吉田修一のレビュー一覧

  • 初恋温泉

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    短編集です。かなり好きな作品でした。
    表題作は、そのタイトルから想像していた内容とは全く違いました。読み終わった時、なるほどそう来たか、と思いました。
    ただの恋愛小説かと思って読んだら良い意味で裏切られます。切なく、ほろ苦さのある味わい深い作品でした。

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    2021年11月03日
  • 路

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    台湾高鉄が開業までの道筋を、日台のさまざまなキャラクターの目線から伝える半分ドキュメンタリーのような小説。
    一気に読めました。
    台湾の文化や台湾人の考え方や感覚まですごく丁寧に表されていて素晴らしいと思った。

    春香が抱いた、
    台湾の人が日本を思う気持ちに比べると、日本人が台湾のことを知ろうとする気持ちは、あまりにもお粗末としか言いようがない、
    という気持ちにも非常に納得。

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    2021年10月03日
  • 最後に手にしたいもの

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    どのお話も旅に出ているような気分になれだけど、台湾でマルーン5が最高でした。
    私もコロナ前はとあるバンドを追っかけて海外へ行っていました。コロナ禍が落ち着いたらまた絶対に行くつもりですが、ライブが始める前のドキドキした気持ちや周りのお客さんとの会話。どれもこれも共感できる話ばかりで涙ぐんでしまいました。本当に旅は素晴らしい。早く行けるようになると良いな。

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    2021年06月12日
  • ウォーターゲーム

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    日本版、MIF(Mission Impossible Force)のようなAN通信社シリーズは、この三冊で完結と書いてある。
    まだ、続きを書いてほしいと思う。
    スケールが大きいコンゲーム。
    しばし、時を忘れて別の世界へといざなう娯楽作品だ。
    小説も、映画も、ぜひ次回作の制作を祈念しております。

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    2021年03月25日
  • 森は知っている

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    映画は、「太陽は動かない」と本作品「森は知っている」をあわせて、また違った作品を構築していた。
    どちらも、時を忘れて楽しめた。
    次巻の「ウォーターゲーム」を早速読み始める。

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    2021年03月25日
  • パレード

    購入済み

    シェアハウスの内情

    昨今シェアハウスをしてる人が増えている中、それぞれの暮らしの日常を、部屋の上から見ている感覚で読めました。人には必ず影がある。しかしシェアハウスと言う空間の中では、自分の意思ではなく、自然と別人格を演じる事になる可能性を感じる作品でした。ラストは衝撃的な展開です。

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    2021年03月12日
  • ウォーターゲーム

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    文句なく面白い。
    シリーズの映画のCMもやってるけど、個人的にはちょっとだけイメージが違うかも。

    シリーズものだと知らず一作目が未読なのが残念。今から読んでもちゃんと面白いかしら?
    中盤で興奮の種明かしがあってそこからのスピード感が気持ちいい。こういう展開、読後感がよろしくて好き。

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    2021年03月04日
  • 最後の息子

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    面白かった。

    3つの短編どれも読み終わるとスーッとした。
    どの主人公もとても順風満帆とは言えない生活の中で、周りを思いやり思いやられながら言葉を選び、周りと共存していく。

    ちょっと荒み気味のガサついた心が癒された気がする。

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    2021年02月20日
  • 犯罪小説集

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    瀬々敬久監督の”楽園”が素晴らしすぎたので、その原作が読みたくて拝読。

    神話的な雰囲気さえただよう短編集。
    犯罪小説集というタイトルが想起させるようなハードボイルドな感じの事件は一つもない。

    ただ必死に生きていただけだった。
    それなのにどうしてこんなことになるんだろう。
    罪を犯しているのは誰なんだろうか?
    犯人?社会?運命?
    ただ”生きている”、そのことが罪なのかもしれない。

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    2021年01月19日
  • 犯罪小説集

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    人間、堕ちて行く時は、このままじゃダメだ!って分かってて、それでも「今」を変えられなくて堕ちていくものなんだなと改めて思った。
    ダメだ!と思って踏みとどまる意識がある時に、まだ戻れる道が見える時に戻らないと。

    私って流されてしまうタイプだから、たまに 堕ちた生活に身を置く自分を簡単に想像出来てしまう。
    怖いわ〜>_<
    これ以上何も求めないから、どうかこれ以下になりませんように。

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    2021年01月12日
  • 怒り (上)

    凄いです

    とにかく凄い小説です。
    私は不勉強でこの作家さんを知りませんでしたが、これから1作ずつ読んでいこうと思います。
    場違いですみませんが映画も凄かったです。
    映画のラストシーン、泉(広瀬すずさん)の目付きが変わるところは、小説にしかないその後の行動を予感させるものでしたが、映画と小説で描き方が変わっても同じメッセージは伝わります。
    感想言うとキリが無いですが、小説のラスト、辰哉の手紙で物語が終わりを迎えた感じがしました。
    そしてこれからこの人たちの人生と闘いは続いていく、その予感はそのまま本を読んだ読者にもはね返ってくるのではないでしょうか。
    文学って凄いなと改めて実感しました。

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    2021年01月03日
  • ウォーターゲーム

