吉田修一のレビュー一覧

  • ランドマーク

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    人は見た目じゃわからないというものの象徴が主人公の貞操帯で、内と外という(内面外面というよりも文字通りの内側と外側)面をそれぞれの登場人物に適したアイテムで鋭く描かれている。


    ふたつのサイドからの構想も変に感傷的じゃないので鼻につかなくてよかった。

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    2009年12月21日
  • ランドマーク

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    好きな作家はと聞かれたら、必ず入れるであろう作家の一人です。

    文学界や芥川賞を取るなど純文学の作家ですが、この「ランドマーク」は彼の作品の中でも特に純文学っぽい作品だと感じました。


    舞台は大宮。大宮駅前に建設中の地上35階建ての超高層ビル。
    その建設に関わる設計士・犬飼と、鉄筋工の隼人という二人の毎日が描かれます。
    犬飼が設計したビルはフロアが捩れながら積み上げられる螺旋の構造を持っている。
    そのビルの設計が進むに伴って交互に描かれる犬飼と隼人の毎日も少しずつずれていき・・・、というお話。

    舞台が東京でなく九州でもなく、大宮であることには意味があるんですが、個人的には、大宮

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    2009年10月25日
  • 長崎乱楽坂

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    読み始めはなんて温度が高い小説かと驚いた。そして、主人公である瞬が、小1、小5、中1、中3、そして高校2年で中退し、最後には最初は赤ん坊に近かった弟が大学生となり、主人公ではなくなった兄をあきれた目で見るようになるまでの、どんどん温度が低くなっていく過程に悲しくなった。一話一話進むごとに、三村家の人間がいなくなっていき、比例するように確実に温度が下がっていく。悠太が瞬を見る視線に遣る瀬無さがつのった。幼くして父親を亡くし、たくさんの男たちを見てきた瞬は、何も覚えてない悠と違い、ずっと「男」の姿を模索し続けてきた。「なんもせんで生きとるのも、なかなか難しかとぞ」と言う瞬に涙が出そうになった。最後

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    2009年10月07日
  • 熱帯魚

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    うっぷんやわだかまり、いろんな事を抱えながら人は生きている。
    それをどう表現するかは人それぞれだけど、それによって隣にいる人を傷つけてしまうこともある。

    心の交わりをモノに託していて、透明感のある素敵な表現だなと思った。

    ちょっとでも共感できるところのあるキャラクター達。
    それが心に少し引っかかりながら入ってくる。

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    2009年10月07日
  • 長崎乱楽坂

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    いつからだろう・・・?

    さだまさしの『解夏』を読んでから?吉田修一の本と出会ってから??

    僕は行ったことのない長崎県にとても魅力を感じるようになりました。

    この長崎楽乱坂は、父親が死にヤクザの一家で生活することになった二人の兄弟の話です。

    母が二人のもとを去り、大人になっていく姿が描かれています。三人称ながら主人公が変わるとゆう手法もいいです☆

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    2009年10月04日
  • ランドマーク

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    ねじれながら空へと上っていくビルの建設。
    そこに絡みつくように織り成す人間ドラマを、軽妙なテンポの文章表現で描き出しています。
    生き生きと脳内で踊る登場人物たちに、圧倒させられます☆

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    2009年10月04日
  • 7月24日通り

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    吉田さん初読。読みやすくてびっくり。
    サユリの考え方、すごいわかるなーと思いつつ読んでました。先輩かっこいいですねー。
    でも映画とは結構違うみたいですね。予告で使われていたようなシーンが本ではなかったように思うのですが。でも映画も面白そうです。キャスティングお見事!!

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    2015年02月09日
  • 7月24日通り

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    異国の地図、ピンの刺さった蝶、バスにこもる雨の匂い、吉田修一によって配信される世界はまるで地図。彼の手にかかれば世界(風景)と人間(読者)の距離感は縮められ、情景描写という言葉を使うことさえためらわれる。だから私は吉田修一の小説は地図だと思う。人間模様を象った地図だ。これは女性が書いたものだと紹介しても誰も驚きはしないだろう。女性の心理を書くのが上手すぎる。

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    2011年07月03日
  • パレード

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    読み終わって薄気味悪さが残っている。
    ただ、読み返したくなる

    本当は誰も居ないかもしれないっていうのは、誰も暗い影には触れず、チャットのようなテンポのシェアハウス。誰も憎めない存在だけど、誰のことも心から信用はできない、そんな感覚が残ってる。

    かなり終盤まで、この問題もあの発言も解決してないけど...と若干不安になりながら読み、最後は怒涛の展開を見せる。きっと2〜3回読むと繋がると思うけど、初めて読んだ私はぼんやり煮え切らない感覚だけが残ってる。


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    2026年02月06日
  • 横道世之介

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    1987年。昭和の末期である。大学進学のため九州から東京へ出てきた横道世之介であった。
    「国宝」「悪人」と読んできて、丁寧に描かれる登場人物たちの機微や漂う哀愁、リアルな生活感なんかに魅了され、本作も読んでみた。

    東京に引っ越してきた世之介。引っ越してきた日にアパートの隣の部屋に住む女性と仲良くなり、彼女が作りすぎたという夕飯をご馳走になる。初授業でクラスの女性と仲良くなって同じサークルに入る。友人に誘われて合コンに出席して絵に描いたようなお嬢様と知り合っていつの間にか付き合う云々。

