吉田修一のレビュー一覧

  • 横道世之介

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    大学生世之介と関わった人達が20年後にそっと思い出す「そういえば、世之介って奴がいたなぁ」。
    "世之介と出会った人生と出会わなかった人生、きっと何も変わらない。でも、青春時代に彼と出会った自分はなんだか凄く得をした気がする"そんな人物。
    終盤には思わず嗚咽した箇所も…温かい作品でした。

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    2026年08月16日
  • 永遠と横道世之介 下

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    横道世之介は世話好きで大好きな人を心から愛し、彼女が亡くなってもずっと愛し続ける情が深い男。普通の生活の中で起こる様々が大切で、愛おしいと思わせてくれる物語。読み終えると、自分の人生の中の他愛ない会話や笑い合える仲間や家族を大事にしたくなる自分がいた。普通って、こんなに素晴らしいのだと叫びたい。

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    2026年08月15日
  • タイム・アフター・タイム

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    オッソーと久遠、この二人だったからこそ、手に入れることのできた景色があったのだと思う。

    読みながら、いろいろな感情の涙が出た。悲しいだけでも、嬉しいだけでもない。登場人物たちが過ごした時間、越えてきた時間を一緒に歩いてきたからこそ湧いてくるような涙だった。

    情景描写が鮮やかで、人物の心理も細やかに描かれている。景色そのものだけではなく、そこにいる人の感情まで色を持って見えてくるようだった。文字を追っているはずなのに、物語の中に自分も登場人物の一人として参加しているような没入感がある。

    だからこそ、「うんうん、そうだよな」「分かるよ」と、何度も心の中で登場人物たちに頷きながら読んでいた。

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    2026年08月15日
  • タイム・アフター・タイム

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    個人的には著者が同じ国宝より好き。
    映画を観ていないけど、国宝は映像が伴って良さがより際立つ作品じゃないかと思う。

    で、こちらの作品は、日経に連載されている小説だった。
    日経を購読しているので連載を読めば読めたけど、この作品に関して言えば1冊を一気読みした方がいいように思った。

    舞台は、東京、長崎、沖縄。
    登場人物はいずれもワケあり。
    ベースは高校生の恋愛話なんだけど、話は単純ではない。
    そして、20年経ってもその2人にも、高校時代にかかわった人たちにもなんかワケがある。
    そんな描写が結構引き込んでくれて、500ページ以上あるのに1日で読んだ。
    オッソーと久遠のその後を知りたくなった。

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    2026年08月15日
  • ミス・サンシャイン

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    吉田修一さんの愛と喪失を描いた物語。
    恋愛小説であり、戦争小説でもありました。
    主人公・一心の日常と、伝説の映画女優だった和楽京子こと鈴さんの人生がリンクして描かれており、『国宝』と似た描き方だと感じました。
    戦後、鈴さんの女優人生は、成功に満ちた鮮かな人生に見えますが、その裏には被爆者であることを揶揄されたり、親友の存在が心の傷として残っていることが明らかとなります。
    鈴さんが佳乃子さんを長崎港に連れ出し、海に向かって叫ぶシーンは、胸が引き裂かれそうになりました。
    鈴さんが佳乃子さんのことを語ると、彼女が影になってしまうという言葉が重く響き、佳乃子さんの人生も引き受けた鈴さんの覚悟に、戦争を

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    2026年08月15日
  • おかえり横道世之介

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    大学卒業後、バイトとパチンコで食いつなぐ世之介の「人生のダメな時期」を描いた物語。

    計算のない善良さと心の余白があったからこそ、彼に関わった人の心に深く響き、世之介が亮太に与えたものはとてつもなく大きかった。

    上手くいかない時期も人生の豊かな一部なんだと、心をふっと軽くしてくれる大切な教訓を教えてもらいました。

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    2026年08月15日
  • 国宝 下 花道篇

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    賑やかで危なっかしい上巻とは異なり、下巻は確固たる地盤が築かれ、登り詰めていく日々が続く。とはいえ、幸運が舞い込んでも下り坂を転がったり、災難が降りかかってもその姿が賞賛されたり、結局のところプラスとマイナスを全部足し合わせると人生は皆同じかと思ったりもした。俊介の死後、どのように話が展開するのかと思ったが…、こういう終わり方か〜。俊介を失った喜久雄は、愛する歌舞伎を手放さず自分を失った。そんな終わりも、物悲しいようで、これ以上ない幸福のようで。数奇で儚く、美しい一人の人生を見届けて、深い余韻の中にいる。

