吉田修一のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
吉田修一の鷹野一彦シリーズの第3作目。(2018年5月単行本、2020年8月文庫本)。
2作目の「森は知っている」の17歳の鷹野一彦が3作目で34歳になっていた。1作目の「太陽は動かない」の時は31歳だから、順番が違っているように見えるが、この順番で物語を追うのが正解。
「太陽は動かない」での田岡亮一、デイビッド キム、AYAKO、中尊寺信孝も今作でも主要人物として登場する。そして「森は知っている」で失踪した鷹野の親友の柳勇次も。
鷹野の部下の田岡は立派なエージェントに成長、韓国のエージェントのデイビッドは引退していたのに引き戻される。AYAKOは相変わらず敵か味方かわからない動きをするが結局 -
Posted by ブクログ
吉田修一の鷹野一彦シリーズの第2作目。(2015年4月単行本、2017年8月文庫本)。
第1作目の「太陽は動かない」の主人公、鷹野一彦がエージェントへ訓練されていく17歳高校3年生時代の物語。同時に上司の風間武が記者からAN通信のエージェントになる背景も明かされ、鷹野と風間の強い絆も描かれる。
鷹野と同じ境遇の親友の柳と共に沖縄の離島で高校生活を送りながら訓練を受けていたが、柳が突然姿を消す。逃亡したと思われたが、姿を消した背景にどんでん返しの結末が待っていて、これは面白い。
鷹野のエージェントとしてのテストを兼ねた初ミッションの仕事ぶりが「太陽は動かない」での31歳の円熟した優秀なエージェン -
Posted by ブクログ
つい先日まで波瑠さん主演でドラマをやっていたことと、
台湾新幹線(台湾エクスプレス)の話とのことで、手に取ってみました。
大枠では、台湾新幹線を横糸として、そこに、
4組の男女の物語が縦糸として、彩をあたえていく流れ。
台湾には未だに行ったことがないのですが、風景、人々、食べ物、文化が、
本当に目の前に浮かんでくるようでした、、ドラマのおかげなのかもですが。
1組目は、学生時代に台湾で出会った、台湾人の男性と日本人の女性、
阪神大震災、台湾大震災を経て、台湾と東京でそれぞれの「路」が交差します。
彼らが生きてきた世代は、まんま自分とも重なっていることもあり、共感も一入でした。
2組目 -
Posted by ブクログ
吉田修一初期の作品、ということで文学的な香りが漂う3作品。この人の文章何というかかっこいいんだよなぁ。語弊があるかもだけど、男性的で且つキザっぽい。でもそこが最高にかっこよくて憧れちゃう。
部活ものは心に響いちゃうなぁ。『Water』のアオハル真っ只中の物語は心が爽やかになるし、でも同時に中心人物4名には秘密で後ろめたい暗い側面があって、そのコントラストが意外にもライトで表裏というか全く同じ方向から眺めているのに不意に影が覗くみたいな二面性的な表現方法で、今どっち側の話題だっけみたいに迷っちゃう。
何はともあれ愛おしい小説です。
その他二作品、もう少しアダルトなでもフラジールな世界観で、と -
Posted by ブクログ
ネタバレ展開が面白すぎて途中から陳腐な終わりを迎えたらどうしよう、期待し過ぎてがっかりするのではと心配になりました。
が、無駄な心配でした!!
さすが吉田修一さん!
想像を越える展開のまま終わりますので安心して読んでください。
主人公の壮絶な人生とは比べ物にならない陳腐な人生ですが、下記のメッセージは主人公と同じように共感して心に残りました。
辛くて逃げたくなる日があっても、
一日だけ耐えて逃げずに生きる。
それを繰り返してこれからも頑張ろうと思いました。
-------本文抜粋------------------
生きるのが苦しいんなら、いつ死んだっていい!
でも考えてくれ!
今日死のうが、 -
-
Posted by ブクログ
これ週刊文春で連載してたのー!? それでこの内容!?と衝撃を受けた。リアルタイムで読みたかった。けどそれだと一気読みができないからな…。
最終章はまさかの設定で、村田沙耶香の『消滅世界』(違和感ありでイマイチだった)を思い出したが、こちらは同じくSFのような設定ながら違和感なくストーリーに入り込めた。
私の勝手な感想だと、吉田修一って角田光代を男っぽくしたような印象。淡々とした描写で人間の心情をあぶり出し、日常と事件との境界線をあいまいにさせる。
ちなみに、登場人物の多さを指摘する感想も見られたが、白石一文のアレを読んだところだったので、それに比べれば問題なし! でした。