吉田修一のレビュー一覧

  • 熱帯魚

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    ネタバレ

    大工として働く大輔
    同居する真実と血のつながりはないが娘のようにかわいがっている小麦
    かつて兄弟だった時期があった光男
    近所に住む時先生

    現場の家主の娘に手を出し小火騒ぎを起こした大輔
    仕事もせずに家で熱帯魚ばかり見てる光男

    他短篇
    無職男と彼女の喧嘩
    休暇中に房総らへんで気紛れで手伝った民宿の奥さんとのドライブ

    ああ、芥川賞意識していたのかなぁと思うような話。
    結構好き。

    読んでてなぜか伊藤たかみを読んでるような気分になって、あれ?吉田修一だよねーって何度も確認した)^o^(

    0
    2012年08月19日
  • あの空の下で

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    昔を懐かしんで、ほっこりするようなお話が12編と、旅にまつわるエッセイが載せられていた。

    孤独や不安を携えながら過ごす旅先では、出会った人たちの温もりを、より深く感じるものなのだろう。
    作者の人柄が垣間見られるような、素敵なエッセイでした。

    0
    2013年04月06日
  • あの空の下で

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    「400字詰め原稿用紙10枚程度で、エッセイを書いてください」と頼まれれば、誰でも、とまでは言わないが、まあそこそこ文章を書いた経験のある人なら何とか書けるのではないだろうか。
    最近起こった事件とか、身の回りの出来事とか、友人と交わした何気ない会話などを題材にして、自分の思いを語ればいいのだから。
    ところが、同じ分量で「小説を書いてください」と頼まれれば、話は別だ。

    僅か4000文字程度の文章の中に、テーマ、人物構成、会話、エピソードなどを上手に散りばめ、起承転結のある一つの物語を構築しなければならない。
    私は、それほど短編小説というのは好きではなかった。
    というのは、先に書いたような素材や

    0
    2025年05月12日
  • 熱帯魚

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    誰にでも優しいということは、誰にも優しくないということだ。
    優しさというものは、そこに上下関係を生むので、ときに高慢になる。
    自分が優しさを向けている対象がふいに自分に歯向かったりすると、優しさが憎悪に変わったりする。
    「優しさ」って難しい。

    0
    2012年01月17日
  • 7月24日通り

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    ・始めて行った整形外科の待合室に置いてあったのを読んだ。やたら待たせる病院だったので一気に読み終えた。
    ・なんだかこれは、凄く良かった。主人公の女の子の複雑なコンプレックスを直接それを語らせずに上手に描いてる。いいなー吉田修一。全体に漂う雰囲気がたまらなく好き。帰る街があるっていいなあ。

    0
    2012年01月17日
  • 熱帯魚

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    3つの短編集。表題作より「グリーンピース」「突風」が好き。よくこの作者の作品は「最後に締まりがない」と言われるが、むしろそこが好きかも。都会の若者の生活の一部分を覗き見させてもらった感じが楽しい。深く読んではいけない。

    1
    2011年10月24日
  • 春、バーニーズで

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    「最後の息子」のその後。見てるんだけど、意識せずに通り過ぎている普通の生活を送るなかでの細かな描写がスバラシイね、いつ読んでも。
    何かをきっかけとした衝動的という冷静な暴走が何となく分かる気がする、、、

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    2011年10月23日
  • 7月24日通り

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    ネタバレ

    書評にも何回か掲載されたこともあるみたいで
    吉田修一のなかでも代表作なのかな?

    地方都市に住んでいる小百合
    ちょっと美形の弟・耕治がいる
    だけど弟の彼女・めぐみが平凡すぎて似合わないとイライラ
    そんな時、同窓会があってそこであったのは
    憧れの先輩・聡史
    イライラしてる小百合に先輩からお誘いがあって
    東京に向かおうとする小百合だけど
    前に本屋であったある一人の青年がいて・・・
    という話なんですが(大雑把すぎやわ)
    個人的にめぐみと小百合が話してる時
    めぐみが言ってたこと

    ”耕治と付き合う前の自分は燦々たる結果で
    どうしてこんなに男の縁がないのか
    自己分析したんで

    0
    2011年09月09日
  • 春、バーニーズで

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    吉田修一の著書を数冊読んだが、これが一番好きだな。
    短編という種の小説は消化不良なものが多いが、これは珍しくよかったな。

    0
    2011年06月14日
  • パレード

    購入済み

    最終章

    今までのリズムから、
    一気に変容する最終章に、
    恐さを感じました。

    0
    2011年05月27日
  • あの空の下で

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    ANA機内誌の連載されていた短編集らしいのでてっきり全部が飛行機に関連する話かと思ったんですが必ずしもそうじゃないです。割と自由に書いてるっぽいです。全部で12作が収録されています。たぶんどれも「旅」って設定なんでしょうがそういう縛りが感じられないぐらい自然です。吉田修一の短編はいろいろありますが、これが一番ほんわかって感じがしました。飛行機に乗ったら必ず神様に願い事をするというお話の「願い事」、いいですねーこういうの。吉田修一ってこういう大人の恋愛ものって上手ですよね。あと若者の恋愛を綴った「男と女」これは旅関係無い話ですけど好きです。あと、男の友情ってやっぱこうだよねって妙に納得してしまう

