あらすじ
初恋の女性と結婚した男。がむしゃらに働いて成功するが、夫婦で温泉に出かける前日、妻から離婚を切り出される。幸せにするために頑張ってきたのに、なぜ――表題作ほか、不倫を重ねる元同級生や、親に内緒で初めて外泊する高校生カップルなど、温泉を訪れる五組の男女の心情を細やかにすくいあげる。日常を離れた場所で気づく、本当の気持ち。切なく、あたたかく、ほろ苦い恋愛小説集。
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Posted by ブクログ
温泉行きたいなぁ。
コロナが流行り出してから 何年も行ってないな。
これからだったら紅葉みながらの露天風呂とか
いいなぁ。草津、伊香保、那須塩原…。いいなぁ。
こちら、温泉旅館に泊まる男女5組の恋愛小説です。
初恋の女性と結婚した男性。 突然 妻から離婚したいと告げられる。別れる理由も聞けないまま温泉へ訪れる。
結婚を間近に控えたおしゃべり好きのカップル。義母から「脇役夫婦」と言われる。襖一枚隔てた隣の部屋には 物静かな男女が泊まる。(これ好き)
お互いの配偶者に嘘をつき温泉に泊まりに来たダブル不倫の男女。
初めての1泊旅行に来た高校生カップル。(これ男の子がザ・高校生男子でめちゃ可愛い!【この先ずっと一緒にいたい。星の瞬く露天風呂で、この気持ちがいつかなくなるなんて、いくら考えても想像できなかった】ってさ!てさ!!)
訳ありそうな一人旅の女性に声をかける男。実は男の方が訳ありだった…。(これはラストがゾワッ)
別れ話もイチャイチャも 会話の一つ一つは
今 この世界のどこかしらで こんな会話をしている男女がいるだろうなって内容なのに、その場所が 「温泉旅館」っていうだけで 日常から離れた特別なもののように感じてしまう不思議。終わり方も余韻の残る感じ。あぁ、この2人はお風呂から上がった後、どんな顔でどんな会話するのかな…って。
っていうかあれですよね。
小説の中のセリフでもあったけど
温泉ってなんかエロいよね。
いや、全然そんな話ないけどね。
全てのお話で 男女が泊まる旅館は実在する旅館のようで、気になったところはスマホ検索してみた。
青荷温泉ランプの宿、気になるー。
那須の二期倶楽部は行ける距離だわとおもったら 閉業して星野リゾートが買い取ったらしく 1泊6万6000円もするオサレホテルになってた ( ꒪⌓꒪)うへぇ
温泉で温まりすぎた体が 外の空気にふれて一気に冷えるの気持ちいいよね。
Posted by ブクログ
短篇集。
前日に離婚を告げられた夫婦や、過ちを犯して1人で来た旦那や、不倫旅行や、カップル。合計5編。
最初の初恋温泉と純情温泉が良かった。
特に純情温泉。
吉田さんってこんな高校生の恋愛の話を書くんだと少し意外に思った。まだまだ読み足りないな。
部活でかいた汗や、女子たちのデオトライトや香水の匂いが混ざって、まるで夕方の教室みたいだった。
この表現で一気に学生の頃、夕方教室に残って友達達と過ごした時間を思い出した。
純情温泉、とてもよかったなー。
また読みたい。
Posted by ブクログ
短編集です。かなり好きな作品でした。
表題作は、そのタイトルから想像していた内容とは全く違いました。読み終わった時、なるほどそう来たか、と思いました。
ただの恋愛小説かと思って読んだら良い意味で裏切られます。切なく、ほろ苦さのある味わい深い作品でした。
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「初恋温泉」★★★★☆
「白雪温泉」★★★★★
「ためらいの湯」★★★★☆
「風来温泉」★★★★☆
「純情温泉」★★★★★
純情温泉が一番好き。先に大人になっちゃった女の子。
Posted by ブクログ
内容(「BOOK」データベースより)
初恋の女性と結婚した男。がむしゃらに働いて成功するが、夫婦で温泉に出かける前日、妻から離婚を切り出される。幸せにするために頑張ってきたのに、なぜ―表題作ほか、不倫を重ねる元同級生や、親に内緒で初めて外泊する高校生カップルなど、温泉を訪れる五組の男女の心情を細やかにすくいあげる。日常を離れた場所で気づく、本当の気持ち。切なく、あたたかく、ほろ苦い恋愛小説集。
温泉で見つめなおすか・・・
走りすぎているというか普段気づかないことを気づかせてくれるというのはやはり心にゆとりがないと難しいものなんでしょうね。。。
僕は大丈夫だね!??
