吉田修一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
日経新聞に2025年4月1日から26年4月12日まで一年間連載。
日経電子版で読んだ。
最初はとっつきにくい感じがした。
現代ビジネスマン、ビジネスウーマンを主役としたビジネス小説かと思ったのだ。
それは、間違いではなかった。
しかし、それは本作の一側面。
40歳の登場人物たちの中には、積み重なった濃密な時間が堆積している。
それをタイトルの『タイム•アフター•タイム』は表している。
時の堆積の中でも、とりわけ特権的な時が存在する。
登場人物たちにとっては、それは18歳の時。
「タイム」は現代と18歳の時代を往還し、そして18歳から40歳までの時の蓄積をも炙り出してゆく。
本作を毎朝読むのが -
Posted by ブクログ
偶然にも知り得た吉田氏のエッセイは、心に響いた。本書もすぐに読んでみようと思っていた。個人的にも、旅は、いいものだ。
本書は、航空機内誌に連載されていた25編のエッセイを纏めている。カバーが、圧巻だ。椰子の木と
その椰子の木の周囲を取り囲む岩場等、ちぎれ雲とのコントラストが筆舌し難い。見事に夏の一瞬を切り取っているように見え、非常に目に映える。
筆者は、中国語を勉強しているようだ。日本語と中国語との発声方法の違い等を知ると、中国語に対するイメージ等も変わるという。さらに、筆者は、新しい言葉を学ぶ楽しさを述べている。確かに、学習直後は、特に楽しいだろう。
中国語の勉強を始めた筆者と、中国 -
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吉田修一さんの恋愛小説。
テレビ局に勤める俊平は、公園で出会った聴覚にハンディキャップを持つ女性・響子と恋に落ちる。
静かで穏やかな日々を重ねていく二人は、俊平が仕事で忙殺されるなかで、すれ違いが積み重なっていく。
俊平と響子は言葉を交わせない分、伝えたいことを精査して文字で伝えるため、余分なことを省略するのが当たり前になってしまう。だけど、その余分なことが相手を知るために必要なこともあり、心が通じ合えるほどの関係に至っていなかったことに気付かされる。
思っていた以上に相手のことを知らず、知らないことに薄々気付いていたのに知ろうとしなかった俊平の気持ちが見えてくる描写がとても良かったです。
二 -
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若者の群像劇と思いきや、予想外の結末に読後は呆然としてしまいました。
悩みを相談したり、ご飯を食べに行ったり、一見仲が良さそうな4人ですが、『本来の自分』と『同居を成立させるための自分』の違いがそれぞれの視点で描かれています。サトルという人物が登場することで、4人をより客観的にみる視点が加わり、この関係性の違和感に気付かされていきます。特に印象的だったのは、直輝の章で、「相手に思いやりを示さないことで、いつの間にか俺は、彼らの良き兄貴分に祭り上げられている」という一文がありますが、それはあくまで主観であったことを結末で知らされるところです。
仲が良さそうに見えて、誰も本来の自分をださないし、誰 -
Posted by ブクログ
子供が大人になること、
子が親になること。
これは違うと感じた。
自立、自律との関係はどうだろうか。
人生は個人の物語だ。
主体は自分にしかないけど、全てに影響を受けるし与える。流れがある、偶然がある、人との関係がある。
でもどうにかはなる。
ならないことなんてない。
だから因果は自分の意思と行動にある。
コントロール出来るのも自分、他は期待しない。
何にすがって生きるのか。
人生はそれさえも偶然であり選択なようで運命めいたものでもある。
死んでしまえばきっと何も分からない。
後悔したか納得したかも。
長生きは得なのかもしれない。健康は最重要。
やっぱり「今」だ。
シンプルに今を生 -
Posted by ブクログ
ネタバレタイトルと装丁に惹かれてほぼジャケ買いの一冊でしたが、
タイトルにそんな意味があったとは…。
ひょんなことから昭和の大女優・和楽京子こと石田鈴の自宅整理を手伝うことになった岡田一心。
回想での女優としての和楽京子の描写はまるで本当に映画を見ているような熱感で、
一方で現在の鈴さんは穏やかな時間のなかで生きていて。
片付けを通して鈴さんの歴史に触れ、読み終わる頃には一心とともにすっかり鈴さんの虜になってしまいました。
幼馴染の佳乃子を原爆で亡くした経験を持つ鈴さんと、わずか9歳の妹・一愛を亡くした経験を持つ一心。
鈴さんのかつての恋と、一心の恋心。
ふたりの共通点が見えてくるうちに、だんだん