なんだろうか?なんて思って読んでいたのだけれども,なるほどスカッとするお話か.「スカッどする話さ毒っこ入ってらど」というのも確かに.
ただ,憎たらしい猿がもうちょっと明確に退治される方がスカッとできたかもしれない.
Posted by ブクログ 2018年06月17日
歌舞伎町のバーテンダー浜本純平は、ある日、ひき逃げ事件を目撃する。だが逮捕されたのは、まったくの別人だった。真犯人への恐喝を目論むうちに、世界的なチェロ奏者のマネージャー園夕子と知り合った純平は、いつの間にか地元東北から国政選挙に出馬することになり…。
Posted by ブクログ 2018年02月10日
不思議なタイトルだなあ、と思いながら、読み始めました。
猿蟹合戦といえば、日本の昔話。でも、どんな内容だったっけ?あんまり思い出せないなあ、、、猿と蟹が合戦するんよね、とりあえず。なんで合戦せな、あかんかったんかなあ?わからんなあ。まあいいや。で、それの舞台が、平成の時代。ということは、現代ものだよ...続きを読むなあ、、、?どんな話やろ?
ってな感じで読み進め、読み進め、終わってみれば、ああ、なるほど。読み終えてから、ネットで「さるかに合戦」の本家の昔話の内容も調べて、なおさら納得、みたいな。そんな読書体験でしたね。
とりあえず、読んでいる最中は、ずっとずっと、
なんだか、吉田修一さんの作品にしては、ホノボノしてるなあ。歌舞伎町が舞台なのに。怖そうなキャラもちょいちょい登場するのに。なんか、ホワッとしてるなあ。いやでも、あの「悪人」の「ランドマーク」の「パレード」の、吉田修一やで。絶対どっかで、とんでもねえヘヴィーなヤバい展開になるんちゃうん?怖い、怖いなあ、、、ドキドキするなあ、、、でもなあ、全然なんかこう、平和よね?なんだろうねえ?これは。この感じは。
とか思いながら、いきなりとんでもねえ悲劇が待ち受けてるんちゃうん?と、ドキドキしながら読み進めたのですが、結局最後まで、なんだか、ホワッと幸せな感じで、終わりましたね。ある意味、拍子抜けしちゃった、と言ったら失礼で申し訳ないのですが、、、
とりあえず、この話は、吉田修一さんにとっては、昔話を題材にした、現代のおとぎ話なのだろうなあ、吉田さんの、「世の中がこうあることは、現実には大変に難しいだろうが、それでも、こうあってほしい」という祈り、願いのようなものを込めた物語なのだろうなあ、というね、気がしました。だって、あの「悪人」の、吉田修一ですよ。現実の本当のホンマの抜き差しならぬ、剥き出しの現実の、あの圧倒的な「ああ、、、あかん、、、どうにもならん、、、」感を、完璧なまでに表現した(と自分には感じられた)吉田修一ですよ。その吉田さんが、これほどまでに、ホワッとした(ように自分には感じられた)、ある意味ご都合主義の小説を書くなんて。これは、もう、あれだ。「願い」でしかない。そうだ、そうに違いない。そんな事を、思った次第なのですよね。
だってもう、勧善懲悪だし。主人公側の人、って変な表現だけど、そんな彼らは、基本的にみんな良い人だし。ああ、おとぎ話だなあ。「こうあって欲しい」の話だなあ、そんな事をね、思ったのですよね。
正直、自分には、物足りませんでした。ありていに言いますと。うん、物足りなかったです。
でも、それはそれで、それは自分の勝手な感想であり、吉田さんは、なんらかの祈りを込めて、この、現代のおとぎ話ともいうべき、この作品を創造した。それはなんだか、ちょっと、素敵だなあ、とね、思うんですよね。
あ、あれだ。登場人物が、自分の内面の思い、独白を、語る文章がありますよね。地の文ではなくて、会話文でもなくて、登場人物の一人語りの文章。その文章だけを、基本的にはみんな方言なのですが、地の文とは、文字・文体を変えて、「」(かぎかっこ)も付けずに、いきなり、文章の中に放り込む、という手法は、この小説で初めて見ました読みました。自分は。すっごい好きですね。小説で、こういう表現方法があるんだなあ~とね、グッときたんですよね。吉田さん、他の作品でも、この表現手法を使っているのですかね?気になります。すごいこう、独特だなあ、と。ある意味、発明だなあ、と。好きですね、こういうの。
Posted by ブクログ 2017年02月18日
キョンキョンが書評を書いていて、面白そうで読んでみた。猿蟹合戦という題名から最後の終わり方が気になったのと、登場人物がそれぞれ魅力的だった(サワおばあちゃんと美姫が好き)のとで、読み進められたけど、ちょっと長かったかな。ページをめくる指が止まらないってなったのは後半100ページくらいだった。もう少し...続きを読む短くかけたのではという気も…。