Posted by ブクログ
映画的な文章から、柔らかなお湯やしんしんと降る雪の音、ピンと張りつめた空気等々が伝わってきました
どのお話もよかったけど、男女の機微は私にはわからないところもありました(恋愛経験不足)
Posted by ブクログ
温泉に行く男女の物語5篇の短編集。実在の温泉旅館が舞台となっていて、臨場感がありとても楽しめた。特に最後の純情温泉は、甘酸っぱい感じがとてもよかった。
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海外旅行よりも温泉派。温泉旅館の独特な雰囲気と非日常感、そして何より心と身体の底からリラックスできるあの感覚が身体にありありと蘇ってくるような素敵な短編集でした。特に最後の、高校生カップルのお話が甘酸っぱくて懐かしくて、素敵でした。
Posted by ブクログ
テンポの良い5つの話から出来ている短編集。
それぞれの登場人物が温泉に対して違った見方や考え方が展開されており、温泉ひとつでこんなにも違うのかと最後まで読んでわかりました。
個人的には2話目が好きです。
Posted by ブクログ
4.0 吉田修一は、男女の関係の変化や心情を描くのがうまいね。最初と最後の話が好き。男女の考えることは、同じ場所、同じ風景の中でも違っている。
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温泉旅館を舞台とした短編集。
どの作品も時間がゆったり流れるような綴り方で、大きな起承転結もない。小さな出来事や会話から登場人物の心や人生を示唆する展開。読者によって読み取るものも違ってくるかもしれない。そんな小説の醍醐味が詰まっている。
壮大な作品が好きな方には向かないため、賛否が分かれそう。(私は好み。)
Posted by ブクログ
白雪温泉を読んでください。
もう、ダントツでこのお話にキュウっとなりました。『ここに来て、よかった』と思う主人公のくだりがたまらなかったです。
私は結婚披露宴というものを行わなかったけれども、もしも開催していたら、このお話を、どこかにこっそりはさみたいなと思ってしまいました。
Posted by ブクログ
「阪急電車」に続けて読んだ、土地めぐり小説。
温泉好きなことも手伝って、楽しく読めました。
温泉って物語があるなあ、ぬくもりがあるなあと思いながら
どこかへ浸かりに行きたくなりました。
お風呂のほわっとした暖かさは、いつだって心と身体を解きほぐして、ゆるゆると寛がせてくれるのです。
Posted by ブクログ
吉田修一さんらしい、リアルな感情描写。
温泉の情景も、緻密で美しい。
人生のほんの一瞬を切り取ったような短編集で、起承転結があるわけではないが、心に残る。
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温泉を舞台にした5つのストーリー。男性主人公の心情を読むたびに、これは吉田修一の体験を元にしたエピソードなのではないか?と想像してしまう。恋愛をテーマとした作品としては、最後の純情温泉が好きです。
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短編集自体があまり好きじゃないから評価低めだけど、最後の17歳カップルの話はすごい心に響いた
一緒に温泉に入って彼氏が彼女のことを心の底から全てが愛おしく、この気持ちが変わることを全く想像できないみたいことを思う内容なんだけどこういう感情って素敵だなーっ、
長いこと誰かのことをこんな風に思うことも思われることもないなーって思って切ない気持ちになった
あと保険の営業の人とその妻の話もこの2人の話の対象的な内容として描かれてたけどどちらも切ない
温泉に行く話が続くから無性に温泉に行きたくなる
Posted by ブクログ
久々の吉田修一さん。
温泉宿で読んだからかとてもドンピシャ。
