吉田修一のレビュー一覧

  • パーク・ライフ

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    ネタバレ

    表題作「パークライフ」よりも、同収録「flowers」がとにかく圧巻。

    「同じルートを廻っていると、ふっと外へ飛ばされるような気がする」
    生活に「僕」を縛り付けるような地元のしがらみや仕事のルーティンが、墓石やビールケースなどやたらと重みを強調する仕事で表現される。
    対比される元旦や鞠子の軽やかさ、自由さ。同僚の妻と堂々不倫をしたり、公衆の面前で金太郎の喜劇を演じてみたり。露悪的でありながら、どこか自由。

    心を通わせていたはずの彼らや、また兄弟のように接してきた従兄弟と、どうしようもすれ違っていく瞬間。
    壊れたシャワーを浴びながら元旦を殴り付けたあの日のように、鞠子ともいつか、壊滅的な出来事を迎えるのだろうか。「いち抜けたぁ」とふっ飛ばされる衛星のような、そんな結末を想像してしまうようなラスト。
    吉田修一ならではの何とも言えないモヤモヤ感を存分に感じられる傑作だった。

    オススメです。

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    2025年01月03日
  • 悪人 新装版

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    とても切ないなんとも言えず悲しい物語だった。
    昔映画を先にみててあんまり印象に残らず面白かったイメージがなかったので期待せずに読んだんだけどあっという間に引き込まれた。
    祐一、光代、佳男、佳乃、房枝それぞれの登場人物の誰の立場に立ってもそれぞれの切なさが伝わってきてやりきれない気持ちになった。
    特にうちにも年頃の娘がいるんで人ごととは思えなかった。
    ラストも良かった。祐一にはキチンと罪を償って更生してほしいと思った。

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    2024年12月31日
  • 永遠と横道世之介 下

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    世之介シリーズを読むと世之介が確かにこの世にいた、という気持ちになる。
    読む前と読んだ後では、世界が少し優しく感じる。というか、自分が少し優しくなれる気がする。
    人間の営みとはなんと愛おしいものか。

    最終集ということで、これまでより、少し重いというか、真面目な感じがしたし、世之介を独り占めしてる二千花さんにすこしジェラシーを感じたり、あけみさんに同情したりした。(世之介はこれまで、成り行き的に付き合ってたけど、二千花さんだけは自分から好きになったんだね。)最後に一歩がベストセラー絵本作家になってるのも、ちょっと盛りすぎな感じもあった(自費出版、もしくは静かな広がりくらいでよかったけど、最後はわかりやすい社会的な位置付けをだすんだな、と)

    けど、ほんとに世之介いいんだよね。情景がいい。

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    2024年11月25日
  • 横道世之介

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    読み始めた途端に懐かしさがこみ上げた。
    だらだらと日々を過ごす世之介。だらしないけど優しくて何だか可愛い。
    東京でのいろんな出会い。その場限りの出会い、思い出しそうで思い出せない出会い、大切な思い出になった出会い。どんな出会いも御縁だな。
    じわじわと心に染みてきた作品でした。

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    2024年10月22日
  • 横道世之介

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    朝井リョウがエッセイの中で大好きだと言っていたので読んでみた。
    めちゃくちゃ良かった。世之介が亡くなったと聞いて、涙がとまらなかった。ほんとに、世之介の友達みたいな気持ちになっちゃって。読後の今も、もう世之介はいないのか、と喪失感で涙ぐんでる。

    映画にもなってるみたいなので、映画も見てみたい。
    世之介、めちゃくちゃかわいい。愛すべき隣人。世之介に会えてよかった。

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    2024年10月15日
  • 永遠と横道世之介 上

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    横道世之介シリーズ第三作目。このシリーズはハズレがない。あいかわらずおもしろかった。

    筆者の吉田さんは次のとおり書いてる。本シリーズは気の利いた伏線も回収もなし。世之介とその周辺の人たちのなんてことない日々が綴られている。もう少しいうと、人生とは人の一生から、派手な物語部分を引いたところに残るものではないか、と。

    そのとおり、派手な物語がない本作。でも引き込まれるし、胸をうたれる。それは世之介のなんとも憎めないキャラクターがそうさせているところも大きいけれど、「事実は小説よりも奇なり」の部分もあるなと思う。

    例えばあけみの父の勉の言葉「反対はするよ。…でも、こうも言うよ。芸者は立派な仕事だって。俺は誇りに思ってるって」は涙出たし、世之介のあけみに対する「2番目」発言は世之介なら言いそうで納得感があった。

    小説なので、「事実は小説よりも奇なり」というのはおかしいけれど、本シリーズはいい意味で小説っぽくない雰囲気がとっても好きです。本当に世之介と生活を共にしているような気分になります。

    下巻も期待です。

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    2024年10月14日
  • 愛に乱暴(下)(新潮文庫)

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    すごい面白かった
    一人の女性が旦那の浮気から狂ってくるんだけど、最後の最後にどうしようもなく落ちてしまうのではなく少しの希望が見出されたのがすごく良かった
    『ありがとう。』いい言葉だな
    みんな幸せになって欲しいけど真守だけは不幸になって欲しいの私だけ?
    吉田修一さんの本は横道世之介に続いて2作目読んだけどどれも読みやすくて好きだな