後味はよい本だけど、個人的には毒がもう少し欲しい。
吉田修一は2作目。パレードのほうが好きだな。
読んだ後、キョンキョンの書評、なんて書いてあったんだったっけと思って、読み直したら、自分が気になったセリフをキョンキョンも書いてあって嬉しかった。
好きなシーン
サワおばあちゃんが、地元議院と握手しながら、心の中で「バーカ」と言うところ。
Posted by ブクログ 2015年11月28日
かなりボリュームがある1冊ですが、前半は先が見えなく後半への繋がりも中途半端な上に進行が遅いのてダレてしまった感じです。
吉田氏の作品と知ってるから最後まで読めたものの、知らない作家だったら途中で止めてたかも。
Posted by ブクログ 2015年05月26日
読み終わったあと、そいやタイトルなんだっけ?とカバーを外してみたら、「平成猿蟹合戦!なるほど」という感じでした。
悪人クラスの長編でしたが、悪人のようにズンっと落ちることはなく、読みやすかったです。
でもなんだかそれぞれのキャラクターが魅力的なのはわかるけど、そんな繋がり方ってある⁉︎脅迫されてたの...続きを読むよ⁉︎って感じだったので、のめり込まずに冷静に淡々と読んでたら終わっちゃた。という感じでした。
そう思うと悪人はズンって落ちるけど、グイグイ引き込まれてしまう疾走感て大切だなーと思いました。
2015.5.24
Posted by ブクログ 2015年03月04日
面白いんだけど、気持ちよくないというか。
あくまでバラバラのまま、ある一点で集結するとか、
どんどんひとつになっていくとか、
そんなのが好き。
そう言う意味で気持ちよさが今ひとつ。
Posted by ブクログ 2015年01月31日
背表紙のあらすじを読んでいたので、一体いつその通りの話になるのかなと思っていたら、だいぶ物語が進んでからのことでした。
なんか急に? みたいな中途半端感が拭えませんでした。
Posted by ブクログ 2015年01月21日
登場人物が結構多くて、前半長くて途中わけわからなくなってきたけど、ちょっとずつ皆がつながっていく関係に驚かされながら、やっと読み終えたって感じ。長かったー。ドラマではきっと選挙に焦点を当てて、前半は割愛されてんだろうな。
純平君が当確したときはちょっと嬉しくて泣きそうだったけど、始終、淡々と物語が...続きを読む進み、感情移入できなかった。
Posted by ブクログ 2014年11月08日
幼い恋愛モノかと思わせるような始まりからの、事故に見せかけた殺人というミステリーありの、選挙という硬派な展開へ。
長崎の五島列島〜新宿歌舞伎町を〜秋田の大館と、物理的な舞台も変わる群像劇。
飽きることなく、読み進められました。
瑛太くんとサワさんの言葉が、最後に腹オチします。
スガッどしたはなし...続きを読む^_^です。
Posted by ブクログ 2014年06月25日
じっくりもいいけど疾走感なさすぎで前半でコケそうになる。
予め場所がわかってるパズルのようで残念。
後半の持ち直し、人物味がわかるだけにそれはそれでよかったのかなあ。
Posted by ブクログ 2014年06月12日
珍しく読むのに時間がかかってしまった。
面白い。面白いのだけど、第二幕までが長い。冗長?あえて言う。面白いのだけど。
練り込まれた設定と人物達ではあるのだけど、もっとサクサクとしてた方がぐんと引き込まれる。
幾人もが絡み合って一本に繋がる。そんな吉田修一作品がとても好き。
本作は間違いなくその型。...続きを読むでも、良かった!と言い切れない何かがある。
動き出してからはとても面白いのに。そこまでが長い。やっぱり冗長?
純平には一票入れます。
Posted by ブクログ 2016年05月29日
帯に「底抜けに明るい復讐劇!」とありますが、底抜けはちょっと言い過ぎ。確かにエンタメ系で上手くくすぐり、にやりと笑える所も随所にあるのですが、全体にはスカッというより、やや重めの印象があります。
いきなり歌舞伎町とか、登場人物もバーテンダー、ホスト、ホステス、ヤクザ、ついでに政治家と胡散臭い職業ばか...続きを読むり。もっとも人物は軽かったり明るかったりグータラだったり、さほどどす黒くは無いのですが。どうも私はこうした環境(水商売系)が苦手のようで、乗り切れませんでした。
それと、頼りなく無責任で刹那的と見えた二人に若者が、妙に真面目になって行くところも少々無理を感じるし。ただ、90過ぎのサワ婆さんの存在感はさすが吉田さんでした。