    なんじゃこりゃ。何かと都合良すぎじゃないかな。

    途中で読むのをやめようかと思いつつもダラダラと読み進めて

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    2026年02月02日
  • 国宝 下 花道篇

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    ネタバレ

    映画見てからの原作。
    …徳ちゃんめっちゃ献身的じゃん!
    そしてマツと幸子は言わずもがな、春江、市駒、彰子といった女性陣の強さよ。
    映画はとってもキレイだし面白かったけど、喜久雄と俊ぼんに焦点を絞っていたことに、原作を読んで気付く(どっちが良いとかではなく)。
    そして映画で印象的だった台詞はすべて原作にちゃんとあった。

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    2026年01月31日
  • 国宝 上 青春篇

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    とっつきがヤクザの話とか設定が難しく評判を気にしないと読まないジャンルだったが話しが進むにつれてナレーションのテンポがハマり出し、キャラクターもいろんな表情が顔を出し、続きがきなる

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    2026年01月25日
  • 国宝 上 青春篇

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    ネタバレ

    ヤクザの家系の立花喜久雄と早川徳次が、二代目花井半二郎や、その息子の花井半弥との出会いがきっかけに、歌舞伎に目覚めていく話。喜久雄は努力を怠らず、頑張ってはいるものの、結果を出したら泥棒扱いされ、女形で気持ち悪いといじめられてしまう。喜久雄には、市駒や綾乃と幸せになって欲しいし、花井半弥とも大成していって欲しいと思う。

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    2026年01月22日
  • 横道世之介

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    途中まで何が面白いのかさっぱり分からなかった。
    何やら受賞作らしいけど、なんで?
    こんな息子であって欲しくない、
    以外の感想が思い浮かばなかったけど。

    転落者を助けようとして亡くなった若者、いたな。
    と思い出す。
    日々をそれなりに生きていた人だったのだろう。

    立派な行いだと思うけど。尊敬するけど。
    やっぱりこんな息子であって欲しくない。
    立派じゃなくていいから生きていてほしい。

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    2026年01月20日
  • 路

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    2007年に運転開始した台湾新幹線、その立ち上げ時期に台湾、日本で交錯する人々の人生模様を描いた作品。

    5人の視点からそれぞれの人生で起こったことが綴られているが、並列で進める物語が多すぎ、それぞれが浅くなってしまった印象も受けた。個人的には安西に嫌悪感を感じるし、威志の話もそれほど掘り下げられているわけではなかったので、春香、人豪、勝一郎の3人に絞って、もっと深く描いてもよかったのではと思った。

    特に勝一郎の話について、この世代には台湾を故郷と考えている日本人も多くいたのだろうと考えさせられた。

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    2026年01月18日
  • パーク・ライフ

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    芥川賞ということで読んでみたが、自分には純文学があっていないのかと思うほど楽しめなかった。
    コンディションがいい時にもう一度挑戦してみようかな…。

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    2026年01月13日
  • ミス・サンシャイン

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    原爆やハリウッドデビュー、スキャンダルなど、波瀾万丈な人生を歩んできた鈴さんを描いているにもかかわらず、物語は終始淡々と展開していく。その静かな語り口が、かえって心地よく感じられた。

    佳乃子さんという存在が鈴さんの役者人生に影響を与え、さらに鈴さんの言葉が一心の人生を彩っていく。そうして過去から未来へと連なっていく流れが美しく、その過程に深く感動した。
    鈴さんの歩んできた歴史、一心の恋や過去、現実だけでなく空想の場面までも織り交ぜながら、これほど読みやすく、綺麗にまとまった作品になっているのは、やはり作者の確かな筆力があってこそだなと。

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    2026年01月10日
  • パーク・ライフ

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    ▪︎パーク・ライフ
    日常の一部を切り取ったかのような、なんの変哲もない生活の中に隠れたストーリーを、男女の絶妙の距離感を表現しつつ、特別にしてくれている感じが好きだった。
    目を開いているのに目の前のものは見えていなくて、別のことを考えている時の解像度が高くて共感した。オチに関しては、私は深い考察をするような思考を持ち合わせてないのだけれど、日常にオチなんてものはないのだから、それでいいのだろう。

    ▪︎flower
    「この世にある花の数だけ、人には感情がある」
    良い言葉だと思った。花をテーマに数多くの複雑な感情や人間模様を描いていて、シリアスな場面とは裏腹に鮮やかな表現にのめり込んでしまった。

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    2026年01月10日
  • 昨日、若者たちは

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    ただ流れていくいろんなものを1個ずつ掴みながら読むような本でした。

    抗えない流れにも空気にも1つずつ意味を見出そうとするのは10〜20代の若者だけではないけれど、そのピュアさや痛さは特有のものなのかもしれない。

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    2026年01月07日
  • パーク・ライフ

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    日比谷公園に集まってくる人々
    人と人との繋がり、取り止めのない会話
    そういったものがなぜかいじらしく愛おしい

    スタバ女(名前がずっと不明)
    主人公を諭したり、達観していたり、
    お姉さん気質っぽく見えるけど
    不思議な感じの雰囲気を纏ってる

    掴みどころがないキャラクターで妙に魅力的
    あとピタサンドとシナモンロール食べたくなりました。

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    2026年01月07日