吉田修一のレビュー一覧
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購入済み
シェアハウスの内情
昨今シェアハウスをしてる人が増えている中、それぞれの暮らしの日常を、部屋の上から見ている感覚で読めました。人には必ず影がある。しかしシェアハウスと言う空間の中では、自分の意思ではなく、自然と別人格を演じる事になる可能性を感じる作品でした。ラストは衝撃的な展開です。
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凄いです
とにかく凄い小説です。
私は不勉強でこの作家さんを知りませんでしたが、これから1作ずつ読んでいこうと思います。
場違いですみませんが映画も凄かったです。
映画のラストシーン、泉(広瀬すずさん)の目付きが変わるところは、小説にしかないその後の行動を予感させるものでしたが、映画と小説で描き方が変わっても同じメッセージは伝わります。
感想言うとキリが無いですが、小説のラスト、辰哉の手紙で物語が終わりを迎えた感じがしました。
そしてこれからこの人たちの人生と闘いは続いていく、その予感はそのまま本を読んだ読者にもはね返ってくるのではないでしょうか。
文学って凄いなと改めて実感しました。 -
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吉田修一の鷹野一彦シリーズの第3作目。(2018年5月単行本、2020年8月文庫本)。
2作目の「森は知っている」の17歳の鷹野一彦が3作目で34歳になっていた。1作目の「太陽は動かない」の時は31歳だから、順番が違っているように見えるが、この順番で物語を追うのが正解。
「太陽は動かない」での田岡亮一、デイビッド キム、AYAKO、中尊寺信孝も今作でも主要人物として登場する。そして「森は知っている」で失踪した鷹野の親友の柳勇次も。
鷹野の部下の田岡は立派なエージェントに成長、韓国のエージェントのデイビッドは引退していたのに引き戻される。AYAKOは相変わらず敵か味方かわからない動きをするが結局 -
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吉田修一の鷹野一彦シリーズの第2作目。(2015年4月単行本、2017年8月文庫本)。
第1作目の「太陽は動かない」の主人公、鷹野一彦がエージェントへ訓練されていく17歳高校3年生時代の物語。同時に上司の風間武が記者からAN通信のエージェントになる背景も明かされ、鷹野と風間の強い絆も描かれる。
鷹野と同じ境遇の親友の柳と共に沖縄の離島で高校生活を送りながら訓練を受けていたが、柳が突然姿を消す。逃亡したと思われたが、姿を消した背景にどんでん返しの結末が待っていて、これは面白い。
鷹野のエージェントとしてのテストを兼ねた初ミッションの仕事ぶりが「太陽は動かない」での31歳の円熟した優秀なエージェン -
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つい先日まで波瑠さん主演でドラマをやっていたことと、
台湾新幹線(台湾エクスプレス)の話とのことで、手に取ってみました。
大枠では、台湾新幹線を横糸として、そこに、
4組の男女の物語が縦糸として、彩をあたえていく流れ。
台湾には未だに行ったことがないのですが、風景、人々、食べ物、文化が、
本当に目の前に浮かんでくるようでした、、ドラマのおかげなのかもですが。
1組目は、学生時代に台湾で出会った、台湾人の男性と日本人の女性、
阪神大震災、台湾大震災を経て、台湾と東京でそれぞれの「路」が交差します。
彼らが生きてきた世代は、まんま自分とも重なっていることもあり、共感も一入でした。
2組目 -
Posted by ブクログ
吉田修一初期の作品、ということで文学的な香りが漂う3作品。この人の文章何というかかっこいいんだよなぁ。語弊があるかもだけど、男性的で且つキザっぽい。でもそこが最高にかっこよくて憧れちゃう。
部活ものは心に響いちゃうなぁ。『Water』のアオハル真っ只中の物語は心が爽やかになるし、でも同時に中心人物4名には秘密で後ろめたい暗い側面があって、そのコントラストが意外にもライトで表裏というか全く同じ方向から眺めているのに不意に影が覗くみたいな二面性的な表現方法で、今どっち側の話題だっけみたいに迷っちゃう。
何はともあれ愛おしい小説です。
その他二作品、もう少しアダルトなでもフラジールな世界観で、と