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    2012年06月26日
  • 長崎乱楽坂

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    駿と悠太という、二人の兄弟の物語。

    でも、主人公は実質的に駿といってよい。

    長崎の極道というものがどういうものか、
    駿の成長過程とともに描かれてゆく。

    特にカタルシスはなく、なんとなく、虚しさだけが残る。

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    2011年02月21日
  • ランドマーク

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    ネタバレ

    ≪内容≫
    大宮の地にそびえたつ地上35階建ての超高層ビル。それはフロアがねじれながら、巨大な螺旋を描くという、特異な構造をもっていた。設計士・犬飼と鉄筋工・隼人、ふたりの毎日もビルが投影したかのように不安定になり、ついにゆがんだ日常は臨界点を超える。

    ≪感想≫
    そびえ立つランドマークとそれに関わる2人の男の日常。Number10から始まりNumber1で終わる各節のタイトルは、歪みの臨界へのカウントダウンとなっている。結末が明確でないことに不満を感じる方もいるのかもしれないが、徐々に歪みに耐えられなくなっていく2人の不安や焦燥感と、その捌け口となる行動がとてもリアルに感じられ、現代の閉塞感を

    0
    2011年02月24日
  • ランドマーク

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    主人公の一人、隼人は鍵を埋める
    作り手として自分だけが知っている秘密を残したいのか
    それ以上の意味があるのか
    隼人のそれまでの行動がとんでいるのでわかりがたい

    もう一人の主人公、犬飼は愛人部屋で
    “グローバル経済と現代奴隷制”という書籍を見つける
    この本が気になって(実際にある書籍のため)購入
    現代奴隷制という相反するような言葉が連なって
    ひとつの単語を形成していることはなんだか不思議な印象

    最後、これで終わり?と思う終わり方になっている
    吉田さんのお話はあくまで生活の一部を切り取ったもの
    という形になっている気がする
    何か大きなことが起こったとしても
    わかりやすいハッピーエンドも哀しい結

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    2011年01月05日
  • 熱帯魚

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    表題を含む3話の収載

    “グリンピース”のグリンピースを投げる人
    せめて怒鳴るとか、怒りの原因を説明するとか
    なんとかして欲しい気がする

    わかって欲しいって子どもの理屈で
    何にも言わないなら推測して動くよな~と思いつつ
    私も結構そうしてしまうかも
    だからそういうことをする人にイラっとするのかなと思う

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    2011年01月01日
  • 初恋温泉

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    「阪急電車」に続けて読んだ、土地めぐり小説。
    温泉好きなことも手伝って、楽しく読めました。
    温泉って物語があるなあ、ぬくもりがあるなあと思いながら
    どこかへ浸かりに行きたくなりました。
    お風呂のほわっとした暖かさは、いつだって心と身体を解きほぐして、ゆるゆると寛がせてくれるのです。

    0
    2019年01月16日
  • 7月24日通り

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    吉田修一さんの本を始めて読みました。
    男性作家さんが書く恋愛小説が苦手で、特に女性目線のものは何となく違和感が残って敬遠していたんですが、映画を観て気に入ったので原作も読んでみたいと思いチャレンジしてみました。
    そしたら、すごく綺麗な文章で自然に読めたし、共感出来るところもあってとても気持ちよく読むことが出来ました。

    映画の方がメルヘンで映像も可愛くて好きだけど、よりリアリティのある原作も面白かったです。
    他の作品も是非読んでみたいと思いました。

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    2010年10月12日
  • 7月24日通り

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    会社の上司の奥さんが高校時代の知り合いの亜希子だった。
    自分が中心にいないと気がすまない彼女は
    私を観客に仕立て上げて高校時代は聡史と、
    今は安藤さんとの仲を見せつける。
    しかし同窓会をきっかけに亜希子と聡史が再燃。
    聡史を好きだった私は今日も7月24日通りを歩く。
    写真:畠山直哉 装丁:新潮社装丁室

    自分の町がリスボンの造りと似ているって知ったら
    いつもの景色が全然違った風に見えるんだろうなあ。
    絶対絵描きの彼といた方が幸せになるのに、と思いつつも
    彼がいたからこそ間違いに踏み出せたのかも。

    章題がいまいちだと思ってたんだけど最後のリストとつながってて
    うまい!と思った。そっくりだよ本当

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    2010年10月11日
  • 長崎乱楽坂

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    地方ヤクザの栄枯盛衰を描いた物語。
    「ヤクザ」というある種、異質な家庭で育つ兄弟。

    各章ごとに時系列が途切れ、衰退の一途を辿る一族。
    地方に生まれ、地方で長い年月を生きた者には、共感できる風景の描写、兄弟の心の機微が多い。

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    2010年08月29日
  • 7月24日通り

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    吉田さんの他作品とちょっと違う、せつないお話。でもすごく共感してしまった。カッコイイ弟にコンプレックスなのか大きな期待を寄せる、平凡な姉。自分が住む街をリスボンになぞらえる所が素敵。

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    2010年07月16日