吉田修一のレビュー一覧

  • 湖の女たち(新潮文庫)

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    2025.09.15

    …なんとも言えない読後感。
    これはなんというジャンルの小説なのか。
    途中まで事件を追っていたのに、佳代のように急に湖から落ちたように終わってしまった感じ。
    結局、圭介は何がしたかったのか??佳代との関係は何?ただのドS?
    圭介が探偵役になるかと思いきやそうではなかった。だからミステリではない。
    結局、犯人はふんわりと。人体実験、満州うんぬんは実はストーリーにあんまり関係ないというか…伏線回収かと思いきや…もやもや。
    珍しく解説もきちんと読んでしまった。

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    2025年09月15日
  • 横道世之介

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    上京した世之介の一年を描いた作品。

    何か、特別な物語があるかというと、日常系といえるのだけど、地方から上京した大学生が過ごす一年がいきいきと描かれている。
    ある時期の大学生って、こんな生活してたよなあ、と懐かしく感じました。

    そんな中で、平凡だけど、憎めない世之介と関わった人たちの回想がときどき挿入される。彼らは、世之介との日々を懐かしむ。

    そのことで、読者もまた、現役の青春物語というよりは、過ぎ去ってしまった青春物語として本作を読み、そこに郷愁を感じるのかも知れません。

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    2025年09月14日
  • ミス・サンシャイン

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    著者の作品で描かれる、人間模様が魅力的で、
    楽しみにしてページをめくったこちら。
    物語の主人公、大きく年が離れた老女と青年。
    苦難を乗り越え強く生きてきた鈴さんと、彼女に魅了されていく一心。
    2人の心のつながりが、読んでるこちらにじんわり伝わる。鈴さんの存在が、その後の一心の支えとなり続ける所に、縁の尊さを強く感じる。
    ところが私が印象的だったところは、
    一心と桃ちゃんのくだり。
    味のついていない水が苦手な桃ちゃん。
    「だって、普通の水って、薬飲んでるみたいなんだもん」
    それに対して何も言えない一心。
    自分が水が好きなこと。人生の最後に口にしたいものは何かと聞かれたら、一杯の冷えた水がいいと思

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    2025年09月14日
  • 横道世之介

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    懐かしい昭和の学生時代を思い出した。
    AI、スマホ情報化で便利な世の中になったけど、あの頃を振り返ると時間がゆっくり流れていたなぁ…と。
    世之介がそう感じさせるのかも。
    引き続き、2部、3部作品へと読んでいきたい。

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    2025年09月12日
  • ミス・サンシャイン

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    3.5かな
    これは本当に私の感想
    「国宝」の後だったのでとにかくパンチが足りなかった
    ラストは清々しく0.5上昇
    それまでは既視感、既読感が大きかった

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    2025年09月05日
  • 横道世之介

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    ネタバレ

    小説「悪人」のあの主人公(祐一)と世之介は、根っこはきっと同じなんだよな。
    ただ、何かものごとに対して無理がないだけで。

    何かを良くするも悪くするも自分次第(?)。
    あとは、少しの運…
    いや、だいぶ運がよい、欲がないからかね。

    周りがおもう方へ自から流れて行く。
    その時人は、自分を信頼してくれている人を知り。
    世之介の真剣さに幸せな自分を見るのかも。

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    2025年09月02日
  • パーク・ライフ

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    ふわっともわっといい感じで読めたし、日常のどこにでもあるふうな風景の中で、人の日常を面白く覗かせてもらったような。
    けれど、そこから何を読み取るのか?だと言われると私には、よくわからなかったぁー。

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    2025年09月01日
  • ミス・サンシャイン

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    後半までなかなか読み進めにくかった。
    後半は鈴さんと一心のプラトニックで
    心の大切な傷を分かち合っていた。

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    2025年09月01日
  • 永遠と横道世之介 上

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     評価が高かったので読んでみましたが、私の趣向には合いませんでした。100ページまでは、きちんと読んでいたのですが、後は流し読みになってしまいました。
     ラストの世之介と南郷のやり取りは、心に残りました。

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    2025年08月31日
  • パレード

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    ネタバレ

    このままだらっと何ともない生活が淡々と続いていくのかなあなんて呑気な気分で読み進めていたら、最終章で突き放された。
    書いてある言葉の意味は分かるけれど、全然意味が分からなくて、戸惑いながら読み進めた。
    人の多面性って侮れないですよね...と再認識させられた。
    みんな平凡だしみんなやばいやつ(なんとなく、吉田修一の根底には一貫してこれがある気がする)。

    以下備忘
    すごくタイムリーな(8日前に神戸で起きた、エレベーターで乗り合わせた男性に若い女性が刺殺された事件を連想するような)結末で、今読んでてラッキーだった。
    病院の待合室で、まさにその事件がニュース番組で取り上げられているのを横目に見ながら

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    2025年08月29日
  • パーク・ライフ

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    中編2編。
    どちらも女性が謎すぎる。

    パークライフ
    馴染みのある日比谷公園が舞台だったこともあり、すんなり入れたのだが、この女性は理解できなかった…
    微妙な距離、というより、なんかふわふわして現実感が無い印象。
    今度日比谷公園に行ったら、この人や気球を揚げる老人を探してしまいそう…

    flower
    元旦氏も謎だが、奥さんが普通なようでいて…

    「国宝」を観る前にもう1冊くらい氏の著作を読んでおきたい。

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    2025年08月28日
  • 罪名、一万年愛す