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    2026年08月14日
  • 永遠と横道世之介 下

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    世之介、世之介。二千花、あけみ、世之介家族やそれぞれの家族。カメラマン仲間、下宿などの優しくもその歴史など、この一員になりたい。シリーズラストだが「永遠と」だけ読んでも大満足!この優しい永遠と世之介の世界観を是非体験してほしい

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    2026年08月14日
  • 国宝 下 花道篇

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    ネタバレ

    上下巻どちらも引き込まれて、冗長と感じる要素が無い数少ない傑作。映画は観なくとも、映像美が脳裏に映し出されるのは、仔細な表現だからこそ。歌舞伎や歴史に疎い自分にも分かりやすく、ストーリーと演目が重なる仕立てであるが故、感情移入もし易く、より深く知りたい、観たいとさせる。単なる血筋を呪うような安い話しではなく、人が業を極めるとは如何な事か、そしてそれを一観客として求めると言う事の残酷さと儚さ。役者が何故突然死してしまうのか、ブラウン管を通して観ていた私としては勿体無い、何故?という感情しかなかったが、この作品を読み、完璧では無いが、自分で幕引きをするタイミングが決まったのかということを少しだけ理

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    2026年08月14日
  • タイム・アフター・タイム

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    何だこの小説は。めちゃめちゃ最高じゃないか。何なんだ、この青すぎて濃厚な青春は。大なり小なり誰にでもある青春の思い出に重ね、自身の青い時代も思い出す。そして誰しもが若き日の経験を経て今に至る。好きになればなるほど、一緒にいればいるほど、自分たちの居場所がなくなっていく。実にうまい表現だなぁと思った。それでも思う、当時その子を好きになって本当に良かったと。

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    2026年08月14日
  • 国宝 上 青春篇

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    上巻を読み終わった今の段階でこの感想を書くか迷うところだけど…面白い!さすが、映画が大流行りしていただけはある。主人公がまさかそんな出自とは思いもしなかった。物語は青春篇、華やかな時代が流れて、立場が何度も逆転してようやく再会したところ。生まれ、環境、努力、天才、執念。これからどうなるのか。結局血なのか?歳は取るほど親に似てくるからなぁ。それが血の怖さと汚さ。早く下巻を読みたい!(気になるのは、結局、あの日のことは言わなかった…のか…な?)

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    2026年08月12日
  • タイム・アフター・タイム

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     ああ、なんて愛おしい物語なんだろう。これほどエモい小説があっただろうか。

     誰しも思い出しただけで、キュッと胸が苦しくなるような思い出があると思う。あの頃に戻りたいわけじゃないけれど、ずっと大切に取っておきたい。そんな思い出。

     そんな自分の中の青春をそのまま描いてくれるのがこの小説だ。読んでいる間中ずっとその大切だった時間にタイムスリップしたような感覚でいられた。

     オッソー(尾崎)と久遠は偶然再会するところから物語は始まる。この2人は高校の同級生で、恋人だった。

     内容には敢えて触れないでおきたい。これから読む人のためでもあるし、内容には関係なく感情優先の物語だと思うから。

     

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    2026年08月12日
  • 国宝 下 花道篇

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    喜久雄、俊介、その周囲を人々の生き様を描く表現力が素晴らしい作品だと思いました。

    歌舞伎に掛ける二人の人生に感動以外の言葉が出て来ません。
    夢を追う姿勢が学ぶものしかありません。

    作中で、演じる歌舞伎と喜久雄、俊介の人生が重ねられてるんだろうなと思うと、
    古典に詳しい人の方が作品の解像度が高いんだろうなと思う。
    自身の教養の足りなさが悔やまれます。

    どうすれば、このような表現が出来るのか、
    作者が作品に掛けた熱量が凄いと思いました。

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    2026年08月12日
  • タイム・アフター・タイム