実在する温泉地をモチーフに描かれる人間模様は、温泉に求める何かがあるからこそ湧いてくる感情や言葉。
久々に吉田修一さんの作品読んだけれど、やっぱり好きだな。
5つの短編はどれも最高に面白かった。
Posted by ブクログ
夏休みなのにコロナ禍でどこにも行けないし、せめて気分だけでも温泉に…と思って手に取った一冊。
日本の温泉旅館の何とも言えない良さを味わえる。
温泉に旅行に訪れた男女の恋愛模様というテーマもいい。「白雪温泉」の夫婦みたいな関係は素敵だなぁと思うし、上手くいかない夫婦にはそれなりの理由があるんだなぁと思ったし、最後の「純情温泉」はまさに青春だなぁと眩しい気持ちで読んだ。
一つ一つのお話が短く読みやすく、気軽な読書に向いている一冊です。
Posted by ブクログ
温泉に訪れるカップルの5短編集。実際の温泉宿をモデルにしているのが、想像力を掻き立てられる。表題作の『初恋温泉』が一番好き。謎めいたところもあるけど、トキメキとほろ苦さのバランスがよい。『白雪温泉』も好き。舞台の青荷温泉は知人が行った話を聞いたのでイメージしやすい。『ためらいの湯』『風来温泉』は主人公の男性が好きじゃないからイマイチ。『純情温泉』は、ほのぼの系だけど、高校生のカップルが親に内緒で温泉に泊まりに行くという設定が嫌だ。物語は好き嫌いわかれたけど、温泉と恋愛の組み合わせは雰囲気があって素敵。
Posted by ブクログ
温泉の持つ雰囲気とうまくマッチした短編集でした。
とても言葉にするのは難しいですが、暖かさや暗さそして日常と非日常の中間のちょうど良い所をうまく恋愛に転換していて、引き込まれてしまいました。
Posted by ブクログ
温泉を舞台にした連作短編集。
「怒り」や「太陽は動かない」と言う重厚な作品のイメージが強かったが、今作は全然作風の違う作品が読める。
温泉に行く直前に離婚を切り出された夫婦、不倫カップルなど、温泉に行く人の関係性も様々。
特に盛り上がる部分がある訳ではないが、個人的には高校生カップルが初めて温泉に行く「純情温泉」が好き。もう一度、こんな純粋な恋が出来たらなぁ。
吉田修一の恋愛作品もなかなかイケる!と思った一冊。
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実在する温泉宿を舞台にした短編で、思わずネットで宿を検索して想像しながら読んでしまった。
どの宿も行ってみたくなったけど、青森の青荷温泉は描写も細かかったから尚更検証したくなった。
Posted by ブクログ
恋愛小説集、なのかな?と思いつつ。
温泉には話しに行くのか。なるほど、と思った。確かにテレビを見るのもなんか違うし、家事はしなくていいから時間はあるし。そういう事だったのね。
Posted by ブクログ
内容(「BOOK」データベースより)
初恋の女性と結婚した男。がむしゃらに働いて成功するが、夫婦で温泉に出かける前日、妻から離婚を切り出される。幸せにするために頑張ってきたのに、なぜ―表題作ほか、不倫を重ねる元同級生や、親に内緒で初めて外泊する高校生カップルなど、温泉を訪れる五組の男女の心情を細やかにすくいあげる。日常を離れた場所で気づく、本当の気持ち。切なく、あたたかく、ほろ苦い恋愛小説集。
男女の機微は年々分からなくなってきて、最近では恋愛ものを読んでも「まー若い子はいいわねー!」とわくわくキュンキュンしたくて読むことが多いのですが、この本は行間に含みが有って、シチュエーションの数%は自分の過去の恋愛と重なる部分があるので、ぼんやりと昔感じていたやるせない気持ちや、やたらと盛り上がったハイテンションな気持ちが心の奥でちくちくと動くような感じでした。
Posted by ブクログ
彼は一人坊っちになった。己れに足りて人に待つ事なき呑気な一人坊っちではない。同情に餓え、人間に渇して遣瀬なき一人坊っちである。中野君は病気と云う。われも病気と思う。