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    ネタバレ

    もっと陰鬱なものを書く作者という印象だった(が、実はほとんど読んだことがなかった)ので、序盤の軽妙でポップでロックなノリになんだ読みやすいじゃんと思いっきり油断させられたところ、突然の戦後要素をねじ込まれてそこまで乗り切れなかった。初出が新聞連載小説だったということで、読みやすさにも乗り切れなさにも納得はいく。しかしいつ見ても顔面のいい作者だなあ。

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    2025年08月28日
  • ミス・サンシャイン

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    「国宝」の記録的ヒットで、周りに吉田修一を読み始めた人が多い。うれしいような寂しいような。
    家族がみんな吉田作品あれこれ読んでるので、悔しくて私も未読の吉田作品を読むみたくなった笑

    「国宝」や「悪人」と比べると肩の力が入ってない軽めの小説なので、ちょっと物足りないけど、まあ、楽しく読めた。

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    2025年08月26日
  • 怒り (下)

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    信じたい、けれど信じ切ることができない。
    愛子も洋平も、優馬も、北見も。
    はがゆさに、読んでいて息苦しくなる。

    辰哉は信じたいと願った相手から、裏切られた。
    それが「怒り」なのか。
    騙された、裏切られた、そうやって誰かのせいにしている人間を、「怒り」は捕える。

    洋平は言った。
    「でもな、田代、ああいう奴らにつけこまれるのは、自分に自信がない人間だからなんだよ。それを知っててああいう奴らはつけこんでくるんだよ。」
    『ああいう奴ら』を「怒り」に置き換えて読むことができる。

    誰かを信じることと、自分を信じること。
    誰かを信じられないということは、信じたいと願う自分自身を裏切ってしまうことだ。

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    2025年08月25日
  • パレード

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    ネタバレ

    第5章でびっくり。通り魔のこと完全に忘れてた。
    直樹がいきなり女性殴り始めて、どういうことや!と思ったら、そういうことか。
    最後の章読むまでは、直樹はあんまり特徴なくて何書かれるんかなぁと思ったらびっくりしたよ。

    琴ちゃんはやっぱり子供堕したのかなぁ。俳優の母の存在に勝てなかったのかなぁ。
    亮介は結局浮気してたしなぁ。
    みんな好きになりきれないけど、嫌いにもなりきれなかった。、

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    2025年08月10日
  • 罪名、一万年愛す

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    ネタバレ

    孤島で一族が集った翌日、主催者が失踪…とミステリのような展開だが、どこか現実離れした展開で、どことなく軽さと胡散臭さが漂う。
    セリフが「」書きでないのが慣れず、読みづらかった。

    戦争孤児という実際にあったであろう社会問題を扱っており、そのあたりは興味深く読めたが、後半の宝石の話や冷凍人間といったSF要素はいまいちしっくりこなかった。
    急にSF展開になって、ん?何これ?という感じで終わってしまって自分の中でいまいち消化しきれなかった。

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    2025年08月10日
  • パーク・ライフ

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    ネタバレ

    100pの短編小説。
    読後感も悪くないし、ふわっとした感じなのだが、一つ一つの要素が重なって一般的ではない。夫婦の留守を守りながらサルの世話をするとか、公園内で偶然あった女性と昼休みに何度も会う様になるとか、母がアパートに泊まりに来ているが、自分はそこでは暮らしていないとか。
    そういうのが何個も重なっているので嘘くさく感じてしまう部分もあった。

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    2025年08月09日
  • パーク・ライフ

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    「国宝」の著者の他作品を読みたくて適当に購入。
     芥川賞受賞作とおびにあったから吉田修一氏の初期の作品なのかな。
     構成が匠というか、奇をてらったというか、不思議な構成。
     いえ、読み手の自分が慣れていないだけでしょう。
     読後には構成が素晴らしいなと思った。章別に無造作に出てきた人々がそれなりに何らかの線で繋がっていた。いや、無造作と思わせるところに才能や苦心がつめられているのかも。ホントに無造作にこういう構成が出来るのならそれが才能なのかもしれないけれど。この小説は好きになれない。知ってる世界とあまりにも遠くて「そうなんだ」としか感想が書けない。
     そして、なさけなくなる。みじめにさえも。

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    2025年08月08日
  • 罪名、一万年愛す

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    一代で財産を築き上げた老人がパーティーのさ中孤島から失踪し~で始まる作品。

    展開は現実味にかけているし、登場人物のキャラが薄く、今一つ入り込めないなあと感じ始めたら、終盤、一気に読ませる展開になってくる。

    かなり、重いテーマを扱っているために敢えて軽めの作風にしているのかもしれない。

    日本に戦争があって被害にあった無名の人々に光をあてた作品。

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    2025年08月08日
  • ミス・サンシャイン

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    物語として大きく何かが起こるわけではなく、1人の女性の人生を振り返っていく感じだが、静かにぐっとくるものがある。ちょっとその恋バナはいらんなぁと思うとこもあったけど、読み終わるとじわっと心に広がる。

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    2025年08月08日