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    建設会社に勤める尾崎颯。同じプロジェクトの担当者として高校の同級生だった久遠愛と再会するが、建築家のデザイン盗用疑惑によって計画は暗転。さらに尾崎の家庭にはスキャンダルが迫り…。

    いくつものエピソードが時系列を無視して語られる形式なのに、まったく戸惑うことなくスラスラ読めるのは、吉田修一の筆力の賜物なのだろう。登場人物のキャラがしっかり立っていて、物語の展開に無理がない。そう遠くないうちに映像化されるに違いない傑作だった。
    (A)

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    2026年08月11日
  • タイム・アフター・タイム

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    読み終わった瞬間、温かい涙があふれ出て
    止まらなくなりました…
    心がいちばん柔らかい場所に
    優しく触れられたような
    切なくも美しい余韻に包まれています♡

     

    初めて目にした時から
    相手のことばかりを考えてしまう初恋の戸惑い
    ふたりで並んで歩くだけで感じる胸の高鳴り…

    『オッソー…』
    『久遠…』

    お互いの名前を呼び合うだけで
    ドキドキしちゃいました♡

     

    登場人物たちの心の揺れや傷
    そして誰かを愛おしく想う純粋な気持ち…

    過ぎ去っていった時間と
    今生きているこの瞬間が
    ふっと重なり合うところで
    気づけば涙が頬を伝っていました

     

    澄み渡る空と海のような
    グラデーションが美しい青

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    2026年08月11日
  • タイム・アフター・タイム

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    こんな言葉で表すとチープになってしまう気がしますが、胸きゅん です。
    吉田修一さんは情景を想像させる表現が素晴らしいと思います。時と場面が変わっても、すぐに脳内の風景が切り替わります。
    込み上げてくるものがある、眩しいお話でした。

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    2026年08月11日
  • タイム・アフター・タイム

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    国宝と赴き変わり、淡々とした若い恋人の日常。登場人物がみんな魅力的で、テンポの良い文章に沖縄の青い海と空が浮かび上がり、なんだか、こちらまで胸が熱くなる。「自由ってのは恐怖心がないこと」25年前のパークライフも何かが起こりそうで何も起きない日常をおしゃれな文章で淡々と描いていて、雰囲気は似てるが厚みが増したかな。

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    2026年08月10日
  • タイム・アフター・タイム

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    ネタバレ

    建設会社に勤める尾崎は大雨の日、タクシーを奪い合う形で高校の同級生である久遠に再会する。久遠は広告代理店に勤めており、尾崎のたちの建設会社とともに美術館建設プロジェクトに携わることとなる。時を同じくして、編集者である尾崎の妻は取材相手であるjリーガーと不倫しており、話し合いの末に離婚することとなる。久遠も数年前に流産をしてとり、パートナーとは離婚していた。そんなことも相まってか、高校時代のように2人は仲のいい関係に戻ってゆく。大人になった2人の話と高校時代の2人の話が交互にあり、2人の人生を追体験しているようだった。高校時代の尾崎は母親に育てられていたが、その母親が県議会議員とドライブ中に交通

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    2026年08月10日
  • タイム・アフター・タイム

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    こんなにも切なくて愛おしい、そして苦しくて悩ましい愛の物語は読んだことがない。なんども胸が苦しくなるような思いをしました。かといって、この主人公たちのような経験はしたことがない。でも、なぜか共感できてしまうオッソーと久遠の気持ちが苦しいほど、バチバチ伝わってきました。

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    2026年08月10日
  • タイム・アフター・タイム

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    ネタバレ

    純愛小説だった。
    はっきりしないエンドは好みではないと思っていたけれど、この小説を読んで考えが変わった。
    夏に読むのがおすすめ。海を見に行きたくなる。


    恋愛小説は多いけれど、ここまでストレートな純愛を描いた小説は案外読むことがなかったので、逆に新鮮だった。
    ストレートすぎて、大人だけど泣けるのかなと途中不安になったけれど、心配無用だった。
    何かある結末だと現実感が薄れる気がするし、何もない結末だと期待感が薄れる気がするから、我儘にも着地点が描かれていなくて良かったと思った。
    久しぶりに読み返したいと思える綺麗な小説に出会った。


    「冷静じゃない時の気持ちが、本当の気持ちなんですよ、きっと

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    2026年08月08日