吉田修一のレビュー一覧

  • 国宝 上 青春篇

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    長編で読み終わる迄時間がかかりました。喜久雄と俊介の仲がどうなるのか気を揉んでいましたが、芸の道に捧げる青春の強さに心惹かれました。

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    2025年12月04日
  • ブランド

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    エッセイ集なのかな。
    どれも数ページで終わるストーリー。
    随所に心に染みわたる表現もあり、ほのぼのした印象だった。
    最初の逆光写真と、NIGHT COLORシリーズが気に入った。

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    2025年10月29日
  • 逃亡小説集

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    解説を読んで、作者は逃亡劇に対する文学作品を得意とするんだなと納得した。

    最初の逃げろ九州男児は、一通を逆走し警官に止められたとき、ふと何もかもどうでもよくなり犯罪歴のない男性が母親を乗せたまま車での逃亡劇。走馬灯のように過去の思い出が蘇るが、逮捕され冷静になるものの、最後はまた逃走で終わる。

    2作目の逃げろ純愛は、教え子と教師のまさに純愛。結果未成年との交際で逮捕されるがその際に押収された交換日記が何とも青々しい。

    3作目、逃げろお嬢さん。あとがきでも述べられている女性芸能人の逃亡劇と、それをドッキリと勘違いした熱烈ファンとの邂逅。
    勘違いもここまで来ると立派と思わせる良作。

    四作目

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    2025年10月28日
  • 東京湾景(新潮文庫)

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    感想
    なんかボヤッとした感じの小説だったな。アンビバレンスな気持ちになる。


    あらすじ
    亮介は品川の倉庫で働いている。たんぱくな性格だが、女性で苦労したことはない。隣に住む同僚の大杉の彼女のゆうこの友達の真理となんとなく付き合っていた。

    亮介はある日、出会い系サイトを通じて涼子という女性と出会う。涼子とは一度会っただけでそれきりだったが、亮介はどうしても涼子のことが忘れられず連絡をとる。

    涼子は、偽名を使って亮介と付き合う。イマイチ本気になれなかったが、亮介に火傷の原因を聞いて亮介のことが好きになる。

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    2025年10月25日
  • 罪名、一万年愛す

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    ドタバタミステリーというカテゴリーはないけれど、なかなかのぶっ飛び展開が面白くてあっという間に読み終わる。
    戦後の浮浪児の話は、ちゃんと知っておきたいと思い、次の一冊は「浮浪児1945-―戦争が生んだ子供たち―」に決まり。

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    2025年10月19日
  • 平成猿蟹合戦図

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    50ページぐらいまで読んで
    人生が変遷する系ね
    ってことは伊坂幸太郎だっけ?
    と表紙に戻って
    吉田修一だったことに驚いた

    最後まで読んでも
    やはり吉田修一というより伊坂幸太郎

    吉田修一はこれまで唯一4以上だったのに
    ここに来て初めての3
    よくできた話だけど、伊坂幸太郎風だから
    やっぱり3

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    2025年10月15日
  • ミス・サンシャイン

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    引退した昭和の大女優の倉庫の片付けのアルバイトをすることになった、大学院生の男の子。元女優の80代のおばあさんと、通いで来るそれよりは少し若いお手伝いさんと、なにとはない会話をしながら、女優の紹介、それから、男の子の恋愛の顛末を。男の子は、一度就職し、心を病んで辞めて、大学院に入り直していた。カフェの女の子を好きになり、結ばれるが、女の子は別れた元彼を忘れられない。ラストは、数年が経って、家庭を持っている彼が、大女優の死を知るという構成。

    女優には同郷の親友があり、むしろ彼女のほうが女優になるべきだったと思っている。二人とも長崎で被爆し、親友のほうはそれが原因で白血病になり、若くして死ぬ。男

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    2025年10月13日
  • ミス・サンシャイン

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    ■ストーリー
    戦後の混乱期に「和楽京子」の名で銀幕に登場し、世界を魅了した女優 石田 鈴。華々しい経歴を残しながらも、今は静かに余生を送る老女。

    その彼女が所有するマンションの一室にぎっしりと置かれた資料の整理役としてアルバイトに訪れた大学院生の岡田一心。

    部屋いっぱいの段ボールを開ける度に蘇る往年のフィルム・手紙・スチール写真。鈴の傍らで長年支え続けた昌子とのやりとりを通じて、次第に鈴の栄光と痛み、愛と喪失の軌跡が浮かび上がっていく。

    やがて、老女と青年のあいだに芽生える静かな心の交流が、過去と現在をつなぐ温かな余韻を生む…。

    ■読みどころ
    この小説の魅力は、なんと言っても「銀幕(映

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    2025年10月08日
  • 怒り (上)

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    殺害現場に残された「怒」という文字。
    特定された容疑者は捕まらず1年が過ぎた頃、素性の分からない3人の人物が現れる。各々に過ごす3人の生活からは怒りの感情は感じられない。この後どうなるのか?
    下巻に期待

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    2025年10月08日
  • 怒り (下)

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    ネタバレ

    3.8
    人を信じられるかがテーマだったのかな。
    刑事の北見を含め4つの物語のうち3つは暗く悲しい結末。こんな終わり方になるとは・・・けど吉田修一の書く話って終盤で唐突に暗くなるの多い気がする。唯一、愛子と田代の話だけ希望が見える終わり方で救われた。