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    吉田修一の鷹野一彦シリーズの第3作目。(2018年5月単行本、2020年8月文庫本)。
    2作目の「森は知っている」の17歳の鷹野一彦が3作目で34歳になっていた。1作目の「太陽は動かない」の時は31歳だから、順番が違っているように見えるが、この順番で物語を追うのが正解。
    「太陽は動かない」での田岡亮一、デイビッド キム、AYAKO、中尊寺信孝も今作でも主要人物として登場する。そして「森は知っている」で失踪した鷹野の親友の柳勇次も。
    鷹野の部下の田岡は立派なエージェントに成長、韓国のエージェントのデイビッドは引退していたのに引き戻される。AYAKOは相変わらず敵か味方かわからない動きをするが結局

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    2020年08月22日
  • 犯罪小説集

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    オチ(救い)のない短編集5篇。このうち2篇がカップリングされる形で「楽園」として映画化されている。

    映画になった、村八分にされた男が狂気に囚われていく話が一番やるせなかった。

    高校野球で活躍した元プロ野球選手が金銭トラブルでドツボにハマっていく話は、元ファンの目線から物語が悪いほう悪いほうへと進行してのだけど、引き込まれた。

    オーディブルだと1つの話が約2時間。波乗りに向かう車内で聞くのにちょうどよかった。

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    2020年08月10日
  • 橋を渡る

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    吉田修一にハマって読み続けた中の〜一冊。
    悪人〜横道世之助、
    国宝〜なんてすごい人なんだろう!苦しみ、悲しみ悶えながら読んだ。
    吉田リアリズムで説得力抜群
    なんせ、あちらこちらのセリフに痺れる
    読んだのは何年も前
    それでもこのくらいのことは思い出す。畏敬の念は拭えない。
    好きダァ。
    理想は何度も読みたい、現在読書数を目指してるので。
    好きな作家ベスト10の一人。

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    2020年08月06日
  • 森は知っている

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    吉田修一の鷹野一彦シリーズの第2作目。(2015年4月単行本、2017年8月文庫本)。
    第1作目の「太陽は動かない」の主人公、鷹野一彦がエージェントへ訓練されていく17歳高校3年生時代の物語。同時に上司の風間武が記者からAN通信のエージェントになる背景も明かされ、鷹野と風間の強い絆も描かれる。
    鷹野と同じ境遇の親友の柳と共に沖縄の離島で高校生活を送りながら訓練を受けていたが、柳が突然姿を消す。逃亡したと思われたが、姿を消した背景にどんでん返しの結末が待っていて、これは面白い。
    鷹野のエージェントとしてのテストを兼ねた初ミッションの仕事ぶりが「太陽は動かない」での31歳の円熟した優秀なエージェン

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    2020年08月01日
  • 路

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    つい先日まで波瑠さん主演でドラマをやっていたことと、
    台湾新幹線(台湾エクスプレス)の話とのことで、手に取ってみました。

    大枠では、台湾新幹線を横糸として、そこに、
    4組の男女の物語が縦糸として、彩をあたえていく流れ。

    台湾には未だに行ったことがないのですが、風景、人々、食べ物、文化が、
    本当に目の前に浮かんでくるようでした、、ドラマのおかげなのかもですが。

    1組目は、学生時代に台湾で出会った、台湾人の男性と日本人の女性、
    阪神大震災、台湾大震災を経て、台湾と東京でそれぞれの「路」が交差します。

    彼らが生きてきた世代は、まんま自分とも重なっていることもあり、共感も一入でした。

    2組目

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    2024年05月18日
  • 森は知っている

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    「国宝」の書評やレビューをみて、吉田修一さんという作家を知り国宝が文庫になったら読もうとおもってたんだけど、我慢できずに手に取った一冊。

    のほほんとした島の生活にカモフラージュされた、壮絶な組織の中での任務。二つの対比の振り幅が大きいからこその魅力だと思う。
    冷たく機械的な対応としかおもえないAN通信の人々。そもそもの出自が幸せとはいえない人の集まりなのだから仕方がない、という思い込みはみごとに裏切られた。
    想像をはるかに越えるおもしろさで、吉田作品にはまりそう。

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    2020年05月22日
  • 森は知っている

    購入済み

    読後爽やか

    最後まで一気に読みました。
    主人公の成長と共に青春もちゃんとあって、
    悲惨な境遇だけじゃない事がよかったです

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    2020年05月01日
  • 橋を渡る

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    吉田修一を読むのははじめて。日常に潜む些細な不穏を描くのが巧いなァと読み進み、最後の章で仰天した!まさかの?!着地点も余白たっぷりで読後の余韻もまた愉しき一冊。

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    2020年04月16日
  • 最後の息子

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    吉田修一初期の作品、ということで文学的な香りが漂う3作品。この人の文章何というかかっこいいんだよなぁ。語弊があるかもだけど、男性的で且つキザっぽい。でもそこが最高にかっこよくて憧れちゃう。

    部活ものは心に響いちゃうなぁ。『Water』のアオハル真っ只中の物語は心が爽やかになるし、でも同時に中心人物4名には秘密で後ろめたい暗い側面があって、そのコントラストが意外にもライトで表裏というか全く同じ方向から眺めているのに不意に影が覗くみたいな二面性的な表現方法で、今どっち側の話題だっけみたいに迷っちゃう。
    何はともあれ愛おしい小説です。

    その他二作品、もう少しアダルトなでもフラジールな世界観で、と

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    2020年03月15日