吉田修一のレビュー一覧
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ネタバレタイトルと装丁に惹かれてほぼジャケ買いの一冊でしたが、
タイトルにそんな意味があったとは…。
ひょんなことから昭和の大女優・和楽京子こと石田鈴の自宅整理を手伝うことになった岡田一心。
回想での女優としての和楽京子の描写はまるで本当に映画を見ているような熱感で、
一方で現在の鈴さんは穏やかな時間のなかで生きていて。
片付けを通して鈴さんの歴史に触れ、読み終わる頃には一心とともにすっかり鈴さんの虜になってしまいました。
幼馴染の佳乃子を原爆で亡くした経験を持つ鈴さんと、わずか9歳の妹・一愛を亡くした経験を持つ一心。
鈴さんのかつての恋と、一心の恋心。
ふたりの共通点が見えてくるうちに、だんだん -
Posted by ブクログ
2026.04.22 ★4.6
上巻は静かに淡々と時間が流れ、下巻からは怒涛の展開。
3ヶ所に居る身元不詳の男は一体誰なのか
誰が誰を信じていて、誰が誰を信じられないのか
「怒り」は誰が誰に向けたものなのか
一気に色々なことが起こり、ページをめくる手が止められない。
正直、読み進めるのが辛く感じる展開もあったが、ほんの少しだけ光が見える終わり方だった。
↓↓↓内容↓↓↓
山神一也は整形手術を受け逃亡している、と警察が発表。
洋平は一緒に働く田代が偽名だと知り、
優馬は同居を始めた直人が女といるところを目撃し、
泉は気に掛けていた田中が住む無人島であるものを見てしまう。
日常をと -
Posted by ブクログ
吉田修一の描く群像劇はやはりピカイチだと思う。
とても素敵な作品だった。
台湾に日本の新幹線が走る。
商社の台湾支局に勤める春香と日本で働く建築家・人豪の巡り合い。
台湾で生まれ戦後引き揚げた老人・勝一郎の後悔。
「今」を謳歌する台湾人青年・威志の日常。
新幹線事業を背景に、
日台の人々の国を越え時間を越えて繋がる想いを色鮮やかに描く群像劇。
出てくる登場人物たちが皆何らかの形で台湾新幹線に関わっている。
これは非常に高等なテクニックだとも思った。
何気ない日常を描き、何でもない台湾人青年に至ってもそういう流れになる。
群像劇で一番難しい繋がりを、いとも簡単に描いている点は流石の一言。
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Posted by ブクログ
当初想像していたのとはだいぶ違う内容だった。それは勿論良い意味で。
心に傷を負った大学院生の岡田一心は、
伝説の映画女優である和楽京子こと石田鈴の自宅で荷物整理を手伝うことに。
引退した今なお美しい鈴さんの胸に秘められていた波瀾万丈な映画人生、
原爆が奪った運命と大切な人たち。
その過去に触れるうち、一心の胸にあたたかな光が灯る。
吉田修一作品で言ったら横道世之介に分類される読みやすさと温かさであった。
何より、鈴さんの生きた人生が本当に胸に刺さる内容であった。
ミス・サンシャインに込められた皮肉、
そんなことにも気付けなかった己の無知さ加減も含めて。
鈴さんという存在によって、
主人公