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    2025年10月06日
  • アンジュと頭獅王

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    昔話の安寿と厨子王、好きだったな。
    何でだろう。2人の名前が不思議でカッコよかったからかな。それともお母さんと厨子王に救いがあったからかな。
    久しぶりに見た懐かしいけどちょっと様子の変わった名前と外観。読後、の悲壮感はない。ご都合の良いままで終わる。

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    2025年10月02日
  • 永遠と横道世之介 下

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    〝初”横道世之介
    初めての出会いにして終わり。
    何も知らずに手に取ると私のようになります。
    何も起きていないようで何かが起きている、そんな話だった。

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    2025年10月02日
  • 永遠と横道世之介 上

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    読み終わってから気がついたんだけど、
    これ上下巻あるうちの上巻だった。
    下巻を手に入れなければ。
    特に大きな事件が起きる訳じゃないけど、
    日常のさまざまは他人から見たら
    こんな温度感なんだと思う。

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    2025年10月01日
  • ぼくたちがコロナを知らなかったころ

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    一方は占星術で、一方は神道だし。 狭い路地を歩いている酔客達の半分以上が外国からの観光客 白木の俎板に乗った間人(たいざ)蟹の見事だった事 旨い寿司で一献とか

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    2025年10月19日
  • 横道世之介

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    ネタバレ

    大学進学のために長崎から東京に来た青年が様々な人と関わっていく約1年間の生活を描いた物語。

    この本は2010年の本屋大賞3位となった小説で、読もう読もうと思いながら題名が個人名で何となくピンと来なくて、なかなか読む気になれなかった。

    読んでみると、随所に「フッ!」と笑いたくなるような表現があり、楽しく読むことが出来た。まるで、有川浩氏の小説みたいな。。

    例えば、
    ・主人公が上京する時に、母親に無理やりカバンに入れられた雑巾が、アパートで役立った時に、
     「息子にとって新生活は希望なのだが、母親にしてみれば新生活は雑巾らしい」

    ・友人の家に電話をした時に、その母親が出て長話をすることにな

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    2025年09月23日
  • パーク・ライフ

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    パークライフ
    淡々と進んでいくストーリーで急な展開はない。その穏やかさに包まれていたら、スタバ女の決意に唖然とした。彼女は何を決めたのだろうか。

    スタバが日本上陸したのは1996年、この本が書かれた2002年はスタバは最先端なカフェだったのだろう。猿をペットにしてる人も当時はそんなに多くなかったのかな?終始ちょっと小洒落た雰囲気がある物語だった。

    印象に残ったのは、
    公園のベンチで長い時間ぼんやりしていると風景というものが実は意識的にしか見えないものだということに気づく。
    日比谷公園全体を俯瞰してみると人体胸部図の様に見える。
    という描写だ。私は確実に前者で、よく公園には行くが、公園全体を

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    2025年09月22日
  • パーク・ライフ

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    パーク・ライフ

    いやあ、なかなか謎。
    謎だけど淡々とした特に事件が起こらない日常。
    ぽけーと文字を追うにはちょうど良いような

    ふーん、へえー、って。
    で…どうした?って、感じではあるけど、まあそんなもんか

    表紙の刃物持ったレゴみたいな人が、結局なんだったんだろうか
    ゲームみたいなロゴ
    ゲームの中のようなふわふわした文体

    2話目のflowersは更に謎だった。
    なんだったんだ?

    国宝の方とは思えないほどの、違う世界観だった。すごい振り幅の方だな。

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    2025年09月22日
  • 罪名、一万年愛す

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    3.5 謎解きが始まるまで読むのに苦戦した。後半の回収は日本の忘れてはならない歴史を絡めてくる展開。伏線がなさすぎて、後半の流れは意外ではあった。戦争の記憶は忘れてはならない。男にとっての初恋の重要性も入れ込んで来ている話。

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    2025年09月15日
  • 7月24日通り

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    主人公の女の人の言動から、勝手に作者は女性だと思っていた。
    途中で男性だとわかり、勝手に女性だと決めつけていた自分を笑えた。
    モテない女性の思いが、よくわかると思った
    私は、絶対に振られるとわかっているのに、わざわざ東京まで行こうと思わない!
    自分の住んでいる町を海外の都市になぞって呼んでいるのが、面白いと思った

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    2025年09月15日
  • ミス・サンシャイン

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    ずっと読んでみたかった吉田修一さん。
    テーマ的に重たそう、ボリューム感があり、
    見送っていましたが、新刊で見つけた本書。
    これなら読めるかも!と思い手に取りました。

    大学院生の一心が、
    教授の紹介で、
    伝説の映画女優だった鈴さんの
    自宅の荷物整理を手伝うことに。

    「モノクロの夏に帰る」と拝読してたのですが、
    こちらもなかなか読み進められず。

    一心という名前に対する私の中のイメージと、
    作品のなかでの一心の言動が一致せず。苦笑

    中盤以降は、第二次世界大戦を経験している鈴さんの過去が明らかになっていき、女の友情に思わず泣きそうになりました。
    そして夏が終わるまでに読めて良かったです。

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    2025年09月15日