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    2024年10月14日
  • 愛に乱暴(上)(新潮文庫)

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    面白すぎて(気になりすぎて)上を一気読み
    今日から下巻に入るのだが
    人間が壊れていく様がどんなホラーよりも怖いなあといつも感じる

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    2024年10月13日
  • 永遠と横道世之介 上

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    何気ない日常を描いているだけなのに、なぜこんなに引き込まれるのか。
    結末を知っているだけに読み進めるのを怖く感じた。それほどリアリティがある

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    2024年10月08日
  • 永遠と横道世之介 上

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    待ってました!世之介!!

    やっぱりいいですね、世之介の日常^_^
    他人に対して正直で、憎めなくて、ほんとぬるま湯につかっているみたいな心地良さ…笑

    人が生まれる理由は前世でいい事したご褒美っていう理由が素敵です。ブータンの考えが素敵だなーと思いました。

    あっという間に半分読み終わってしまって、残すところ下巻。さみしいなー
    あと半分、大事に読みます!

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    2024年09月19日
  • 永遠と横道世之介 上

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    1作目を読んで早速2作目と思いきや3作目だったという残念なオチ。とりあえず下巻まで読んで、機会があれば2作目に戻ってみよう

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    2024年09月07日
  • 横道世之介

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    平凡な大学生の日常のようでいて、非凡な青年の人生にも思える不思議な作品。続編があるのが不思議なストーリーですが、これから読んでいきます。

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    2024年09月05日
  • 最後の息子

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    「最後の息子」が私には1番刺さってないけど、新人賞選考委員はこういうのが好きだから、1つこういうのを書いてデビューしてくれてありがとうという気持ち。併録の「破片」と「water」がすんばらしい。汗水垂らしながら青春まっさかり!登場人物通しの会話とかシチュエーションが全部すんばらしいんだよなー

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    2025年12月16日
  • 愛に乱暴(下)(新潮文庫)

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    狂気を含む読み物を、私は好きだったんだぁ…と再認識した小説でした☺山本文緒さん、湊かなえさんに並ぶ大好きな作家さんになりそうな予感

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    2024年08月14日
  • 横道世之介

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    最新刊読んだあとで、改めて最初の世之介さんを読みたい衝動がおさえられなかった。
    晩年の彼を知ってからの物語はこうも大きく膨らんでくるのかと、感慨深く。ひとつひとつのエピソードをかみしめるように読み進めた。登場人物たちのその後もちりばめながら時系列が前後しているのがとても心地好く、懐かしいアルバムを紐解くような気持ちだった。







    以下 2017/1/24の感想。

    とある大学生の日常をほんわかとのんびしとした雰囲気が描かれていて。
    結構投げやりであったり、行き当たりばったりで
    とりたてて特別なことも起こったりしないのに
    面白ろおかしく読めてしまう。

    後半になるにつれ、主人公のその後が描かれていくあたりがとても切なくなってくるのけれども
    彼の言動のひとつひとつが心に残って
    映画をみているような余韻。

    読後感もとてもよかった。

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    2024年07月30日
  • 春、バーニーズで

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    精密な文章。

    都会の車窓から流れゆく景色のように、流れゆく思考にトドメを刺さず、ダダ漏れさせていく。あっかもしれない世界線に思いを馳せながら、今を生きてしまう

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    2025年12月16日
  • 横道世之介

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    すごくいい作品でした。世之介の立ち振る舞いはもちろんのこと、大学生活とか状況生活のそれっぽさがにじみ出てきている。こういう作品が読みたかった。ところどころに描かれる未来の様子がラストを際立たせていた。

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    2024年07月15日
  • 湖の女たち(新潮文庫)

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    何も考えず相手の思うように服従したい思い。それを感じ取り同じように佳代を自分の思うように扱う圭介。異常に感じる佳代と圭介の関係がとても不思議でお互い出会ってから直ぐに感じ取ったのだろう。言わば運命の出会い。
    その2人の周りで子供が殺人の関与している雰囲気が漂っている。そして何の罪のない人が疑われて精神を崩してしまう。実際にありそうだ。そんな世の中なんだと教えられた気がします。
    読み終えてスッキリとはしないが、スラスラ読めてしっかり余韻に浸れた作品でした。

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    2024年07月10日
  • 最後に手にしたいもの

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    世界の見え方がとても綺麗で、でもクスッと出来るエッセイ
    日常から旅の記憶、機械音痴あるある、ペットの猫のことまで様々な日常をここまで綺麗な文章に纏められるの素敵だなと

    確かに機内で読みたいなぁと

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    2024年05月16日
  • もの書く人のかたわらには、いつも猫がいた NHK ネコメンタリー 猫も、杓子も。

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    とてもとても良かった、今まで読んだ猫にまつわる本の中で1番良かった。最後の養老孟司のパートの1番最後の節が本当に好き。

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    2024年02月18日